2019年2月17日日曜日

2/15 勉強会:確定申告で誤りが多い税務署の要確認事項 他

1.金融商品会計、優先的に減損の検討を

企業会計基準委員会は「金融商品に関する会計基準の改正についての意見募集」
に対して寄せられたコメントについての検討を開始した。

■多かったコメント
・金融資産の減損や、金融商品の分類および測定に関しては、
国際的な会計基準との差異が大きいとして優先して検討すべきという意見が多かった。
・ヘッジ会計に関しては、優先順位は低いとする意見が多かった。






2.無形資産として資産化される開発費

■開発費の無形資産計上(IFRS)=以下のすべてを立証できる場合に限る
a. 使用又は売却できるように無形資産を完成させることの技術上の実行可能性
b. 無形資産を完成させ、さらにそれを使用又は売却するという企業の意図
c. 無形資産を使用又は売却できる能力
d. 市場が存在するor内部で使って企業の事業に役に立つことの立証
e. 使用又は売却のために必要となる適切な技術上、財務上及びその他の資源の利用可能性
f. 開発期間中の無形資産に起因する支出を信頼性をもって測定できる能力

■多額の開発費を無形資産として計上しているIFRS任意適用日本企業
⇒IFRS任意適用日本企業158社のうち、30社で無形資産として開発費を計上
(30社の総額:1兆305億円)
【主な会社】
・社名/開発費の無形資産残高/資産化率(無形資産計上額/研究開発費)
・本田技研工業/5985億円/18.2%
・住友化学/1539億円/3.1%
・JVCケンウッド/571億円/34.6%
・リコー/456億円/34.6%
・オリンパス/324億円/11.4%
・テルモ/291億円/6.4%
⇒この点、欧州企業は自動車関連業種が計上額上位を占める。

■結論
・資産計上マストではない(安易に資産計上すべきではないのは日本基準と同様)
・計上しない場合(費用処理)の根拠は不要
・各社に判断の余地あり






3.小規模宅地特例適用で納税猶予面積減少

■個人版事業承継税制
個人事業者の事業用土地や事業用建物等の承継に係る相続税、贈与税が全額納税猶予される制度
<納税猶予される特定事業用資産>
・宅地等(上限面積は400㎡)
・建物(上限床面積は800㎡)
・自動車など一定の減価償却資産
※平成31年1月1日~平成40年12月31日までの取得が条件

■小規模宅地等の特例
被相続人が自宅・店舗・事務所などとして使っていた宅地を取得する場合、宅地の価格を400㎡までは最大80%減額して評価する制度

■ポイント
・個人版事業承継税制と小規模宅地特例は選択制
・個人版事業承継税制の適用を受ける場合も、被相続人が居住に使用していた宅地等は小規模宅地特例を適用できる
・両方適用する場合、小規模宅地特例の適用面積は、個人版事業承継税制で納税猶予の対象となる宅地の対象面積から減額される




4.外国銀行の日本支店、利子控除制限の対象に

■利子控除制限
・海外にあるグループ会社から借入れを行い、当該グループ会社に日本から利子を支払った場合
⇒日本では利益から利子が控除され、法人税の課税所得を圧縮
⇒一方で海外グループ会社は受取利子を収益として税額を計算して申告
上記の海外グループ会社が日本より低税率国であれば所得を移転している事になる

■31年度改正にて
・借入に関しては、適用対象となる利子等からは日本の課税所得となる利子等が除外。
新たに適用対象に含まれるのは、グループ外の外国法人、非居住者からの借入に対する支払利子等。
 ⇒外国銀行の日本支店が対象となる
・更なる問題点
基準割合の引下げ:利払前所得50%を超える部分の損金不算入 → 20%を超える部分の~に改正されるため。
 これにより外国銀行の日本支店が国内銀行よりも課税上不利な扱いを受ける可能性が出ている。






5.会計帳簿等の閲覧謄写請求をめぐる最近の裁判事例

【事例】
・原告株主(被告会社の元代表取締役)は保有する被告会社発行株式の全部の売却を検討
・最新の情報をもとに被告会社発行株式の評価額を把握したい
・会計帳簿又はこれに関する資料として税務申告書等を含めた経理の状況を示す一切の帳簿資料を閲覧謄写請求。

