2014年2月2日日曜日

1/31 勉強会:役員退職給与の適正額の算定方法 他

1.役員退職給与の適正額の算定方法

【事例】
・会社側 : 最終月報酬 × 勤続年数 ×(最高)功績倍率 × 130%
・当局側 : 最終月報酬 × 勤続年数 ×(平均)功績倍率
     ( 32万  × 13年  × 1.18倍 )
⇒当局勝訴

【理由】
・最終月報酬が貢献度を最も反映
・類似法人の平均倍率を使うのが最も合理的
・最高倍率を使う特殊事情なし
・類似会社と比較して、功労加算すべき特殊事情なし
・他のグループ企業からも退職金をもらっていることも影響か?

【最高功績倍率法が認められるケース】
・類似法人の抽出基準が不十分で、平均をとるのに相応しくない
・対象法人が、最高功績倍率の基準とした法人と極めて類似している


2.中小企業でデリバティブに多額課税も

・概略
法人税法上、デリバティブは時価評価の対象となるが、中小企業においては時価評価どころか、自社がデリバティブを行っているという認識がなく、オフバランス処理されている場合が珍しくない。
昨今の円安等の外的要因により、評価益が発生しているケースも考えられ、税務調査で指摘を受けた場合、過少申告加算税や延滞税を含む、巨額の課税を受ける可能性がある。

・実務上の進め方
①経営者へのヒヤリング(↑のように、認識していないケースがある)
②輸出入取引がある会社は通貨オプション、為替予約、借入金がある場合は金利スワップの有無に注意する
③デリバティブの扱いに関しては、会計と税務では一致するところが多いため、まずは、ヘッジ会計等、会計上適切な処理を行っているかをまず検討する。

原則:会計⇒時価評価  税務⇒時価評価

ヘッジ会計適用できるもの:会計⇒繰延処理  税務⇒繰延処理

金利スワップ特例処理できるもの:会計⇒時価評価不要 税務⇒時価評価不要


3.消費税、資産の譲渡等の適用税率Q&Aのポイント

■売上計上が出荷基準、仕入計上が検収基準の場合
 ・A社からB社に商品を出荷
 ・A社では出荷日に売上計上、B社では検収日に仕入計上している場合
 ・A社において26331日に出荷した商品はB社においての検収が2641日以降になっても、仕入に係る消費税率は5

■保守サービスの年間契約
 ・保守サービスに係る保守契約
 ・20日締めで請求している場合、26321日から420日に係る請求の消費税率は、8
  ・保守サービスの料金を1年分を前受し、前受金計上している場合
  (役務提供完了日ごとに売上を計上している場合)
 ・263月末まで役務提供が完了した分の消費税率は5
   264月以降に役務提供が完了した分の消費税率は8

■建築工事
 ・部分完成工事基準が適用される工事は、部分引渡しが行われた日の消費税率を適用

■家賃
 ・3月分の賃借料の消費税率は5%
 ・前払、後払いは関係ない3月分の家賃の支払い期日が4月末でも5%が適用される)

■未成工事支出金
 ・未成工事支出金における仕入税額控除の取り方
 ・26331日までの課税仕入の金額を未成工事支出金として経理
 ・2641日以後の完成引渡しが完了した事業年度において課税仕入とするときの消費税率は5%に基づき仕入税額控除の計算を行う


4.弁護士必要経費訴訟、納税者勝訴が確定

■弁護士会役員としての活動にともない支出した懇親会費などが必要経費として該当
・従来弁護士会役員の会務活動費用は必要経費に該当しない
→必要経費になるためには、収入に対応することや業務に関連することが要件となり、会務活動費用は該当しないとされていた。
→裁判の結果、会務は弁護士業と密接に関与しており一定の範囲で会務活動費用は必要経費と認められるとし、納税者側勝訴
→会務活動費用が必要経費に該当(※高額二次会費用除く)
→本件は、弁護士に対する個別案件ではなく司法書士会などへの影響が示唆されている。但し税理士や公認会計士については言及されていないが、士業であることから勝訴の可能性は高い⇒士業全般の必要経費の範囲の取扱が見直される可能性も


