2012年11月23日金曜日

11/22 勉強会:【法人税】貸倒損失に係る質疑応答事例(国税庁HP) ほか



贈与税の実地調査が急増!


平成22年度から贈与税の積極的調査が始まった。
→結果、平成23年度の実地調査件数は前年から16.2%増の5,671件。

■平成23年度の贈与税調査実績
非違割合(申告漏れ等の非違件数/実地調査件数)=(5,331/5,671)=94.0%
→うち無申告分が、82.3%
→申告漏れの財産は、「現金・預貯金」が、63.3%で最も多い。

※参考(平成23年度の相続税調査実績)
非違割合(申告漏れ等の非違件数/実地調査件数)=(11,159/13,787)=80.9%
→申告漏れの財産は、「現金・預貯金」が、36.2%、「金地金など」が、29.9%

移転価格税制の申告漏れ件数が過去最高


・移転価格の申告漏れ件数が、取りまとめ開始(平成17年度)から
 最高の182件(前年比124.7%)
・また近年、国税庁の方針により海外取引調査が強化されている。
→結果、調査件数は15,247件(前年比110.5%)、非違件数は、3,666件(102.5%)

■移転価格税制とは?
「海外関連者」への不当な低額販売、
及び「海外関連者」からの不当な高価買入れがあった場合、
その取引が通常の価格(第三者間価格)で行われた場合と比べて
少なくなってしまった利益を「認定利益」として、追徴課税しましょう、という制度。
例えば親子会社との取引の場合、その取引の価格を自由に決めることが可能。
これを利用して、通常の取引では考えられないような販売価格などを設定することで
所得の調整を行うこと。

外国船舶内での物品販売、輸出免税等の対象とならず


■概要
⇒日本国内の港に停泊中の外国船舶内でその乗組員に対して行った土産品販売
 (国内で仕入れた)は輸出免税等の対象とならないのか?

■結論
⇒輸出免税等に該当しない。

■理由
①輸出免税等の対象とするためには、税関長に輸出許可証を発行してもらい、
 保存することが必要だが輸出証明書を発行していなかった。
②そもそも日本の港湾内は国内という判断。

外国籍の相続人取得の国外財産が焦点に


平成25年度改正で見直しが検討されているもの

■相続税
 外国籍しか持たない相続人の子が取得した国外財産についての課税

■延滞税(利子税、還付加算金)に係る利率
 法定期限の翌月から2か月間以内の税率
 現状7.3%の特例部分=公定歩合+4%
 →3.1%へ引き下げ

■法人税
 期限切れ欠損金の損金算入制限

税務調査と修正申告、加算税は違法と判示


■争点
 税務調査着手後に納税者が提出した修正申告書は
  更正を予知してされたものかどうか

■国側の主張
 事務運営指針を踏まえ、具体的調査が行われた後に提出された修正申告書は
 原則として、調査により更正を予知して提出されたものとして取り扱われる

■裁判長の指摘
 調査が進行し先の申告が不適正で申告漏れが発覚し更正に至るということが
 客観的確実時期に達する前に自発的に修正申告書を提出したと認められるため
 修正申告は「更正があることを予知してされたものでない」と指摘


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6.【法人税】貸倒損失に係る質疑応答事例(国税庁HP)

■債務免除による貸倒れ(法基通9-6-1(4))
 ・債務者の債務超過の状態が継続し、弁済を受けられ無い場合で、
    書面による債務免除が行われることが要件。
 ⇒
 ・その時点で業績が悪いことだけではなく、
    将来的にも回復しないかどうかの検討が必要。
 ・書面による債務免除は公正証書等ではなく、内容証明郵便でOK。

■担保物がある場合の貸し倒れ(法基通9-6-2)
 ・担保処分後でなければ貸倒損失が認められない。
 ⇒
 ・抵当権順位が低いことにより、回収できないことが明らかであれば
    担保処分前でも貸倒損失が認められる。

■保証人がいる場合の貸倒れ(法基通9-6-2)
 ・保証人がいる場合、保証人からも回収できないときにしか
    貸倒損失が認められない。
 ⇒
 ・保証人にせ生活保護水準の収入しか無く、
    生活に必要な資産しか持ってない場合には、
    回収できないものとして貸倒損失が認められる。

