2018年11月13日火曜日

11/9 勉強会:請負契約に基づく機械装置、取得時期をめぐり納税者敗訴 他

1.請負契約に基づく機械装置、取得時期をめぐり納税者敗訴

■事例
・会社の決算期は平成25年3月期。
・工場に設置する機械装置の製造納入を請負業者に依頼。
・検収完了は、納入された機械装置が問題なく動作するかを確認し、検収書の押印をもって完了する契約。
・平成25年2月に機械装置は工場に設置され稼働したが、翌日以降に不具合が生じた。
・平成25年5月に機械装置が安定稼働することを確認し、検収書に押印した。

■争点
・納税者は、平成25年3月期の法人税申告に際して、2月分3月分の減価償却費を損金算入した。
・税務署は、平成25年3月期ではまだ機械装置を取得していないのだから、損金算入できないとした。

■東京高裁の判決(平成30年9月5日判決)
取得の時期=所有権移転の時期=検収完了の時期であるから、損金算入はできない。






2.信託の先進国の米国から学ぶ信託受益権評価

■信託給付の額の変動が予想される収益受益権の評価
・日本:収益受益権の評価方法について相続税法に定めなし(財産評価基本通達にゆだねられている)
・米国:収益率の高低に拘わらず、法定された金利(割引率)をかけて計算
⇒納税者の租税回避の余地がない

■信託給付の額が定額の収益受益権の評価
・日本:定額配当の場合に、財産基本通達で推算してよいのか明確でない
・日本:収益力をより高く設定した場合は元本受益権の評価が下がるので贈与税を節税することができるという見方あり
・米国:信託財産の評価額から収益受益権の配当額の評価額を控除して元本受益権の評価をすることができる

■給付の期間が終身の受益権の評価
・日本:定期金給付契約が終身定期金の場合は評価方法を定めているが、信託受益権が終身の場合は評価方法の定めなし
・米国:生命表の生存率に基づく評価方法が定められている。




3.贈与税の納税猶予における相続時精算課税のメリットとデメリット

・H29年度税制改正により、相続時精算課税制度と贈与税の納税猶予制度の併用が可能に
■相続時精算課税制度(贈与税の特例制度)
・60歳以上の父母または祖父母から
・20歳以上の子・孫への生前贈与があった場合
・生前贈与額の2,500万円までが非課税(2,500万円超過分には20%の贈与税がかかる)
・ただし贈与者が死亡して相続税を計算する際に、生前贈与された財産と相続された財産の合計額に相続税がかかる。生前贈与時に支払った贈与税額は控除される

■贈与税の納税猶予制度(事業承継税制)
・経営を承継する人が
・贈与により、一定の要件を満たす非上場会社の議決権株式等を取得した場合
・発行済議決権株式等の2/3に達するまでの部分(贈与前に保有しているものを含む)の
・贈与税の全額を猶予する
※雇用の8割以上を5年間維持する等の条件が満たされない場合、認定取り消しあり

■併用のメリット
・認定の取り消しがあった場合、相続時精算課税制度を併用している方が税額が有利な可能性が高い

■併用のデメリット
・贈与税の納税猶予制度には下記2つの減免制度があり、相続時精算課税制度を併用しない方が有利な可能性が高い
1.贈与時に比べて譲渡時に株価が下落している場合
納税猶予:譲渡時の時価で税額を計算する
併用時:贈与時には譲渡時の時価で税額を計算するが、贈与者の死亡時には贈与時の時価で相続税を計算する
2.受贈者が贈与者より先に死亡した場合
納税猶予:納税猶予された贈与税は免除され、受贈者の財産にだけ相続税がかかる
併用時:相続時精算課税に係る贈与税は免除されるが、贈与者の死亡時に受贈者の財産と贈与者の財産の合計額に相続税がかかる







