2019年1月5日土曜日

12/27 勉強会:中小企業向けの平成31年度税制改正の内容 他

1.報酬委員会の過半独立役員で損金算入可

平成31年度税制改正で業績連動給与の手続要件が見直される
(平成31年4月1日以後支給に係る決議をする給与から適用)

■損金算入要件緩和
・報酬委員会のメンバー全員が「非業務執行役員」であることを求める損金算入要件の削除。
⇒業務執行役員が自己の業績連動給与の決定決議に参加していなければOKに。

■損金算入要件厳格化
・現行の法人税法では、報酬委員会等の決定がなくても、監査役(あるいは監査等委員)の過半数が
業績連動給与に係る取締役会決議に賛成していれば損金算入できる。
⇒改正後は報酬委員会等の決定がなければ損金算入は認められなくなる。








2.中小企業向けの平成31年度税制改正の内容

■要約
・恩恵が縮小される方向へ
・大規模法人の間接保有ケースでも中小企業の特例対象外に
・貸倒引当金の法定繰入率も将来的には縮小の可能性

■大規模法人(資本金1億超or従業員1000人超)の間接保有ケースでも中小企業特例対象外
・現状:大規模法人に50%超直接保有している場合、特例対象外
・改正案:上記に加え、大規模法人に間接保有で100%保有されているケースもダメに
⇒例:資本金5億円の親会社、同1000万円の完全子会社、同1000万円の完全孫会社(対象会社)・・・現行は〇、改正後は×
(対象となる特例)
・中小企業技術基盤強化税制、中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制
・賃上げ及び投資の促進に係る税制
・少額減価償却資産の取得原価の損金算入
(例外)
・間接親会社(大規模法人)が事業承継ファンドで、中小企業基盤整備機構から事業ファンド経由で出資を受ける場合は上記特例の対象とする

■貸倒引当金の法定繰入率(改正あるが、通常は該当なしと思われる)
・事業協同組合や商工組合:繰入限度額を法定繰入率の計算結果の10%増しにする特例措置を廃止
・今後:法定繰入率自体が縮小の可能性あり(会計検査院:すべての事業区分で法定繰入率>貸倒損失発生率となっていたため)

■その他
・軽減税率等は適用期限が2年間延長(→)
・防災・減災設備の特別償却(20%)が創設(↑)
・研究開発税制も改正あり





3.消費税率に関する経過措置の取扱いQ&A(1)

【基本的な考え方編】

Q.施行日を含む1年間の役務提供を行う場合の税率について
A.役務提供が年ごとに完了する場合は、役務の全部を完了する日の税率を適用するので原則10%
中途解約時に返還の定めがなく、現金主義で収益計上を行っている場合は8%でOK
月ごとに役務提供が完了し、中途解約時に返還の定めがある場合、施行日前は8%。施行日後は10%

Q.経過措置が適用される取引は、必ず経過措置を適用しなければならないか?(電気料金、旅客運賃等)
A.必ず経過措置を適用しなければならない。選択適用はNG





4.平成31年度の税制改正大綱が決定

■個人所得課税
 ・消費税10%が適用される住宅取得 ⇒ 控除期間を10年から13年に延長する。
 ・ふるさと納税制度の見直し ⇒ 過度な返礼品を贈る団体については対象外とすることも
 ・ひとり親(未婚を含める)に対しての個人住民税の非課税措置を検討

■法人課税
 ・中小企業者等の法人税の軽減税率の特例適用期限を2年延長
 ・投資促進税制の特例適用期限を2年延長(所得税も同様)
 ・防災、減災設備への投資、医療設備機器の投資にかかる特別償却制度を創設及び拡充・見直し





5.取締役が横領した金員を役員給与と認めず

代表取締役以外の取締役による金員の横領を巡り、横領した金員を役員給与と認定した原処分庁による、源泉所得税の納税告知処分及び重加算税の賦課決定処分の全部を国税不服審判所が取り消した。

■概要
・取締役が金員を横領し、それが税務調査により発覚。
国税庁は、当該横領した金員を役員給与と市、会社に源泉所得税の納税告知処分及び重加算税の賦課決定処分を行った。
→会社は、会社の意思に反して横領したものであり、役員給与に該当しないと主張

