2018年8月10日金曜日

8/10 勉強会:消費税の軽減税率制度のポイント 他

1.大手監査法人から中小への会計監査人交代が鮮明に

・大手から準大手(仰星、三優、太陽、東陽、PwC京都)や中小へ交代する動きが強まっている。
・平成30年6月期で監査事務所を交代した法人は116件であり、うち大手から準大手や中小への異動は52件。
・異動理由は監査報酬が28件と一番多い。
・規模の小さい監査事務所への異動の場合は、5割超のケースで監査報酬が減少。
・大手監査法人同士の異動では過半数で監査報酬が減少しており、クライアントの奪い合いが垣間見れる。







2.DCF利用譲渡等取引に所得相応性基準も

■所得相応性基準
・開発途上の知的財産の移転など評価困難な無形資産への課税を<後付け>できる仕組み
・例:
海外子会社へ開発途上の特許を1億円で譲渡→1億円の譲渡益→1億円に課税
のちに多額の利益を生むことがわかった場合、所得金額を見直し課税額を上乗せできる

■導入時期
・2019年度税制改正で導入されることが濃厚となっている

■他国の状況
・アメリカ、ドイツ:所得相応性基準導入済み
・イギリス:発動が可能な状態
・ニュージーランド:導入の動きあり
⇒日本も後れをとるわけにはいかないというスタンス





3.アンテナ設置収入は法人税課税対象

■事例
マンション管理組合が屋上の一部を基地局として携帯会社に賃貸し、アンテナ設置料収入を得ていた

■争点
(1)マンション管理組合は法人課税の対象となる団体か?
(2)共用部分である屋上の一部の賃貸収入の課税は下記のどちらに当たるか?
・管理組合の収益事業として法人税の対象
・各区分所有者の所得として所得税の対象

■判決
(1)管理組合は「人格のない社団等」に該当する
⇒人格のない社団等は、収益事業から生じた所得に対してのみ法人税が課される
(2)賃貸収入は管理組合の収益事業である不動産貸付業に該当し、法人税の対象となる
⇒アンテナ設置収入には法人税が課される

■マンション管理組合の課税区分(参考)
収益事業となるもの(課税):企業看板の設置、組合員以外の者に賃貸した駐車場収入など
収益事業でないもの(不課税):組合員からの管理費収入、組合員に賃貸した駐車場収入など







4.相続財産の仮装隠ぺいを巡る最近の取消裁決

【重加算税とは】
・不正行為による罰金のような行政処分(最大で55%の税率による課税)
当初から所得を過少に申告する事を意図し、仮想隠ぺいによる課税回避する行為

■事例①
・被相続人:倒れて11日後に死亡
・相続人(被相続人の子):倒れた翌日に被相続人名義の通帳から1000万円を引出し
・上記の金額を相続財産として記載せず申告したため、調査時に申告漏れを指摘、重加算税賦課処分を行った。
・これを不服として、相続人側は重課算税の処分取消を求め提訴

結果:重加算税の処分取消し
⇒当初から所得を過少に申告する意図が無く、仮装隠ぺいの行為があったとは言えないとした。

■事例②
・相続人自ら「税理士提出用一覧表」という表を作成。
・その一覧表には相続財産である、保険金及び遺族一時金(1,300万円)の記載せず申告
・その税務調査を受け、上記相続財産を指摘され修正申告を行うも、仮装隠ぺい行為があるとされ重加算税の賦課処分を受ける。
・事例①と同じく、処分を不服とし、重加算税の処分取消を求め提訴

結果:重加算税の処分取消し
⇒容易に税務署側が把握できる状態であった事、調査に対して協力的であり、記載しなかったのは書類作成時の誤りによるもの(故意に歪曲したものではない)とされた





5.「収益認識に関する会計基準等への対応」として平成30年度に行われた税法・通達改正の検証(2)