4.税務当局の情報提供要請権限を大幅強化へ

デジタルエコノミーを通じた稼得者への申告漏れ防止へ

■平成31年度税制改正で大幅強化へ
現在、政府の税調では議論が進んでおり、31年度の国税通則法の改正により質問検査権に加え、第三者に対しても不特定多数の納税者に関する情報の提供を求める制度を導入する方向で議論がまとまっている。
現状、税務当局では情報提供要請権限は質問検査権による任意の情報提供要請にとどまっている。
改正されれば、仮想通貨取引業者やネット上でプラットフォーム運営を行っている者に対して、情報提供を求めることが可能。

■米国の行政召喚状に類似した制度の導入
⇒行政召喚状とは米国の税務調査において、納税者が任意調査に応じない場合、税法違反の疑いがある場合に実施される調査。これにも応じない場合は強制調査となる。
⇒日本の質問調査権とは、「物理的手段は認められてないものの、納税者の自発的な納税義務の履行を実現するために納税者に対して行使できる調査権」であるため納税者は権利の行使に対して応える義務がある。
つまり質問の対象を限定した上での質問検査権の行使である。改正された場合は非常に強い権限を当局はもつこととなる。







5.日本企業がIFRS移行時に認識した会計基準の差異(認識・測定に関するもの)の分析②

■収益認識の変更について
・IFRS移行時に開示される「調整表」(GAAP差の影響が記載)において、
収益認識基準の変更を記載していた会社は、163社中70社。

■収益認識基準の変更の主な内容
・出荷基準から引渡し基準、着荷基準への変更:22社
・出荷基準から主要なリスク及び経済価値が移転した時点への変更:9件
・工事完成基準(サービス提供時基準)から原価回数基準:6件
・代理人として実施した取引した取引を純表示から:5件
・費用計上していた販売手数料、販売促進費等を、収益から控除:4件
・出荷基準から検収基準、据付基準への変更:3件
・ポイントを費用計上から収益から控除:2件
→出荷基準からのその他基準への変更が34件と最も多い結果となった。





6.法人課税をめぐる最近の取消採決事例

■太陽光発電に係る発電システム本体とフェンス等の事業供給日(減価償却費の損金算入時期)が問題。
(引渡日:平成28年3月、工事完了:平成28年9月、決算日:平成28年3月)
・当事者は事業供給日を「引渡日」⇒損金算入可。
・課税当局は事業供給日を「売電開始日」⇒損金算入不可。

【裁判所の判断】
⇒本体とフェンス等は個別の資産と指摘
・発電システム本体は決算期において売電を開始していないから損金算入不可。
・フェンス等は引渡日から目的(発電システム本体の毀損防止など)に沿った機能を発揮していることから決算期に損金算入可。

■債権放棄の処理が仮想隠ぺいに該当するか否か
【概要】
・請求人が多額の債務免除益を計上。
・兄弟会社の分割及び特別清算や兄弟会社の金融機関に対する債務を引き受け、その債権を放棄。債権放棄の金額を貸倒損失として損金に計上。(兄弟会社は事業を分割承継法人に承継させたうえで特別清算により解散)
・税務調査を受けた結果、寄付金に該当するとの指摘を受け修正申告。
・これに対し、課税当局は当初から所得を過少申告する意図があったと主張し、重加算税を賦課した。

【裁判所の判断】
⇒貸倒損失額について寄付金に該当することを認識していたとは認められないことから、仮装隠ぺいの事実もみとめられないとして重加算税を取消。
・債務引受け及び債権放棄を行うことについて相当な理由があるなどとして寄付金に該当しないと認識していた可能性がある。
・経営状態の悪い兄弟会社を整理・再建することによって、兄弟会社の経営悪化による請求人の不利益を避ける目的を有していた可能性を否定することはできない。
・固定資産約5億円を特別清算開始申立書でゼロ円と評価することが不自然であるともいえない。