■判断基準
・審判所は、横領した資産等については、法人経営の実権を掌握し、実質的に支配していれば給与等に該当するとした。

■本件結論
・本件取締役は、代表権もなく、株主割合は25%であり、業務に影響力を有していたとは認められず、また経理業務の重要な部分を任せられていたとも認められなかった。
→審判所は、本件取締役は会社を実質的に支配していたと認められないと指摘
→その地位及び権限に基づいて請求人から横領した金員を得たものとは認められない
→会社の意思に反して横領したものであり、役員給与に該当しない。





6.老人ホーム入居でも空き家特例の対象に

■空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除(H28/4/1~H31/12/1)
⇒被相続人が所有する居住用家屋等を相続した相続人が、その居住用家屋等を譲渡した場合の譲渡益から3,000万円を特別控除するもの。

■平成31年度税制改正 ※H31年4月1日以後に適用
⇒適用期限が平成35年(2023年)12月31日まで延長。
⇒被相続人が老人ホーム等に入居していた場合でも一定の要件を満たすことを条件に適用を認める(H28年度改正では適用対象ではなかった)
【一定の要件】
①被相続人が介護保険法に規定する要介護認定等を受け、かつ、相続開始直前まで老人ホーム等に入所していたこと。
②被相続人が老人ホーム等に入所したときから相続開始直前まで、その家屋について被相続人による一定の使用がなされ、かつ、事業の用、貸付けの用又は被相続人以外の者の居住の用に供されていたことがないこと。





7.相続税調査の簡易な接触は1万件超

・H27年1月の相続税基礎控除額の引き下げ等により、相続税の申告件数が増加したことを踏まえ国税庁は実地調査を実施する一方、簡易な接触も行っている。

・簡易な接触とは:保有する資料情報を用いて相続税の無申告が想定される納税者に対して文書や電話、来署依頼による面接により、申告漏れ等を是正する接触。

・簡易な接触は11,198件、内非違及び回答数6,995、申告漏れ課税価格517億円、追徴額40億円
・簡易な接触による1件当たりの申告漏れ課税価格は462万円で前年比で減少。

⇒相続税基礎控除額の引き下げにより、納税者の範囲が広がったため。





8.役員退職給与 功績倍率法と最終報酬月額

■ケーススタディ 最終報酬月額が不相当に低い場合

(功績倍率による適正退職給与算定方法)
最終報酬月額×役員在職年数×功績倍率

<概要>
・代表取締役Aが退任、勤続40年、功績大
・退職前2年は業績が悪化したため役員報酬を従前の60%にカット
・この場合でも最終報酬月額で計算しなければならないのか?

<成松洋一氏の見解>
・この算式はもともと「合理的な」退職給与額を算定するためのもの
・最終報酬月額が不相当に低い場合には「合理的な」退職給与額とならない
・最終報酬月額を絶対とするなら直前に増額することが可能になってしまう
・低額すぎるとして合理的な報酬月額に引き直してよいという判例もある

⇒明らかに最終報酬月額が低いとみられる場合には合理的な報酬月額に置きなおして
 問題ないと考えられる





フードバンクへの食品の提供は廃棄損として損金算入OK

食品ロスを推進する取り組みが盛んになっていることを踏まえ、
税務上の取り扱いを明確化

■フードバンクとは
廃棄されてしまう食品を引き取り、福祉施設等へ無料で提供する団体

■損金算入の要件
商慣習等で廃棄せざる終えない食品をフードバンクへ提供した場合、
「寄付」ではなく、「商品廃棄損」として損金算入が可能。

ただし以下2つの事実関係が必須となる。
・実質的に商品の廃棄処理の一環として、フードバンクへ提供されるものである。
・フードバンクとの合意書等で提供後の記録や報告等がルール化されており、
目的外に使用されないことが担保されている。⇒使途が明確に定められている。

なお、上記の事実関係を必須とし、
広告宣伝目的のためにフードバンクへ提供した場合も広告宣伝費として損金算入可






10.自社ポイントと消費税

・自社ポイントは、一定の要件を満たせば、法人税の計算上、付与時に売上から除外可能。
・消費税では付与時には売上から差し引けない。使用時に「対価の変換等」として売上から差し引く。ポイントでの支払いは商品の「値引き」に該当するため。




11.新収益認識基準の事例 いつ売上を計上するか?