■対象
⇒総勘定元帳、日記帳、仕訳帳及び補助簿等
「これに関する資料」とは会計の帳簿を作成する材料となった書類その他会計の帳簿を実質的に補充する書類。伝票、受取証、契約書、信書など

■対象外
⇒税務申告書及び月次試算表
損益計算書や会計の帳簿を材料にして作成される書類であるため、「会計帳簿」には含まれない。





6.遺留分に関する民法特例、個人事業者にも拡大

■個人事業者を対象とした事業承継税制
平成31年度税制改正で注目される改正のひとつ。
・10年間の時限措置で既存の事業用小規模宅地特例と選択適用。
・法人の事業承継税制と同様に承継計画を作成して中小企業経営承継円滑化法の認定を受ける仕組み。

■遺留分の民法特例
個人事業者についても事業承継税制が適用されることを踏まえ、中小企業庁は税制以外の法整備も必要と判断、遺留分の民法特例の対象に個人事業者を追加するなど見直しを行う意向。
・遺留分の民法特例は中小企業経営承継円滑化法で措置されている。
・現行の特例は、経営者から後継者へ贈与された自社株を、遺留分算定基礎財産から除外又は遺留分算定基礎財産に算入する価額を合意時の時価に固定。
⇒今回の中小企業承継円滑化法見直しでは、相続人全員の合意により簡便な手続きで後継者に生前贈与された事業用資産について、遺留分算定するための財産から除外できるようにする。





7.家事関連費と必要経費

家事関連費については「業務上必要な部分の金額を明らかにできる」金額については必要経費算入可

<過去裁決事例>
■通信費
インターネット通信料:業務上必要な部分の金額があきらかにできないとして全額否認された事例あり

■車両費
車両減価償却費:分母を365、分子を業務使用のみの日で按分した事例あり

■交際費
接待交際費:証拠書類なしのため0円認定した交際費を、裁判所が納税者の主張する金額の
50%相当額である24万円と認定した事例あり

⇒いずれも他論点に付随してオマケ的に指摘されたものであり、家事関連費の否認を目的としたものではない。
 ※通常は家事関連費を必要経費に入れても否認リスクは低い



8.確定申告で誤りが多い税務署の要確認事項

■申告不要の配当等を申告すると更正の請求は不可
Q確定申告しなくてもよい配当等について、配当控除を受けるために確定申告したが、
その後所得金額が増加し配当控除を受けないほうが有利であるため、更正の請求を行った
A申告後に配当等を申告しないものとする更正の請求はできない。(修正申告も×)
 修正申告等を行うための事由に該当しないから

■申告分離課税から総合課税への変更は不可
Q上場株式の配当等につき申告分離にて確定申告したが、
総合課税の方が有利とわかり更正の請求を行った
A変更することは不可。更正の請求を行うための自由に該当しないため。
ただし、期限内申告であれば、総合課税としたうえで確定申告することは可能。

■FXなどの損失繰越は連続で確定申告が必須
Q2年前にFXで損失が発生し確定申告を行った。
前年は特に申告をせず、本年分に2年前の損失を充当したい申告したい。
A充当できない。
過去の損失を充当する場合、損失発生時か連続して申告書を提出しなければならない。
なお本年分の申告をする前に、前年分の申告の更正の請求(損失の繰越)を行えば、本年分において控除可能

■開業2か月以内の青色申請
Q不動産貸付業(白色申告)を行っていたが別の事業を開始した際に青色申告を提出。
開始年分より青色申告が可能か
A新規事業を開始した年分は白色。翌年分より青色。
 
■妻の年金から天引きの社会保険料は夫の所得から控除不可
Q妻の年金から天引きされた社会保険料は夫の所得から控除できるか
A実際に支払った人の保険料のみ控除が可能なため控除できない。夫が支払っていれば控除可能





基準が明らかでない場合の会計処理に重要性がある場合は、重要な会計方針として注記

・ASBJが審議
・会計基準の定めが特に存在しない、業界固有の会計処理など、これまでは開示されていなかった会計方針について、重要性が高い場合は会計方針として開示することを求める方向に。
・「重要性」の判断基準は特に記述しない予定







10.収益認識基準に対応した法人税基本通達のポイント

■役務提供に係る収益の帰属の時期
・通則的な部分(2-1-21の2~6)⇒対象は「収益認識基準の適用対象となる取引」
・具体的な取扱部分(2-1-21の7~11)⇒対象は限定なし。従来の通達の取り扱いを維持。

