1.暗号資産も相場操縦等の行為を禁止
「情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律案」が5/31に国会で成立。施行は公布から1年以内。
・仮想通貨の流出事案を踏まえ、利用者保護の確保やルールの明確化を行うもの。
・仮想通貨の呼称が暗号資産に変更される(所得税法や法人税法上も)。
・金商法上の犯則調査において、サーバ等の差し押さえが可能になる。
・仮想通貨の流出事案を踏まえ、利用者保護の確保やルールの明確化を行うもの。
・仮想通貨の呼称が暗号資産に変更される(所得税法や法人税法上も)。
・金商法上の犯則調査において、サーバ等の差し押さえが可能になる。
2.組織再編成の検討の実務(2)
■適格要件の充足性に関する留意点
(1) 組織再編成の類型によって内容が異なる場合がある
・経営参画要件
(合併)被合併法人の常務クラス以上が合併法人の同役席者になることが見込まれることが要件
(分割)承継法人の常務クラス以上に就任するのは分割法人の役付でない取締役でもOK
(2) 同じ組織再編成の類型でも場面に応じて条件が異なる場合がある
・事業関連性要件と事業規模要件(分割のケース)
(一対一の分割)承継法人vs分割法人 で判定
(多対一の分割)分割法人 vs 他の分割法人 で判定
(1) 組織再編成の類型によって内容が異なる場合がある
・経営参画要件
(合併)被合併法人の常務クラス以上が合併法人の同役席者になることが見込まれることが要件
(分割)承継法人の常務クラス以上に就任するのは分割法人の役付でない取締役でもOK
(2) 同じ組織再編成の類型でも場面に応じて条件が異なる場合がある
・事業関連性要件と事業規模要件(分割のケース)
(一対一の分割)承継法人vs分割法人 で判定
(多対一の分割)分割法人 vs 他の分割法人 で判定
3.飲食店業の収益帰属をめぐり納税者敗訴
社交飲食店の営業による収益が納税者個人に帰属するか否かが争われた税務訴訟
■事案
・店舗責任者(社交飲食店)は納税者の関係者名義の預金口座に収益の一部を入金していた。
・その入金分が雑所得に該当するとし、課税当局は所得税の更生処分を行った。
・納税者は所得税の確定申告を不動産及び給与所得のみを申告。
■判決
雑所得に該当すると判断。
⇒社交飲食店の事業が納税者の事業とは認められない。
・納税者が金員を取得した当時において社交飲食店の営業許可を受けていたのは納税者ではなく店舗責任者であること。
・営業に係る具体的な業務の遂行について個別具体的な指揮命令をしていたことが認められる証拠がない。
■事案
・店舗責任者(社交飲食店)は納税者の関係者名義の預金口座に収益の一部を入金していた。
・その入金分が雑所得に該当するとし、課税当局は所得税の更生処分を行った。
・納税者は所得税の確定申告を不動産及び給与所得のみを申告。
■判決
雑所得に該当すると判断。
⇒社交飲食店の事業が納税者の事業とは認められない。
・納税者が金員を取得した当時において社交飲食店の営業許可を受けていたのは納税者ではなく店舗責任者であること。
・営業に係る具体的な業務の遂行について個別具体的な指揮命令をしていたことが認められる証拠がない。
4.初のスマホ申告、利用者は36万6千人
・スマホを利用した所得税等の申告について、36万6千人が申告書作成・提出を行った。
⇒自宅等からe-Taxで申告書提出:内17万8千人
⇒スマホで作成、書面で申告書提出:内18万8千人
書面申告が電子申告をやや上回った。
・ICT利用し、申告書を提出した人は1,531万1千人。内国税庁HPの作成コーナーで作成、e-Taxで提出した人124万人(前年:61万5千人)
・雑損控除の適用を受けた人は4万4千人(前年比:+92.8%)
⇒大阪府北部を震源とする地震やH30年7月豪雨等の大きな災害が影響
⇒自宅等からe-Taxで申告書提出:内17万8千人
⇒スマホで作成、書面で申告書提出:内18万8千人
書面申告が電子申告をやや上回った。
・ICT利用し、申告書を提出した人は1,531万1千人。内国税庁HPの作成コーナーで作成、e-Taxで提出した人124万人(前年:61万5千人)
・雑損控除の適用を受けた人は4万4千人(前年比:+92.8%)
⇒大阪府北部を震源とする地震やH30年7月豪雨等の大きな災害が影響
5.税理士業務をめぐる最近の訴訟トラブル
■概要
税理士の誤った助言・指導による非上場株式の評価により低額譲渡課税を受けたとして、納税者が税理士に対して追徴課税相当額の損害賠償を求めた事案
■事実関係
・非上場会社であるA社(大会社)の代表取締役である被相続人がA社株式を関係会社B社に対し、配当還元方式による評価(@75円)により譲渡
・被相続人が死亡したことにより、相続人である納税者はA社株式を@75円と評価した準確定申告書を提出
