2015年1月17日土曜日

1/16 勉強会:使える補助金・助成金vol.15「特定就職困難者雇用開発助成金」 他

1.法人税率引下げと課税ベース拡大、平成27年度の重要改正を読み解く

■実効税率
 ・現行の実効税率(標準課税ベース) 34.62%
  (東京都の場合 35.64%)
 ・平成27年度            32.11%(▲2.51%)
 ・平成28年度            31.33%(▲3.29%)

■繰越欠損金の控除限度割合
 ・現行の控除限度割合        所得の80%
 ・平成27年度、平成28年度    所得の65%
 ・平成29年度以降         所得の50%
 ※大企業の場合
 ※中小企業は全額控除可

■繰越欠損金の繰越期間
 ・現行の繰越期間       9年間
 ・平成27年度以降      10年間
 ※帳簿書類の保存要件、欠損金に係る更正の請求等の期間も10年に延長

■受取配当金の益金不算入
 ・株式持分比率が5%以下のもの
  現行       50%が益金不算入
  平成27年度以降 20%が益金不算入

■外形標準課税
 ・付加価値割、資本割について、税率の見直し(増税)


2.業務委託契約に通謀虚偽表示を認めず

■裁決概要
・内国・外国法人間の業務委託契約に基づく支払手数料が(内国法人の)代表取締役への給与に該当するか否かが争われた。

■原処分庁の主張
・業務委託契約における当事者の真の合意内容は、外国法人=使用者、(内国法人の)代表取締役=労働者とする雇用契約であり、内国法人と外国法人とが虚偽の意思表示をしたものであることから、通謀虚偽表示(民法94条)により無効である。

■審判所の判断
・契約自由の原則に照らし(※)、業務委託契約に虚偽表示を認めず、支払手数料は内国法人に帰属と判断。
・雇用契約を締結する意思があったというだけでは、業務委託契約が虚偽表示によるものとの理由にならない。

※契約を当事者の自由にまかせ,国家はこれに干渉してはならないとする近代法の原則


3.3万円以上の領収書もスキャナ保存が可

■3万円以上の契約書、領収書のスキャナ保存が可能となる
 ※今までは3万円未満は可能だった

■スキャナ保存は一定の要件のもとで可能
 ・税務署長の承認が必要
 ・契約書や領収書、納品書や見積書、注文書等が対象
  (決算書類等は不可)
 ・定期的なスキャナ保存等の社内規程の整備
 ・電子署名

■適用開始時期
 平成27年9月30日以降の承認分から適用


4.繰延税金資産の回収可能性、例示区分の原案が明らかに

(論点)
 企業会計基準委員会が作成中の「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」の原案が明らかになった。
⇒監査上の実務指針「繰延税金資産の回収可能性の判断に関する監査上の取扱い」
(通称、66号)における取扱い
(業績等一定の要件に基づいて会社を5つに分類し、それぞれ回収可能性の判定をする)を大枠で踏襲(ただし、一部変更あり)

(66号からの主な変更点)
(1)例示区分4号⇒
 (ⅰ)要件が「重要な税務上の繰越欠損金の存在」から「重要な税務上の欠損金の計上」へ、
 (ⅱ)将来の課税所得の見積りに関し、5年超に渡り継続して計上することを合理的に説明できる場合、例示区分2号に該当するものとして取扱い可、また、概ね3年~5年程度課税所得を計上することを合理的に説明できる場合、例示区分3号に該当するものとして取扱い可

(2) 例示区分3号⇒
 5年を超えて差異が解消されるものについても、回収可能であることを合理的に説明できる場合、回収可能性ありと判断可

(3) 例示区分2号⇒
 スケジューリング不能な将来減算一時差異について、将来的に損金算入の見込みが高く、かつ、損金算入時点において課税所得が損金算入額を上回る可能性が高いと合理的に説明できる場合、回収可能性ありと判断可


5.9号買換え、課税繰り延べ割合を一部縮減

■9号買換えとは
(1)10年超所有した土地や建物を譲渡
(2)新たに土地や建物、機械装置等を事業用として購入
(3)(1)の資産の譲渡につき譲渡益が発生した場合には、譲渡益の80%相当額が繰り延べられる (新たに取得した土地や建物を譲渡したときまで)