5.事例:GS地下貯蔵タンクの改修費用の取扱い

■概要
平成226月、消防法の改正により埋設後40年を経過した地下貯蔵タンクにはタンクライニング(強化プラスチックをタンク内面に貼り付ける工法)等の改修が義務付けられた。
・費用は1,000
・全国石油協会から補助金が出る(2/3上限)

■改修した場合の問題点
【費用は修繕費か?資本的支出か?】
⇒強化プラスチックの貼付により使用可能期間が延長・・・形式的には資本的支出にあたる。

但し、法令改正に伴って固定資産の修理・改良をした場合には修繕費に該当する。
改修前・・・違法で使用不能⇒改修して使用可能となる=原状回復費用と考えてよい=よって修繕費

【圧縮記帳(国庫補助金)の適用について】
(適用要件)国等から固定資産の取得・改良のための補助金を取得して、実際に充てること

全国石油協会は国等ではないが、単に国の窓口をしているに過ぎず実質的に国等からの補助金と認められる。貯蔵タンク改修は固定資産の改良にあたる⇒よって適用あり


6.【採決事例】源泉所得税の期限後納付がやむを得ないと認められた事例

■事実関係
・賃貸不動産の入居者が、非居住者である貸主へ家賃を支払う際に源泉徴収を失念し、後に期限後納付をした。
・入居契約時には貸主は居住者であり、後に非居住者となった。居住者はこれを知らなかった。
・入居者からの家賃の支払は管理会社を通じて行なっており、入居者が貸主と直接会ったことはない。

■経過
・課税庁は期限後納付された源泉所得税について不納付加算税を課したが、 審判所は納税者の責めに帰すべき理由が無いとし、不納付加算税賦課の取消を認めた。


7.消費税法改正等に伴うリース取引への留意事項

①法人税法とリンクする
(1)法人税法上、資産の売買⇒消費税法上も資産譲渡(経過措置なし)
 ⇒4月1日より8%、引渡し日で判断
 ※リース契約日が3月でもリース取引開始が4月なら8%

(2)法人税法上、資産の貸付⇒消費税法上も資産貸付(経過措置あり)
 ⇒経過措置の要件満たせば5%
 H8.10.1からH25.9末までに契約締結し、H26.4.1以降も引き続き貸し付けている場合は経過措置OK

②平成19年度税制改正が大事
・ファイナンスリース取引について、法人税法上の取り扱いが賃貸借処理から売買処理へと変更された
H19改正適用日(H20.4.1)より前に契約したリース取引はすべて賃貸借処理=経過措置の対象となる

③会計と税法との差異
(1)ファイナンス・リースの判定
 ノンキャンセラブル&フルペイアウト
ノンキャンセラブル:大きな相違なし
フルペイアウト:要件判定で異なる
 会計:現在価値基準と経済的耐用年数基準(簡便法)の2つあり
 税法:90%基準のみ(現在価値基準に近い)

(2)重要性判断
 会計:重要性判断あり
  1年以内リースか1件300万円以下なら賃貸借処理でOK
 税法:金額基準なし


8.日本でカジノ法案通過目前?

6月の本国会ではカジノ法案が成立する公算が高い
・パチンコ業界を牛耳る警察OBの反対が強かったが、今回は根回しが済んだとのこと

【胴元の取り分】
宝くじ 55% 競馬 25% パチンコ 15% カジノ 5%強
→ カジノは薄利多売のビジネス

【カジノで一番儲かるのは?】=運営会社
※建設会社、ホテル、警備会社はそれほど儲からない?
→ カジノで重要なのは「イカサマ防止の高度なノウハウ」「上得意客へのサービス」「ディーラー養成」「暴力団対策」

・現在、メガカジノを運営できるのは世界に7社だけ。(主にアメリカ企業)
・日本企業には運営ノウハウがない。
→過去にパチスロのユニバーサルが目指したが、締め出しをくらった。


・日本でカジノを始めても、儲けるのは外資系企業と、「カジノ委員会」に関わる省庁&族議員だけ?






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