2013年8月10日土曜日

8/9 勉強会:【事業税】ソーラーシェアリングと個人事業税 ほか

総額表示義務の時限的撤廃で復活した端数処理の特例


1H25.10.1H29.3.31迄の間、総額表示義務が撤廃
2H26.4.1以降行われる資産の譲渡等から、当分間、
税抜表示をした際も「端数処理の特例」を適用可能に
※現行は、対消費者取引では総額表示した場合のみ特例が適用可能

<仮受消費税の計算方法>
税抜130円と230円のものを売った場合

【原則】
①申告書上で計算する仮受消費税
(130+230)×5%=18
⇒仮受消費税は、18

②商品を販売したときの消費税の受入れ
130×5%=6.5  → 6
230×5%=11.5 → 11
⇒合計17円の消費税を受入れ

→①と②の差額の1円は、事業主の負担

【端数処理の特例】
・申告書の仮受消費税を、
②で計算した17円とすることができる(積上げ法式)


2.レジ・決済画面だけの誤認防止表示はNG(消費税)


■総額表示義務の特例について
①値札には総額表示が原則
②消費税の税率変更に伴い、本体価格のみの表示も可へ
③税込か税抜かは値札ごとに表示をする、または、
 目につきやすい場所に「税抜価格である旨」の掲示をする
④レジ周辺、カタログの申込用紙、決済画面など、
 消費者が商品購入の意思を決定したあとに
 訪れることになる場所のみでの「税抜価格である旨」の掲示は不可

■消費税の転嫁を阻害する表示について
①NGとなる具体例
 「消費税8%分還元セール」
 「消費税は当店が負担します」
②OKとなる具体例
 「3%値下げ」
 「5%還元」

調査で認容の役員給与、損金算入認めず(法人税)


■課税当局の判断
①勤務実態のない代表取締役に対する役員給与
 →定期同額給与など役員給与の損金算入要件を満たしていたため認容

■審判所の判断
①給与とは職務の対価として支払われるものをいう
 →職務の対価としての意味を持たないもの、
  職務以外の事由により支給を受けたものは
  役員給与と解釈できない
 →勤務実態のない代表取締役に対する役員給与計上額が
  職務の対価としての意味を持つものということはできない
 ⇒代表取締役に対する役員給与とは認められない


4.【生産等設備投資促進税制】

■制度の内容
製造業等を営む法人が生産等設備を購入した場合に、
税額控除又は特別償却が受けられる制度。
H25.4.1H27.3.31までに開始する事業年度について適用。

■適用要件
①生産等設備の年間購入額>減価償却資産の当期償却額
②今年の生産等設備の購入額>前年の生産等設備の購入額×1.1
のいずれも満たす場合に適用

■特別控除・特別償却
特別控除 取得価額の3%
特別償却 取得価額の30%
(注)機械装置の取得価額に対してのみ適用がある

■生産等設備
製造業等の事業の用に直接供される減価償却資産
該当するもの・・・工場建物、製造用機械装置など
該当しないもの・・・本店建物、事務用器具備品、乗用車など


5.【事業税】ソーラーシェアリングと個人事業税

農地を一時転用して太陽光発電の売電収入を得る事業を
ソーラーシェアリングという。

農業で使用した余剰電力を売電する場合は
所得税上農業所得に付随する収入として、
『事業所得』、全量売電の場合は『事業所得』または『雑所得』とされる。

■農業の所得は個人事業税上非課税だが、
ソーラーシェアリングの余剰売電収入は??
・所得税上農業の付随収入とされるものは事業税上も農業の収入として扱われ、
非課税になる。

■全量売電で所得税上雑所得になる場合の個人事業税上の取扱いは?
・雑所得なので個人事業税上は課税対象外。

■全量売電で所得税上事業所得になる場合の個人事業税上の取扱いは?
・課税される。ただし290万円の所得控除があるため、
 それ以下であれば課税なし。


6.■資本取引・損益取引区分の変質(H17会社法で変わった)

資本性資本:資本金、資本準備金、その他資本剰余金
利益性資本:利益準備金、その他利益剰余金

(旧商法)
・グループ内の振替を制限
・グループ間は利益性資本から資本性資本への振替はOK
逆方向はNG
(会社法)
・グループ内の振替を解禁
・資本性資本からの配当も解禁
・グループ間の振替を原則禁止。

(旧商法)
・債権者保護-払込資本は維持すべき
 ⇒利益準備金の資本組入や配当可能利益の資本組入はOKだが、
逆方向への動きは厳しく制限
(会社法)
・形式的な「資本維持」思考を放棄した。
・払込資本と利益剰余金を種別

7.ミャンマー 進出時の注意点


・事務所賃料と人件費のインフレ率
・商業用施設の需給が逼迫⇒高いオフィス賃料
・人件費も今後、外国企業の進出により
急速に高騰することが予測されている


8.インサイダー情報の管理


※公表済みの直近予想値から変わった情報は要注意
※具体的な数値、プロジェクト名等を伝えなくても要注意
※自ら株取引をしなくても情報を漏らすこと自体が法令違反

(CASE1)
・上場会社の経理担当者
・決算中に当期は予想以上に業績がいいとの感触
・同窓会で近況を聞かれ「会社の業績がいい」と話した

(CASE2)
・上場会社でM&Aチーム担当
・行きつけのバーで発言
 「ビックプロジェクトに関与している」
 「これがうまくいけば凄いことになる」

9.循環取引について


売上: A社がB社に売上計上 → B社がC社に売上計上 
     → C社がA社に売上計上

資金: A社がC社に代金支払 → C社がB社に代金支払 
     → B社がA社に代金支払

 【目的】
  ・売上高の増加、シェアの拡大
  ・在庫年齢若返り
  ・業績回復までの時間稼ぎ

 【特徴】
  ・実在する取引先と共謀することが多い(架空取引先の活用は少ない)
  ・取引先は非上場会社を使うことが多い
  ・資金決済は実際に行われることが多い
  ・取引実態の偽装(証憑偽造等)は徹底して行われることが多い

 【資金負担発生と別の粉飾】
  利益を乗せないと取引として不自然
  ⇒しかし利益を乗せると取引先に資金負担が発生
  ⇒別の架空取引で資金を流す(業務委託等の役務サービス等で)


10.子会社設立時に注意が必要な消費税の事業者免税点制度の見直し

H24年改正
 課税売上高5億円超の事業者が50%超を支配する会社を新設した場合
⇒資本金の額が1,000万円未満であっても、免税事業者とならない
 ※H264/1以後に設立される法人に適用

EX.
①当社が新規設立

      当社(課税売上高:5億円超)
       ↓51
      新設法人⇒課税事業者

②当社の親会社が新規設立

      親会社
       ↓100%     ↓51
当社(課税売上高:5億円超) 新設法人⇒課税事業者


11.中国「逆回転」

①共産党の構造と中国経済
・選挙がない中国の政治家の出世は、担当する地域の経済成長率で決まる
・地方政府は経済成長底上げのため、公共工事に走る

②シャドーバンキングとは何か
・中国では、銀行の金利・貸出条件に厳しい条件が課せられる
・地方政府への資金の新たな担い手が「シャドーバンキング」

③「リコノミクス」の3本の矢
・財政出動の抑制
・過剰融資の是正
・産業構造の改革
⇒ 中国共産党の大転換ともいえる意識変化



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