・請負に係る収益の帰属の時期(2-1-21の7)
⇒履行義務が一定期間に渡り充足されるものについても
原則、「目的物の全部を完成して相手方に引渡した日」or「役務の全部を完了した日」を「役務の提供の日」とした上で、進捗に応じた収益の認識を「認める」としている。

■使用料等に係る収益の帰属の時期
・具体的な取扱部分(2-1-29~30の5)⇒対象は限定なし。

・賃貸借に基づく使用料等の収益の帰属時期(2-1-29)
⇒原則、収益認識基準。許容、従前の改正前通達。

・知的財産のライセンス供与等に係る収益の帰属時期(2-1-30)
⇒一定の要件のもとでは、履行義務が一時点で充足されるものとする。




11.「耐用年数」をめぐる会計上の実務論点Ⅰ~Ⅲ

■耐用年数の決定に係る会計基準のポイント
・税務上=法定耐用年数(画一的)
・会計上=経済的耐用年数
 ※法定耐用年数が企業の状況に照らして不合理でなければ、会計監査上妥当なものとして取り扱い可能

■耐用年数に係る実務上の留意点
・減損損失認識時に(計上の有無は関係なし)耐用年数の変更が必要なケース有り
⇒将来キャッシュ・フロー見積り時の見積り期間と耐用年数が密接な関係
・定借契約の場合やオペレーティングリース取引により使用している資産の資本的支出はその賃借期間で償却





12ポイントプログラムとデジタルサービス

■共通ポイントの取扱い
「共通ポイント」とは、ポイントサービスの加盟店で共通に利用できるポイントであり、当該共通ポイントに係る消費税法上の取扱いについては、現状当局の確立した見解は公表されていない。また実務上の処理も統一されていないが、税務調査で否認される事例が見受けられる。
・共通ポイントの運営会社は、ポイントプログラムの設計段階で消費税の取扱いをよく検討したうえで、慎重にその取扱いを決定する必要があり、以下は消費税の解釈例である。
・役務提供対価⇒課税取引
・物品切手等⇒不課税取引(発行時)、非課税取引(流通時)
・支払手段⇒不課税取引(発行時)、非課税取引(流通時)
・預り金的性質⇒不課税取引





13.研究開発税制における控除税額の上限に係る改正概要

研究開発支出のインセンティブ付与を目的として、各種優遇措置が追加。
2019年4月1日以降開始する事業年度から原則適用されることになる。
※従来あった「高度水準型」部分は、期限到来をもって廃止される

■総額型
 総額型とは、試験研究費の増額割合に応じて、当期の試験研究費の総額に対して一定割合を法人税から控除できるもの。
 改正後の税額控除率は以下のとおり。

(1)大企業の場合
・控除額の上限は法人税額の25%(一定のベンチャー企業の場合は40%)
・試験研究費の額が平均売上金額の10%を超える場合には、更に控除率・控除上限が上乗せされる時限措置がある

(2)中小企業の場合
・控除額の上限額は、法人税額の25%ですが、増減試験研究費割合が8%超の場合は35%(時限措置)。
・試験研究費の額が平均売上金額の10%超の場合には、控除率が上乗せされる2年間の時限措置がある。

■オープンイノベーション型の改正点
・控除上限が5%から10%に拡大
・支援対象の研究開発の範囲が拡大

上記改正により、法人税の控除上限が現行の40%から45%(ベンチャーの場合は最大60%)に引き上げられる。




14.サンバイオ株の大崩れ

・創薬ベンチャー
・2015年4月マザーズ上場
・公開株数は 400 万株、公開価格は 2,000 円、公開時の時価総額は 872 億円
・IPO後の 2 年間は認知度も低く、他の創薬ベンチャーが人気化する中で鳴かず飛ばずの株価推移が見られたが、
一昨年後半あたりから上昇トレンドが始まった。
・結果として昨年 6 月 25 日の株価 2,421 円は本年 1 月 26 日の高値 12,730 円まで 5.3 倍にまで急騰
・創薬ベンチャー全体相場が不調な中で、個人投資家の過度な米国での臨床試験結果に期待が集まり過ぎた結果、
株価は時価総額6300 億円台という異常な水準まで跳ね上がってしまった。
・結局、治験の結果は有効性を確認できず、投資家の期待は一気に失望に変わった。
・翌 1 月 30 日から大量の売りが出され、2 月 4 日まで 4 日連続のストップ安(2,400円程度)となった。






