2014年5月19日月曜日

5/16 勉強会:【接待飲食費Q&A】ポイント 他

1.グリーン投資減税制度から除外された設備は?

【主な除外設備】(H26.4.1以後に取得する場合、対象とならないもの)
LED照明
・ガス冷房装置
・高断熱窓設備 等
(合計12設備)
⇒除外されたものは、「生産性向上設備投資促進税制」で税制優遇を受けられる可能性あり

※グリーン投資減税制度と比較して、要件は厳しくなるが、
 -中小企業でなくても税額控除ができる
 -28.3.31まで即時償却制度が使える(グリーンの場合は、27.3.31まで)
など、メリットもある


2.裁判所による法人税法132条の2の解釈

132条と132条の2の租税回避の判断基準は異なる

132
・経済合理性や事業目的の有無によって判断すべき
・「租税回避以外に正当な理由、事業目的が存在しないと認められる場合」に限って租税回避となる

132条の2
・その創設の趣旨・目的を踏まえて判断すべき
・「税負担の減少効果を容認することが組織再編税制の趣旨・目的または個別規定の趣旨・目的に反することが明らかであるもの」は租税回避に当たる

■参考
・法人税法132条:同族会社等の行為又は計算の否認
・法人税法132条の2:組織再編成に係る行為又は計算の否認


3.四半期の企業結合に係る会計処理決定へ

(企業結合に係る暫定的処理について)
企業結合の際の取得原価を配分する作業が、決算前に完了しなかった場合
→決算においては、その時点で入手可能な情報を元に暫定的に会計処理を行う。
→翌期に確定後、取得原価の配分額の見直しを反映させる

■四半期会計基準での取扱い
従来:明示されていない
改正後:
・企業結合日の属する四半期会計期間に遡って会計処理を行う。
・確定した旨を注記
・1株当たり情報を遡及

→平成2741日以後開始事業年度の期首以後に実施される企業結合から適用
(平成2641日以後、早期適用も可)


4.接待飲食費、ゴルフ等の飲食費は対象外

・国税庁の接待交際費に関するFAQ
◇飲食費の対象(損金算入)
例①自社従業員が得意先を接待するための飲食代
②飲食のためのテーブルチャージ
③飲食のための会場費
④得意先との業務遂行のための弁当代
⑤飲食店での飲食物を持ち帰るための費用

◇飲食費の対象外(損金不算入、交際費に該当)
例①ゴルフ等に伴う飲食代
②接待の為に得意先を送迎するための送迎費用


5.消費税転嫁対策調査、税込価格”据え置き”に照準

公取委は転嫁対策調査に税率引上げ後も価格を据え置いている企業をターゲット

◇税込み価格”据え置き”は買いたたきの可能性大
・税込み価格を据え置くと売上高が税率上昇分減少
 →売上減少分を納入者に負担させる可能性大
 →買いたたきの可能性大
※買いたたきと判断された場合重大な違反があれば『勧告・公表』がなされる


6.決算期変更による節税案

①決算期直前に突発的な収入が生じた場合に有効。
②決算期変更により翌期へ繰越した収入について、1年かけて税金対策を検討する猶予がうまれる。

()
3月決算法人において3月半ばに突発的な収入が生じた。
・決算期を2月決算へ変更し、一時的に臨時収入分の納税負担を回避することが可能となる。

・翌期へ繰越された臨時収入分につき、事業年度を通じて税金対策を検討する猶予が可能となる。 主に費用項目を増額し課税所得を少なくする。

<手続>
・定款変更に伴う株主総会の特別決議が必要
 (議事録の作成必須、登記は不要)
 ⇒書面上、2月末日までの日付を記載すること

・税務署等へ事業年度変更に伴う異動届出書の提出が必要
 ⇒申告書の提出期限(4月末)までに提出すること

<変更への意思決定>
・遅くとも決算日の半月前までに決定する必要あり
 ⇒変更後の納期限日を考慮すること



7.不適切な会計・経理を公表した会社が過去最多(東京商工リサーチの調査結果より)

2013年度(20134月~20143月)に「不適切な会計・経理」で過年度決算に影響が出た、あるいは今後影響が出る可能性を開示した上場企業は38社だった。
2012年度(27社)と比べ1.4倍増で、2007年度に調査を開始以来、最多を記録した。

◆発生当事者 「会社」が13社でトップ
1・会社 13
2・子会社・関係会社 12
3・役員 8
4・従業員 5

役員による不正が2012年度の2社に比して大幅に増加している。

◆業種別 運輸・情報通信業が9社で最多
1・運輸・情報通信業 9
2・サービス業 7
3・製造業 卸売業 各6
4・小売業 5

◆市場別推移 ジャスダック13社でトップ
1・ジャスダック 13
2・東証1部 10
3・東証2部 東証マザーズ 地方上場 各5

◆増加の要因について
役員による不正が増加していることからも、業績低迷による会社ぐるみの不正が増加している。
一方で監査法人の監査の厳格化、証券取引等監視委員会の検査の活発化したことも大きい。


8.【接待飲食費Q&A】ポイント

■改正内容
中小法人以外の法人について「接待飲食費」の50%相当額につき、損金算入が認められることになった(中小法人は年800万との有利判定)

■接待飲食費に該当しないもの(抜粋)
 ゴルフ・観劇・旅行等の催事の一環として行われる飲食
⇒催事に吸収される行為のため非接待飲食費
(注)旅行解散後に一部の取引先を誘って飲食した場合は接待交際費となる。