7.会社法改正で上場会社等に社外取締役の選任義務付けへ

・法制審議会会社法制部会は上場会社等に対して、社外取締役を一人以上義務付ける方針である。
→すでに上場会社の97.7%は社外取締役を選任している
→義務付けても大きな影響は及ぼさない
・また、仮に社外取締役に欠員が生じてもすぐに取締役会決議に影響しないとしており、複数の社外取締役を選任しておく必要はない。




8.給与と外注費_3

■判断基準について
・契約の有無
・代替性の有無
・拘束性の有無
・指揮監督の有無
・危険負担の有無
・用具供与の有無

■例(マッサージ師)
・A法人はマッサージ師Bと業務委託契約を締結
・A設置の施術所にてBがマッサージ業務を行う
・営業時間、施術料金等はAが設定
・売上はAに入金
・事故の責任はAが負う

<あてはめ>
・契約:業務委託契約
・代替性:有
・拘束性:有
・指揮監督:有
・危険負担:無
・用具供与:有

■裁決
・契約上は業務委託契約であるが実質は雇用契約
・BはAの指揮監督下にあるといえる
・Bは独自に費用負担、責任負担をしていない
⇒AがBに支払う対価は雇用契約に基づく給与である






HP掲載用の写真と源泉徴収

■事例
法人がプロの個人カメラマンへHP掲載用の写真撮影を依頼した場合、
報酬の支払いに対し源泉徴収を行うか否か。

■所得税法204条
「雑誌や広告その他の印刷物に掲載するための写真の報酬」は源泉徴収すると記載。

※源泉徴収が必要な報酬とは、所得税法204条に限定列挙されているため、
記載されていない取引に係る報酬は源泉徴収が不要となる。

■回答
HP掲載用の写真は、印刷物に掲載されるものでないため源泉徴収は不要。
⇒上記法令に規定されていないため。

なお会社パンフレットに掲載するための写真の報酬は、源泉徴収の対象となる
※両社が区分されていない場合も、源泉徴収した方が望ましい。






10.連結未実現損益消去

1.未実現「損失」
・連結会社相互間の取引によって取得した棚卸資産、固定資産その他資産に含まれる未実現「利益」は、全額を消去する必要がある。
・ただし、未実現「損失」は、「回収可能」であることを説明できる部分を除き、消去しない。

2.子会社が連結から外れたケース
・親会社から子会社に土地を売却した場合、売却益を連結上取り消し。
・子会社が連結から外れた場合、未実現損益の実現ではなく、子会社株式売却益の調整となる。

(連結修正仕訳(売却時))
土地 10,000 / 子会社株式売却益 10,000




11.開示の一元化と一体的開示

■日本公認会計士協会(JICPA)の定義
・一元化
⇒「会社法と金商法で要求される法的開示書類を一本化すること」
⇒金融庁・法務省から昨年12月に「一体的開示をより行いやすくするための環境整備に向けた対応について」が公表された。財務会計基準機構は共通化を行う際のひな形を公表。

・一体的開示
⇒「事業報告等と有報の内容をできる限り共通化し、開示時点も合わせて1つの書類として作成・開示すること」
⇒JICPAが法定開示における財務情報・監査は一元化すべき、と提言。一体的開示は一元化のための過程。




12第1章BS管理の重要性と活用方法

・従来よりもBSへの注目が高まっている ※ROA、ROE等
・財務諸表監査においても、BSを中心に数字の正しさが検証される傾向
⇒フローで構成されるPLは取引数が多く、検証に時間がかかるがBSであれば期末の残高を構成する取引を中心に確認すればよい
・BS残高の中には実際に目で確認できるものも多い
⇒一般的にはBSを管理するほうが実務上、効率的

