2018年7月9日月曜日

7/6 勉強会:「収益認識に関する会計基準」の公表に伴う財務諸表等規則等の改正について 他

1.国際観光旅客税の創設について

■国際観光旅客税の創設
・納税義務者:本邦から出国する観光旅客その他の者
・課税の対象:本邦からの出国
・非課税:航空機による乗継旅客(24時間以内に本邦から出国するもの)、2歳未満の者など
・税率:出国1回につき1,000円
・特別徴収制度:個々の納税義務者でなく事業者が徴収し、まとめて国に納付する
・適用時期:平成31年1月7日以後の本邦からの出国




2.発行会社への株式引渡しで時価譲渡課税

■概要
・非上場会社が株主関係整理のための自己株取得
・譲渡価額は3,000円(額面の3倍)
・譲渡人(個人)は上記3,000円と簿価との差額(=みなし配当部分)を配当所得として処理
・原処分庁「時価の1/2に満たない著しく低い価額」として更正処分
⇒国税不服審判所へ

■国税不服審判所の判断

・著しく低い価額に該当すると判断
・根拠
⇒相続税評価と同じ手法で評価
(1) 純資産法による価額=純資産×100%
(2) 類似業種比準方式との折衷による価額=類似業種比準価額×75%+純資産×25%
⇒いずれか低い価額をもって評価
※上記純資産は土地及び有価証券を時価により評価替えした税務上の純資産
⇒この方法によっても計算結果は譲渡価額3,000円の2倍超と算定された。




3.相続税・消費税をめぐる最近の税理士損害賠償訴訟

■事例①(税理士一部敗訴)
・被相続人は納税者に遺産のすべてを相続させる旨の遺言を残していた
・法定相続人は、納税者と被相続人の養子2名(納税者の子)、納税者の姉妹2名
・納税者と対立していた姉妹は納税者に遺留分減殺請求に係る書面を送付
⇒小規模宅地等の特例を適用せずに相続税352万円を納付
⇒その後別の税理士により更正の請求を行い、相続税は0円に(税理士報酬87万円)
⇒納付の必要がなかったものとして税理士に損害賠償を請求

■裁判

・税理士には2つの方法があった
(1)小規模宅地等の特例を適用せずに申告し、後日更正の請求を行う
(2)小規模宅地等の特例を適用して申告し、後日更正の請求を行う
⇒(1)の方法は(2)よりリスクが高く、納税者の同意を得ていたとは言えない
⇒税理士敗訴(姉妹分の相続税130万と税理士報酬35万円を支払う)

■事例②(税理士勝訴)

・歯科医院を営む納税者が簡易課税を選択していないのに簡易課税で申告
・税務署から、納税者が事業廃止届出書を提出したことがあるため簡易不適用と連絡あり(申告期限1日前の3/30に税務署からの電話で判明)
・訂正申告をしようとして納税者に連絡をとろうとするものの音信不通
⇒本則課税で申告しなかったことについて損害賠償請求

■裁判

・連絡が取れなかったので仕方がない
⇒税理士勝訴







4.半数以上の納税者が直接審査請求を選択

■平成26年6月改正
・国税通則法の改正により、「異議申立て」⇒「再調査の請求」に名称変更
・平成28年4月1日以後に行われる処分に係る不服申立てから適用されている。
・審査請求は、再調査の請求(旧:異議申立て)を経ずに直接行うことが可能となった
(再調査の請求を行った場合でも、処分になお不服がある場合に行うことができる)

■平成29年度、直接審査請求は増加傾向

・直接審査請求件数は約2,000件(前年比37.1%の増)
 上記の内、約半数(52.7%)が再調査請求を経ずに直接審査請求をしている。
・再調査請求は約2,800件(前年比8.4%の増)

■認容件数とその傾向

・直接審査請求の処理件数 約2,500件/年(前年比26.3%増)
 上記の内、主張が認められた件数は約200件、税目:消費税が70件と多く、源泉税が6件と最少
・再審査請求の処理件数 約1,700件/年(過去最少)
 上記の内、主張が認められた件数は約200件