■債務者と取引停止後1年以上経過した場合の貸倒れ(法基通9-6-3(1))
 ・継続的な取引を行なっていた債務者に対して適用が認められるもので、
   不動産取引のようにたまたま取引を行った相手には適用されない。
 ⇒
 ・通信販売の客等で結果として1回限りの取引となった場合でも、
    継続反復して販売することを期待して顧客管理をしているようなケースでは、
    継続的な取引を行なっていた債務者として適用される。

判例:個人支配の法人にかかるタックスヘイブン
税制適用除外要件について

■事案概要

個人A(日本在住)は個人出資でシンガポールに法人B
(特定外国子会社等に該当)を設立。
「実体基準」及び「管理支配基準」を満たすため、
タックスヘイブン税制の適用はないものと判断していた。
しかし、税務当局はいずれの基準も満たさないものとして課税した。

「実体基準」・・・当該国で必要な事務所等を有しているかをみる基準
「管理支配基準」・・・当該国で事業の管理を自ら行っているかをみる基準

■税務当局の主張
①法人Bは当該国で事務所等の賃貸借契約を有していないことから
 「実体基準」を満たしていない。
②法人Bは実質個人Aが日本で管理しているものであるから
「管理支配基準」を満たしていない。
⇒適用除外規定を満たさない。

■個人Aの主張
①当該国に事務所はないが、レンタルスペースを使用し
 業務委託料を支払っているから「実体基準」を満たす。
②当該国で株主総会を行っており、従業員も雇っていることから
 管理は現地で行っているものと認められる。
 よって「管理支配基準」を満たす。
⇒適用除外規定を満たす。

■東京地裁
個人Aの主張を認め課税を取り消した。※現在高裁に係属中

<まとめ>
「実体基準」の判定における事務所等はその業務を行うに足るものであればよく、
規模は問わない。
「管理支配基準」では従業員の有無・株主総会開催の有無が判定要素となる。

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8.重要事象等


「継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象又は状況
(重要事象等)」が存在している場合、
その旨及び内容を有報の「事業のリスク」欄で開示する。
(例)
・継続的な営業損失の発生
・売上高の著しい減少

シャープ
・重要事象等を開示
・ただし、「継続企業の前提に係る注記(GC注記)」は行なっていない
⇒GC注記は「解消のための対応策を行なっても、
なお継続企業の前提に重要な不確実性がある」場合


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2012年11月18日日曜日

11/16 勉強会:所得税:海外出向から帰国した者の年末調整等について ほか




無償取得した親会社株式の収入時期は入庫日と判断


(争点)
アメリカにある親会社より株式を無償取得した場合の収入判定時期は?
A:株式を受給する権利が発生した日
B:証券口座への入庫日

(審判所の判断)
証券口座への入庫日

(結論の背景)
今回のケースでは、受給される株式数について、
権利確定日後に会社が独自に採用した
株価及び為替レート等を考慮して決定していた。
つまり権利確定日においては、収入を算定できない。

よって、入庫日により判定するとなった。

非支配株主との取引は資本取引に


■企業結合会計基準等の公開草案を公表予定。適用時期は検討中

■支配が継続している場合の子会社に対する親会社の持分変動について
 ★子会社株式を追加した場合、一部売却した場合、
      子会社の時価発行増資等の場合
  現行→損益取引
  公開草案→資本取引
  
     よって親会社の持分変動による差額は資本剰余金

 ★純資産の部の表示
  現行→少数株主損益調整前当期純利益
  公開草案→当期純利益

■企業結合における取得費関連費用について
  現行→取得原価に含める
  公開草案→すべて発生時の事業年度の費用として処理

■暫定的な会計処理の確定または見直しが
   企業結合年度の翌年度に行われた場合
     現行→翌年度において特別損益に計上
  公開草案→企業結合年度の財務諸表において
                       暫定的な会計処理の確定または見直しの影響を反映させる

■連結株主資本等変動計算書の表示
  現行→少数株主持分
  公開草案→被支配株主持分

  現行→利益剰余金の変動事由における当期純利益
  公開草案→親会社株主に帰属する当期純利益

     なお、のれんに関しては連結・単体ともに当面は現行の償却処理を維持する

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3.【地裁 裁判例】 税務調査中の修正申告は
「更正予知」したものではないと判断

《過少申告加算税》
・当初申告が過少であり、後に修正申告した場合には過少申告加算税が課される。
・ただし、当該修正申告が税務調査があったことにより
  更正されることを予知して行われたものでないときは、
 過少申告加算税は課されない。