「第2章「BSレコンシリエーション」の実務ポイント」」
※BSレコンシリエーション
BSに関する決算時の確認・調整手続きのこと
(1)あるべき残高との照合
⇒主な対象科目=預金、売掛金、買掛金、棚卸資産、固定資産等
⇒残高確認状や実査にて確認
(2)内容の確認
⇒対象科目=BS勘定科目全般
⇒確認方法は比較が有効
 前期比較、月次推移との比較、PL残高との比較、取引条件との比較
(3)システムとの照合
⇒主な対象科目=補助簿システムで管理されている売掛金、買掛金、棚卸資産、固定資産等
⇒販売管理システムと会計システムとの照合、前払費用等のスプレッドシートと会計システムとの照合等






13.日常的なBS管理のポイント

(1)補助科目を活用
・BS勘定は計上と消込で入り混じる
⇒効率的に対応させるために、補助科目が有

⇒例えば、「設備投資未払金」「人件費未払
金」といった目的別に分けると良い
⇒補助科目の名称は分かりやすくして、勘定
科目表でも具体的に目的を整理しておく

(2)摘要の記載の仕方
・いかに楽をして探すことができるか、を意

⇒記載項目にルールを定める。
⇒例:対象期間、費用内容、概算ならその旨

(3)伝票の入れ方
・計上と消込の関係性を意識。
⇒金額修正の場合、差額のみを入れず、元の
仕訳を取り消して再入力
⇒概算計上の伝票を確定額に振替る場合も、
概算額の取消と確定額の形状は1枚の伝票に

(4)注意すべき仕訳
手入力する振替伝票
⇒能力や経験の個人差の影響が大きい
⇒振替伝票をまとめて起票し、経験者による
集中的にチェックさせる体制も有効





14.IFRS16号への移行準備の全体像

IFRS16号=リースに関する基準

■新リース基準による借手への影響
従来:ファイナンス・リース取引のみをオンバランス(リース資産/負債)
新基準:すべてのリースをオンバランス(使用権資産/リース負債)

■リースの定義
「リース」に当たるか否かの判定が必要
⇒ここの取引ごとに判断していく

■リースの基本方針
下記が会計処理にあたっての基礎となる
・リース期間
・リース料総額の範囲
・割引率
⇒従来基準から概念的にはほとんど変更なし

■短期リース、少額資産のリース
短期リース:原資産のクラスごとに選択
少額資産:リース単位ごとに選択




15.親会社が有するその他有価証券を子会社に譲渡した場合

■グループ法人税制が適用される場合の留意点
(1)税務上の取り扱い
 譲渡時に計上された売却益は当期の課税所得計算上は益金に参入されない。
⇒譲渡損益調整資産として繰り延べ、将来子会社が他者に当該その他有価証券を譲渡した際に、益金に参入され、課税される。

(2)親会社側の譲渡時の処理(個別財務諸表上)
 将来加算一時差異に該当するため、繰延税金負債を計上。

(3)連結財務諸表上の処理
 ・親会社で計上された売却益を取り消し、投資有価証券を同額だけ減少させ、繰延税金負債も取り崩す。
 ・上記の未実現利益の消去を行ったことで、BS科学が譲渡前の取得価額に戻ってしまうため、改めて時価評価が行う必要がある。
  ⇒この時、期末日に投資有価証券を保有するのは子会社であるが、親会社の法定実効税率を使用する点に留意(当該一時差異は将来的に親会社において益金に参入されるため)。

■グループ法人税制が適用されない場合
(1)税務上の取り扱い
 親会社で計上された売却益は当期の課税所得に参入されるため、これに係る納税は当期で完了。

(2)親会社側の譲渡時の処理(個別財務諸表上)
 一時差異は生じておらず、税効果会計の適用対象外。

(3)連結財務諸表上の処理
 ・グループ法人税制のケースと同様に未実現損益の消去を行う。
 ・投資有価証券売却益を取り消すことが連結財務諸表固有の将来減算一時差異となるため、繰延税金資産の計上を行う。
 ・上記繰延税金資産の計上時の留意点
売却元である親会社の法定実効税率を使用
将来減算一時差異のうち親会社の当期の課税所得を上回る部分については、実際には課税が生じないため、繰延税金資産を計上しない
(例)未実現損益:1,000千円、当期の親会社の課税所得:800千円⇒800千円に対してのみ繰延税金資産を計上
  ③ 当該繰延税金資産は既に納付済みの税金費用であるため、回収可能性の検討を行う必要なし
 ・上記の未実現利益の消去に伴い、改めて時価評価を行う。
  ⇒その他有価証券評価差額金についてはすでに親会社で課税が完了しているため、繰延税金負債の計上は行わない。