■訴訟件数

・210件が終結、このうち国側が敗訴したのは21件
税目:所得税が最も多く、次いで法人税、相続・贈与税、徴収関係が2件と最も少ない









5.米国子会社に合算課税リスク

■トランプ税制で日本企業に衝撃 外税控除も不可の恐れ
・米国が、米国連邦法人税率35%から21%へ引き下げ。
⇒米国子会社の租税負担割合が、州税を加えても30%未満となるケースが多発
⇒ペーパーカンパニーの所得がCFC税制(外国子会社合算税制)上、全部合算されるリスクが高まっている。

・米国の連結子法人やパススルー事業体(LLSやLPS)には税負担がなく、外国税額控除の可否も不明

⇒企業からは31年度改正でのCFC税制見直しを求める声が挙がっている。







6.今週の専門用語

■遺言執行者
⇒遺言の内容を正確に実現させるために必要な手続きをなどを行う人。各相続人の代表として、さまざまな手続きを行う権限を有している。
・選任方法
⇒遺言書又は家庭裁判所より「未成年」「破産者」以外であればどんな人でもなれる。銀行や弁護士等の選任可。

■ブロッカーコーポレーション
⇒日本の親会社とパススルー事業体の間に置かれる中間事業体のこと。多くはペーパーカンパニーであり、従業員は配置されていない。

■政策保有株式の開示基準
政策保有株式⇒上場企業同士がお互いの株を保有し合うこと。
・貸借対照表計上額が資本金額の1%を超える保有銘柄
⇒1%を超える銘柄が30銘柄未満の場合は保有額上位30銘柄まで
・株式数
・貸借対照表計上額
・具体的な保有目的









7.消費税:地方公共団体から業務委託料を受ける場合の簡易課税制度の事業区分

■概要
A社は,B市が経営する業務の運営の委託を受けてその業務を実施し,その報酬として業務委託料を収受
している。
委託される業務の内容は,書籍の販売業務と喫茶店の運営業務である。
これらの事業に係る業務委託手数料を得る事業は,簡易課税制度の事業区分の第何種事業に該当するか?

■回答
書籍の販売事業に係る業務委託及び喫茶店の運営に係る業務委託の収入を得る事業は,いずれも第4種事業に該当するものと考えられる。

■理由
事例の書籍の販売・喫茶店運営の業務代行など,単に他の者の行う業務を代行してその業務委託手数料を得る事業については、日本標準産業分類における明確な分類はされていないと認められることから、第1種事業から第3種事業,第5種事業及び第6種事業のいずれにも該当しないこととなり、第4種事業に該当するものとして区分することが妥当と考えられる。

また,国税庁質疑応答事例において代理商・仲立業は第4種事業に該当することとされており,他の事業者が行う商品販売等を代行する事業は第4種事業に該当するものとして取り扱うことに問題はないと考えられる。










8.国税庁 新たな勘定科目内訳明細書等を公表

国税庁は6/29付で、
2019年4月以後終了事業年度分の新たな「勘定科目内訳明細書」の明細部分を公表。
・売掛金等の内訳書につき記載方法の簡素化
・CSV形式による提出も認められる(8月頃公表予定)
※2019年4月決算法人より新しい「勘定科目内訳明細書」を使用する。

■売掛金(未収入金)の内訳書の例
・現行:売掛金の期末現在高50万円以上のものをすべて記載。
⇒50万円未満の場合は5件程度記載すること。
・改正後:現行の上記ルールで記載するが、100件を超える場合は下記選択が可能。
⇒選択①50万円以上の金額上位100件を記載
⇒選択②自社の支店、事業所別に係る売掛金の期末現在高を記載(まとめて記載可能)
(例)選択②の例
・○○支店  期末現在高×××円 
・○○事業所 期末現在高×××円
※支店ごとに50万円未満を含む合計額で記載








譲渡制限付株式報酬制度

・一定期間の譲渡制限が付された現物株式を報酬として付与
・一定の勤務条件などを付して、条件が満たされなければ株式没収といった設計
・譲渡制限期間は3年も30年もある
・さらなる業績向上へのインセンティブ付けを目指し、ストックオプション制度を廃止して移行するケースも(森永乳業)






10.株主還元方針策定のポイント

(1)方法、規模は成長ステージによるため、成長戦略や資本政策との整合性をとる
(2)内部留保の適正水準は資本コストを認識したうえで、経営戦略上の根拠を明確に
(3)自社にとって望ましい株主構成を考慮し、ターゲット投資家が重視する項目を理解し、自社の方針が彼らの理解を得るものか検証の機会をもつ
(4)役員がオーナシップをもって主導する









11.子会社決算日変更の連結財務諸表での取り扱い

■概要
・親=3月決算、子=12月決算
・現在は3ヶ月ずれた期間の決算数値を取込み
・子を3月決算へ変更した場合の会計処理は?

