2012年8月26日日曜日

8/24 勉強会:3年以内既卒者採用拡大奨励金 ほか


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 1.課税売上割合に準ずる割合の考え方と留意点を確認(第1回)


■『課税売上割合に準ずる割合』は事業者の事業の実態が
 通常の課税売上割合に反映されていない場合に、
 所轄税務署長の『承認』に基づいて適用可能。

■通常の課税売上割合のように会社のすべての事業に
 一律して適用する必要はなく、事業場、費用の種類、等の
 単位毎に異なる『準ずる割合』を適用できる。
  ⇒事業所によって異なる『準ずる割合』を適用する。
  ⇒電気料金は面積按分、水道料金は従業員人数う按分、等。

■『承認』には一定の審査期間が必要なので、
  余裕をもって『承認申請書』を提出する必要がある。


2.判例:非減価償却資産の取得にかかる手数料の取扱いについて

※定期借地権⇒「土地の上に存する権利」として法人税法上の固定資産に含まれる
(非減価償却資産)

■概要
A社はB社と土地Xにつき定期借地権契約を締結した。その際仲介業者に
仲介手数料1,300万を支払い全額を損金算入した。
これに対し税務当局は当該手数料は定期借地権の取得価額に含めるべき
ものとし、損金算入は認められないとした。

■A社の主張
法人税法上、非減価償却資産の取得価額の範囲について明文化した規定はない。
したがって、手数料は取得価額に含める必要はなく、損金とできる。

■税務当局の主張
減価償却資産の取得価額には購入代価に付随費用を含めるものとされている。
非減価償却資産と減価償却資産では残存価額の点で違いはあるものの、
これをもって取得価額に違いを生じさせることにはならない。

■東京地裁の判断
税務当局の主張を認め、損金算入は不可。現在東京高裁に係属している。
  
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3.社外取締役 不設置の場合

・法制審議会の要綱案
・社外取締役の選任義務化は見送り
・社外取締役がいない場合、理由を事業報告書で開示
・取引所規制では「1人以上確保するよう努める旨の規律を設ける」


4.インセンティブのねじれの解消
  
監査役に、会計監査人の選任、解任、再任しないことの議案の決定権を付与


5.社外役員の独立性強化

(追加)
・「親会社等」と「兄弟会社」の関係者
・「株式会社の関係者の近親者」
(見送り)
・「重要な取引先の関係者」
(対象期間限定)
・10年経過でOK

6. 多重代表訴訟制度 

親会社株主が子会社役員に対して株主代表訴訟を提起できる
1%以上保有
100%子会社&子会社株式の簿価が親会社の総資産額の20%超


7.特別支配株主による株式売渡請求

特別支配株主(90%以上所有)が、少数株主に売り渡しを要求できる
「全部取得条項付種類株式」のスキームだと総会特別決議が必要なため

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【助成金について】 

8.3年以内既卒者(新卒扱い)採用拡大奨励金

⇒ハローワーク経由で大学卒業後3年以内の既卒者を正社員して雇い入れると
  事業所が100万円貰える制度
<要件>
・ハローワーク経由で正社員として雇用
・大学等を卒業後1年以上継続して同じ職場で働いたことがない若者を雇う
・6ヶ月以上定着すること
・雇い入れから6ヶ月経過後にハローワークに申請


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2012年8月18日土曜日

8/17 勉強会:PPA=無形資産の評価? ほか


1.(会社法)社外監査役等の要件加重には経過措置

社外取締役義務付けは見送り
・社外取締役、社外監査役の要件は加重(経過措置あり)
 →親会社の関係者でない事等が要件に追加



2.(税務)事前確定給与など、税務調査で疑義が生じた事例

・《事前確定届出給与》に規定する給与は、
所轄税務署長へ届け出た支給額実際の支給額異なる場合にはこれに該当しないこととなり、原則として、その支給額の全額が損金不算入となることに留意する。

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3.(会計)PPA=無形資産の評価?