~法人税法第22条4項(改正前)の確認~

■法人税法第22条4項(改正前)は、何を定めているのか。
・昭和40年に法22条が創設され、昭和42年に法22条4項が追加された。
・税制簡素化を行うことが創設の主たる趣旨
・「帰属の時期」は定められておらず、「金額の計算」が定められているのみ。
・「企業会計を尊重するという計算心得を宣言し、確認する規定」であり、法22条2項の収益認識時期の基準等や法22条3項の債務確定基準等を変更するものではない。

参考条文
22条4項(改正前)
第2項に規定する当該事業年度の収益の額及び前項各号に掲げる額は、一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従って計算されるものとする。




6.当座貸越契約見直しは新規テーマにせず

■「自己資本比率規制に関するQ&A」(金融庁H27.3.31追加)
⇒コミットメント性が認められない場合は、オフ・バランス取引として与信相当額として認識する必要がない。

■当座貸越契約及び貸出コミットメントの取り扱い
自己資本比率計算上は含まない
金融商品実務指針では注記として情報開示
⇒範囲に差異が発生することになったため、全国銀行協会が同実務指針の一部改正を要望。

■下記のことから現行の金融商品実務指針を見直す必要性は乏しいとの結論
・現状でも有用な情報を提供
・金融庁の見解の明確化は原則的には会計基準に影響を与えるものではない
・必ずしも整合性を図るものではない。





7.未払残業代に係る税務関係

■概要
A社は従業員Bから過去2年間にかかる未払残業代の支払請求をうけ、
これを支払うことに同意した。この場合の課税関係は下記のとおりとなる。

■法人税
支払請求に同意した時点をもって債務確定となるため、過年度分の残業代で
あっても確定した日の属する事業年度において損金算入可能。
⇒更正の請求は不要

■所得税
(1)過年度分の給与として支給される場合
本来の支給日において給与収入があったものとされるため年末調整の
やりなおしが必要となる。付随して住民税や社会保険料の再計算も必要となる

(2)賞与として支給される場合
両者間の合意があれば賞与として支給することは可能とされている。
実務的にはこちらの処理が一般的

(3)退職金として支給される場合
退職所得は「本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので,退職したことに基因して
一時に支払われることとなった給与」とされる。実態が未払残業代の支給であることから調査が
あれば否認される可能性が高い








8.無期労働契約への転換に伴う慰労金の取扱い

労働契約法の改正により、
契約社員等の有期労働契約が繰り返し更新され5年を超えた場合、
本人の申し入れによって正社員へ無期労働契約に転換されることとなった(2018年問題)

■無期労働契約に伴い慰労金を支払った場合どうなるか
(1)8月契約満了し、9月より正社員
⇒事実上の雇用関係が継続しているため「給与所得」に該当
(2)8月契約満了し、10月より正社員
⇒空白期間があり雇用契約が継続していないため「退職所得」に該当する。






オペリースの資産および負債認識に賛否両論

ASBJ:リース基準でIFRSと整合性図るか議論

・すべてのリースについて資産および負債を認識する点については賛否両論の意見があり、
(支持)
・アナリスト等の財務諸表利用者からは「ROA等の計算に際してオペリースを調整する必要がなくなり、企業間の比較可能性が高まる」
(懸念)
・「サービス部分についても資産及び負債が認識される可能性がある」「リース期間が短いレンタルのようなものまで資産および負債を認識する」

・IFRS第16号では借手は以下について認識の免除が認められている。
(1)短期リース(開始日において、リース期間が12ヶ月以内)
(2)少額資産のリース(タブレット、PC、小型オフィス家具や電話等を想定)






10.指標を用いた業績管理における課題

(1) 財務レバレッジの考え、現場の理解を得にくい
・ROE=当期利益/自己資本の自己資本は現場で管理できない
(2) 経営と部門・現場をつなぐ中間KPIがうまく機能しない
・ROEの分子である当期利益には営業外・特別損益が入っている。また全社費用も加味されている
(3) 短期的志向に対する実質的な対応ができていない
・株主や機関投資家は短期的志向でリターンを要求するが、企業の成長の観点からは長期投資も多く、数値のみでは長期成長を表せない
・企業価値の向上からは財務の視点のみならず、特に日本では古くから顧客との長期的な信頼関係の構築や長期的な組織・社員の育成等を重んじる文化があるが、短期的志向がそういった文化と相容れない