■H27年税制改正
(1)      適用期限:H29年3月31日まで延長
(2)      買換資産の範囲:機械装置が適用除外
(3)      繰り延べ割合の縮減:
地方⇒大都市等への買替え :75%へ引き下げ
地方⇒東京23区への買替え:70%へ引き下げ
上記以外:現行通り80%

※大都市等とは
 東京都(武蔵野市、八王子市)、神奈川県(横浜市、川崎市等)
 埼玉県(川口市、川越市等)、千葉県(千葉市等)
※地方とは
 東京23区及び上記「大都市等」以外の地域


6.美術品も100万円未満なら減価償却資産

【改正内容】H27.1.1以後開始事業年度取得分に適用
(改正前)美術年鑑等に登載されている製作者の作品は減価償却資産に該当しない
 ⇒廃止

(改正前)取得価額が1点20万円(絵画は号2万円)未満であれば減価償却資産
 ⇒1点100万円未満であれば減価償却資産
 ⇒100万円以上でも「時の経過による価値減少が明らかなもの」は減価償却資産
 例)会館ロビーなどの不特定多数が利用する場所の装飾品

【経過措置】
・H26.12.31以前購入でも、適用初年度から減価償却資産として処理すれば適用可能


7.法人税:一般社団法人等が介在する場合の完全支配関係の判定について

■一般社団法人が介在するケース
 A株式会社
   ↓基金100%
 B一般社団法人(資本なし)
   ↓株式100%
 C株式会社

Q この場合、A⇔C間で完全支配関係は成立するか?

A 完全支配関係は成立しない
⇒「完全支配関係」は株式または出資の全部を直接または間接に保有する関係をいう。
一般社団法人は株式(出資)を発行しないため、A⇔B間に完全支配関係はない。したがってA⇔C間にも間接的な完全支配関係は成立しない。

(注)一般社団法人の基金は「債務」として認識される


8.有形固定資産の測定・評価

日本基準:取得原価主義
 ※減損は取得原価の切り下げ
IFRS  :原価モデルもしくは再評価モデルの選択適用

原価モデル:日本の取得原価主義とほぼ同じ
再評価モデル:都度、公正価値で測定する
 ⇒再評価モデルは運用上のコスト問題などの課題が多い
 ⇒欧州でもほとんどの企業が原価モデル


9.景品表示法における課徴金について

1.課徴金の対象となる基準
 ・表示内容に対して、合理的に裏付ける根拠を示せない場合
 ・相当の注意を怠ったと認められる場合
2.課徴金額
 ⇒ 対象商品等の売上高の3%
3.課徴金の免税点
 ⇒ 対象商品等の売上高5,000万未満(課徴金で150万円)は課徴金は課されない。


10.時価発行新株予約権信託の概要

1.時価発行新株予約権のデメリット
 (1) 貢献度をキャピタルゲインに反映することが困難
 (2) 新株予約権付与のタイミングにより行使価額に差異
 ⇒ 付与された従業員等の間に不公平が生じる

2.スキームの相違
 (1) 時価発行新株予約権
 ⇒ 新株予約権発行会社が直接、従業員に新株予約権を交付
 (2) 時価発行新株予約権信託
 ⇒ 委託者が信託受託社に金銭を信託
  ⇒ 新株予約権発行会社は信託受託者に新株予約券を交付
 ⇒ 要件を満たした際に、従業員等(受益者)に、信託受託者より新株予約権を交付

3.時価発行新株予約権信託のメリット
 (1) 新株予約権の付与を貢献度に合わせて調整できる
 (2) 発行時の時価で付与できるため、付与のタイミングによる不公平を解消できる。

4.時価発行新株予約権のデメリット
 ⇒ スキームが複雑なため、留意すべき事項が多くなる。


11.意外と知らない 減損会計における資産のグルーピングの勘所

 ■グルーピングの範囲
  (最小)独立したCFを生み出す最小の単位
  (最大)報告セグメント

 ■グルーピングを見直す機会
  →よほどドラスティックな変化がない限り、一度決めたグルーピング方法を毎期継続適用
   ・事業再編成時
   ・経営者交替時
   ・その他(主要な資産の処分、セグメンテーションの方法の変更など)