PPAとは取得原価(買収対価)取得した資産・負債のそれぞれに配分する手続きのこと。
(一般的なイメージは識別可能な無形資産について資産計上すること)


具体的には、
①通常の”のれん”を算出
取得原価-資産(時価)・負債(時価)=のれん


②のれんを更に、識別可能な資産・負債に配分
のれん(①)-識別可能な資産・負債(※)=のれん


※識別可能なものには、法律上の権利等分離して譲渡可能な無形資産が含まれる

具体的には、
特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権、顧客リスト、データベース等


4.(実務)経理関連システムの高度化

(1)経理情報に対する経営者の不満
  ・情報が「正しくない」「遅い」「わかりにくい」
  ・将来予測の情報が乏しい


(2)将来予測等の分析情報が乏しい
  →経理システムの役割ではない
  ※システムに過度な期待をしてはいけない


(3)経理・財務部門(人材)が分析等の役割を担う
  →システムに頼ると思考がパターン化する
  →思考力、コミュニケーション力、分析力、行動力が衰える
  ※経営環境が変わったときに対応できない


5.(開示)比較情報の開示の要否

(1)前期との比較情報を開示すべきか?
 ①財務情報利用者の意思決定に必要かどうか
 ②会社の業績に関する判断に必要かどうか
 →安易に開示不要と判断しないように注意すること


(2)具体例
  「重要な会計方針の注記」
  →当期分だけで十分、比較開示の必要性は低い
  「後発事象の注記」
  →前年度の後発事象は当期に反映されているため比較開示の必要性は乏しい
  「企業結合等の注記」
  →スポット的な性質のため、比較開示の必要性は低い


6.(会計)包括利益会計基準について

 ・平成23年3月期より、包括利益会計基準が原則適用となった。
  →ただし、連結財務諸表のみであり、個別財務諸表は適用しない。


7.(会計)過年度遡及会計基準について

会計上の見積の変更 ⇒ 遡及適用せずに見積を変更した期の営業損益又は営業外損益で処理する。

会計方針の変更 ⇒ 新しい会計方針を過去の期間のすべてに遡及適用する。
※ 償却方法の変更については、見積の変更との区分が難しいため遡及適用は行わなくてよい。 

表示方法の変更 ⇒、過年度の表示方法についても変更する。

8.(会計)税効果会計の注記

法人税率の変更により、繰延税金資産や繰延税金負債の金額が変わったときは、注記する必要がある。

9.(開示)その他の論点

・役員が社外取締役又は社外監査役に該当する場合には、その旨を注記する。


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2012年8月11日土曜日

8/10 勉強会:太陽光・風力発電設備の即時償却要件について ほか


1.(税務)eワラント取引事案で重加算税が取り消し

【事実】 納税者が、6年間、eワラント取引をして2年分しか申告していない。

⇒国税は、「所得税を逃れる意図を有していた」「隠ぺい・不正行為」として重加算税の決定処分
⇒審判所は、6年間の間で1番利益がでた年の申告をしているので、
所得税を逃れる意図を有していた」「隠ぺい・不正行為」に該当しないと判断、取り消し


2.(税務)専門用語解説

国税の更正決定等の期間制限
  →不正等で免れた国税の決定等は、法定申告期限から7年まで可能
相互協議
  →移転価格課税等による二重課税解消のために行われる、
         日本と外国の税務当局による協議
全部のれん
  →子会社ののれんについて、少持分も含め全額を連結B/Sに計上する考え方

3.(会計)企業結合会計基準の見直し方針

全部のれんの導入は先送り
のれんは現状どおり償却処理を維持
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 .(税務 / 消費税) 家賃の滞納に係る遅延損害金は、原則として消費税の課税の対象


家賃の遅延損害金は原則として、
居住用の場合は非課税売上
居住用以外課税売上     
に該当する。

利息のように非課税売上にはしない。
損害賠償金のように不課税取引にしない。

5.(税務)太陽光・風力発電設備の即時償却要件について

■制度

・太陽光発電設備等
・2012年5月29日から2013年3月31日までの間に取得
・経済産業大臣の認定を受けたもの

⇒ 取得価格の全額を即時償却できる。
  
■注意点
①申請から認定通知書の発行まで1ヶ月程度を要するので早めに申請しておく
②太陽光発電設備は出力10kW以上、風力発電設備は出力1万kW以上のものが対象
  
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6.(IFRS) 数字のレトリック

IFRSにアドプションすべきかコンバージェンスではダメなのか?
「サウジアラビアがアドプションするとG20の4分の3がIFRSになる。
 主要国の中で決定していないのは、米国、日本、中国、インドだ」
見方を変えると、

G20の時価総額順だと、
1位:米国、2位:欧州、3位:中国、4位:日本、5位:インド
この中でIFRSのアドプション国は欧州だけ。

世界の資金の6割弱は、非アドプション国の市場に集まっている。
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7.ハウジングサービス契約のリース取引部分の取扱