■会計処理 X2年3月期の1Qから変更
※親の1Qからの統一が適当である
(1)利益剰余金で調整
・X1年1/1~X1年3/31の期間の損益を利益剰余金として調整
・SSに利益剰余金の増減として「決算期の変更に伴う子会社剰余金の増加高」等の名称をもって表示
(2)PLを通じて調整
・X1年1/1~X1年3/31の期間の損益をPLを通じて調整

※4Qから統一せざるを得ない場合
(2)のみ採用できる










12新概念フレームワークの影響

■影響サマリ
会計実務への影響はほとんどない(旧フレームワークの踏襲)

■変更の内容
(1)旧フレームワークで定義された目的の集約(7つ⇒3つに)
(2)IASBにより、新フレームワークと乖離する個別基準が設定される際の説明義務を明示








13.「収益認識に関する会計基準」の公表に伴う財務諸表等規則等の改正について

●適用時期
財務諸表の表示および注記事項は2021年に強制適用
強制適用までに収益認識基準における注記事項等が見直された場合、財規等も適切に対応することが想定される。

●損益計算書の売上高の表示
>収益認識基準と整合しない下記の定めは削除
・総売上高と売上値引等の表示に関する定め
・割賦販売売上高の表示に関する定め

>実態に応じた適切な名称が付されるべきとガイドラインで明確化された。

●貸借対照表の契約資産等の表示
貸借対照表に案する改正は行っていない。
⇒収益認識基準を早期適用した場合、契約資産等を区分表示しない等の対応が認められているため

●注記
>収益認識に関する注記
・履行義務の内容や収益認識時点を注記
>重要な会計方針の注記等
・適用年度において会計基準等の改正に伴う会計方針の変更に関する注記が必要となる。









14.新概念フレームワークのポイント(約30年ぶりの全面改訂)

■新概念フレームワークの特徴
・個別の基準書が存在しない企業の会計方針の決定
・IFRSの基準設定と財務報告の実務の両面に影響を与える。
・第一章、第二章では財務報告を対象とし、第3章以降は財務諸表が対象となっている。
・財務報告面では、全領域は完全な形では扱われていない
⇒実際は財務諸表の概念フレームワークというべき存在に留まっている。

■2010年フレームワークと新フレームワークの違い
・2010年フレームワークがカバーしていなかった表示および開示などの領域も含め、
 財務諸表による外部報告のほぼ全局面を取り扱っている。
・カバー範囲の拡大を反映し、従来の4章構成から8章構成に大きく構成が変更
・2010年フレームワークは財務報告の目的などの総論部分の比重が高かったが、
 新フレームワークでは各論にあたる財務諸表の構成要素、認識及び認識の中止、測定などの比重が高まっている。









15.2018年5月のIASB会議の審議状況

■のれんと減損
・IAS36号「資産の減損」におけるのれんの減損テストは、十分には機能しておらず、実務者の負担の重い手続となってしまっている。
・これまで議論されていた、ヘッドルーム・アプローチもこの点について解決できていない。
⇒ヘッドルーム・アプローチに変わる代替案を検討するとともに、プロジェクトの方針を再考。

■基本財務諸表
・PLの表示項目について重点が置かれている。
・IAS1号「財務諸表の表示」では、企業の財務業績の理解に関連性がある場合には、それらをPLに表示することが求められている。
⇒調整後1株当たり利益の表示は要しない。
⇒税引前利益、継続事業から生じる利益、売上総利益は開示すべき。
・IAS1号「財務諸表の表示」では、費用項目は機能別分類と性質別分類のうち、信頼性・目的適合性の高い分類方法で開示することが求められている。
⇒費用の機能別分類・性質別分類の判断の際に考慮すべき事項を追加。

■今後の審議の予定
・2018年中は審議を継続。2019年上半期には、ディスカッションペーパー又は公開草案の公表を予定。











16.重加算税の可否

・売上の繰り延べ
 
(前提)
 ・申告期に計上すべき売上を翌期に計上
 ・担当者「今期の売上に計上すべき」との認識あり

(判断 ※誌面上のQA回答であり、判例等ではありません)
 ・翌期計上を正当化するために「相手方との通謀」「証憑書類の破棄、隠匿」「改ざん」を行っていなければ、重加算税の賦課の対象にはならない。