・税務署はA社株式を類似業種比準方式により評価すると@2,505円になることから、低額譲渡に該当するとして更正処分を行った
・原告以外の相続人4名は更正処分等の取り消しを求め、別件の税務訴訟を提起
⇒一審判決は類似業種比準方式(@2,505)
⇒控訴審判決は配当還元方式(@75円)
■争点
・非上場株式の評価にあたり、株主区分の判定はいつ時点の議決権割合により判定するか
・課税当局、別件の第一審…株式譲渡直前の議決権割合により判定
別件の控訴審…株式の取得者の取得後の議決権割合により判定
⇒配当還元方式により評価すべきとする見解にも相応の根拠が認められるとして、原告である納税者の訴えを棄却
税理士の誤った助言・指導による非上場株式の評価により低額譲渡課税を受けたとして、納税者が税理士に対して追徴課税相当額の損害賠償を求めた事案
■事実関係
・非上場会社であるA社(大会社)の代表取締役である被相続人がA社株式を関係会社B社に対し、配当還元方式による評価(@75円)により譲渡
・被相続人が死亡したことにより、相続人である納税者はA社株式を@75円と評価した準確定申告書を提出
・税務署はA社株式を類似業種比準方式により評価すると@2,505円になることから、低額譲渡に該当するとして更正処分を行った
・原告以外の相続人4名は更正処分等の取り消しを求め、別件の税務訴訟を提起
⇒一審判決は類似業種比準方式(@2,505)
⇒控訴審判決は配当還元方式(@75円)
■争点
・非上場株式の評価にあたり、株主区分の判定はいつ時点の議決権割合により判定するか
・課税当局、別件の第一審…株式譲渡直前の議決権割合により判定
別件の控訴審…株式の取得者の取得後の議決権割合により判定
⇒配当還元方式により評価すべきとする見解にも相応の根拠が認められるとして、原告である納税者の訴えを棄却
6.有償支給取引で採決、加工後製品の金額が課税売上
■取引概要
取引先より原材料を有償で譲り受け、加工した後の加工後製品を再び取引先に譲渡する取引。
(例)
原材料:40円
加工後製品:100円
加工賃相当額:60円
■争点
課税売上高とされるのはどの部分か
・加工後製品の金額 (100円)
・加工賃相当額 (60円)
■国税不服審判所の判断
加工後製品の金額が課税売上高と判断 (100円)
(判断の理由)
・原材料を購入して本件加工後製品を販売するという合意の下で決済されている。
⇒請求人は加工後製品の金額で請求書を発行。
取引先から原材料金額が提示され、相殺後の残額が入金される。
・取引先は原材料の提供時に売上として処理し、棚卸資産として計上していない。
・仕損じによる損失を請求人が負担するものとして認識している。
取引先より原材料を有償で譲り受け、加工した後の加工後製品を再び取引先に譲渡する取引。
(例)
原材料:40円
加工後製品:100円
加工賃相当額:60円
■争点
課税売上高とされるのはどの部分か
・加工後製品の金額 (100円)
・加工賃相当額 (60円)
■国税不服審判所の判断
加工後製品の金額が課税売上高と判断 (100円)
(判断の理由)
・原材料を購入して本件加工後製品を販売するという合意の下で決済されている。
⇒請求人は加工後製品の金額で請求書を発行。
取引先から原材料金額が提示され、相殺後の残額が入金される。
・取引先は原材料の提供時に売上として処理し、棚卸資産として計上していない。
・仕損じによる損失を請求人が負担するものとして認識している。
7.法人税 執行役員がみなし役員とされるケースも
■役員の定義
法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で
「法人の経営に従事している」一定の者をいう。
■従来の取扱い
会社法上使用人とされる執行役員は、通常の場合「経営に従事している」とは認められず、
税法上の役員に該当しないものと考えられてきた。
(理由)
・会社法上の役員でないため、取締役会における議決権がないと考えられる
・取締役会により委任を受けた範囲内での日常業務における管理者としての責任者であり、
そのことをもって経営に従事しているとは認められないこと
■最近の実態
いわゆる執行役員などの会社法上は「使用人」とされる者が、経営陣幹部として経営において重要な役割を
果たしたり、場合によっては経営トップに就任する事象(「執行役員社長」等)も生じている。
⇒実態として「経営に従事」する執行役員が生じている
最近の事例では税務調査で執行役員がみなし役員とされたケースもある(未確認情報)ため、実態として
経営に従事している執行役員については役員報酬等の取扱いにつき注意が必要
法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人並びにこれら以外の者で