■収益の認識の5つのステップ
・契約を特定する。
・義務を特定する。
・取引価格を計算する。
・取引価格を義務へ割り振る。
・義務を果たす。

■ライセンスに関する事例
<前提条件>
・ソフトウェアの開発を手掛ける売主A社が買主B社とソフトウェア・ライセンス契約を締結。
・当契約には、A社がインストールサービスとテクニカルサポート(2年間)を行う旨も含まれている。
・売主A社はこれまでライセンスの引渡し、インストールサービス、テクニカルサポートを独立して販売。
・ソフトウェアはアップデート、テクニカルサポートがなくても操作は可能。

<収益認識時期>
・B社へソフトウェア・ライセンスを引渡した時点で売上計上
⇒A社はソフトウェアのアップデートやテクニカルサポート以外に、ソフトウェア自体の機能性を高める義務なし
⇒ソフトウェア自体はA社のアップデートやテクニカルサポートがなくても機能するため、A社の継続的な活動、というよりソフトウェア・ライセンスの提供を受けた時点で、便益を得られる。





12GW10連休で申告・届出期限はどうなるの?

・2019年のGWは4/27~5/6が休日
■連休中に期限が到来する申告書等
・12月決算法人の連結納税に係る法人税申告書
・2月決算法人の消費税申告書
・12月決算法人の事前確定届出給与に係る届出書
⇒5/7に後ろ倒し
※国税通則法10条に明記されている

■例外
・消費税関係の届出書
⇒「課税事業者選択届出書」「課税期間特例選択届出書」は提出日の属する課税期間の翌課税期間の初日以後に効力が発生する







13.社外取締役のあり方と実務上の課題~指名委員会と報酬委員会~

・CEOの人事、経営陣の報酬決定に積極的に関与すべき

■CEOの選解任・後継者計画への関与
・CEOの選解任は会社における最も重要な戦略的意思決定
⇒(しかし)現実には、CEOの選定を現職経営トップの一存に委ねられることが多い
⇒(そこで)CEOの選任について指名委員会において審議することで、客観性・透明性を確保
※CEOの定義:形式ではなく、実質的な職責を担っているかにより判断される「経営トップ」
※現職による選定は必ずしも悪、ではない。

■経営陣の報酬決定
・役員報酬は企業価値向上のインセンとして働く必要がある
⇒(しかし)日本では業績連動報酬の割合が小さく、代取へ決定が一任される例も多い
⇒(そこで)代取の裁量権を絞り、報酬委員会による報酬制度設計や報酬額決定を推進




14.領収書・請求書「電子化」のメリットと落とし穴

電子帳簿保存法
→国税に関する税法の規定において紙を前提として備え付け保存することが必要な帳簿や書類の特例定めた法律
→「真実性の確保」と「可視性の確保」が求められる。

「真実性の確保」の決定要件
→タイムスタンプ付与│1ファイルに1スタンプを付与。
→画像の解像度│解像度が200dpl以上、RGB階調が256階調
→バージョン管理等│訂正・削除を行った場合、事実を確認できるようにすること
「可視性の確保」
→検索機能│指定された要件による検索ができるようにする
→帳簿との相互関連性│電磁的記録と帳簿の関連性を確認できること
それぞれ、上記の要件等が求められる。

電子化のメリット・デメリット
(メリット)
・業務効率化→証憑台紙への領収書貼付け作業手間削減
・保管・郵送コスト削減→書類保管の倉庫料や郵送コスト削減
(デメリット)
・業務プロセスの変更→「真実性の確保」「可視性の確保」を充足するように業務見直しが必要となる
・原本の証拠性→紙で作成された原本のほうが証拠力が高いと考えられるため、原本保管が必要な書類もある






15子会社清算時の債権放棄による損失は損金となるか

 当該債権放棄による損失については、やむを得ず行われる必要があり、合理的な整理計画に基づくもの等、相当な理由を有していると認められる場合、損金とすることができる可能性あり

■原則的な取り扱い
 法人税法上、回収可能な金銭債権の放棄は寄付金に該当

■相当な理由(裁判事例)
(1)判断ポイント
 ①損失負担の必要性
  業績不振の子会社等の倒産を防止するため等やむを得ず行われたものであるか
 ②再建計画の合理性
  合理的な再建計画に基づくものであるか