 


17.システムの自社開発における留意事項

・上場審査において、業務に関連する情報システムを自社で開発していること自体は特に問題とならない。
・ITに係る内部統制の観点からは、仕様書、設計書、システム運用マニュアルなどによって、
システムの目的や構成、運用方法などを客観的に理解、把握することができる状態
・それらの文書に基づいた運用、整備、保守が適切に行われることも重要

・開発予算の制約や業務効率重視のため、必要レベルのセキュリティ概念が設計思想に盛り込まれていないなど、
内部統制を軽視したシステムが構築されることもある
・内部統制の思想もカバーした開発が行われているかどうか特に留意しておくことが必要。














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2018年6月29日金曜日

6/29 勉強会:民過大利子税制、31年度改正で見直しへ 他

1.中小企業投資促進税制、展示会使用品は適用対象か?

■中小企業投資促進税制とは
・青色申告書を提出している中小企業者等が
・平成31年3月31日までに
・特定機械装置等で
・事業の用に供されたものを取得して(つまり新品を取得して)←ここポイント
・指定事業の用に供した場合に
・事業供用年度で特別償却or税額控除をすることができる制度

■論点
販売者がもともと展示会で使用していた機械装置について、
購入者側で中小企業投資促進税制の適用を受けることができるか?

■国税不服審判所の裁決
展示会で使用していた機械装置は新品に該当しないため、中小企業投資促進税制の適用は受けることができない

⇒新品かどうかは販売者等における業種、業態、その資産の構成及び使用の状況に係る
事実関係を総合的に勘案して判断する








2.リースのオフバランス、国際的に指摘も

■オペレーティングリース(以下、OPL)の処理
・日本基準:賃貸借処理(オフバランス)
・IFRS、米国基準:オンバランス
⇒整合しない

■今後のリスク
・OPLのオフバランス処理の継続=重要な負債がオフバランスになっているとの指摘を国際的に受ける可能性あり
⇒日本の資本市場、財務報告に対する信頼性に関するリスクが大きいと考えられる

■OPLの注記(未経過リース料)
・建設業、海運業、小売業など7業種で未経過リース料(オフバランス)が負債総額に対して10%を超えているとのこと。
⇒割合が大きい。仮に将来オンバランス処理に改正となった場合の影響も大きいと想定

■企業会計基準委員会の動き
・リース会計基準について国際的な会計基準と整合性を図るか否かの検討を開始








3.過大利子税制、31年度改正で見直しへ

■過大支払利子税制
・関連者間の借入を恣意的に操作して、過大な支払利子を損金に計上することによる租税回避行為を防止するための税制
・関連者等(※)への支払利子等の額のうち調整所得金額の50%を超える部分の金額を損金の額に算入しないこととする制度
※関連者等とは…直接・間接の持分割合50%以上又は実質支配・被支配関係にある者及びこれらの者による債務保証を受けた第三者等

■改正のポイント
(1)固定比率の設定
⇒現在50%のところを10~30%に変更?
(2)制限対象となる利子の範囲
⇒全ての純支払利子を制限対象とするか?
(3)調整所得金額の範囲
⇒現行の制度では免税配当が調整所得金額に含まれているが、どのように扱うか?








4.省エネ再エネ投資税制Q&A

≪概要≫
■省エネ促進税制、再生可能エネルギー税制
・青色申告書を提出する個人・法人
・H30年4月1日~H32年3月末までの間に対象となる設備を取得し事業の用に供する
⇒省エネ:取得価格の30%の特別償却(または中小企業者の場合は7%の税額控除)
⇒再エネ:取得価格の20%の特別償却

■対象となる設備
・確認申請書を提出する年度又は直近2年度内に提出した中長期的な計画に記載された設備
(経済産業局へ投資計画の確認書を提出する必要があり確認書をもらう事が必須)
・経済産業局の確認を受けた機械装置、器具備品、建物付属設備など

■補足
・経済産業局等から交付を受けた確認書は確定申告の際に添付は不要
・3年の平均課税所得が15億を超えている場合は、適用できない
・購入の際に補助金を受けた設備は適用できない