「法人の経営に従事している」一定の者をいう。
■従来の取扱い
会社法上使用人とされる執行役員は、通常の場合「経営に従事している」とは認められず、
税法上の役員に該当しないものと考えられてきた。
(理由)
・会社法上の役員でないため、取締役会における議決権がないと考えられる
・取締役会により委任を受けた範囲内での日常業務における管理者としての責任者であり、
そのことをもって経営に従事しているとは認められないこと
■最近の実態
いわゆる執行役員などの会社法上は「使用人」とされる者が、経営陣幹部として経営において重要な役割を
果たしたり、場合によっては経営トップに就任する事象(「執行役員社長」等)も生じている。
⇒実態として「経営に従事」する執行役員が生じている
最近の事例では税務調査で執行役員がみなし役員とされたケースもある(未確認情報)ため、実態として
経営に従事している執行役員については役員報酬等の取扱いにつき注意が必要
8.法人税等の申告書に係る電子申告義務化
2020年4月1日以降、大企業が行う申告書の提出方法が、
電磁的方式により提出することが原則となる。
■対象税目
・法人税及び地方法人税
・消費税及び地方消費税
・法人住民税及び法人事業税
■対象法人
・内国法人のうち資本金の額等が1億円を超える法人
・相互会社、投資法人及び特定目的会社など
■対象となる申告書
・確定申告書
・中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書
・修正申告書、還付申告書
※添付すべき書類のすべてをe-taxにて提出
■適用日
2020年4月1日以後に開始する事業年度から適用。
※消費税の中間納付につき毎月納付が適用されている会社は、
2020年4月30日申告・納付期限分より電子申告が必須。
■その他
・電子署名の簡素化
・勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化
・CSV形式による提出
電磁的方式により提出することが原則となる。
■対象税目
・法人税及び地方法人税
・消費税及び地方消費税
・法人住民税及び法人事業税
■対象法人
・内国法人のうち資本金の額等が1億円を超える法人
・相互会社、投資法人及び特定目的会社など
■対象となる申告書
・確定申告書
・中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書
・修正申告書、還付申告書
※添付すべき書類のすべてをe-taxにて提出
■適用日
2020年4月1日以後に開始する事業年度から適用。
※消費税の中間納付につき毎月納付が適用されている会社は、
2020年4月30日申告・納付期限分より電子申告が必須。
■その他
・電子署名の簡素化
・勘定科目内訳明細書の記載内容の簡素化
・CSV形式による提出
9.会社法制見直し要項
・株主提案権の乱用を防ぐため、会社法の見直しを検討中。
・「提案可能な議案数の制限」
⇒ 1株主10案までとする。
⇒ 役員等の選解任、会計監査人を再任しないことに関する議案は議案の数にかかわらず1議案とみなす。
⇒ 定款に変更に関する2つ以上の議案は、異なる議決がされた場合に相互に矛盾する可能性がある場合は、これを1つの議案とみなす。
⇒ 制限数を超えた場合は取締役が選択するが、株主の優先順位があればそれに従う。
・「目的・内容による提案の制限」
⇒ 専ら人の名誉を侵害し、(中略)自己もしくは第三者の不正な利益を図る目的で株主提案を行った場合
⇒ 株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合
・「提案可能な議案数の制限」
⇒ 1株主10案までとする。
⇒ 役員等の選解任、会計監査人を再任しないことに関する議案は議案の数にかかわらず1議案とみなす。
⇒ 定款に変更に関する2つ以上の議案は、異なる議決がされた場合に相互に矛盾する可能性がある場合は、これを1つの議案とみなす。
⇒ 制限数を超えた場合は取締役が選択するが、株主の優先順位があればそれに従う。
・「目的・内容による提案の制限」
⇒ 専ら人の名誉を侵害し、(中略)自己もしくは第三者の不正な利益を図る目的で株主提案を行った場合
⇒ 株主総会の適切な運営が著しく妨げられ、株主の共同の利益が害されるおそれがあると認められる場合
10.監査人の守秘義務
・「会計監査についての情報提供の充実に関する懇親会」報告書
→守秘義務が過度に強調され、財務諸表利用者に対して説明・情報提供を行う上で障害となっている。
・日本では、企業に関する未公表の情報すべてが守秘義務の対象となりうる傾向がある。
・公認会計士法27条では守秘義務の対象は「業務上知り得た秘密」。
→「秘密」であって、「未公表の情報すべて」ではない。
・改訂監査基準
→旧:「業務上知り得た『事項』を正当な理由なく~」