15不動産リースの判定

■リースの定義
リースとは資産を使用する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転する契約または契約の一部であること
→資産の特定、経済的便益の享受、資産を自由に使える権利の3点から判断していく

■不動産リースの場合
不動産リースには土地および建物、オフィススペース、小売スペース(テナント)等が挙げられる。
不動産賃貸借契約がリースに該当するかどうかは明確に判断できることが多い
・資産の特定
→契約で住所やモール内のどの店舗を貸し出すか明記
・経済的便益の享受
→単独で使用する権利を有している場合は条件をみたす。サブリース時も当該要件を満たす
・資産を自由に使う権利
→通常、賃借資産をどのように使用するかの意思決定権を有している。
→たとえば、ホテル用途として使用すると契約書に記載がある場合、借手がホテルとして使用する範囲内であれば、どのように使用するかの意思決定妨げるものではない

■オフィススペースのリース
・契約前提
→オフィスビルの2フロアをリース、借手がフロアを単独で使用し、フロア内の営業時間等をコントロールしている
・判定
→契約でフロアと明確に特定されている、借手が自己使用で経済的便益のほとんどすべてを享受、借手が賃借スペースの使用方法を決定している
・結論
→リースに該当























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2019年2月11日月曜日

2/8 勉強会:インセンティブ報酬の会計処理 他

1.Q&Aで読むガバナンス関係の会社法制の見直し要綱案

■株主総会資料の電子提供制度について、現行実務と大きく変わるか。
⇒今回の株主総会資料の電子提供制度では、現行制度とは異なり株主の個別承諾を得る必要なく、
会社は取り取締役が株主総会を招集するときは、株主総会参考書類等をインターネットにより
株主が提供を受けることができる旨を定款で定めることができるようにする。

■株主提案の議案数が10に制限されるが、例えば取締役の選任議案の場合、
2人選任することを提案する場合には2つとカウントされるのか。
⇒議案数は1となる。

■不適切な株主提案の内容を制限することはできるか。
⇒不適切な内容の株主提案を抑止することを目的として、
下記の場合は株主提案をすることができないこととする。
・株主が専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、困惑させる場合
・自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的の場合
・株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがある場合

■パフォーマンスシェア等について、現物出資の方法によらず、株式の無償発行ができるようになるのか。
⇒今回の要綱案では、上場会社は定款又は株主総会の決議により無償で株式を報酬として交付できるようにしている。

■新株予約権の登記はどのような見直しが行われるか。
⇒ブラックショールズモデルについては、払込金額又はその算定方法等の登記を不要とする見直しが行われる。





2.個人版事業承継税制に係る贈与税の納税猶予が明らかに

■税制改正(今回)
・個人事業者が事業用資産を生前贈与した場合にも適用することができる

■要件(特例事業受贈者となるための要件/すべて満たす必要あり)
・贈与の日において20歳以上(2022年4月1日以降の贈与は18歳以上)である
・中小企業経営承継円滑化法の認定を受けていること
・贈与の日まで引き続き3年以上にわたり特定事業用資産に係る事業に従事していたこと
・贈与の時から贈与の日の属する年分の贈与税申告書の提出期限まで引き続き特定事業用資産のすべてを有し、かつ、自己の事業のように供していること
・贈与の日の属する年分の贈与税申告書の提出期限までに特定事業用資産に係る事業について開業届を提出していること及び青色申告の承認を受けていること
・特定事業用資産に係る事業が贈与の時において資産保有型事業、資産運用型事業及び性風俗関連特殊営業のいずれにも該当しないこと
・贈与者の事業を確実に承継すると認められる要件として財務省令で定めるものを満たしていること

■留意点
・受贈者が事業を廃止した場合
・事業に係る事業所得の収入がゼロになった場合
・青色申告の承認が取り消された場合、取りやめた場合等は猶予が打切り





3.中小企業向け租特の適用停止対象を追加

■適用除外事業者の範囲
・事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度の所得の金額の年平均額が15億円を超える中小企業者