■再生可能エネルギー税制
・対象となる設備から、太陽光発電設備・風力発電設備は対象外となっている
・但し、太陽光・風力に附随する設備(蓄電池やメンテナンス設備)は対象となっている。








5.タックスヘイブン対策税制③

■部分適用対象金額に係る合算課税
・部分適用対象金額とは、外国関係会社が得る所得の内、「受動的所得」という特定の性質を有する種類の所得の金額のこと。
→経済活動基準を満たしていたとしても合算課税の対象となる。

・平成29年度改正においては、「受動的所得」の範囲が拡大され、合算対象所得の計算方法等の見直しが行われた。
→租税回避リスクを外国子会社の所得や活動の内容により把握するという方向性に沿って改正された。






6.税理報酬の未払分請求を一部認めず

■事例
・前任の顧問税理士から引き継いだ業務は税務顧問、記帳代行、決算書作成。
・それ以外に法人税申告書作成、家賃収入一覧表の作成の業務を行った。
・税理士は追加業務に加えての報酬額の合意はされていた。
・法人との税務顧問契約は解除されている。
・解除前に税理士が法人に対して請求していた報酬は引き継いだ業務のみ。それ以外の業務への報酬は請求していない。

■税理士の主張
・法人とは追加業務を含めた報酬を支払うという合意があり、その報酬額を含めた未払税理士報酬289万円を請求。

■平成30年1月19日 東京地裁の判決
・引き継いだ業務に対する報酬についての約143万円の支払は認めるも、その他業務に対しての報酬は契約解除前に請求がなく税務顧問報酬に含める合意があったとして追加業務ついては請求できないと判断。







7.消費税:軽減税率制度実施と簡易課税の選択特例

■軽減税率税度の実施
平成31年10月1日から飲食料品等に対する軽減税率制度が実施
⇒売上げまたは仕入れを税率毎に区分する必要あり

■簡易課税選択(原則)
税率毎の管理が行えない中小事業者は簡易課税制度を選択することに
なるが、原則事業年度開始の日の前日までに届け出が必要

■特例
平成31年10月1日~平成32年9月30日の属する課税期間については
その課税期間内に届出書を提出すれば、事業年度開始の日の前日に
提出があったものとみなされる(事業年度開始後の届出でOK)

■注意点
簡易課税選択不適用届出書については原則通り、事業年度開始の日の前日までに
提出が必要









8.収益認識会計基準の導入後も消費税の取扱いは変更なし

収益認識会計基準の導入に従い、法人税法22条の2が創設され、
「収益の計上時期」及び「収益の計上額」が法定された。

新設された法人税法22条の2とは、
原則、資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供日の属する事業年度の益金の額に算入する。

法人税の計上については、より会計基準に準じた計上方法が可能となった。
ただし消費税の計上時期については、
原則通り、支払いを受けた時点で全額課税売上を認識するため、
法人税と消費税で「計上時期」及び「計上額」が乖離する。

また消費税基本通達9-6-2で、
法人税の計上方法とあわせることが可能と明記されているが、
収益認識会計基準の導入によって、この通達が認容されるとは現状言い難い。

実務にどのように影響するかで今後判断するとのこと。







商品券回収損失引当金

従来の日本基準
・未使用商品券については税法に従って収益計上することが一般的だった
・商品券発行から一定期間経過後に商品券の負債計上を中止して収益を計上し、
 同時に今後未使用商品券が使用される場合に備え、損失の発生額を合理的に見積もる「商品券損失引当金」などを計上する

今後の収益認識基準
・未回収額にあたる非行使部分を見積もり、回収割合に比例させて収益計上する





10.株主総会“後”の実務対応

■開示書類
(1)金融商品取引法・
・有価証券報告書
・臨時報告書:株主総会での決議事項
(2)取引所
・コーポレート・ガバナンスに関する報告書
■法定備置書類
・株主総会議事録
・取締役会議事録
・監査役会議事録
■株主宛書類の送付
・配当関係書類
・決議通知
■登記関係
(1)役員の変更登記の添付書類
・株主リスト
・就任承諾書
(2)役員の変更登記
(3)定款に関する登記
・機関設計
・定款規定事項








11.第10回 連結キャッシュ・フロー計算書

■2つの作成方法
原則法:個別CF計算書を合算→連結会社間のCFの相殺消去して作成
簡便法:連結PL、連結BSの期首残高と期末残高の分析およびその他の情報から作成
※実務上は簡便法が多くみられる