 ■減損損失の各構成資産への配分
  →時価による方法と、簿価による方法
  →翌期以降の減価償却計算への影響も考慮して決定するとよい
  ※簿価に基づく比例配分と結果が大きく変わらないこと、という条件で償却資産に優先的に配分する方法も考えられる


12.平成26年10月以後開始する事業年度に適用する法定実効税率

 ■平成26年の地方税法制の改正
  ・法人住民税の一部の国税化(地方法人税の創設)
   -各事業年度の所得に対する法人税の額×4.4%
  ・地方法人特別税の規模を縮小し法人事業税に復元する措置
   -道府県民税:5.0%から3.2%(制限税率6.0%から4.2%)
   -市町村民税:12.3%から9.7%(制限税率14.7%から12.1%)
   -地方法人特別税の規模を1/3縮小し、法人事業税に復元

 ■法定実効税率への影響
  →ほとんどなし
   ・東京都の場合
    -外形標準課税法人  35.6390…%→35.6427…%(結局四捨五入すればミゴロシのまま)
    -上記以外の普通法人 37.1131…%→37.1139…%(同37.11%のまま)


13.賃借建物の修繕に関する問題

倉庫として借りている建物の屋根の一部が破損し、雨漏りが発生する。
賃貸人に修繕を要求したが拒否された。

Q 修繕工事が終わるまで賃料の支払を止めることは可能か?

A 特約がある場合を除き、民法によれば賃貸人は修繕をする義務がある。
  しかし支払を拒むことは出来ないと解される。 


14.M&Aにおける無形資産の取り扱いについて

(1)M&Aにおける無形資産の処理(概要)
 a.取得原価の算定(=無形資産の取得原価は超過収益力も含めた会社全体の買収価額に含まれる)
 b.取得原価の配分

(2)取得原価の配分
 取得原価を識別可能な資産・負債に配分(パーチェス・プライス・アロケーションPPA)
 ⇒取得原価と純資産の差額(=広義の「のれん」)が、無形資産への取得原価の配分や狭義の「のれん」の原資となる

(POINT)
・取得原価と純資産の差額(=広義の「のれん」)が無形固定資産に紐づく可能性が高いからといって、必ずしもPPAにより配分されるとは限らない
・対象は特許権や商標権といった法的に権利化されたものに限らず、ブランド等も含まれ、対象範囲は広い
⇒何に配分するか⇒識別可能な資産の判断・評価が重要
・評価については、株価算定の様に①マーケットアプローチ、②インカムアプローチ、③コストアプローチに基づく

(4)取得原価の配分のタイミング
 実務的にはM&A完了後であるが、ディール中にやることも有用
(理由)
・取得原価の配分が多くなれば、のれん(狭義の「のれん」)が少なくなる=今後の償却が減る
(のれんと無形固定資産の償却年数は異なる前提)

※狭義の「のれん」=最終的にBS計上ののれん


15.使える補助金・助成金vol.15「特定就職困難者雇用開発助成金」

・(対象者)
事業主

・(要件)
高年齢者、障害者、母子家庭の母等を、ハローワーク等の紹介で(1年間)継続雇用すること

・(受給内容)
高年齢者、母子家庭の母 :90万円
障害者:135万円
重度障害者:240万円

※短時間労働者の場合は減額
※大企業の場合は減額
※支給は半年で半分ずつ

・(手続き)
支給対象期末から2ヶ月以内「支給申請」をハローワークに提出








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2015年1月9日金曜日

1/9 勉強会:法人税:美術品等の減価償却の取り扱い確定版 他

1.平成26年分所得税確定申告のチェックポイント

■平成22年度改正で平成26年分から適用
 ・NISA
  非課税口座内で管理されている株式等に係る配当、譲渡益が非課税になる

■平成23年12月改正で平成26年分から適用
 ・白色事業者の帳簿書類の備え付け等

■平成25年度改正で平成26年分から適用
 ・住宅ローン控除の限度額(消費税の税率変更に係る部分)
  年末残高の限度額4,000万円、控除限度額40万円 控除期間10年