■適用時期
・31年4月1日以後に開始する事業年度から

■適用停止となる措置法(31年税制改正案)
・中小企業者等の法人税率の特例
・中小企業投資促進税制
・商業、サービス業、農林水産業活性化税制
・中小企業経営強化税制
・特定地域における工業用機械等の特別償却
・災害対策設備投資減税





4.預金口座と個人マイナンバーとの一律紐付けはなしへ

■31年度税制改正
マイナンバー制度の施行日前に開設された証券口座の個人情報をほふりが直接、住基ネットからまとめて取得し証券会社や株式発行企業に提供できるようにする仕組みが導入。
また、金融機関等は顧客からマイナンバーの告知を受けなくてもほふりかマイナンバーの提示を受ければ顧客はマイナンバーを告知したと“みなす”という改正も盛り込まれている。

■ここでいう金融機関等とは
⇒今回の改正では主に「証券会社」を指し、銀行などの金融機関は含まれていない。
⇒仮に今回の改正で含まれていたら新規口座を開設時にマイナンバーの提示をしなくても銀行側で取得
※個人番号の提供義務化は2021年を予定している。

ほふり:証券保管振替機構の略称、データ化された有価証券の処理・保管を行う機構





5.平成29年6月付課法2-17ほか1課共同「法人税基本通達等の一部改正について」(法令解釈通達)の趣旨説明(1)

【役員給与等】
■定額同額給与
⇒手取り額(源泉徴収等したあとの金額)が同額となる場合も対象

■事前確定届出給与
⇒確定した数の株式や新株予約権を交付することできることを追加
⇒「利益その他の指標を基礎として譲渡制限が解除される数が算定される譲渡制限付株式による給与」を事前確定届出給与の対象から除外

■業績連動給与(利益連動給与)
⇒市場価格のある株式や新株予約権を交付することできる
⇒支給額や交付株式等の算定方法の基礎として、株式の市場価格及び売上高の状況を示す指標を追加。
⇒完全支配関係のある子会社が支給する給与も対象

■退職給与
⇒業績連動給与の要件をみたせば損金算入できる

■譲渡制限付株式、新株予約権を対価とする費用
⇒役務の提供を受けた法人以外の法人が交付するものを対象に追加
⇒非居住者に付与する場合にも損金算入を認める






6.所得税における損失の繰越控除手続と期限後(修正)申告の期間期限等

■所得税法における損失繰越控除
・所得税法における損失繰越控除は法人税法のように一律ではない。損失発生の対象となる所得の種類によって異なる。
・特に個人の場合、源泉徴収制度が整備されているため確定申告の機会が少ないので損失繰越控除の要件の所定期間の申告書の継続提出を怠りがちである。
⇒そこで問題となるのは期限後申告書の提出期限が問題になる。

■事例
・事例では給与所得者である個人が先物取引に係る差金等決済による収入を得ていた。過去6年間の内、3年間損失があり、3年間は利益を得ていた。当該損失年分について税務署の担当者の指導により期限後申告書が提出できなかったため、一部について損失が繰り越せなかった。

⇒このような問題は、最近個人の株式投資等活発になっている中で所得税の課税のあり方に関わるので注目する必要がある。







7.確定拠出年金と定期同額給与

■掛金
最大月55,000円で課税給与から直接控除扱いとなる。
基本給300,000円の場合、課税所得245,000円となり、社会保険の標準報酬も
この金額をベースに計算されるため節税効果がある。

■定期同額給与との関係
前述のとおり、課税給与から直接控除扱いとなる。そのため、役員が期の途中で
加入した場合、定期同額給与の要件を満たさないことになる。
⇒役員の場合は加入時期に注意が必要。期首から3か月以内に加入するのがよい

■参考
確定拠出年金の掛金⇒法人税法施行令第135条第3号を根拠として損金の額に算入される






8.特定支出控除と確定申告

特定支出控除とは、
業務にかかる支払が多い場合、給与にかかる経費と考え、
給与所得控除とは別に給与収入から控除できる

■特定支出控除の範囲
・通勤費
・転居費
・研修費
・資格取得費
・帰宅旅費
・勤務に必要となる経費
これらの支出合計が、給与所得控除額の1/2を超える場合に、超える部分の金額を控除することが可能

■確定申告
特定支出に関する明細書と雇用主の証明書を申告時に添付する必要あり






インセンティブ報酬の会計処理

・会計上の取り扱いは必ずしも明示されていない。
・日本公認会計士協会が「研究報告」を発表(あくまで現時点における一つの考えを示しただけで、実務上の指針でもない)。

