2012年4月28日土曜日

4/27 勉強会:サラリーマンの「必要経費」も実費控除が可能に? ほか


  
1.(税務)死亡保険金の非課税枠変更
  
死亡保険金の非課税枠について
  
【現行】
500万円×法定相続人の数

【改正】
500万円×法定相続人(未成年者等)の数
  
※平成27年1月1日以後の相続から適用
※死亡保険金の受取人は未成年者である必要なし

2.(税務) 納税証明書もe-taxでオンライン請求可能に

3.(税務 / 消費税) 95%ルール改正 個別対応方式の留意点

【具体例】
土地の造成費用・仲介手数料
事務所賃貸ビルの敷地として利用⇒課のみ対応
土地の利用目的に応じて区分を判断

4.(税務)マイナンバー法の影響

個人番号は主に調書に記載される
  →調書の提出が必要な各種「所得」の把握に一定の効果あり
  →調書を伴わない「資産」の捕捉には役に立たないと思われる


5.(会社法)社外取締役の義務付けは明記されず

(民主党の企業統治強化に向けた中間提言)

6.(金商法)社外取締役等に関する開示内容を明確化

有報等の「コーポレートガバナンスの状況」に独立性に関する基準や方針の内容を記載する。

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7.(税務/消費税)課税期間が1年未満は課税売上高を年換算して判定
 
 
8.(税務/法人税)カーナビの取り付け費用

■ 既存の車輌にカーナビを取り付けた場合

⇒ 車輌に対する資本的支出
⇒ 20万円未満は費用処理可能
⇒ 車輌の耐用年数で償却

ポータブルカーナビを購入し、載せ替えて使用する場合

⇒ 器具備品としてのカーナビの取得
⇒ 10万円未満は費用処理可能
⇒ 器具備品としての耐用年数で償却

9.(税務/所得税)サラリーマンの「必要経費」も、実費控除が可能に?

平成24年度改正

■資格取得費の範囲(例)
・企業の経理担当者が簿記資格を取得するための費用
・会計事務所の職員が税理士資格を取得するための費用


■勤務必要費用の範囲(例)※上限65万円
・図書費用(新聞・雑誌・書籍)
・スーツ・作業着
・交際費(業務遂行上直接必要と認められるもの)⇒立替精算としなかったものに限


■控除額
特定支出の合計額-給与所得控除額×1/2
(参考)
☆特定支出控除の適用に必要な支出額
給与収入400万の場合 67万円超
給与収入300万の場合 54万円超
給与収入200万の場合、39万円超

10.(税務/所得税)退職所得控除額の計算

前年以前4年内に他の退職金を受けている場合には、
退職所得控除額の計算方法に関する特例がある。

■調整額
重複勤務期間(1年未満切捨て)については退職所得控除額が減額される。

EX:A社を3年前に退職し、本年B社(15年間勤務)を退職した。
重複勤務期間が12年間ある。
①本来の退職所得控除額 40万×15年=600万
②調整される退職所得控除額 40万×12年=480万
③調整後の退職所得控除額 ①-②=120万

■対策
⇒中5年空けて退職する。
平成24年にA社を退職なら平成29年以降にB社を退職する。

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11.(監査)JICPA 内部統制監査指針を改正へ(監査役とのコミュニケーション)


内部統制監査報告書において「除外事項付意見の表明」等を設ける事が
見込まれる場合、文言の草案等監査役に報告しなければならない。

12. (会計)引当金の過不足修正額
  
過年度遡及基準により、引当金の過不足修正額の取扱が変更。
従来は特別損益

変更後は、
過去の誤謬過去を修正
過去の誤謬でない営業損益又は営業外損益


13. エイブル&パートナーズMBOで上場廃止

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14.(税務)中国当局、課税強化を推進

・調査件数・追徴金額が増加。 より一層の効率的な課税活動に力を入れている。
・調査に至る前の日常レベルでのチェックが頻繁になることが予想される。

15.(税務) 更正の請求期間の延長について

①納税者が行う更正の請求期間1年から5年に延びた。
②一方で、税務署等による増額更正の請求期間3年から5年に延びている。
③その為、税務調査等による更正の可能性がそれだけ高くなっているので注意が必要。