 ・雇用拡大税制

 ・所得拡大税制
  青色申告を提出する個人に適用


2.Q&Aで理解する「出国時課税制度」の全貌

(1)出国時課税制度とは?
・巨額の含み益のある株式等を保有するものがキャピタルゲインが非課税となる国へ移住後、これを売却することで譲渡益課税を回避する”節税”を封じる制度

(2)対象資産は?
・株式、国債、社債など所得税法上の有価証券、匿名組合契約の出資持分、デリバティブ
 ただし”出国時”の評価額の合計額が「1億円以上」の場合

(3)適用対象者は?
・出国直近の10年以内で5年以上居住者であった者

(4)納税猶予の対象となるには?
・出国時に「担保」を提供する、かつ納税管理人の届出をすることが条件
※出国期間中に売却をせず「5年以内」に帰国すれば免除される

(5)出国期間中に納税猶予対象資産の一部を売却した場合は?
・売却した資産に係る納税猶予のみが終了

(6)ビジネス上の理由等で5年超の出国となる場合、納税猶予の延長は認められるか?
・5年間の延長が認められる

(7)当人は出国せず、海外に居住する息子に時価2億円の株式を贈与した場合は対象となるか?
・対象となる

(8) 出国時課税制度の適用日は?
・平成27年7月1日を予定


3.財産債務明細書の記載事項に「取得価額」

■27年度改正で財産債務明細書について一部見直し
※財産債務明細書
 個人の、12/31時点における財産と債務の一覧を記載したもの

■変更点
(1)提出基準
 ・現在  … 所得が2千万円超
 ・変更後 … 所得が2千万円超かつ総資産1億円以上

(2)記載事項の充実化
  … 所在地や銘柄の記載や時価に加え、取得価額の記載

■背景
・出国時課税制度の導入によるもの


4.後発的事由に基づく更生請求、対象となる判決の判断基準を示す

(論点)
 高裁:後発的事由に基づく更生の請求の事由である「判決」(通則法23条2項一号)とは、「申告に係る課税標準または税額の計算基礎となった事実と異なる事実を前提とする法律関係が判決主文で確定したと同視できるような場合」と解釈※

(事例)
(1)相続人:相続により取得した株式の評価額を時価@1,083円とし、相続税を申告
(2)相続人:被相続人が生前に当該株式について譲渡契約した譲渡価額@642円と上記時価@1,083円との差額について譲受人に対し損害賠償請求
(3)裁判所:被相続人と譲受人との間に当該株式を上記譲渡価額@642円で譲渡する旨の合意あり⇒請求棄却
(4)相続人:当該株式の評価額を上記譲渡価額@642円に修正する旨の更生の請求
(5)税務署:更生の請求を認めず
(6)相続人:(3)の判決は「判決」(通則法23条2項一号)に該当⇒税務署の処分の取り消しを求める訴訟を提起
(7)地裁:(3)の判決は「判決」(通則法23条2項一号)に該当しない⇒請求棄却
(8)相続人:控訴
(9)高裁:※と判断し、(3)の判決は「判決」(通則法23条2項一号)に該当しない⇒請求棄却


5.調査同席の相続人、質問検査の可否は?

相続税の調査に伴う事前通知をする場合において、相続人が複数いる場合はどうするか。
⇒実地調査の場で質問する相続人に対してのみ事前通知される

例)相続人A・B・C3人いる場合の通知

ケース1
A、B、C3人とも立ち合いの場合
⇒3人に質問する場合は、全員に事前通知される。

ケース2
Aのみ調査に立ち会い、B及びCは立ち会わない場合
⇒Aのみに事前通知される。
 B及びCは質問を行わない場合は事前通知されない
 ただし相続税の調査を行う旨の連絡する場合あり

ケース3
事前通知されなかった相続人が調査に同席した場合、質問検査を行うことができるか

⇒事前準備の段階で同席者への質問を行うことに問題がないこと。
 またその場で同席者の承諾を得られた場合に限り行う。


6.米軍基地で資産譲渡、消費税問題で裁決

(1)審判所事例
・日本の業者が、在日米軍基地内で米国軍隊の構成員等に対し家具や雑貨類の商品販売を行った。
⇒消費税の課税区分はどうなるか?