11.1からわかる「資本コスト」と「資本効率性」

・近年「資本コスト」に対する意識が高まっている
・企業の業績は、企業の収益力が資本コストを上回っているかどうかという観点で見るべき
・「伊藤レポート」においても「最低限8%を上回るROEを達成することに各企業はコミットすべき」と記載あり
■資本コストとは
・事業を行う資金を外部から調達した際にかかるコスト
⇒金融機関への借入利息=負債コスト
⇒株主や投資家が期待する株価の上昇と配当=株主資本コスト
・資本コストはこの株主資本コストに加えて、負債コストを含むかどうかで、株主資本コストと加重平均資本コスト(WACC)に分類できる
■資本効率性
・資本に対しての収益がどの程度あるかを示す指標
⇒ROE=当期利益/自己資本
⇒ROIC=NOPAT(営業利益×(1−実効税率))/投下資本(有利子負債+自己資本)
※NOPATは、例えば減損損失が除かれており減損すると分母減→分子は減らないことが起こりうるため補正が必要なケースあり





12区分記載請求書等保存方式と課税売上割合・仕入割合の特例

■本保存形式の制度概要
(1)平成31年10月1日(軽減税率開始)~平成35年9月30日(インボイス方式導入まで)が対象
(2)請求書上、従来に加えて以下が必要(※請求された者が追記するでもOK)
・軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨
・税率の異なるごとに区分して合計した対価の額(税込)
(3)帳簿上、「軽減対象資産の譲渡等に係るものである旨」が必要

■課税売上割合の特例(売上特例)
・税率別の処理が困難な中小事業者(課税売上高5,000万円以下) が対象
・以下の割合を適用可

A)小売等軽減仕入割合
⇒課税仕入総額に占める軽減税率対象分の課税仕入の割合
⇒仕入のみ税率別に区分できる、卸・小売業の事業者のみ

B)軽減売上割合
⇒連続する10営業日の課税資産の税込売上総額に占める軽減税率対象品分の割合
⇒売上特例A)の対象外である事業者(業種限定なし)

C)一律50%
⇒売上特例A)B)の適用対象外で、50%以上が軽減税率対象資産の譲渡等である事業者

■課税仕入割合の特例(仕入特例)
・税率別の処理が困難な中小事業者(課税売上高5,000万円以下) が対象
・平成31年10月1日~平成32年9月30日までの課税仕入れ
・以下の割合を適用可

A)小売等軽減売上割合
⇒課税仕入総額に占める軽減税率対象分の課税仕入の割合
⇒売上のみ税率別に区分できる、卸・小売業の事業者のみ
⇒かつ、売上特例A) or簡易課税の適用を受けていない

B)簡易課税制度
⇒みなし仕入率
⇒A)適用対象外の事業者
⇒従来は課税期間開始前に届出が必要だが、課税期間の末日までの届出でOK

■売上特例と仕入特例の重複適用の可否
⇒以下を除き、それぞれで算出した割合をもって同時適用OK
・簡易課税or仕入特例A)or仕入特例B)かつ売上特例A)⇒重複適用NG
・仕入特例A)かつ売上特例B)C)⇒売上特例による割合を仕入割合とする








13.消費税の軽減税率制度のポイント

■軽減税率対象品目の分類
・軽減税率の対象品目は
①飲食料品(酒類を除く)
②週2回以上発行される新聞(定期購読契約に基づくもの)
⇒①飲食料品の範囲がQ&A等で整理されている

・飲食料品:軽減税率対象
⇒すべての飲食物から医薬品、医薬部外品等を除き添加物を加えたものと定義

・外食:軽減税率対象外
⇒飲食店業等が飲食設備がある場所で飲食料品を飲食させる役務の提供は外食に分類。たとえばフードコート
⇒外食の範囲が軽減税率導入時に混乱が予想される