(2)判決
 ①について
  以下のことから、親会社による債権放棄の必要性が認められないとされた
  ・子会社は債務超過状態だが、親会社以外の他の取引先への債務の支払いは滞
   りないこと
  ・独自に金融機関からの借入れも継続して行えていたこと
 ②について
  以下のことから再建計画の合理性も認められないとされた
  ・再建計画には目標額の記載はあるが、経費削減に向けた具体的な取り組み、
   親会社に対する債務についての記載がないこと
  ・役員を派遣して資金繰りの方針や経営状態等を報告させてはいたが、それだ
   けでは適切な再建管理を行っていないとは言えないこと

⇒上記事例から、債権放棄による損失負担の損金処理は、①損失負担の必要性、②再建計画の合理性を考慮する必要がある。

■国税局等への事前相談
 当該事例のような損失負担等が寄付金に該当するか否かは、国税局等に事前相談に応じてもらえる体制がある。
※税務当局が再建支援計画の実施に対して事前に許可または認可を与えるものではない
※支援を受ける側からのみの事前相談は対象外

 (参考 : 再建支援等事案の事前相談に係る検討事項)
1. 損失の必要性
(1)事業関連性のある「子会社等」であるか
(2)子会社等は経営危機に陥っているか
(3)支援者にとって損失負担等を行う相当な理由はあるか

2. 再建計画(支援内容)の合理性
(1)損失負担額(支援額)の合理性(要支援額は的確に算定されているか)
(2)再建管理等の有無
(3)支援者の範囲の相当性
(4)負担割合の合理性

⇒上記のいずれにも該当する場合、寄付金に該当しない




15.公開価格割れでスタートしたソフトバンク

・公開価格 1,500 円に対して 2.5%下回る 1,463円で初値がついた。
・短期指向の投資家の売りが殺到した。
・親会社株も一時は 8000 円を割れかける場面も見られたがその後は持ち直しの動き。
・孫社長が今回の子会社上場で得た資金をどのように世界最先端のAI企業に注ぎ込むか、こちらは新たな投資家の期待を生むことになる。
・上場後、半期の配当金が 75 円の半分(配当性向約 50%)を実施。
・顧客の乗り換えや料金引き下げ、来期以降の5G設備投資の拡大といった課題を前に、年間 75 円の配当金を維持できるかどうかも一つの関心事となる。


























◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供  

12/21 勉強会:平成31年度税制改正で個人版事業承継税制を創設 他

1.平成31年度税制改正で個人版事業承継税制を創設

■事業用資産の課税価格の100%に対応する相続税額等を納税猶予
・10年間の時限措置(平成31年1月1日~平成40年12月31日)
・事業用宅地や事業用建物等について、課税価格の100%に対する相続税や贈与税額を納税猶予するもの
・担保の提供や、承継計画の作成と承認が必要
・既存の事業用小規模宅地特例との併用は不可





2.D&O保険、保険給付金額等は開示せず

■会社法の見直し
・役員等損害責任保険(D&O保険)契約に関する規定を整備
・株主代表訴訟担保特約部分の保険料についても会社が負担できることに(税務要件と合わせる形での見直し)
・内容を決定するには、取締役会決議によるものと規定する予定。

■公開会社の場合(事業年度末で公開会社の場合)
・上場開示規定も設ける
⇒以下2点を開示(事業報告に含める)
(1) 役員等賠償責任保険契約の被保険者
(2) 役員等賠償責任保険契約の内容の概要





3.消費税増税対策で住宅ローン控除13年に

■H31年度税制改正
・H31.10/1~H32.12/31までの間に居住の用に供した住宅について、住宅ローン控除の控除期間が3年延長

■控除額について
・1~10年目まで
⇒ローン残高の1%を10年間所得税から控除(最大40万円)

・11~13年目まで
⇒下記いずれか少ない金額を控除
(1)建物購入価格の2/3%
(2)ローン残高の1%






4.消費税の経過措置の取扱Q&A

■公共料金に関するQ&A
 Q:月々の携帯料金について、通話量に応じて計算し一括して利用者に請求する場合、経過措置の適用可能か?
 A:検針その他類する行為に基づき料金が確定するものなので経過措置の適用対象