(2)結論
・商品販売は、『非課税売上取引』

(3)理由
・国内法である消費税法よりも、日米地位協定の規定が優先される。
・日米地位協定は下記内容となっている。
 (A)本件商品販売(売上)に消費税は課税されない。
 (B)本件商品販売に係る商品購入(仕入)については消費税が課税される。

⇒(A)より、非課税取引 or 免税取引 となる。

⇒免税取引とすると、仕入商品について仕入税額控除が可能となり、
実質的には仕入に消費税が課税されない。
⇒(B)の要件が満たされない。

⇒非課税取引とすると、仕入商品について仕入税額控除ができないので、仕入に消費税が課税される。
⇒(B)の要件を満たす。


7.法人税:美術品等の減価償却の取り扱い確定版

■改正前の取り扱い
・美術年鑑に載っていない
・代替性があるかどうか判別不明の場合で1点20万円未満の美術品
⇒減価償却できる

■改正後の取り扱い
・代替性があるかどうか判別不明の場合で1点100万円未満の美術品
⇒減価償却できる
(注 古美術品等で代替性がないものは金額に関わらず減価償却不可)

■適用開始時期
・平成27年1月1日以後に取得する美術品について適用。

■経過措置(対象⇒平成26年12月31日以前取得の美術品で改正後の取り扱いに該当するもの)
平成27年1月1日以後最初に開始する事業年度において減価償却資産として処理した場合にはこれを認める。この場合その事業年度開始の日に取得したものとすることができる。

(例)3月決算法人が平成26年12月31日に29万円の美術品(代替性不明)を購入した場合

平成27年3月期⇒減価償却できない
平成28年3月期⇒少額30万円未満の減価償却可


8.法人税:分掌変更が退職と同等とはいえず「役員退職給与」に該当しないと判断

(審判所)
■事例
役員の分掌変更に伴って支給された『役員退職給与』について"不相当に高額な部分"であるとして一部の損金性を否認された事例で、国税不服審判所による裁決がなされた。
納税者は当該『役員退職給与』に"不相当に高額な部分"は無い旨を主張していた。
現在東京地裁にて訴訟が提起されている。

■審判所による判断
本件の『役員退職給与』はそもそも税務上「役員退職給与」に該当しない。
したがって、"不相当に高額な部分"の有無を判断するまでもない。
 という税務署による否認判断よりも更に厳しい裁決がされた。

■判断理由
・分掌変更が実質的な退職として扱われる例として、通達で下記を定めている。
 (1)常勤役員が非常勤役員になったこと
 (2)分掌変更後の役員給与がおおむね50%以上減少したこと
 いずれの例示においても、法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者は除かれている。

・下記の事実関係より、対象の役員が分掌変更後も主要な地位を占めていたと判断した。
 (1)同族関係者以外の役員がいない同族会社であり、経営判断への関与度の低下具合が判断できない。
 (2)分掌変更後も主力商品の製造管理を行っていた。
 (3)分掌変更後も銀行との融資の会議に参加している。
 (4)分掌変更後も代表取締役の名刺を配っていた。
 (5)発行済株式の過半数を保有していた。


9.みんなのウェディング 粉飾 12/22

・内部統制報告書に「開示すべき重要な不備」がある旨を記載すると公表
・H26.9に実態のない売上を計上 社内調査で発覚
・同社従業員の親族のウェディング施行にかかる1200万円の売上について、
 実際はウェディング施行は行われておらず、プロモーション撮影を行ったのみ。
 売上代金は代表取締役の個人資金から拠出されていた
・今後は
 「職務権限や職務分掌の見直し」
 「決算財務報告プロセスの強化」
 等の再発防止策を講じ、内部統制の改善に努めるとのこと。