15.上場審査における監査役に対する審査内容

監査役に対する審査(監査役面談)の主な質問事項には、以下のものが想定される。
通常は常勤監査役が対応。

実効性のある監査がなされているかがポイント。

1.監査役業務の執行状況確認
・決算内容について
(1)債権、資産の確認(特に不良債権、不良資産、遊休資産等)

・取締役の業務執行に対する監査状況
(1)会社と取締役の取引の有無、確認状況
(2)取締役会への出席状況
(3)取締役会での発言状況及び内容
(4)取締役議事録及び稟議書等の確認等について
(5)代表取締役、取締役の業務執行状況に関する見解

・監査役会の運営状況(監査役会を設置している場合)
(1)監査役の業務分担
(2)監査役会の開催状況(頻度、討議内容を議事録等で確認)

2.監査役の退任・就任の経緯・理由

3.監査法人及び内部監査との連携状況
(1)監査法人との連携状況
(2)内部監査との連携状況

4.内部統制の整備状況
(1)会社法における内部統制整備に関する見解
(2)金融商品取引法における内部統制整備との連携状況


















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供  

2018年11月2日金曜日

11/2 勉強会:マンションの仕入税額控除で示されていた当局の見解 他

1.自社株による対価M&Aが会社法でも可能に

■会社法制の見直しに関する要綱(法制審議会会社法制部会)
・買収会社が株式交換により対象会社を買収する場合、対象会社の発行済株式すべてを取得することとされている。
 ⇒対象会社を完全子会社とすることまでは考えていない場合は株式交換ができない。
 ⇒完全子会社とまではしなくとも、株式交換と同様に、株式会社が他の株式会社を子会社とするために、自社株式を他の株式会社の株主に交付することができる制度を会社法において創設する予定。




2.改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」等の概要

■改正
・2018年9月14日公表(ASBJ)
・IFRSまたはUSGAAP適用の子会社の処理⇒連結にあたり、JGAAPへの修正する際の組替方法の改正

■そもそも実務対応報告第18号とは?
・親会社と子会社が採用する会計方針は原則として統一
・ただし、在外子会社の場合は現地の制度などもあり、統一が困難なため、連結上必要な修正をする必要がある
・その項目を列挙したのが本基準(のれんの処理など)

■追加された項目
・その他有価証券の取得後の時価変動
【日本基準】
(1) 通常の時価変動:包括利益で処理
(2) 著しい時価の下落:当期の損失(投資有価証券評価損)
(3) 売却による含み損益の実現:当期の損益(投資有価証券売却損益)
【在外子会社の処理/IFRS適用】
⇒上記(1)~(3)のいずれのケースでも包括利益で処理する
【親会社の連結組替/JGAAPへ組替】
⇒(2)と(3)は日本基準での処理に変更する必要あり







3.マンションの仕入税額控除で示されていた当局の見解

・H24年1月19日の国税不服審判所の採決が販売用マンションの仕入税額控除が共通対応とされる根拠となっている
・しかしH7年と9年にも同様の事案が税務当局で検討されており、課税資産の譲渡等にのみ要するものという結論が出され、全国の国税局に周知されている
⇒消費税法は改正等されていないため、取扱いが変更されたのはおかしい