・テイクアウト、宅配等:軽減税率対象
⇒「場所」を提供していないため、軽減税率対象
⇒ファーストフード店は相手側に意思確認するなどで軽減税率対象か対象外か判定する

・ケータリング、出張料理等:軽減税率対象外
⇒食費の譲渡ではなく、飲食料品を侵食させる役務の提供に該当

・酒類:軽減税率対象外
⇒「みりん」は酒類にふくまれるがノンアルコールビールや甘酒は酒類に含まれない







14.後発事象として貸借対照表日後に株式分割が実施された場合の1株当たり当期純利益への影響

■計算方法
・表示する財務諸表のうち、最も古い期間(有価証券報告書であれば通常前期)の期
首に株式分割(株式併合も含む)が行われたと仮定し算定。
※期中に株式分割または株式併合が行われた場合と同様

■表示
以下内容の後発事象の注記が必要
・期中に株式分割または株式併合が行われた旨
・1株当たり当期純利益の算定上、表示する財務諸表のうち最も古い期間の期首に株
式併合または株式分割が行われたと仮定して1株当たり当期純利益または当期純損失
が算定されている旨




15.適格請求書等保存方式のポイント

■記事の概要
 2019年10月1日から消費税が10%に増税すると同時に、軽減税率制度が導入される。
 →購入品目ごとに消費税率が異なるため、領収書等の整備が必要。
 →新たに整備される領収書等を適格請求書等といい、その適格請求書等と帳簿の保存を消費税の仕入税額控除の要件とするのが、適格請求書等保存方式という制度。
 →ただし、急に移行するのではなく、4年間の経過期間を経て、2023年10月1日から導入。

(1)適格請求書発行事業者
 税務署長への登録申請によって当該事業者になることが可能。
 →登録申請は制度導入の2年前(2021年10月1日)から可能。

(2)適格請求書の交付義務
 国内で課税資産の譲渡等を行った場合、取引先から交付を求められた場合には、適格請求書を交付する義務を負う。適格請求書は電子データも可。
 →税込金額3万円未満の公共交通機関の輸送、自販機での販売業者等の業者は、交付義務免除。

■適格請求書
(1)記載事項
 ・発行者の氏名または名称および登録番号(上記(1)の申請で付与される番号)
 ・取引年月日
 ・取引の内容
 ・対価の額(税込)
 ・受領者の氏名または名称
 ・軽減税率の対象品目である旨
 ・税率ごとに区分して合計した対価の額(税抜または税込)
 ・税率ごとの消費税額および適用税率(税率ごとに端数処理を行う。切上、切捨、四捨五入いずれも可)
 →小売業、飲食業、タクシー業等、不特定多数の者と取引を行う業者は、適格簡易請求書でも可。

■仕入税額控除の要件
 ・適格請求書等の保存
 ・帳簿の保存
 →従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、通勤費等、取引の性質から適格請求書による請求が困難な場合は、帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められる。

■免税事業者からの課税仕入に係る消費税額の特例措置
 ・2023年10月1日~2026年9月30日:80%控除
 ・2026年10月1日~2029年9月30日:50%控除





16.株式売買単位の統一

・全国の証券取引所で売買単位を100株に統一するための取組みを進めているが、2018年8月1日時点で、東証上場会社の約99.8%が100株単位となった。

・2014年3月31日時点では100株単位でない会社が1,124社(33.0%)あったが、残り9社に。






17.ロードショー

・上場承認を受けた後、株式公開の前に、機関投資家に向けて行う会社説明会
・公開時の公募・売り出し価格の需給動向を判断する場ともなる
・10営業日で30~40社程度面談を行う
・海外もあり
















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決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供  