10.包括利益の組替調整(リサイクリング)~日本基準とIFRSの考え方の違いに基づく説明

(利益の考え方)
 日本基準:当期純利益を使用した指標を評価基準として重視 → 中長期的視点
 IFRS:BSを重視 → 今売ったらいくらか?という短期的な視点

(利益認識の違い)
 例:投資有価証券の評価 取得原価1,000、X1期末1,500、X2期売却時1,800
  日本基準:
   X1期末   投資有価証券 500/包括利益 500(包括利益500、純利益0)
   X2期首   包括利益 500/投資有価証券 500
   X2期売却時 CASH 1,800/投資有価証券 1,000
               /純利益     800(包括利益0、純利益800)
    ⇒日本基準では評価差額金について戻入を行う
    ⇒利益500が包括利益と当期純利益で2回計上されることになる(リサイクリング)
  IFRS:
   X1期末   投資有価証券 500/包括利益 500(包括利益500)
   X2期首   仕訳なし
   X2期売却時 CASH 1,800/投資有価証券 1,500
               /包括利益    300(包括利益300)
    ⇒評価差額の戻入は行わないため、利益の組替もない。


11.使える補助金・助成金vol.14「トライアル雇用奨励金」

・(対象者)
事業主

・(要件)
職業経験、技能、知識等から就職困難な求職者を、ハローワーク等の紹介で試行雇用すること

・(受給内容)
対象労働者1人につき4万円(×3ヶ月まで)

・(手続き)
開始前に「実施計画」を、トライアル雇用終了後1ヶ月以内に「支給申請」をハローワークに提出








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2014年12月26日金曜日

12/26 勉強会:被買収会社のストックオプションの取扱い 他

1.貸付金利息の収入時期、履行期に確定は誤り

■まとめ
・個人間の貸付金の利息の確定時期はその年分ごとに確定する
・履行期が到来してから確定するものではない

■事例
・息子が母親に約1000万円を貸し付けた
・金利は年2%
・返済の時期は母親の相続開始時または保有する不動産の売却時とし、利息も返済時にまとめて精算することとした確認書を取り交わした
・課税庁側は、返済時にならないと利息が確定しないので利息の収入時期は返済が確定した年分と主張した
・審判所の判断
 利息はその年分ごとに確定する
 よって、確定した年分の収入とすることが相当とした


2.評価額1億円以上の株式等、出国時に課税

■平成27年度税制改正が検討
(目的)
・巨額の含み益のある株式等を保有するものがキャピタルゲインが非課税となる国へ移住後、これを売却することで譲渡益課税を回避する”節税”を封じる。

(対象資産)
・株式、国債、社債など所得税法上の有価証券、匿名組合契約の出資持分、デリバティブ
 ただし”出国時”の評価額の合計額が「1億円以上」の場合

(対象者)
・出国直近の10年以内で5年以上居住者であった者

※納税猶予あり
・出国時に「担保」を提供する、かつ納税管理人の届出をすることが条件
・出国期間中に売却をせず「5年以内」に帰国すれば免除される


3.損金算入配当、実額のみ益金損金可能に

■外国子会社配当益金不算入制度から、損金算入配当が除外に
・現在、外国子会社の配当のうち95%は益金不算入(5%のみ益金)
 ⇒改正により、一部配当は100%益金算入となる

■対象となる配当
⇒外国で損金算入可能となっている配当のみ
 ・オーストラリア子会社からの償還優先株式
 ・ブラジル子会社からの利子配当

■益金に算入すべき金額
・基本は配当全額
・外国では損金算入と損金不算入の配当があるため、損金算入した金額が証明できる書類がある場合は、配当のうち損金算入した金額のみの益金算入で足りる


4.被買収会社のストックオプションの取扱い

(論点)
被買収会社が従業員に付与したSOを買収の際に買収会社が取得した場合の所得税の課税関係について
⇒所得税法に規定がなく質疑応答事例が出された

(課税関係)
(1)SOの付与時
 課税関係は生じない。
(2)SOの譲渡承認時
 給与所得が課税される。(譲渡承認時におけるSOの時価相当額に対して)
(3)SOの譲渡時
 譲渡所得は生じない。
 (譲渡価額・取得費等ともに譲渡承認時におけるSOの時価相当額となるため)