《東京地裁の判断》
・納税者が『更正予知』する時点を、
 『(税務調査において当初申告の)不適正部分を発見する端緒となる資料を
   発見等したことにより、
 その後の調査で更正に至るであろうということが
  客観的に相当程度の確実性をもって認められる段階』とした。
・税務調査が入った後に修正申告をしたことをもって、
  『更正予知』して修正申告をしたものとは言えず、
 過少申告加算税は賦課決定処分を取り消した。

【所得税】海外出向から帰国した者の年末調整等について

■前提 数年前に海外出向していたAさんが本年8/10に帰国した場合
※Aさんは8/11から居住者となる。1/1~8/10は非居住者

①年末調整の対象となる給与⇒8/11以降に支給された給与
②配偶者控除、扶養控除の適用⇒ある(12/31の現況により判定)
③出向中に支払っていた息子の国民年金⇒社会保険料控除は受けられない
※居住者である期間中に支払ったもののみ控除対象となる
④出向中に負担した医療費⇒医療費控除は受けられない
※居住者であることが要件のため、非居住者については適用なし
⑤海外で締結した生命保険料⇒生命保険料控除は受けられない
※海外締結の生命保険料は控除対象から除かれる
⑥住宅借入金控除⇒適用可
※出向の翌年以後再び居住の用に供した場合は残年数間控除が受けられる

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5.日本取引所グループ 発足

・東証と大証が合併
・2013年1月に発足「日本取引所グループ」
・新興市場はそのまま
・本即市場の上場基準は東証制度へ統合

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6.業績不振な100%子会社の株式の評価

・原則:取得原価により評価

 取得原価の50%≧実質価値の場合
→実質価値で評価を行う。

①子会社株式の実質価値の把握
 実質価値=子会社の純資産
 但し、子会社の資産等に時価評価に基づく評価差額があれば加味する。

②子会社の事業計画の実現可能性の検討
 客観的な資料等によるものかどうかが重要(借入金支払利息の削減等)。
※売上高について毎期10%増加するという仮定では弱い。

③子会社株式の評価の実施
 事業計画により3年~5年以内に取得原価以上まで実質価値の回復が
→明らか→取得原価で評価を行う。
→困難→実質価値で評価を行う。

7.残余財産等の税務上の取扱い

・解散会社の課税
   →損益課税(H22年9月30日以前解散)
   →財産課税(H22年10月1日以後解散)

 ・債務超過会社を精算する場合に債務免除益課税を回避する方法
   →青色欠損金、期限切れ欠損金を損金算入することで課税を回避

 ・残余財産がないと見込まれる場合とは、いつの時点でどのように判定するのか
   →精算中の各事業年度の終了時において、債務超過の状況か否かで判定

 ・残余財産がないと見込まれることの説明方法
   →実態貸借対照表を作成することで説明

 ・残余財産の確定日とはいつか
   →すべての財産の換価が終了した日等

 ・子会社解散とグループ法人税制の関係
   →親会社では子会社株式消滅損の損金算入はできない
   →子会社の青色欠損金を承継できる

8.税務調査手続きの改正

(1)税務職員の「質問検査権」の整備
 ・今まで法人税法、所得税法、消費税法等にそれぞれ規定
  →従来の規定は削除
  →国税通則法に改めて規定

(2)事前通知→法律に明文化

(3)調査終了時に下記を書面で通知
 ・更正決定等をするべき事項の有無
 ・更正決定等の理由、金額

(4)平成25年1月の税務調査からスタート
  (平成24年10月から先行取組み)

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2012年11月11日日曜日

11/9 勉強会:高齢者労働移動受入企業助成金について ほか



1.【法人税】 販売店従業員への報奨金と交際費

■自社製品の販売店に販促の目的で支払う
 販売奨励金(売上割戻し)の取扱い。
・販売店(会社)への支払い         ⇒ 販促費として損金算入
・営業マン(従業員)への直接支払  ⇒  交際費として加算/流出

■営業マンに渡したい場合の対策
・営業マンへ支払って貰うことをお願いした上で、販売店に対して支払う。
(営業マンへの支給時に販売店では給与として源泉徴収が必要。)

※営業マンへ直接支払う場合にも損金算入を認める特例
 (措通61の4(1)-14) があるが、適用場面は限定的。

【消費税】DPC対象病院から分配される診療報酬について

■DPC制度とは
特定の病院に導入された新しい診療報酬制度

<イメージ>
従前の診療報酬⇒「出来高報酬」
DPCによる診療報酬⇒「定額報酬」

■特徴
A病院に入院中であってもB病院で治療を受けることができる。
精算はすべてA病院を通じて行う。A病院は社会保険団体から
報酬を受け取り、B病院はA病院から報酬を受け取る。