■連結CF計算書に含めるCFの期間
(1)新規連結・連結除外
連結の範囲に含めた時点以上含める
連結除外時点まで含める
※PLと一致する
(2)みなし取得(売却)
みなし取得日(売却)時点以降(まで)の期間を連結

■組織再編等が行われた場合の連結CF精算表の作成方法
・期首または期末残高の調整が必要なケースあり
例:期末にS社を吸収合併
期首残高にはS社のBSは含まれないが、期末には含まれるため単純な差引だけでは増減額に合併の影響が出る
よって期首残高にS社合併時のBSを加減算して増減を算出する








12収益認識に関する法人税の実務ポイント

■収益の認識基準
・原則:引渡日基準
・例外:近接日基準(=引渡日に近接する日)

■益金算入時期
・一定の期間にわたり役務を提供する場合⇒進捗度に応じて
・特定期間を定めている場合⇒特定期間の経過に応じて

■収益認識の額
・原則:時価(貸し倒れ、買戻しはないものとみなす)
※値引き、割戻:取引の対価から減額
※実質的な取引単位で認識







13.収益認識会計基準に伴う消費税の改正と影響

・消費税の改正
長期割賦販売等に係る資産の譲渡等の時期の特例の対象がリース譲渡に限定。

・収益認識基準と消費税の関係
消費税の課税標準 = 値引や割戻し等の控除前取引価格
収益認識基準の収益 = 値引きや割戻し等の控除後の取引価格
⇒自社ポイントの付与や割戻しを見込む販売等、収益の額や収益認識時期が異なる。







14.子会社(S社)清算時の親会社(P社)における税務処理(S社株式評価損について)

(1)S社が100%子会社の場合
 S社との支配関係(50%超の支配関係)が5年未満の場合、それ以前に生じていた欠損金等を親会社に引継ぎ不可等、制限有。
⇒(個別)S社清算時までS社株式保有する可能性が高い場合、S社株式評価損に係る繰延税金資産の回収可能性が低いとの判断が適切。
 (個別)S社清算が正式決議された場合、当該評価損は永久差異に分類され、繰延税金資産の計上不可。
 (連結)個別上で、当該評価損の繰延税金資産を計上していない場合、連結上でも計上不可。
⇒結果、S社株式の評価損の繰延税金資産は計上できない。

(2)S社が100%子会社以外の場合
 S社清算時、子会社株式消却損が認識され、S社の未処理欠損金は引継がれない。
⇒(個別)S社清算時、P社において当該評価損を損益算入することが可能。
  (連結)S社に対する投資に係る連結財務諸表固有の将来減算一時差異として繰延税金資産を計上。
⇒結果、S社株式の評価損の繰延税金資産は計上できる。







15.経過措置に留意する返品調整引当金・長期割賦販売廃止のポイント

■返品調整引当金
・税務上、経過措置期間(202141日~2030331日に開始する事業年度)を経て廃止
⇒経過措置期間の間、損金算入限度額が逓減していく。
・会計上、202141日以降、引当計上を行わず、収益を直接減額。

■長期割賦販売(延払基準)
・税務上、経過措置期間(202141日~2030331日に開始する事業年度)を経て廃止
2023331日までに開始する事業年度は従来通り。
201841日以降終了する事業年度において、延払基準をやめた場合、繰延利益を10年で均等計上。

・会計上、202141日以降、遡及修正を行うか、期首の剰余金を修正する。










16.コンプライアンスへの配慮

1.反社会的勢力に関する確認書
・上場申請時に必要
・上場申請日における役員、役員に準ずる者、重要な子会社の役員、上場申請日における株主上位50名、
主な仕入先及び販売先の上位10位について、記載が求められる

2.事業の適法性
・目新しいビジネスモデルが多いネットベンチャーは特に注意
・事前に弁護士へ依頼し、リーガルオピニオンをもらう
例1)インターネットサービスでの個人向けサービスとしてチャット機能があれば、電子通信事業法に基づいた申請が必要
例2)リユースの商品を扱うには、都道府県に古物商の届け出が必要

3.不祥事が起きた際の対応
・社内で調査委員会を設置、原因追及、該当者の処分、再発防止策を策定
 




















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