5.粉飾非関与の代表取締役に賠償命じる

■事例
・ニイウスコー社の粉飾決算(売上高約682億円の過大計上)に伴う株主の損害賠償請求
・社長は人事担当役員であり粉飾決算に関与していない

■争点
金商法に規定する「相当な注意」を用いたか否か 
 (注)「相当な注意」とは役員が適切な注意をしても事実を知ることができなかったと証明した場合、その役員は賠償責任を負わない規定

■社長の主張
・人事担当役員にすぎないため、巧妙に仕組まれた不適切な取引を見破れることは不可能
・「相当な注意」をしても事実を知ることはできないと主張

■判決
・代表取締役社長は業務執行全般を統括する責任あり
・担当外であろうが疑いがある事情は、自ら確認する義務あり
・売上高が前月比約60億円も増加したが、不適切なものであるか否かの調査・確認も行っていない
 
 「相当な注意」を行っていないと指摘し、損害賠償命令がくだされた


6.消費税の計算処理

テーマ:税込方式、税抜方式、混合方式
(1)納付税額の処理方法(税込、税抜の違い)
・税込方式
 -原則⇒翌期の申告時点で租税公課として費用計上
 -特例⇒決算において未払費用として租税公課に費用計上
・税抜方式
 ⇒仮受消費税、仮払消費税の残高を償却し、未払消費税を未払費用として計上
 ⇒貸借の差額は、雑損失 or 雑収入に計上

(2)税抜方式のメリット
・売上原価の計算において、棚卸資産評価を税抜で行うため、税込に比べて粗利を圧縮できる
・少額減価償却資産等の判定(10万円未満、30万円未満)において、税抜で判定できる
・交際費損金不算入(800万円限度)の判定において、税抜で判定できる

(3)混合方式とは
・課税売上は必ず税抜処理が必要
・課税仕入は、「棚卸資産」「固定資産」「経費等」の3グループに区分し、どれか1グループでも税抜処理すれば、他のグループは税込処理できる
・小規模事業者が、大型の設備投資をし、固定資産だけ税抜方式のメリットを受けたい場合などに活用


7.減額更正後に増額更正があった場合の延滞税について

■概要
(1)Aは期限内に相続税の申告をし4,000万を納付した。
(2)その後土地の評価額を時価よりも高く申告していたため更正の請求をし1,000万の還付を受けた。
(3)Aは(2)で認められた評価額になお不服があったため異議申し立てをしたところ、逆に500万の増額更正を受けた。
(4)課税当局は(2)と(3)の差額につき延滞税を課した。

Aはこの延滞税を不服として訴えた。

■裁判所の判断
一審・二審⇒納税者敗訴
最高裁⇒逆転勝訴

・上記(2)と(3)の差額は未納付の状態となっているが当初納付の際に一旦は納付されている。
・減額更正は税務署長が認めたものであるにも関わらず増額更正にあたり自らその処分を覆したものであること

ことから上記差額を延滞と評価するのは妥当ではないとして納税者逆転勝訴とした。


8.消費税:非居住者から原材料の供給を受けて加工する場合の消費税

■論点
・非居住者(外国法人)から原材料の提供を受け、日本国内で加工を行ったうえで海外に出荷するケース
・当該加工委託業務にかかる売上は、8%課税売上か免税売上か?

■答え
・免税売上となる

■該当条文
・消令17条②七(輸出取引等の範囲)
・非居住者に対する役務提供について、次に掲げるもの以外は輸出類似取引(免税)と規定している。
  イ:国内に所在する資産に係る運送又は保管
  ロ:国内における飲食又は宿泊
  ハ:イ及びロに掲げるものに準ずるもので、国内において直接便益を享受するもの
・輸出加工委託業務は、ハの『準ずるもの』に含まれない。


9.独立役員制度

・一般株主と利益相反が生じるおそれのない社外取締役or社外監査役
・上場会社は1名以上の確保が必須(東証の上場規程)
・2014年2月には独立役員の1名以上は取締役であることを要請(努力義務)