2018年8月3日金曜日

8/3 勉強会:情報システムの開発・導入における留意事項 他

1.コーポレートガバナンス・コードの改訂と「投資家と企業の対話ガイドライン」の概要

■経営環境の変化に対応した経営判断
・事業ポートフォリオの見直しなどの経営判断とそれに基づく方針の明確化
・自社の資本コストの的確な把握
■投資戦略・財務管理の方針
・戦略的・計画的な設備投資・研究開発投資・人材投資等の実施
・手元資金の活用を含めた適切な財務管理の方針の策定・運用
■CEOの選解任
・客観性・適時性・透明性のあるCEOの選解任プロセスの確立
■取締役会の機能発揮
・取締役会がその役割を適切に果たすための十分な知識経験能力とジェンダー・国際性などの多様性の確保
■政策保有株式
・政策保有株式の保有目的や保有に伴う便益・リスクの検証と政策保有に関する方針の明確化
■アセットオーナー
・自社の企業年金の運用に関する資質を備えた人材を計画的に登用配置するなどの母体企業としての取り組み







2.路線価方式における標準地の面積と特別の事情の存否

■路線価方式による相続土地の評価
・取得時の時価により評価(特別の事情のあるものを除く)
・時価=一各地の宅地を評価単位とする(市街地にある宅地)
⇒宅地に面する路線に付された路線価を元とし、評価する
・「特別の事情」がある場合は路線価によらず、個別に評価しなければならない
⇒評価通達に沿って評価することが不合理であるという事情
Ex.500㎡以上の地積の土地は広大地補正が適用されるのに対し、300㎡程度の土地は何も適用がなく、相続税評
価を行うと500㎡の土地の方が相続税額が低くなってしまう、等。







3.執行役員にも「執行役」と同等の規律を

・執行役員のうち、執行役と同等程度の職責を果たす者について、執行役と同等の規律を課す案を提案(審議会での提案段階)

■執行役員(従業員)
・会社法上の定義はなく、重要な使用人という位置づけ
・取締役会のスリム化や業務執行に対する責任の明確化、モチベーションアップを期待された役職

■執行役(取締役)
・取締会決議により選任される
・取締役と同様、会社に対して善管注意義務および忠実義務を負い、株主代表訴訟の対象になる

■法人税法への影響
・執行役員が法人税法上の役員に該当し、役員給与規制の対象となる可能性が高い







4.国税庁が長年にわたり課税しなかった行政先例法は確立するか

■概要
・請求人:国民健康保険団体連合会 の主張
診療報酬等の審査、支払等の事業は収益事業に該当せず、国税当局等が各事業につき、長年にわたり課税してこなかった、事前確認を受けるべき旨の指導を行う事もなかった経緯からすれば、黙示的に了解していた、よって本件事業は収益事業に該当せず「行政先例法」が確立されていたと主張
・原処分庁の主張
本件事業は収益事業に該当するか否かは、法人税法施行令5条1-10により判断されるべきである。
法令で事前確認を受けるべき旨の指導をしなければならない等の法令は無いし、自ら申告すべきと主張

■裁決
請求人の主張は斥けられた
行政先例法(長年にわたり行政機関における取扱が慣習化して、広く認識され定着した実務先例)
租税法の分野においては租税法律主義(法が根拠となり課税される)の原則。仮に長期にわたり課税してこなかったとしても、その事を以て本件事業が収益事業に該当しない、行政先例法化した慣習が確立していたとはとまでいう事は出来ないとした







5.「収益認識に関する会計基準等への対応」として平成30年度に行われた税法・通達改正の検証(1)

22条2項の確認

■法人税22条2項は何を定めているのか。
法人税務上の収益の額を規定する条項であり、原則として以下を益金の額に算入すべきとしている。
・資産の販売に係る収益の額
・有償による資産の譲渡または役務の提供に係る収益の額
・無償による資産の譲渡または役務の提供に係る収益の額
・無償による資産の譲り受けに係る収益の額
・その他の取引で資本等取引以外のものに係る収益の額
→収益の額は「時価」、収益の認識範囲は「資本等取引以外」とされている。

■収益の認識時期について
・資産の販売等については、「引渡基準」
・役務の提供については、「完了基準」
→実現主義、権利確定主義は採用していない。

参考:法人税法22条2項
内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の益金の額に算入すべき金額は、別段の定めがあるも
のを除き、資産の販売、有償又は無償による資産の譲渡又は役務の提供、無償による資産の譲受けその他の取引
で資本等取引以外のものに係る当該事業年度の収益の額とする。