■平成7年の事案
・国税庁課税部消費税課に質問があり、注意を要する事案として全国の国税局に意見聴取を実施している
【事案】「譲渡用住宅を一時期賃貸用に供する場合の仕入税額控除」の取扱い
・分譲マンションを購入して販売する予定だが、市況の状況から分譲完了するまでに数年を見込んでおり、それまでの間は一部を賃貸することにした場合、課税資産の譲渡等にのみ要するものとできるか
【回答】分譲目的で取得しており、課税資産の譲渡等にのみ要するものに該当することは明らか。一時的に賃貸用に供されるとしても棚卸資産として処理し、将来的にすべて分譲することとしているものについては、課税資産の譲渡等にのみ要するとして差し支えない

■平成9年の事案
・本事案の取扱いの判断に当たって、法律の解釈を国税庁と大蔵省主税局にも確認している
【事案】「転売目的のマンションを居抜きで買い取った場合の仕入税額控除」の事案
・賃借人が居住している状態のまま時価で購入し販売用不動産として資産計上し、賃貸収入に係る課税仕入れとして仕入税額控除の適用をしなかった
販売目的で購入したものなので仕入税額控除の適用があるとして、更正の請求を実施
【回答】賃貸収入は居抜きで購入したために副次的に得た対価であり、法人の処理や販売活動から転売目的で取得したことは明らか。よって課税資産の譲渡等にのみ要する課税仕入れに該当する






4.同族法人への管理委託料は必要経費に該当せず

【不動産所得の計算上、必要経費に算入されるということは】

■概要
請求人:会社役員であり不動産貸付業(個人)を営んでいる。
・自らが代表を務める法人に対して、業務管理料名目で支払った。
・この管理料を不動産所得にかかる経費として必要経費に算入して個人の確定申告を行った。
また、法人から請求人へ役員報酬として支払っており、給与所得として申告していた。

税務署側:税務調査の際に、業務管理料は必要経費ではないと指摘
修正申告後の業務管理料も必要経費ではないとして、更正処分を行った。

請求人:修正に応じるも、業務管理料を減額、法人から支払われた役員報酬は返還されるものとして修正申告を行うも、更正処分を不服として審査請求を行った。

■争点
個人から法人へ支払われた業務管理料は、不動産所得の金額の計算上、必要経費に算入されるか否か

■裁決(下記の理由はあくまでも例示・実際は様々な事実を基に総合勘案している)
理由① 法人への委託に関しては必要性が乏しい。
⇒業務を行っていた事実はあったとしても、ゴミ拾いや草刈りであり、補修工事は電球交換などの軽微なものに過ぎず、補修工事や設備保守点検と評価しうるような行為と認めることはできない。
⇒苦情処理に関しても看板等に連絡先を記載するなど、そもそも近隣からの苦情を把握しようとしていたとは認められない。

理由② 実態を備えていない
⇒保守、業務管理料でありながら、設備や備品を所有していない。記帳に関しても、通帳や領収書を税理士事務所に渡すのみ。また新たな賃借人を募集していた形跡がない。

所得税法37条の1項に該当する「必要経費」と判断されなかった。






5.政府税調、連結納税制度の簡素化を検討

連結納税適用法人は、上場企業3,000社のうち、約600社
→企業側からは申告書作成の事務負担や税務調査時の負担が大きいとの指摘
→約2,200社が連結納税制度を適用可能だが、選択申請をしていない。
→未導入企業は、決算時の事務負担増により45日ルール守れなくなることを懸念
→政府税調では企業の税務申告の実務等を踏まえ、中長期的な視点から簡素化等を検討




6.取締役責任追及、和解には監査役の同意

■会社法制部会が、訴訟への補助参加同様の規定を導入
⇒取締役等の責任を追及する訴えに係る訴訟における和解にするにあたり、監査役設置会社の場合は各監査役の同意が必要。

今年2月に取りまとめられた「会社法制(企業統治等関係)の見直しに関する中間試案」と同様の内容。

現在、監査役の同意が必要な事項
・取締役等の責任を追及する訴えに係る訴訟に補助参加人として参加する場合
・取締役(監査等委員又は監査委員を除く)及び執行役員の責任の一部免税に関する議案を提出する場合