■本誌が選ぶ2014年 5大ニュース
①単体開示の簡素化
②改正会社法公布 2015年5月施行
 ・社外取締役を置くことが相当でない理由の開示義務
 ・社外取締役等の要件等の厳格化
 ・会計監査人の選任解任等の議案内容決定権を監査役に
 ・監査等委員会設置会社制度 創設
 ・多重代表訴訟制度 創設
 ・株主による組織再編等の差止請求制度の拡充
③企業会計審議会に「会計部会」を新設
④金融庁と東証、「コーポレートガバナンス・コード(案)」公表
⑤税効果ルール見直しへ
 「検討の結果、実務への影響の大きさを鑑み、例示区分を撤廃せずに規定の一部を修正する方向性」

⇒あまり大きなニュースが無かった模様。


10.特定事業再編に係る税制について

1.特定事業再編とは
⇒ 産業競争力強化法にて認定された再編のこと
 ※認定要件として、生産性の向上や新たな需要拡大が見込まれること。
  (ex . 3年以内に有形固定資産回転率の10%向上が見込まれるなど)

2.特定事業再編に係る税制
(1) 特定事業再編投資損失準備金制度
⇒ 特定事業再編により取得した株式等の価格低下等の損失に備えた準備金の繰入が損金算入可能
⇒ 組織再編を促進し、事業の活性化を図ることが目的

※損金算入可能なのは特定株式等の取得価額の70%が限度。
※原則として、10年経過後に5年に渡って均等額を戻し入れる。

(2) 登録免許税の軽減


11.関連会社株式の減損処理とのれんの処理

Q.時価のある関連会社株式について四半期で減損処理をしました。
  のれん相当額の取り扱いについて教えてください。

A.連結子会社だった場合はどうするか、を前提として考える
  個別財務諸表における減損処理後の簿価と連結財務諸表における簿価とを比較
  個別の簿価が連結の簿価を下回る場合、のれんの未償却残高を限度に連結簿価を切り下げ
 ・持分法適用会社にあてはめる
  のれん相当額について、同様に処理。ただし、一行連結なので仕訳は、
  持分法による投資損益/関連会社株式
 ・連結子会社の場合との相違点
  連結:子会社株式評価損なので、特別損失
  持分法:持分法による投資損益なので、営業外損益

Q.洗い替え法により四半期決算での減損処理を戻入ることは可能でしょうか。

A.連結と同様に、四半期では切放法と洗替法の2つが認められている。
   四半期で減損処理をしても年度末で見直すことは可能。


12.組織再編における会計上の主な留意点

【再編決定時】
・固定資産、のれんの減損
 ⇒利用方法や利用方針の変更に伴う減損会計
・耐用年数の見直し
・固定資産の除却
・引当金の計上
 ⇒引当金要件に基づく計上

【再編時】
・企業結合時の会計処理
 ⇒取得、共同支配企業の形成、共通支配下の取引の会計処理

【再編後】
・会計方針
 ⇒再編後の会計方針の統一


13.IFRSにおける売却目的で保有する非流動資産等の取り扱い

※日本基準では、当該事項に関する区分表示や追加的な開示は求められていない。
 固定資産の中でも売却予定の資産を区分表示することで、将来CFの予測に資する目的

(1)IFRSの要求
・売却目的保有に分類される要件を充たせば
⇒a.帳簿価格 b.売却コスト控除後の公正価値 のいずれか低い金額で計上し、減価償却は中止
⇒財政状態計算書において区分表示

(2) 非流動資産等の分類(一部抜粋)
・非流動資産等の帳簿価額が継続使用ではなく、売却で回収の場合は、売却保有目的に分類しなければならない
・現状のまま直ちに売却可能で売却可能性が高い
・売却可能性が高い=経営者等が売却計画の実行を確約し、当該計画が開始
・売却計画は分類から1年以内で完了


14.使える補助金・助成金vol.13「雇用調整助成金」

※今回から3回は「助成金」を扱います。
「助成金」は「補助金」と違い、「条件に合えば」給付されます。

・(対象者)
事業主

・(要件)
(1)雇用保険適用
(2)最近3ヶ月の売上が前年同期10%以上減少
(3)事業所の全員について休業、教育訓練等を一斉実施
等

・(受給内容)
中小企業:休業手当または賃金相当額等の2/3
大企業:休業手当または賃金相当額等の1/2
※教育訓練の場合、1人1日1,200円を加算

・(手続き)
開始前に「実施計画」を、実施後に「支給申請」をハローワークに提出








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