2014年3月26日水曜日

3/20 勉強会:所得拡大促進税制の拡充 他

1.裁決事例紹介:過去の事前通知対応誤りは、後の調査に影響せず

【事例】
・過去の税務調査の事前通知について、税務署に不手際あり
 ※税務調査は実施されず

・数年後、税務調査を実施するも、請求人は、「過去の不手際について謝罪が無い限り、調査に協力しない」と主張
 ※4ヶ月に渡り、調査についての協力を依頼したが、応じてもらえず

・やむを得ず、税務署は帳簿書類調査、
請求人の取引先に対する調査を実施し、更正処分とした
・請求人が、税務調査手続きを違法として審判所へ

【判断】
・刑罰法令に触れたり、公序良俗に反する程度に至った場合に、税務調査が違法と言える
・過去の税務署対応の誤りは、その後の調査に影響しない
⇒調査手続きは適法と判断


2.所得拡大促進税制の拡充

■所得拡大税制とは
・給与支給額を増加させた場合、基準事業年度からの増加額の10%を税額控除する制度 (法人税額の10%(中小企業者等は20%)が控除限度額)

・下記の要件をすべて満たす必要がある
 ①その事業年度の雇用者給与支給額が基準事業年度の雇用者給与支給額より5%以上増加していること
 ②その事業年度の雇用者給与支給額が前事業年度より減少していないこと
 ③その事業年度の1人あたりの平均給与が前事業年度より減少していないこと

■平成2641日以降に終了する事業年度について
 ・要件①の5%の増加要件を緩和
  平成25年度から平成26年度 2
  平成27年度            3
  平成28年度から平成29年度 5% 
 ・適用期間を2年間延長(平成303月末まで)
 ・平均給与の比較対象を、継続雇用者に対する給与に見直し
  …退職者、新規採用者を含まなくてよい

■留意点
 ・基準年度とは平成2541日以後開始する各事業年度のうち最も古い事業年度の前事業年度(3月決算法人なら平成253月期)
 ・その事業年度に適用できなくても翌事業年度において適用できる可能性はあるのでデータの準備をしておく(雇用者給与支給額、1人当たりの平均給与)
 ・雇用促進税制とは選択適用となる


3.政府が見解、話題のビットコインとは?

・ビットコイン=インターネット上で取引される仮想通貨。
・政府の見解=ビットコインは通貨には該当しない。
・税法=所得税法、法人税法、消費税法等に定める課税要件を満たす場合には、課税対象となる。

しかし・・・
匿名での取引が可能であり、課税することは困難。

今後は・・・
現状、規制あるいは保護する法律はなく今後の対応は不透明。


4.のれんを償却の場合は減損テストも修正

現在、以下のルールに則って、それぞれ処理が行われている。
・日本基準・・・20年以内のその効果の及ぶ期間に渡って償却
IFRS・・・定期的な償却は行わず、毎期減損テストを実施
IFRSにおいても本来は減損の兆候がある場合に回収可能性を見積もるのが原則であるが、のれんに関しては償却をしないため、例外的に減損テストを強制している。

上記を踏まえ、検討中の日本版IFRSにおいては以下の点を検討している。

・のれんの償却を行う場合は、他の資産同様に、減損の兆候がある場合にのみ回収可能性を検討する。
・のれんの非償却を前提として、広範な開示が要求されているが、のれんを償却する場合は、①償却方法・期間②償却費の計上されているPLの項目・償却額を開示に追加するなど、開示に関しても検討がなされている。


5.転嫁対策法・立入検査の現状と対応策

■平成262月までの課税当局の指導件数は300件超
【指導の原因】
・減額、買いたたき
・利益提供の要請
・本体価格での交渉拒否

■立入検査の流れ
→立入検査→指導・助言→措置請求→勧告・公表→独占禁止法による対応

■立入検査の対応
・立入検査後、多くのケースで指導・助言が行われるためこれに従うことが重要
・指導・助言に従わない、違反額が多額である場合は措置請求以後の手続きに移行


6.相続税:相続税額の2割加算と養子

■相続税額の2割加算対象者
相続で財産を取得した者が、
①被相続人の一親等の血族(父・母・子)
②配偶者(妻・夫)
以外の者である場合相続税額が2割加算される。

■養子はどうなるか?
①子の配偶者が養子となっている場合等⇒加算なし(1親等の血族とみなす)
②代襲相続人である孫が養子となっている場合⇒加算なし(子とみなす)
③単なる孫が養子となっている場合⇒加算あり←ここだけ例外

■まとめ
養子は一親等の血族とみなされるため、原則として加算の対象外。
但し、単なる孫が養子となっている場合は加算の対象となる(もともと2親等であるため)


7.法人税:借地権設定に係る収益の帰属時期

■土地の賃借を行う際に権利金を収受する取引慣行があるエリアがある。
 関係会社間取引においては権利金の授受を行わないケースもあるが、借地権の無償取得として収益計上漏れの指摘を受けるリスクが有る。

■無償取得の場合は借地権設定時(建物着工時等)の事業年度に収益計上をされるため、建物着工から数十年を経過しているようなケースでは更正期間が経過しているため税務上の否認リスクは低い。

■借地上の建物の立替えが行われた場合にも借地権は継続しているものと考えられ、更正期間経過の判定にあたっての起算日は変更されないものと思われる


8.事業税率変更と実効税率

H26年度改正による復興税廃止により東京都で資本金1億円超の法人の場合
 38.01%⇒35.64%となる。

・地方法人税の新設⇒実効税率への影響なし

H2610月以後開始事業年度から
  地方法人特別税の税率引き下げ、法人事業税率の引き上げが行われる。
 ⇒事業税には超過税率があるため、実効税率が変わる

H263月末までに「超過税率が上がる内容の都税条例の改正・公布」があれば、実効税率変わる=税効果への影響あり


9.クックパッド 日の丸レシピサイトが狙う世界の食インフラ

 (国内)
・料理レシピだけではなく、サービス内容を拡充
→「やさい便」:野菜の定期宅配
  「料理教室」:料理教室の検索サイト
  「漢方デスク」:漢方、薬膳の総合ポータルサイト

(海外)
・日本のレシピを順次英訳

・海外からの投稿体制も







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