16.(税務)更正の請求の範囲拡大について

当初申告用件の撤廃
⇒最初の申告時に受けていなかった制度の適用も更正の請求で受けられるようになった。

適用額制限の撤廃
⇒制度の適用に限度額があるものでも、
当初設定限度額を超えての更正も認められるようになった。

Ex.受取配当金の益金不算入

17. (税務)更正の請求手続きと納税者の立証責任

①更正の請求をするときに、事実を証明する書類の添付義務付けられた。
②もし虚偽記載したら1年以下の懲役又は50万円以下の罰金を課すという罰則規定が創設。



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2012年4月22日日曜日

4/20 勉強会:包括利益の表示 単体では認められない? ほか

  
1.生計一親族の実質100%支配法人が対象に
  
新設法人課税事業者の判定

新設法人の親が個人の場合、
その個人と『生計一親族』が100%支配している法人も判定の対象
  
2.(会計)包括利益の表示、公開草案 公表

包括利益の表示に関する会計基準は単体F/Sには適用せず、
任意適用も認めない方向で公開草案を決定する予定

3.(金商法)「虚偽記載等の賠償責任」 最高裁判決

旧ライブドアの粉飾決算により株価が下落し損害を受けたとして株主が損害賠償を求めた
→最高裁は、推定損害額585円のうち、9割は因果関係があるとした東京高裁の判断を支持

4.(税務)LEDランプ取替費用の取扱いについて

・蛍光灯からLEDランプへの取替費用修繕費として処理
・ただし、取替に工事が伴う場合資本的支出に該当するケースも有り

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5.(法人税)国税庁 質疑応答事例(法人税)13項目を更新
 
上場株の評価損
 50%以上下落した状況が『2年間』つづいているという要件は、必ず満たす必要

 があるわけではない。     

貸倒引当金
 預金は一括貸引の対象にはならないが、個別貸引の対象には含まれる。
  

など
  
6.(所得税)特定役員退職手当と一般の退職手当を同時に受ける場合(注)
の退職所得の計算

(注)親会社の使用人のまま、別会社の役員を兼務しているケースを想定
  
特定役員退職手当とは・・
⇒役員等勤続年数が5年以下である者が受ける退職手当をいう
  

<計算方法>⇒使用人分と役員分を分けて計算する
■使用人分(EX:勤続年数10年、うち重複期間2年、退職手当1,000万)
重複勤続年数については退職所得控除は年20万となる
⇒{1,000万-(40万×8年+20万×2年)}×1/2=320万

■役員分(EX:重複勤続年数2年、退職手当500万)
重複勤続年数については退職所得控除は年20万となる
・1/2課税なし
⇒500万-(20万×2年)=460万
合計退職所得=780万
(改正前だと550万)


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7.比較情報の注記に留意

H24.3期は従来と異なり、前期の開示をそのまま記載するとは限らない

重要な会計方針 ⇒前期の開示不要※重要性が高い場合は記載する
企業結合 ⇒前期の開示不要※重要性が高い場合は記載する

8.米国ネット企業の節税方法

英国における、GoogleやAmazonの節税方法

Amazon:英国の付加価値税20%ではなく、ルクセンブルグを経由することで3%にして回避
Google:国際的な活動拠点をアイルランドとすることで回避。アイルランドの税率は英国のほぼ半分

租税回避地のバミューダ等を使い、
Googleは英国では、21億ポンド(約2,700億円)の売上があるのに、納税額は5百万ポンド(約6.5億円)。


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2012年4月15日日曜日

4/13 勉強会:~事例検証~アスクルが筆頭株主(プラス)からTOBで自己株式取得(2009年) ほか


1.(税務 / 消費税) 解散法人の課税売上も判定対象に


新設法人の事業開始日前1年以内
親の親会社が存在した場合、課税事業者の判定対象になる。

2. (税務)地方法人特別税見直しは税率UP時目処

地方法人特別税の見直しは、地方消費税率引き上げ時期を目処に行うと明示

3. (会計、会社法)中小企業へのIFRS適用は困難 (企業会計審議会)


4. (有報) 3月決算から社外取締役の独立性の基準を開示

  

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5.  (税務 / 消費税)消費税8%引き上げに係る「指定日」は25年10月1日