・事後交付型の自社株型報酬(パフォーマンス・シェア・ユニット等)
⇒業績等の条件の達成度合いに応じて与えわれる株式数等が決まる。
⇒会計処理は、
(1)付与決議日:仕訳なし
(2)業績等連動期間の経過に応じて:
  (借方)報酬費用 / (貸方)負債(※)
(3)権利確定時
  (借方)負債(※) / (貸方)払込資本
(4)権利失効時
  (借方)負債(※) / (貸方)報酬費用

※負債ではなく、純資産とする考え方もあり(返済義務はないため)

なお、金額は付与日の株価に基づいて計上する。
付与日以後の株価の変動はサービスの価値とは直接関係しないため。

・事前交付型の自社株型報酬(リストリクテッド・ストック等)
⇒付与日時点で譲渡制限付きの株式が与えられ、対象期間中に退職すると、無償で会社が取得する
⇒会計処理は、
(1)付与時:
  (借方)前払費用 / 払込資本
(2)勤務対象期間の経過に応じて:
  (借方)報酬費用 / (貸方)前払費用
(3)権利確定時:仕訳なし
(4)権利失効時
  (借方)損失(※) / (貸方)前払費用

※無償取得することになった部分に相当する前払費用を取り崩し同額を損失処理。






10.KPIの開示

・2017年3月31日以降終了する事業年度からKPI(重要業績評価指標)の開示が求められている。

・金融庁は2018年12月に「記述情報の開示に関する原則」案を公表
⇒経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等(KPI)には下記が含まれる。
 ①財務KPI(ROE、ROIC等)
 ②非財務KPI(契約率等)

・帝人の例(2018年度3月期の有報)
①収益性指標:ROE
②成長性指標:EBITDA
 ③投入資源に対する収益効率性の指標:営業利益ROIC
 ④非財務情報を含む独自のKPI:発展戦略プロジェクト売上高、ダイバーシティ推進度






11.債権回収時の内容証明の効果

1.精神的なプレッシャーによる弁済の促し
2.裁判における証拠品として残せる
3.公的に日付を証明できる
4.債権の消滅時効の中断
⇒内容証明郵便を利用する効果は、債権の時効を中断することができるところにもあるが、
内容証明郵便で時効を延長できる期間は6ヶ月。
5.期限が設けられていない債権を債務不履行にできる
⇒内容証明郵便を介して催告書を債務者へ通知することで、弁済期日を設けることができ、通知が届いた日が弁済期日
6.遅延損害金の請求ができる






























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2019年2月3日日曜日

2/1 勉強会:2018年のIFRSの主な基準開発の動向 他

1.ほふり(証券保管振替機構)が個人番号一括取得で調査効率化

・平成32年4月1日から施行予定(マイナンバー法、住基法は今年の通常国会で審議予定)
・31年改正で、ほふりが直接、住基ネットから顧客の個人番号をまとめて取得し、
 証券会社や企業に提供できる仕組みが導入される。
・税務当局は、ほふりや証券会社等に個人番号付きで納税者に関する情報照会を行うことが可能になる。

⇒税務署等が、ほふりや証券会社に個人番号とともに納税者に関する情報照会を行えるようになることで、
 税務調査が大幅に効率されることになる。





2.相続対策の信託をめぐり東京地裁が注目判決

■登場人物
・被相続人:父(死亡)
・相続人:長男(原告)、二男(被告)、娘

■不動産信託(相続財産、カッコ内は固定資産税評価額)
(1) 父が居住していた居宅及びその敷地等(約3.5億円)
(2) 賃貸物件(共同住宅2棟)とその敷地(約1.2億円)
※ 共同住宅の賃料収入は約1000万円/年
(3) 相続税納付のために売却済みの不動産(約1.2億円)
(4) 無償貸与している倉庫敷地とその付近の私道敷地(非課税)
(5) 栃木県の山林(約2万円)

■相続の内容
・信託=受託者が物件等を管理し、賃料を受益者(相続人)に給付
・二男(受益権割合=4/6)、長男と娘(受益権割合=1/6ずつ)
・父の意図=二男に家を継がせたかった