6.債務超過も債権の相続税ゼロ評価を否定

■事例
・納税者の父が代表取締役を務めていたA社に対して貸付債権、約5,700万円があった。
・貸付債権に対し評価通達205により回収見込みがないとのとして納付税額を0円で申告。
⇒税務署は貸付債権を相続財産とする課税処分をした

■判決
・貸付債権は「その回収が不可能又は著しく困難であると見込まれるとき」に該当しない。
【理由】
・債権の回収可能性は財務内容だけで決定されるものではないため、A社は毎期債務超過の状態が続いていたも
のの、相続開始時に営業を継続したうえ、債権者への返済が遅延等していた事実が認められない。





7.事業者向け電気通信利用役務の提供に係る消費税(おさらい)

<日本法人が海外サイトへネット広告を掲載した場合>
■内外判定
国内取引に該当
⇒役務の提供を受ける者の住所地で判定

■事業者向け電気通信利用役務の提供にあたるか
ネット広告は事業者向け電気通信利用役務の提供に該当する

■取扱い
(原則)
役務の提供を受けた者がその対価を「特定課税仕入れ」としてリバースチャージ方式
により申告納税を行う
(特例)
課税売上割合が95%以上の場合は消費税の計算に含めなくてよい(=不課税取引として処理)

■誤り例
ネット掲載料について通常の課税仕入れとして税額控除を行う






8.民泊と輸出免税・非課税

■非居住者に対する役務提供
原則⇒輸出免税となる。
ただし、訪日観光客が国内のホテル等で宿泊するケースは、
役務提供を受ける者が非居住者であっても課税取引となる。

■非居住者に対する住宅の貸付け
原則 ⇒ 非課税となる。
ただし貸付期間が1月未満である場合等は課税取引となる。

■民泊のケースは?
住宅宿泊事業法の改正により、
民泊は旅館業法に規定する「旅館業」に該当することとなった。
⇒旅館業は住宅の貸付けに該当しないため課税取引となる。




会計方針の変更と税効果の会社分類

・会計方針の変更⇒過年度遡及適用する場合
 ⇒遡及適用で一時差異が生じる場合、DTA、DTLを認識する
 ⇒新たな会計方針を適用した結果、過年度において会社の分類が変更される可能性がある
 ⇒その場合においても、「過去に最善の見積りを行った場合」には分類の変更は行わない。





10.社外役員への日当支払いは役員給与となるか?

・出勤するための旅費などで合理的なものは 所得税の課税対象にならない、
 (所得税基本通達9-5(非常勤役員等の出勤のための費用))

・非常勤役員が取締役会に出席するごとに、日当6,000円を支給していたケース
 (月1回であれば6,000円、2回であれば12,000円)
 ⇒取締役会に出席した場合、自宅からの距離に応じ、1キロメートル当たり17円
のガソリン代も別途支給。

・国税不服審判所は、交通費以外に支給された日当は、出勤のために直接必要な費用
とは認められない、と判断。
 ⇒ 日当は取締役会への出席という労務に対する報酬なので、給与。






11.情報システムの開発・導入における留意事項

1.全体的な開発計画
・上場を契機として、企業の業務領域、業務量が増大する可能性あり
・上場後の経営計画を十分に考慮して全体的な開発計画を検討することが必要

2.開発期間
・上場後の企業規模に見合うように、全ての情報システムを上場前に開発しようとすると無理が生じ、非効率が
生じる可能性あり
・上場後も情報システムの改善を続けていくような計画とするほうが良いと考えられる

3.柔軟な対応
・システム要件そのものが流動的となるため、ユーザー部門で柔軟に対応できるように配慮しておくことが重要

4.全体の最適化
・複数のシステムを別々に開発する場合、例えば二重にマスターが存在する、異常時にシステム間の整合がとれ
ないなど、
情報システム全体として見たときに非効率な事例あり
・計画段階から全体的な効率性を意識した要件の検討が最適化の上で重要


















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