《原則》
・消費税率の引き上げ(5%→8%)は、H26/4/1以後の取引について適用される。

請負契約にかかる消費税率の経過措置》
「指定日」前に締結された請負契約に係る資産の譲渡等が
H26/4/1以後に行われた場合、消費税率は5%が適用される。
・5%→8%の税率引き上げの指定日は、H25/10/1。


6. (税務)『役員給与に関するQ&A』を一部改訂

役員給与の定期同額給与の減額改定をした場合において、
業績悪化改定事由に該当するものとして役員給与の損金算入が認められる事例が追加された。
  
①:主要取引先の倒産等により今後の著しい業績悪化が不可避と認められる場合には、その時点ではまだ売上等の数値の悪化がなくても、業績悪化改定事由に該当する。
  
②:①のケースで、経営改善策を講じたことで結果的に業績の著しい悪化を回避できたとしても業績悪化改定事由に該当したものと認められる


7. (税務)「租税特別措置法等の一部を改正する法律」の施行について
租税特別措置法等の一部を改正する法律」が3/30に成立、4/1より施行された。
主な改正は以下のとおり


住宅取得資金贈与の特例(贈与税)
・適用期限が3年延長
・家屋の床面積は240㎡以下


特定居住用財産の買換え(所得税)
・譲渡資産の譲渡対価の上限が2億円以下⇒1.5億円以下に


特定事業用資産の買換えの場合等の譲渡所得の課税の特例(所得税)
・適用期間が3年延長
・買換え資産が土地である場合には面積制限(300㎡以上)あり

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8. (金商法)金融庁 有報レビューを実施

本年度の重点テーマ
①無形固定資産の評価
②投資有価証券の評価
③関連当事者取引


9. (会計)会計方針・見積りの変更と遡及

  
原則:会計方針の変更⇒遡及処理
例外:減価償却方法の変更⇒遡及処理の対象外
※IFRSが減価償却方法の変更を「見積りの変更」としていることから

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10. (税務 / 株式)~事例検証~

アスクルが筆頭株主(プラス)からTOBで自己株式取得(2009年)

■手法
・ディスカウント価格で取得
⇒プラス以外の株主からの買取を回避

■リスク
ディスカウント価格(自己株)TOBに応じるとプラス社株主からの訴訟リスク
⇒市場での売却だと譲渡益が全額益金
⇒TOBに応じると、売却価格(買付価格)>@純資産の差額部分がみなし配当で全額益金不算入

■結論
・アスクル(買取り側
ディスカウント価格での買取でキャッシュ・アウトが少なくすむ
・プラス(売却側
税引後のキャッシュ・フローは市場での売却よりも多く獲得


11.(税務)税務調査の流れ

①基本的な流れ
概況調査→帳簿調査→現況・現物調査→反面調査

②反面調査
(提出書類・説明で納得できない→取引先へ調査)
・手書きの請求書、いつもと違う請求書様式
・旅行会社に行程表を請求(海外研修)
・銀行へ個人口座の取引明細を請求(リベート) 等

③拒否できないのか?
・「質問検査権」があるため、正当な理由なく拒否できない
・「質問検査権」は日本国内だけ
・ただし、海外取引も色々な手段を使って調査

  (タックスヘイブン国と情報交換協定を締結等)


  
12. 外貨建てその他有価証券の評価差額の処理

・原則→評価差額を純資産の部へ計上
・例外→時価変動に係る評価差額を純資産の部へ計上
為替相場にかかる評価差額を損益へ計上
・減損の認識→外貨建て時価にて判定。為替相場は加味しない
  

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2012年4月6日金曜日

4/6 勉強会:業績予想開示に関する実務上の取扱の見直し  ほか


お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。
  
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1. (税務) 『適格外し』を巡る否認事例が訴訟に


『適格外し』による【税制非適格組織再編】に伴う【資産調整勘定】の計上に関する否認事例が 税務訴訟へと発展
  
2. (税務) 評価通達の一律適用を否定した判決 相続税実務に及ぼすインパクト
  
・東京地裁で、通達に拠らない株式評価を認容した判決があり、
実務上注目すべきもの、控訴審の行方が注目される。

  
3. (民法) 再度の時効取得完成で抵当権は消滅

(例)買主は土地の購入後、所有権移転登記をしなかった             
 時効取得後売主により抵当権設定登記がなされた。
             ↓
 抵当権設定より10年経過後の抵当権はどうなるのか?
             ↓
 抵当権は消滅買主は土地を時効再取得する。
  