 Q:貸しビルオーナーが受け取る電気料金は経過措置の対象となるか?
 A:不特定多数の者に対して行う契約をいうので経過措置の対象外となります。

■請負工事に関するQ&A
Q:機械設備等の販売契約に基づく据付工事が10/1以後に行われた場合は経過措置の対象となるか?
A:3/31までに契約を締結し、本体代金と工事代金が区分されている場合は経過措置の対象となる。

Q:歯の矯正治療やインプラントの申込みを3/31までに受けた場合、経過措置の適用はあるか?
A:あり。申込み時に一括して受領(返還しない旨を定めている場合)し継続して受領した時の、
収益計上している場合には収益を計上した時の税率を適用して差支えない。

■資産の貸付け関するQA
Q:メンテナンス料金を含めたコピー機のリース代金は経過措置が適用されるか?
A:3/31までに契約を締結し、10/1より前から引き続き貸付が行われる場合、月額料金の全額について
 経過措置が適用される。(リース契約とは別に付加されるメンテナンス料金の場合は適用対象外となる)








5.のれんの計上の状況等の分析②

■日本におけるのれん計上額の上位
・ソフトバンク:4兆3,024億円
・JT:1兆9,000億円
・武田製薬:1兆円
→1兆円を超える企業は上記3社のみである。

■日米欧の主要企業ののれん計上額(1社当たり平均)
・米国:2兆211億円
・欧州:7,969億円
・日本(IFRS):1,182億円
・日本(JGAAP):476億円
→欧米が日本とひくしてM&Aに積極的と言われているが、数値の面でもその傾向が表れている。

■日米欧で業種別のれん計上額が多かった業種
・通信業
・銀行業
・たばこ/食品/飲料業界
・製薬業
→上記業種は技術革新や陳腐化が早く、研究開発に時間をかけるだけではなく、多額のM&Aを多数行うことにより、「お金で時間を買う」傾向が強いことが






6.中小企業向けの災害対策設備投資減税が創設へ

■中小企業災害事前対策設備投資税制(H33年3月31日まで)
⇒防災・減災設備への投資について課税の特例の適用。
 特別償却率20%ができる。

【適用までの流れ】
①事業継続力強化計画(仮称)の策定
⇒目標、内容、実施時期、必要資金の額及び調達方法などを記載。

②経済産業大臣の認定
⇒中小企業者の事業継続力強化に関する「基本方針」に照らし適正なものであること
⇒事業継続力強化を確実に遂行するために適切なものであること

【対象設備】
■機械装置(1台又は1基の取得価額が最低投資額:100万円)
⇒自家発電機、排水ポンプ、制震・免震装置等

■器具備品(1台又は1基の取得価額が最低投資額:30万円)
⇒照明器具、衛星電話、データバックアップシステム等

■建物付属設備(一の取得価額が最低投資額:60万円)
⇒貯水タンク、浄水装置、防火シャッター消化設備、排煙設備等





7.住宅ローン控除で摘要誤り、国税庁が是正へ

・平成25年から28年までの所得税の確定申告書を提出した納税者の内、最大で約1万4500人について申告の誤りの是正が必要であるという。
⇒申告書の誤りがあった納税者には、所轄の税務署から文書を送付する予定

■主なケース
・住宅ローン控除と贈与税の住宅取得等資金の贈与の特例を合わせて適用を受けた場合の住宅ローン控除額の計算誤り
→新居を取得するに当たり贈与を受け、その受贈額について特例を受けた場合、さらに住宅ローン控除を受ける際には住宅ローン控除額の計算上、特例の適用を受けた受贈額を住宅の取得価額から差し引く必要があるが、そのまま減額せずに申告した。





8.住宅ローン控除等 適用誤り事例

■ケース1
住宅借入金等特別控除(以下住宅ローン控除という)と贈与税の住宅取得等資金の特例を併用している
⇒贈与税の住宅取得資金贈与の特例(一定の贈与額まで非課税とする制度)の適用を受けた金額は
住宅の取得資金から差し引いてローン控除を適用すべきところ、元の取得資金をベースに計算して
しまっている

■ケース2
ローン控除と居住用財産譲渡の3,000万円控除を併用している
⇒居住年及びその前後2年(計5年)の間に居住用財産の3,000万円控除を
受けた場合にはローン控除の適用はできないが併用してしまっている

