2013年6月30日日曜日

6/28 勉強会:税率上げ前にサイト一時閉鎖の事業者も ほか

税率上げ前にサイト一時閉鎖の事業者も

【Q】26年3月31日にネット通販で購入した商品の消費税率は?

【A】税法上、商品引渡し日(出荷日基準が一般的)の税率を適用

①3月31日に出荷 → 旧税率 5%
②4月1日に出荷 → 新税率 8%

⇒出荷のタイミングで税率が変わり、3月31日の決済時に混乱する
⇒4月1日の出荷となってしまう時間帯(ex.夕方以降)においては、
メンテナンス等として販売サイトの一時閉鎖を検討しているところもある

2.還付加算金の恩恵は訴訟当事者に限定


【改正】~東京高裁の判決に伴う改正
非上場株式の相続税(贈与税)評価において、
大会社の「株式保有特定会社」の判定基準が、
「25%以上」から「50%以上」に引き上げとなった(納税者有利)
⇒過去に遡って「50%以上」判定の適用可能
⇒過去の相続税(贈与税)の更正の請求をすることができる

【Q】更正の請求によって、還付加算金を受け取れるか

【A】請求日から3ヶ月以内に還付支払決定が行われれば、
還付加算金は受け取れない
※訴訟当事者のみ、過去の相続税(贈与税)の納付日の翌日から
計算した還付加算金を受け取れる

⇒「判決に伴う取扱の変更」により更正の請求を行う場合、
還付加算金の起算点は、主に「更正の請求があった日の翌日から
起算して3月を経過する日」の翌日であるため。

会社分割における労働契約継承の手続き


・会社分割は分割会社の労働者へ影響大
→労働契約承継法が定められている※分割会社に適用
(1)労働者の理解と協力を得るための協議
(2)労働者との事前協議
(3)労働者及び労働組合への通知→株主総会の2週間前の日の
  前日までに書面による通知
(4)労働者の異議権
→該当する労働者は異議を申し出れば、本人の意向に従って
 労働契約が承継、または承継されない

遺留分減殺請求にかかる更正請求の特則で重要判決


■前提
①相続人Aが土地を相続し、X社に売却した。
②他の相続人から遺留分の請求があった(遺留分減殺請求)
③遺留分減殺請求について係争を行った。
④遺留分減殺請求の係属中に相続人Aは遺留割合が
 1/10であることを認めている。
④これを受けて、X社は、1/10について他の相続人への
 所有権移転登記を認めた。
⑤これにより、相続人Aは相続税の更正の請求をしようとした。
⑥更正の請求の要件のうち、「遺留分の返還すべき額が確定する」
 というものがある。
⑦更正の請求をしたのは、土地の1/10に関して所有権移転登記を
 認めたが、遺留分減殺請求は、係争している最中であった。
 (最終判決は出ていない状態)

■争点
①原処分庁の主張
最終判決は出ていないので、遺留分の返還すべき額が確定という要件を
満たしていない。
⇒更正の請求はできない。

②審判書の判断
・最終判決が出ているかどうかは関係ない。
・土地の1/10に関して所有権移転登記がされていることは、
遺留分の返還すべき額が確定という要件を満たしている、
と判断できる。
⇒更正の請求はできる。

■結果
更正の請求をすべき理由がない旨の通知処分を取り消している。

5.平成22年度改正の問題点(消費税)

■平成22年度の改正
 ・居住用建物の建築引き渡し時に自販機を設置
  →建物取得による課税仕入に係る消費税>ジュースを売ったことによる
   課税売上に係る消費税
  ⇒消費税の還付が受けられる

 ・上記スキームの対抗措置として、課税事業者を選択した場合の拘束期間が
  2年から3年に延長された

 ・しかし、課税事業者を選択した場合の強制適用期間を経過した後に
  上記スキームを利用することは可能

 ・事実上抜け穴がある改正となっている


6.【消費税】新旧税率の適用に関する基本を確認

H26.3.31以前に契約し、H26.4.1以降に資産の譲渡等が行われた場合
新税率

■H26.3.31以前に仕入れた商品を、H26.4.1以降に譲渡した場合の譲渡
新税率

■請負工事契約等の経過措置の適用は任意か
要件を充足していれば強制適用

7.ゴルフ会員権の税務上の取扱いについて

■入会時
・入会金、仲介手数料
⇒「ゴルフ会員権」として資産計上 消費税は課税仕入

■保有時
・年会費、プレー代、取得後の名義書換料
⇒交際費

■売却時
・譲渡損益を計上 消費税は課税売上

■時価が著しく下落した場合(預託金方式の場合)
会計上⇒減損の対象
税務上⇒施設利用権を喪失するまでは処理なし(単なる預け金として処理)
但し、①退会の届出をした場合②預託金の一部切捨てがあった場合
③破産手続き開始決定があった場合は金銭債権として顕在化され、
貸倒引当金の設定や貸倒損失の計上ができる。


8.H25年9月末までに締結した監査契約には旧税率適用

平成8年10月1日からH25年9月末の間に締結された監査契約に基づき、
平成26年4月1日以後に目的物(監査報告書)を引き渡す監査には
旧税率が適用される。


9.グループ法人税制に係る税効果

■資産譲渡に係る税効果

・100%グループ法人内で資産を売却した場合
⇒会計上、売却損益を認識する。
⇒税務上、売却損益は課税計算上繰り延べる(強制適用)。
 ※個別財務諸表では、繰延税金資産・繰延税金負債が計上される
  (一時差異)。

・一時差異の解消時期
⇒①買い手側で対象資産を譲渡した場合
(次の譲渡先がグループ内・外かは関係なし)
  ※100%グループ内であれば、また新たにグループ法人税制の
 適用対象となる。
 ②除却した時
 ③100%グループの関係でなくなった時

・連結上
⇒売却損益は未実現損益として消去される。
 ※繰延税金資産・繰延税金負債を認識する必要はない。


10.M&A力の向上

M&Aが増えてくると「一大イベント」から「日常化」してくるため、
これまでに実施したM&Aを振り返り、社内のノウハウやナレッジを
形式知化する必要性がある。
・M&Aにおいて遵守すべきルール
・M&Aプロセス毎に採るべき体制・役割・実施すべき作業判断基準等
→「M&Aハンドブック」の作成

・M&A専任チームの組成
→外部プロフェッショナルと混合チームを検討


11.消費税転嫁対策特措法について

【ポイント】
 ・消費税の転嫁を拒む行為等を禁止
 ・消費税を転嫁しない旨の表示等の禁止
 ・届出を条件に、消費税をどう転嫁するか等を各事業者間で決めて良い


12.管理部門における不正

(1)社員の不正行為事例
  (ネットワーク会社:年商1,500億円/85億粗利)
  ・外部業者に業務を架空発注
  ・外部業者が受領した金銭を関係者3名で山分け
  ・約7年間に、約52件8億円の損失
  ・税務調査で発覚

(2)ポイント
 ①外注先管理が不十分
  → 信用調査を行っていたが承認基準がない
  → 情報の更新がない
 ②発注先の偏り(発注割合が異常に高い)
  ③甘い監査(不正の兆候を把握していたが中途半端な対応)
 ④原価管理に問題
  →見込原価が受注金額の一定割合になるよう設定
  →常に粗利を確保できた


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