4. (税務) 全体の法人数、調査開始以来初の減少

 平成22年度の法人数→昭和26年の調査開始以来、 初の減少
(258万6822社、前年比△1.2%)
  
・そのうち72.8%が欠損法人
  
連結法人は年々増加
連結親法人(890社、前年比+8.5%)、
連結子法人(6528社、前年比+2.7%)

  
5. (税務) 海外出向者帰国後の留守宅手当で初の採決事例


・海外子会社出向者の外国税額を会社が負担
→通常、日本で課税されない。
出向者の帰国後に帰国前の分を負担→日本で課税対象

  
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6. (税務) 更正の請求の事由 


23年度改正において当初申告要件の一部廃止と適用額の制限の見直しがなされた
どのような場合でも更正の請求ができるわけではない。


・更正の請求ができるのは、税額が過大になった原因が以下のいずれかの場合のみ。 
  
課税標準や税額の計算が、法律の規定に従っていない。  
  
単純な計算ミス。
⇒例えば、所得税額控除を適用しなくても法律の規定に従って計算しているのでは?

結局どのような場合に更正の請求ができるのかは、よくわからない。(スタッフ意見) 

7. (税務) 不動産取引と居住者・非居住者の判定 

非居住者から不動産を購入する場合、譲渡対価から10%の源泉徴収を行う必要がある。

  

・売り手が居住者か否かの判定は、不動産の引渡し日の状況で判定する。  
※個人が自己等の居住用1億円以下の不動産を購入する場合、源泉徴収義務は無い


8. (税務:消費税) 国税庁作成の仕入税額控除に関するQ&A(抜粋)

不課税売上げにのみ要する課税仕入れ

⇒不課税売上(損害賠償金)を得るために要した交通費・弁護士費用は共通対応分となる

国外で行う土地の譲渡のための国内費用

⇒国外で行う資産の譲渡等はすべて課税資産の譲渡等となる
⇒税額控除は課税売上対応分となる

土地付建物を譲渡した場合の仲介手数料

合理的な基準により課税対応分と非課税対応分を区分


合理的な基準には、

①譲渡時の時価比率
②固定資産税評価額等を基に算出した比率
③取得原価を基に算出した比率

などが挙げられる

  
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9.(開示) 東証 業績予想開示を見直し


これまでの画一的な業績予想のあり方を見直し。
自由記載形式での開示OK
・従来の「事前相談」や「理由の開示」は廃止


10.〈株式) MBOと買収プレミアム
  
MBOは通常のTOBよりも高いプレミアムが付いている


11.(開示) 開示後発事象の例外

修正後発事象財務諸表の修正必要
開示後発事象注記でOK

開示後発事象の例外株式併合、株式分割が行われた場合の1株あたり情報

H24.4.1以後開始事業年度からは注記ではなく、併合・分割の影響を加味して算定

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12.(開示) 業績予想開示に関する実務上の取扱の見直し


・今後
従来の方式に加え、より柔軟な開示が認められる


○年次で業績管理
通期の業績予想のみ開示


○市況により業績が激しく変動
⇒通期の業績予想をレンジ形式で開示


○事業を取り巻く環境変化が激しく半期(または通期)の見通しが困難
四半期の業績予想をレンジ形式で開示

○その他
当期利益のみ開示、売上高のみ開示


13. (会計) 減価償却に関する当面の監査上の取り扱い

・平成24年4月1日以降取得の資産
250%定率→200%定率


「会計上の変更」についての考え方

・通常
会計方針の変更が認められるのは"合理的な理由”があるとき


・今回の改正
同一種類・同一用途で購入した資産なのに、

改正によって「250%」から「200%」に変更になる。
「法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更」として取り扱いOK


・経過措置
既存資産も「200%」の取り扱いに変更できる
→「法令等の改正に伴う変更に準じた会計方針の変更」として認められない
合理的な変更理由が必要

14. (会計) 退職給付の制度を確定給付から確定拠出へ変更した場合の会計処理

・確定給付をやめたら、会社から退職者に退職金を支払わなくてよくなるので利益(損失)計上
→注記に記載

・確定拠出に移行後は拠出額を毎期費用計上。
   


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