■ケース3(贈与税)
直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けた一定の金額は非課税となるが、
贈与をうける者の合計所得金額が2,000万円を超える場合には適用がない
⇒受贈者の所得を確認しないで適用してしまっている





平成31年度税制改正大綱の大枠が固まる

概要は以下の通り。

■法人税
・研究開発税制の見直しに伴い、
積極的に研究開発投資を行う「一定のベンチャー企業」の税額控除の上限を増額。
現行25%⇒40%へ
・中小企業の防災・減災設備の特別償却制度を創設
・措置法の中小企業者等の特例などを延長

■資産税
・個人事業者の事業用資産に係る相続税の納税猶予制度を創設
・特定事業用宅地等に係る小規模宅地特例の見直し
・教育資金や子育て資金の一括贈与非課税措置について適用期限を2年間延長

■地方税関係
・特別法人事業税(仮称)を創設 ※平成31年10月1日以後開始事業年度より適用
⇒法人事業税(所得割・収入割)の一部を分離し特別法人事業税とする。
(例)
資本金1億円超の法人
法人事業税:現行3.6%⇒1%へ ※年800万円超の所得税率
特別法人事業税:事業税額(所得割)の260%

資本金1億円以下の法人
法人事業税:現行9.6%⇒7%へ ※年800万円超の所得税率
特別法人事業税:事業税額(所得割)の37%

■所得税
・ローン控除の拡充
消費税10%が適用される住宅取得等(新築の購入等)をし、H31.10.1-H32.12.31までに居住した場合、
通常10年間のローン控除の適用を3年延長して適用可能。
・仮想通貨
会計上の取扱いが公表されたため処理方法等を法令上明確化する。
・寡婦控除が見直しされる可能性も

上記の具体的な詳細については近日中に発表される大綱にて公表







10.会計方針の変更と遡及適用

・会計方針の変更の場合、過去の財務諸表が誤っていたわけではないので、過年度の財務諸表の訂正は不要。新たな会計方針を過去の財務諸表に遡って適用していたかのように会計処理を行う。

・(金商法)当期と併記する、前期の決算書は新たな会計方針に基づいて修正。それ以前の期に与える累積的影響額は、前期の期首に反映する。なお、有報の「主要な経営指標等の推移」には過去5会計期間の財務指標が記載されるが、遡及適用は前期まで(開示府令ガイドライン5-12-2)。

・(会社法)累積的影響額は当期期首残高に反映。過去に確定した分配可能額は影響を受けない。

・過去の情報が保存されておらず、遡及適用が不可能な場合は、適用可能な最も古い日以後適用する。

・重要性がないと判断される場合には遡及適用しない。






11.改正税効果基準 開示

・企業会計基準委員会(ASBJ)が2018年2月に「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」を公表。

・3月決算会社は2019年3月期首から、12月決算会社は2019年12月期首から強制適用。
⇒3月決算会社は2018年3月に終了する事業年度から、12月決算会社は2018年12月に終了する事業年度から早期適用可。

・早期適用できる項目は以下の2点

①繰延税金資産・負債の表示区分
⇒それぞれ「投資その他の資産」、「固定負債」へまとめて表示。

②評価制引当額の内訳に関する事項と、税務上の繰越欠損金に関する事項
⇒評価性引当額に重要な変動が生じている場合、変動の主な内容を記載。
⇒税務上の繰越欠損金が重要である場合、評価性引当額を、繰越欠損金に係る部分とそれ以外に区分して表示。








12過去最大のIPOファイナンス額

・ソフトバンク
公募はなく、売出しのみ約2兆6460億円(国内2兆1409億円、海外2646億円、オーバーアロットメント2405億円)であり、
想定発行価格1500円で換算したソフトバンクの株式時価総額は約7兆1807億円

1987年2月上場のNTTの2兆3750億円のファイナンス額を抜き、国内最大のIPOファイナンスとなる。
しかもNTT上場時よりも日経平均が高い環境であり、今までのIPOとしては一番恵まれた環境での上場といえる。
それでも、IPO時のNTTの時価総額は当時でも19兆円近くあり、ソフトバンクの3倍近くあった。
















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供