7.過年度のKAMは改めて記載せず

KAM=「監査上の主要な検討事項」

日本公認会計士協会は「独立監査法人の監査報告書における監査上の主要な検討事項の報告」等の公開草案を公表した。

監査を実施する上で監査人が特に注意を払った事項をKAMとして決定しなければならないとし、監査人が考慮しなければならない項目として
・特別な検討を必要とするリスクが識別された事項
・重要な虚偽表示のリスクが高いと評価された事項
・見積りの不確実性が高いと識別された事項
・経営者の重要な判断を伴う事項 等

また、比較情報が財務諸表に含まれている場合であっても、KAMは当期の監査上の論点から選択することとしているほか、前年度の監査報告書に記載されたKAMの内容を当年度の監査報告書で更新することは求めていないとした。



8.給与と外注費_2

■判断基準について
・契約の有無
・代替性の有無
・拘束性の有無
・指揮監督の有無
・危険負担の有無
・用具供与の有無

■例(ホステス)
ホステスA:日給、月給、同伴手当、タイムカードによる管理、衣装代自己負担
ホステスB:売上の50%をベースとして、指名料、同伴手当を支給、売掛金の回収責任あり、衣装代自己負担

<あてはめ>A、B
・契約の有無 不明、不明
・代替性の有無 無、無
・拘束性の有無 有、無
・指揮監督の有無 有、無
・危険負担の有無 無、有
・用具供与の有無 無、無

■裁決
ホステスA:給与
ホステスB:外注費





金融機関等へのマイナンバーの届出義務

2015年12月31日以前に証券口座等を開設し、
金融機関等へマイナンバーを提出していない場合、速やかに提出する必要あり
※経過措置が2018年12月31日で終了するため。

無記名割引債など一部商品・取引について、
マイナンバーを提出していない場合は支払いを留保される可能性あり。

なお金融機関が受け取ったマイナンバーは、
税務署へ提出する法定調書へ記載されるのみで、
個人の口座残高等は税務署に通知されることはない。








10.(東証)株主数基準

・東証が定める上場維持のためのルールの1つに株主数基準がある。
・たとえば、市場一部は株主数が2,000名を下回ると指定替え基準に抵触。
 → 一定期間内に解消されないと二部に指定替え。
 → 最近ではやまやが指定替えの猶予期間に入ったが、10月10日解除された。
・その他、上場廃止基準もあり。
 → 一部、二部、マザース(上場後10年経過):400名
 → マザーズ(上場後10年未満)、JASDAQ:150名
・判定は株主等基準日(通常は事業年度の末日)で行う。





11.金融商品会計基準の改正について(基準改正の背景、動向)

■概要
・企業会計基準委員会(ASBJ)が8月30日に「金融商品に関する会計基準の改正についての意見の募集」を公表。
・検討範囲は主に「金融商品の分類及び測定」、「金融資産の減損」、「ヘッジ会計」の3つ。

■金融資産の減損
・(従来)発生損失モデル⇒(現IFRS、US-GAAP)予想信用損失モデル
・日本もこの流れの改正がありそう。
⇒ただし、金融機関に与える影響が大きいので、その準備には時間とコストがかかる。
⇒早期に基準の方向性の決定と実行可能性の検討が必要。





12ベンチャー企業の組織作り

成功企業の共通点
1.優秀なミドル層の存在
・トップと現場をつなぐ結節点
・条件として
(1)トップの考えを自分の言葉として伝えられる情報の発信力
(2)現場の情報をキャッチする受信力

2.採用段階での徹底した共感創造
・ビジョンやミッションに対する共感
・どう働きたいかといった就労感を徹底してすりあわせ
⇒労働観の多様化によって、近年はビジョンの重要性が見直されている。

(リンクアンドモチベーション 代表取締役会長のインタビュー記事より)




















◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供