(用語説明)
ハウジングサービスとは、顧客の通信機器やサーバ等を、回線設備の整った施設に設置するサービス。
 
※ホスティングサービスとハウジングサービスの違いは、前者は機器を事業者が用意するのに対して後者は機器を顧客が用意する。

(リース取引部分の取扱)
契約=動産(サーバ等)+アプリケーション運用等の役務提供
⇒分離が容易であれば、動産部分のみリース契約を適用

8.(会計)所有権移転ファイナンス・リース取引の判定

  
判定条件の1つに「特別仕様のリース物件」
⇒特別な仕様ゆえに、賃貸人が他の人に賃貸または譲渡が困難
(下記具体例は該当しない)
・一般のカタログの製品
・主要部分が一般カタログ製品で付属部分が特別仕様
・改造しないで、同業者がすぐに使えるもの


9.(税務)税務調査の基礎

(論点)調査終了時に修正申告を求められた
     →更正処分にしてもらうことはできないか?

  
①主な違い
  修正申告:不服申立てできない
  更正処分:不服申立てできる

  
更正処分の特徴
  ・「不服申立てできる」ため
  →調査が長引く
  →提出資料が多くなる
  →税額確定に時間がかかる
  →税務調査官が嫌がる

  
(結論)更正処分してもらうのは厳しい

10.(税務)土地の買換えに係る圧縮記帳の改正

⇒固定資産の譲渡により生じる譲渡益を代替取得する資産の取得価額から控除することができる制度
【具体例】
 現金1000/土地200   ⇒   土地1000/現金1000
        /譲渡益800      土地圧縮損640/土地640

⇒改正点
 ・圧縮記帳ができる期限がH23年12月末からH26年12月末へ
 ・圧縮記帳の対象となる土地は300㎡以上の場合のみ適用可能となる。


 


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2012年8月5日日曜日

8/3 勉強会:補助金終了に伴うキャッシュバックの取り扱いついて ほか


1.販売目的の建物取得、取得時貸付なら共通対応分

・ 不動産業を営む法人が、建物を取得
① 販売目的の取得
② 仕入日の状況は、住宅の貸付
→共通対応
※ ①目的、②内容で判断

2.平成23年12月・24年度法人税関係改正(一部)

①法人税率引下げ
・中小法人以外   25.5%に
・中小法人等:年所得800万円以下 15%(法人税本法19%)に
年所得800万円超 25.5%に

②定率法償却率改正(全ての法人)
・平成24年4月1日以後取得の減価償却資産 200%定率法に

③欠損金の繰越控除額縮減
・所得の80%に(中小法人以外)
・繰越期間は9年に延長(全ての法人)

④貸引の段階的廃止(中小法人等以外)

⑤一般寄付金の損金算入限度額が改正前の1/2に縮減(全ての法人)


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3.消費税:補助金終了に伴うキャッシュバックの取り扱いついて

■太陽光発電設備等の補助金制度
⇒太陽光発電設備の普及拡大のため、国や自治体では一定の金額を補助する
制度を設けている。ただし、予算がなくなり次第終了となる。

■キャッシュバック
補助金制度が予算の都合で適用されない場合には、補助金相当額を販売業者が
顧客に支払う契約をするケースが多い。


消費税法上、このキャッシュバックは「対価の返還(売上値引き)」にあたる。
但し、補助金の受給要件を満たしていないにもかかわらず、
販売業者が金銭を支払った場合には、
税務上「寄付金」となる可能性があるので注意が必要。

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4.会社法見直し

(見送り)
・社外取締役の選任義務化
(実施の方向)
・監査・監督委員会設置会社制度の創設
・社外取締役の独立性強化
・インセンティブのねじれの解消
※監査役に会計監査人の選解任等の議案決定権を付与
・多重代表訴訟制度の創設
※親会社株主が子会社役員を提訴できる

5.海外会計トピックス

①中国でのBig4
・中国では自国の会計事務所を育成する方針
⇒Big4は今後は厳しい対応を迫られそう

②AAののろい
アーサーアンダーセン(AA)の所属会計士が集まってできたコンサル会社
Huron Consultiong Group Inc
会計などの犯罪に関する助言サービスを提供
⇒SECから処分、会社は80M、経営者は24Mの罰金。
※不適切な処理で利益水増ししていた。

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【助成金について】 



6.
中小企業子育て支援助成金

⇒育児休業のため休業する社員がいる場合に国が支援してくれる制度

要件
⇒就業規則で育児休業について規程する。
⇒都道府県労働局に届出をする 等々

貰える金額
⇒休業社員1人目の場合は100万円
⇒休業社員2目~5人目の場合は80万円


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