B病院が受け取る報酬は非課税(社会保険診療扱い)となる。

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3.ケイマン諸島

・ケイマン諸島でのBig4の密度が米国のそれと比較して100倍ほど

・タックスヘイブンが野放しにされえいるのは、
  銀行やBig4がロビー活動を行い多額の金を政治家につぎ込み、
  法律や規則の不透明化を行なっているため。
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4.不服申立て・訴訟

・調査結果に不服がある場合について
 ①先ず国税不服審判所へ不服申立てをする
  (国税通則法第115条第1項)。
 ②その後裁判所へ訴訟の提起をする。

■留意点
・修正申告を提出した後の場合
→修正申告をした内容については不服申立ては出来ないが、
 修正申告に伴う加算税については不服申立てが出来る
 (修正申告とは別個の賦課決定処分のため)。

5.再生可能エネルギー固定価格買取制度の減免申請における留意点

・減免措置を受けられる会社
 ①電力多消費の事業所で国の要件に該当する会社
 ②東日本大震災で被災した会社

■留意点
 申請書類の中に公認会計士または税理士による確認書類があるが
 申請書類の一部(売上高等の確からしさ)の証明にとどまるもの
 で申請を保証するものではない。

6.債権差押命令申立てにおける預金債権の特定

・預金債権を差し押さえる場合
 以下の債権を特定できる事項を明らかにする必要がある。
 ①金融機関及びその支店の特定
 ②先行する差押え等の有無
 ③預貯金の種類
 ④口座番号の順序による順位づけ

→複数の店舗に預金債権があるときは
 その取扱店舗を限定することなく支店番号の若い順序に
 よる順位づけをすることができる(全店一括順位付け方式)。

7.税務調査手続等の改正について(平成25年1月1日以後から)

①概要
  ①原則として事前通知を行うこととされた
   ※法令上では反面調査は対象外だが、
    運用上は原則事前通知を行うとしている
  
  ②質問検査権に関する規定が整備された
   Ex.帳簿書類等の提示提出を要求する権限や、
     提出物件の留置き規定が新設
     →強制的権限が与えられたわけではない為、
     社会通念上相当な限度を超えると
     考えられる場合はその旨を主張し説明を求めるべき

   Ex.手続通達で以下のように明記された。
     「調査は~社会通念上相当と認められる範囲内で、
     納税者の理解と協力を得て行うもの」
    →税務職員の強引な立入り、
      プライバシーを侵害するような調査行為は
      違法と評価される可能性が高い
 
  ③調査終了時の手続が定められた
   Ex.更生決定をすべきと認められない場合は、
     非違がない旨の書面を通知するものとされた
  
   Ex.更生決定をすべきと認められる場合は、
     調査結果の内容(金額、理由)を説明するものとされた
    (運用上は口頭で)

8.組織再編におけるDESの活用方法

ケース:債務超過(超過分に有利子負債)にある会社の買収
    (現在の株主が貸付を行っている場合)

過剰な有利子負債を承継せずに買収する方法
→貸付金をDESにより株式に振替た上で株式を無償売却

例)債務超過△40の場合

(債務者側)
〇DES実行時    有利子負債 40 / 債務消滅益 40

(債権者側)
〇DESによる取得  株式       0 / 債権    40
                  債権消滅損  40

〇株式の無償譲渡  株式売却損  0 / 株式         40

9.やってはいけないM&A

(1)目的が曖昧なまま進む
 ・初期段階での「M&Aの目的」「戦略的適合性」の議論不足
 →実務的な話が始まると「適合するかどうか」の議論に戻りにくい
 →費やした時間、費用がもったいなくなる
 →他部署の案件だと口出しできない
 →やり遂げることが目的になってしまう

(2)M&A後の体制を想定できない
 ・昔 :「DD=対象会社のアラ探し」
 ・最近:「M&A後の施策、体制をDD期間に検証」
 →どうしたらシナジー効果を早急に実現できるか

(3)シナジー効果創出を相手頼みにする 
 ・「誰の努力、協力が必要なのか?」
 ・「シナジー効果は誰のPLに影響するのか?」
 →対象会社任せではシナジー効果は期待できない

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【助成金について】


10.高齢者労働移動受入企業助成金

定年を控えた高齢者を、失業期間なしで雇い入れたときにもらえる助成金

要件:
①ハローワーク経由で雇い入れ
②該当労働者の賃金台帳等の整備
③雇い入れから6ヶ月~1年の間に申請(この間に継続雇用していること。)