■判決
・収益物件に関する部分は基本的には有効(受益権割合どおり)
・(1)(4)(5)は、収益を生まず、遺留分減殺請求を不当に免れるために信託設定されたものと解さざるを得ない。
⇒所有権移転登記&信託登記の抹消を指示




3.アンテナ設置収入は収益事業に該当

■事例
・マンション管理組合が屋上の一部を基地局として携帯会社に賃貸し、アンテナ設置料収入を収受
・管理組合は、各区分所有者の所得として所得税の対象となると主張

■地裁判決
・屋上の賃貸収入は不動産貸付業に該当し、管理組合(人格のない社団等)の収益事業として法人税の対象となる
⇒賃貸収入は屋上のごく一部の賃貸によるもので、事業的規模とはほど遠く、収益事業には該当しないとして控訴

■高裁判決
・アンテナ設置収入は、収益事業に該当すると判断
⇒店舗の一画を貸すケース貸しや屋上広告も収益事業となるから
⇒アンテナを設置している限り継続して賃料収入が得られるから





4.消費税率に関する経過措置の取扱いQ&A

■31年施行日を含むゴルフ場の年会費
・優先、割引利用といった役務提供を受ける資格を維持させることを目的とした年会費
・年1回、1月1日に在籍している会員から受領 ・中途解約しても返還義務を負わない
上記のような条件で31年1/1~12/31までの年会費を12月に請求する場合、8%の適用されるのか。

A、旧税率8%が適用される。
⇒返還義務のない年会費などは法人税法上も権利が確定した時点で収益計上
 31年施行日前に請求して収益計上した分については31年の期間が含まれていたとしても8%を適用する。

■施行日以後にアップグレード等による追加料金に係る税率
・31年10月1日以後に搭乗する航空料金を施行日前(9月30日以前)までに支払
・上記、10月1日以後にアップグレード
このような場合、アップグレード料金に8%税率が適用されるか

A、旧税率8%は適用されない
⇒経過措置の要件「31年施行日の前日までに受領(又は支払)したもの」とあるので要件を満たせないため。

■工事の請負等の税率に関する経過措置
歯の矯正治療やインプラント治療に係る軽減税率について
・31年3月31日までに申込を受け、治療の完了予定は10月1日以後
・患者が中途で治療を止めた場合でも治療代は返還しない。
・治療代は継続して受領した日の売上として計上している
このような場合、受領した治療代に8%税率が適用されるか。

⇒A、収益に計上した時の税率(8%)を適用して差支えない。
 一般的に歯科治療において医療ミスでもない限り、通常は中途で中断しても治療費は返還しない。
 経理処理上、継続して一括受領し収益計上している場合は、所得税や法人税との整合を取る為にも
 8%を適用しても差支えないとしている。






5.任期満了監査人、再任しない理由を記載

金融庁、会計監査に関する情報提供の充実で報告書を公表

■概要
・金融庁設置の懇談会が、「会計監査に関する情報提供」に関する報告書を公表

当報告書では、主に以下の事項が求められている。
・限定的適正意見や意見表明等が表明された場合、意見の根拠を十分かつ適切に記載すること
・株主総会での意見陳述の機会を活用し、監査人に追加的な説明を行うこと
→なお株主等への説明は、正当な理由に該当するとして守秘義務違反にならないことを明確化
・監査人の交代がある場合には、実質的な監査人の交代理由を開示すること

なお東証は当報告書を踏まえて「会社情報適時開示ガイドブック」を改訂。




6.平成31年度税制改正について

平成31年度税制改正について
■消費税率の引き上げに伴う需要平準化対策
・自動車関係諸税
⇒消費税率引き上げ後に購入した新車から自動車税を減税(1,000円~4,500円/年)
⇒環境性能割の税率を1%分軽減(2019年10月~2020年9月末の1年間の特例措置)等
・住宅関係諸税(時期:2019年10月~2020年12月末)
⇒住宅ローン減税の対象期間を10年から3年間延長。
⇒建物購入価格の消費税2%分を減税

■法人税課
・中小企業に係る投資促進税制等
⇒防災・減災の対象設備への投資に対する特別償却(20%)。(新設)

■地方税
・特別法人事業税(仮称)の創設
⇒法人事業税(所得割・収入割)の一部(法人事業税の約3割)を分離し、特別法人事業税(仮称)(国税)とする。適用期日は2019年10月1日以後に開始する事業年度から。




