2013年10月7日月曜日

10/4 勉強会:消費税率の引上げで不正還付等に注視 ほか

1正当な値引き交渉が違法になる恐れ


【消費税率引き上げ時の注意点】

①中小企業から仕入れをする場合
・転嫁対策法で、消費税分の価格転嫁拒否が禁止されている
⇒通常の値引き交渉であっても、「消費税目的」と取られるリスクあり

②資本金等の額が3億円超の一定の事業者から仕入れをする場合
・転嫁対策法の規制対象外

⇒しかし、仕入先の当社に対する取引依存度が高い場合は、転嫁拒否を行った場合に、
・独禁法(優越的地位の乱用)
・下請法
に抵触するリスクあり


2.税法上は益金、会計上の取扱いを認めず


【前提】
・原告企業が、SPCを利用して不動産を流動化、その際に信託受益権の売却取引が発生
・当該売却取引を、会計上、金融取引として処理
※「不動産流動化実務指針」に従った会計処理

⇒税務上も金融取引に該当するかが争われた

【判決】
・税務上は売買取引に該当(収益を益金に算入すべき)
・法人税法で、「有償による資産の譲渡による収益」は益金算入と定められている
・「不動産流動化実務指針」は、「一般に公正妥当と認められる会計処理の基準」には該当しない


3.非嫡出子に係る違憲判断で相続税額の計算を見直し


■最高裁の判決
 ・嫡出子と非嫡出子の法定相続分に差があるのは違憲

■相続税額の計算
 ・平成2595日以後に相続税額が確定する場合
  または、
  平成2594日以前に相続税額が確定している場合で
  更正請求や修正申告等を提出する場合
  …嫡出に関する規定がないものとして相続税額を計算する
   ※95日が『相続開始』または『申告期限』ではないことに注意

 ・平成2594日以前に相続税額が確定している場合
  …従来通り(嫡出に関する規定がないものとして計算し直すことはできない)


4.消費税率の引上げで不正還付等に注視


■国税庁での調査関係の会議で確認
 ・消費税率の引上げによる不正還付や不正な税逃れがないかを調査で注視する
 ・連結法人の増加を受けて
  ①連結グループの管理・調査の充実
  ②連結子法人が全国的にある場合は、親法人に資料を集めて調査の効率化を図る
 ・国際課税関係では、移転価格税制以外に現地で優遇税制措置を適用しているかどうかも確認をする


5.新・投資減税の全容が明らかに


■生産性向上設備等投資促進税制
・制度概要
→設備投資の際、要件を満たすことで、特別償却(即時償却)又は税額控除ができる。
※税額控除は3%を予定
・期間
→平成29331日までに取得等をし、事業の用に供する
・対象となる投資資産
   先端的設備
→最新モデルかつ生産性向上要件(旧モデル比で年平均生産性1%以上向上)を満たすもの
(例:冷蔵機付の陳列ケース、冷暖房機器、電気洗濯機、ガス機器、断熱窓など)
   生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
→投資計画上の投資利益率が15%以上(中小企業者等は5%以上)であることが経済産業局により確認されたもの

■ベンチャー投資促進税制
・制度概要
→認定を受けた投資事業有限責任組合(ベンチャーファンド)が出資をするベンチャー企業の株式等を取得した場合に、
株式等(帳簿価格)の一定割合が損金とできる
・要件
→「新規事業開拓事業者投資損失準備金」として積み立てる
・期間
→平成29331日までの出資
・注意
→上記の準備金は、積み立てた翌事業年度に全額を取り崩し、益金に算入す




6.法人税:資産の評価損


■原則
法人税法上、資産の評価損は損金算入されない。

■特例:物損等の事実がある場合には一定金額を損金算入できる。
(物損等の事実)
①災害により著しく損傷した
1年以上遊休状態にある
③本来の用途に使用できないため他の用途に使用した
④資産の所在する場所の状況が著しく変化したなど

■事例検討
(東日本大震災後に寄せられた質疑より)
「法人の所有する土地が津波の被害にあって海水をかぶってしまった。土地の評価は下がっていると思われるがその評価損は損金算入されるか」

(1)単に海水をかぶっただけ⇒×(原則)
(2)土地が沈下して水没⇒○(災害により著しく損傷)
(3)現在も土地が使用できない⇒○(1年以上に渡り遊休状態)


7.【相続税】著作権の保護期間延長と財産評価


日本の著作権保護期間は50年であり、米国の70年に比して短い。
TPP交渉により、日本においても70年に延長される可能性がある。
著作権の相続税評価への影響は?
著作権の評価額の算定に下記の算式が用いられるため、影響しうる。

評価額=年平均印税収入額[×]0.5[×]評価倍率

※評価倍率とは
推計した印税収入期間応ずる基準年利率による複利年金現価率。


保護期間延長により印税収入期間が延びるケースでは、財産評価額に影響が生じる。


8.SEC:CEOと一般従業員との報酬比率開示を要求か?


CEOと一般従業員の報酬比率の開示を公開会社に求める草案を公表した
・経営者の報酬が合理的なものであるかを判断する情報とするため
S&P500の指標によると、CEOの平均報酬は一般従業員の204倍である。
・この草案に対して費用対効果の点から批判がある。



9.セキュリティソフトの処理

10万円未満のものが多く、一括費用計上
・購入の合計額が高額になる場合は一時的な費用の増加を回避するため
 あえて1台の金額は算出せずに固定資産計上&減価償却を選択する企業もある

・その場合でもライセンス期限内での償却が必要。


10.リニア駅決定に見るJR東海の台所事情

【地元】
・在来線との乗り換えが便利な場所に駅を設置してほしい
→企業を誘致し、地元活性化

JR東海】
・線路はできる限り「直線で」
→品川-名古屋を最短で結ぶ、工事費用を抑える※

※リニア実験線の減価償却費、新幹線の大規模修繕費が今後かさんでくる予定


11.激震!派遣法改正

現在の派遣制度

【専門26業務※】:派遣期間上限なし
【それ以外】:原則1年 最長3
→ 今後は専門業務も原則1年 最長3

※事務用機器操作、ソフトウェア開発、アナウンサー、テレビ大道具など


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