■接待飲食費に該当するもの(抜粋)
・親会社の役員等の接待のための飲食費
・自社から出向している者が、出向先の役員等として参加する場合の飲食費
(注)自社の懇親会に、出向中の役員等が自社の役員等として参加する場合は、社内飲食費となり非接待飲食費。

■帳簿記載事項
・年月日
・相手方の名称&その関係
・飲食店名
・その他飲食費であることを明らかにするために必要な事項


9.消費税:みなし仕入率改定 9/30迄の提出で旧みなし仕入率

H27.4.1以後に開始する課税期間から、金融保険業、不動産業のみなし仕入率が下がる。
H26.9.30迄に簡易課税選択届出書を提出すれば、強制継続適用期間(2)は旧みなし仕入率が適用される。

例①
3月決算法人がH26.8.1に提出
H28.3月期、H29.3月期が旧みなし仕入率

例②
3月決算法人がH26.3.1に提出し、H27.3月期より簡易課税
H28.3月期は旧みなし仕入率、H29.3月期は新みなし仕入率

例③
3月決算法人がH25.3.1に提出し、H26.3月期より簡易課税
H28.3月期、H29.3月期ともに新みなし仕入率適用(特例適用なし)


10.加速型自社株買い(ASR

・予め契約した金融機関から、一度に大量の自社株を取得する手法
・日本ではまだ事例なし

スキーム
A社が自己株式100万株の取得を計画
B証券がA社株式を貸株で調達
A社はB証券から100万株を10億円で取得
B証券は6ヶ月間で市場からA社株式を12億円で取得(その後、貸株返済)
A社はB証券に差額2億円を支払(現金かA社株式で決済)
⇒処理にルールがなく企業会計基準の新規テーマ候補になっている。


11.固定資産〈減損損失を計上しないための施策〉

()減損損失
  投資額の回収可能性を評価し、業績悪化等により回収が見込めなくなった時点で減損

()減損しないための施策
・営業活動の改善
・使用範囲、使用方法の変更(異なる用途への転用)
 →転用は「減損の兆候」
 →ただし、明らかに評価を増加させる転用は減損の兆候にあたらない
・経営環境の改善
 →経営環境の悪化は「減損の兆候」
・将来キャッシュフローの改善
 →減損の兆候が識別されても、
  将来C/Fの総額が帳簿価格を下回らなければ減損不要


12.買主による対象会社の情報収集

買主が独自に入手できる情報は以下の通り。
・法定開示書類→有報等
・取引所関係資料→適時開示資料等
・任意開示資料→会社パンフ等
・官公署や業界団体公表資料→会社登記簿等
・株主等の利害関係者として閲覧可能な資料→株主総会議事録等
・民間調査会社→帝国データバンク等の調査報告書
・その他→新聞雑誌ネット上の記事


13.社外取締役の探し方

議決権行使助言会社であるISS社(Institutional Shareholder Services Inc.)は下記の場合、独立性が無いと判断されるとしている
・会社の大株主である組織で勤務経験あり
・会社のメインバンクや主要な借入先で勤務経験あり
・会社の主幹事証券で勤務経験あり
・主要な取引先である組織において勤務経験あり
・会社の監査法人において勤務経験あり
・コンサルティングや顧問契約など重要な取引関係が現在ある、もしくは過去にあった
・親戚が会社に勤務している

⇒従来からのメインバンク、取引先、監査法人、法律事務所からの受け入れは会社法改正案の要件は○
しかしISSの基準は満たさないため、ISSが反対を推奨する場合には選任されない可能性がある。

⇒対して日本版スチュワードシップ・コード(金融庁)は「機関投資家が議決権行使助言会社のサービスを利用する場合でも、機械的に依拠せずに投資先企業の状況や対話の内容等を踏まえて自らの責任と判断で行使すべきであり、仮に議決権行使助言会社のサービスを利用している場合は、行使結果の公表に合わせ、利用している旨及びどのように活用したかについても公表するべき」としている。

具体的にどう探すか
⇒人材紹介会社の利用、コンサルタントによる紹介、日本取締役協会データベース


14.役員給与の税務

■利益連動給与
 業績連動型の報酬。要件を満たせば損金算入OK
  ・算定方法が客観的な数値であり、具体的
    ※例 経常利益の5% …×
         1億円を上限  …◯
  ・利益が確定した一ヶ月以内に支払われるor支払われる見込み
  ・損金経理をしている
  ・非同族会社である

■経済的利益
 定期同額給与=定期給与+一定の経済的利益
 所得税の給与計算において非課税とされるものは経済的利益としない
 
 ・生命保険料(年払いでも定期同額給与に含む)
   ※3ヶ月以内の改定が必要なのは定期給与のみ

■使用人兼務役員
 法制上はあくまでも役員

 ・使用人賞与
   ※同族会社の場合、株式所有割合に注意


15アプリ提供業者の消費税納税

【アップストアでアプリを提供した場合】
・取引形態=国別に代理店と取引
・「海外取引の証拠」=代理店との取引記録
→海外売上分は輸出免税

【グーグルプレイでアプリを提供した場合】
・取引形態=個人と直接取引
・「海外取引の証拠」=グーグルから提供される「国別売上高データ」のみ
→海外売上の証拠「なし」となり、輸出免税なし

※輸出取引の証明には、販売先の氏名・住所が必要
→グーグルは個人情報保護のため情報提供を拒否

国税が、今になって過去数年分さかのぼって消費税を徴収開始。
(ガンホーが応じてしまったため他社にも広がっている)





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