7.事業用資産に係る納税猶予は機械装置等を買い換えても継続

・H31年度税制改正で創設予定の新たな個人事業主を対象とした事業継承税制は、10年間の時限措置で既存の事業用小規模宅地特例と選択適用とする。法人の事業承継税制と同じく承継計画を作成して中小企業経営承継円滑化法の認定を受ける仕組み。

・対象となる特定事業用資産は、事業用土地及び建物他、建物以外の減価償却資産で青色申告書に添付される貸借対照表に計上されているもの。




8.消費税:一体資産の判定

■一体資産とは
食品と食品以外の資産があらかじめ一体となっている資産で,その一体資産に係る価格のみが
提示されているもの。
(1)税抜価額が1万円以下
(2)食品の価額の占める割合が2/3以上
の場合,全体が軽減税率の対象となる

■セット商品の判定
顧客がセットの組み合わせを選択できるものは一体資産に該当しない

(例)
ハンバーガー+ポテト+おもちゃのセット商品でおもちゃが複数種類ある場合

おもちゃの種類を顧客が選択できる場合⇒一体資産に該当しない(軽減税率適用外)
おもちゃの種類を顧客が選択できない場合⇒一体資産に該当する(軽減税率適用)




国際観光旅客税と社員旅行

2019/1/7より国際観光旅客税(出国税)が開始。
⇒日本を出国する際、国籍に関係なく2歳以上であれば1人1,000円徴収。
⇒徴収方法は飛行機や船舶の旅券に上乗せされる。

■従業員の出国税を法人が負担した場合
・業務遂行上必要な場合 ⇒ 非課税
・上記以外 ⇒「給与」として所得税の課税対象
※どちらのケースでも「旅費交通費」又は「給与」であるため損金算入可

■では社員旅行のケースはどうなるか?
従業員のレクリエーション目的と同様に下記を満たす場合は給与課税されない
・旅行期間が4泊5日以内
・社員数の50%以上が参加

■補足
・海外出張の旅費と同様と考えられるため、消費税は課税対象外。
・個人事業主が海外出張で出国税を支払った場合、必要経費算入可
・入国後24時間以内に出国する乗り継ぎや天候トラブル等については出国税が課されない





10.米国の大麻業界

・大麻について、米国では23州が医療目的で、10州がレクリエーション目的での使用を認めている。
・連邦ではヘロインと同等の扱いで、いかなる目的でも販売及び流通が禁止。
・大麻の市場規模は推定5兆円(2016年)。映画産業の4.7兆円(2017年)を上回る。
・トランプ政権は解禁に前向き。
・米国公認会計士協会のホームページでも、大麻ビジネスに関するサイトあり。
・大麻ビジネスを専業とする公認会計士事務所や教育機関もある。
 ⇒ 大麻ビジネスのための原価計算や事業内容を教えている。






11.2018年のIFRSの主な基準開発の動向

■2018年のIASBの主な公表物
①「財務報告に関する概念フレームワーク」の改訂(3月)
・複数の測定基礎とそれらを選択する際に考慮すべき要因の考え方
・その他の包括利益が原則リサイクリングにより当期純利益に組み替えられる。

②「重要性のある」の定義(10月)
・定義に「情報を覆い隠す」という用語が加えられた。
・定義の「影響を与える可能性がある」という用語が「影響を与えると合理的に予測し得る」に置き換えられた。

■2018年に成果物の講評はないが、検討がされている事項
①基本財務諸表
・IFRSの損益計算所に新たに3つの段階利益を導入し、そのうち1つが営業利益。

②のれんの会計処理の簡素化
・のれんを償却する。
・のれんの年次の減損テストの強制を免除する(兆候に基づく減損テストとするか)。







122019年2月のIPO銘柄

・5銘柄が予定(18年は2銘柄)
・全体相場次第ではあるが、このペースで今年もIPO銘柄数は 90 前後に達することが想定されるとのこと。
・今年最初のIPOは2月22日の識学(7049・マザーズ)

・識学は設立が 2015 年の若い企業で直近の業績が急速に向上
・組織マネジメント理論「識学(しきがく)」を使ったコンサルティングサービスを提供し、組織改革、生産性向上の支援を行っている。
・累計 800 以上の企業、団体を支援しているとのこと。





























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