もらえる金額
①短期労働者の場合:40万円
②短期労働者以外の場合:70万円


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2012年11月3日土曜日

11/2 勉強会:法人税:管理組合のカーシェアリングにかかる収益事業判定について ほか



1.病院等の消費税転嫁問題で新たな解決策

・現状の問題点
①病院の診療報酬は主に非課税売上であるため、
   仕入税額控除が取れないことが多い。
②診療報酬額は国で決められているため
   消費税を勝手に価格に転嫁することはできない。

・以下の解決策を検討中
①一律に診療報酬額を上げる
②一定の基準を設けて基準に係る診療について、報酬額を上乗せする。

2.日本の港湾内に停泊中の外国船内は国内か?

⇒日本の港湾内に停泊中の外国船内で日本で仕入れた商品を売った場合
  輸出免税に該当するのか?

・審判所の結論
日本の統治権が及ぶ領海内は国内と判断するのが妥当。
よって、国内売上として消費税を課する。


3.年末調整は国民年金の後納保険料に注意

■10月から12月までに支払った過去10年分の後納保険料がある場合
→年末調整は、後納保険料の領収書の提出により行う。
※後納保険料:過去10年分の未納国民年金保険料
※本年分は、「社会保険(国民年金保険料)控除証明書」の提出が必要

■所得金額から差し引くことができなかった社会保険料控除額がある場合
→翌年以降に繰り越すことはできない(切り捨て)。
→後納保険料は平成24年10月1日から平成27年9月30日までの分割納付が可能
→後納保険料による所得税額控除を活用するためには、
   分割納付も考えてみることが必要

4.タックスヘイブン対策税制

■軽課税国にある現地子会社の資産性所得については、
 持分に応じた部分が合算課税の対象となる
 特定外国子会社等に該当する場合
 ①実態がともなう事業展開である場合には
   適用除外基準を満たし合算課税の対象とならない
 ②一定の資産性所得については持分に応じて合算課税の対象となる

■資産性所得とは
 剰余金の配当や債権の償還差益など、資産の保有を原因とする所得
 限定列挙されている

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5.【消費税】消費税の還付申告と明細書の添付義務

以前は《任意》だった『還付明細書』の添付が、H24.4.1以降に提出する還付申告書
では《義務》になった。

【消費税】簡易課税制度による益税

・会計検査院が簡易課税による益税の実態検査を行った。

第1種~第5種のいずれの業種でも、
簡易課税制度適用者の『みなし仕入率』は実際の『課税仕入率』を下回っていた。

(私見)
不利な会社は簡易課税を適用しないから当り前の結果。
これをもってみなし仕入率の改定根拠にしようとしているのなら、変だと思う。

.【法人税】管理組合のカーシェアリングにかかる収益事業判定について

■マンション駐車場貸付の処理モデル(3区分・国税庁公表)
①募集は広く行い、使用許可は内部外部問わず申し込み順とする
⇒全部収益事業

②内部の使用希望がない場合に限り、外部の使用を許可する。
 また、内部に希望者があらわれたときは外部使用者は早期に明け渡す
⇒一部収益事業

③内部に使用希望がなくても外部の使用を許可しない。
 但し、短期的な場合に限り外部の使用を許可する。
⇒全部非収益事業(一時的なものであり事業とは言えない)

■カーシェアリング
管理組合⇒リース会社に駐車場を貸す
区分所有者⇒リース会社に車の利用料を支払う

この場合、リース会社から受け取る駐車場代は収益事業・非収益事業の
どちらになるか?

■結論
車を利用できる者が区分所有者に限定されている場合は、
「区分所有者に対する共済的事業」の
意味合いが強いため、非収益事業となる。
(駐車場の貸付は共済事業のための付随行為とみる)
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8.ライツ・オファリングについて

◆ライツ・オファリングとは
  既存株主に新株予約権を割り当てる増資方法

 ◆種類
  ①ノン・コミットメント型
   割り当てられた新予が行使期間内に行使されなかった場合、消滅する方法

  ②コミットメント型
   行使されなかった新予を証券会社等が全て引受けることを
       発行会社に約束する方法
  
 ◆現状
  コミットメント型は、資金調達が確実だが
    引受証券会社を探すことが困難な為事例なし
  →金融庁が公開買付規制等を改正し制度整備を進めたところ

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