→新:「業務上知り得た『秘密』を正当な理由なく~」
→守秘義務の対象をより明確化
→守秘義務が過度に強調され、財務諸表利用者に対して説明・情報提供を行う上で障害となっている。
・日本では、企業に関する未公表の情報すべてが守秘義務の対象となりうる傾向がある。
・公認会計士法27条では守秘義務の対象は「業務上知り得た秘密」。
→「秘密」であって、「未公表の情報すべて」ではない。
・改訂監査基準
→旧:「業務上知り得た『事項』を正当な理由なく~」
→新:「業務上知り得た『秘密』を正当な理由なく~」
→守秘義務の対象をより明確化
11.2019年6月1Q決算の直前対策 Ⅵ減損会計の会計処理ポイント
・四半期においても年度と同様、資産のグルーピングが実態と乖離していないに留意
・グルーピングを変更する場合
⇒変更の合理性、適時性を慎重に検討
・減損の兆候の把握にあたって
⇒資産または資産グループの使用範囲や方法について、当該資産または資産グループの回収可能価額を著しく低下させる変化を生じさせる意思決定の有無、経営環境の著しい変化に該当する事象の有無に留意
・四半期において減損の兆候が把握された場合
⇒減損損失の認識、測定は年度と同様の方法で行う
・1Qに固定資産を減損処理した場合、2Q以降の会計処理は、減損後の帳簿価額を基に行う
・前期末において減損処理を行った場合
⇒四半期において新たな減損の兆候がないのであれば、改めて減損損失の認識・測定を行う必要はないと考えられる
・前期末において減損の兆候あり、減損損失を計上しなかった場合
⇒四半期においても、前期末に見積もった将来CFのベースとなった事業計画と実績を比較し、実績が下回る場合は、慎重に検討が必要
・四半期において減損損失の認識の判定や測定を行う場合
⇒年度予算や中期計画をそのまま用いるのではなく、減損の兆候を把握するに至った状況の変化を踏まえて将来CFを算定すべき
・グルーピングを変更する場合
⇒変更の合理性、適時性を慎重に検討
・減損の兆候の把握にあたって
⇒資産または資産グループの使用範囲や方法について、当該資産または資産グループの回収可能価額を著しく低下させる変化を生じさせる意思決定の有無、経営環境の著しい変化に該当する事象の有無に留意
・四半期において減損の兆候が把握された場合
⇒減損損失の認識、測定は年度と同様の方法で行う
・1Qに固定資産を減損処理した場合、2Q以降の会計処理は、減損後の帳簿価額を基に行う
・前期末において減損処理を行った場合
⇒四半期において新たな減損の兆候がないのであれば、改めて減損損失の認識・測定を行う必要はないと考えられる
・前期末において減損の兆候あり、減損損失を計上しなかった場合
⇒四半期においても、前期末に見積もった将来CFのベースとなった事業計画と実績を比較し、実績が下回る場合は、慎重に検討が必要
・四半期において減損損失の認識の判定や測定を行う場合
⇒年度予算や中期計画をそのまま用いるのではなく、減損の兆候を把握するに至った状況の変化を踏まえて将来CFを算定すべき
12.株式報酬に関する四半期注記ポイント
■新株予約権
(1)株式報酬型SO(1円SO)
⇒開示不要
※提出会社の状況には制度内容を記載
■株式
(1)株式交付信託
⇒重要性基準で注記開示
⇒制度概要、信託が保有している株式を自己株式として表示している旨、その簿価と株数
(2)事前交付型譲渡制限付き株式(リストリクテッドストック)
(3)事前交付型パフォーマンスシェア
(4)業績連動型パフォーマンスシェア
⇒明確な基準なし
■その他の項目に影響する
・株主資本等関係注記
⇒株式付与により株主資本に著しい変動があった場合に、理由を注記
・1株当たり情報注記
⇒将来の自己株の取得による発行済株式数の減少の可能性がある場合に、追加情報を開示
(1)株式報酬型SO(1円SO)
⇒開示不要
※提出会社の状況には制度内容を記載
■株式
(1)株式交付信託
⇒重要性基準で注記開示
⇒制度概要、信託が保有している株式を自己株式として表示している旨、その簿価と株数
(2)事前交付型譲渡制限付き株式(リストリクテッドストック)
(3)事前交付型パフォーマンスシェア
(4)業績連動型パフォーマンスシェア
⇒明確な基準なし
■その他の項目に影響する
・株主資本等関係注記
⇒株式付与により株主資本に著しい変動があった場合に、理由を注記
・1株当たり情報注記
⇒将来の自己株の取得による発行済株式数の減少の可能性がある場合に、追加情報を開示
13.収益認識基準の会計処理ポイント
収益認識基準の適用初年度においては、以下の2つの方法が選択適用可能である。
・過去の期間の全てに遡及する方法(原則的な取り扱い)
・適用初年度の累積的影響額を当期首の利益剰余金に加減する方法
なお適用初年度には、会計基準等の改正に伴う会計方針の変更の注記が必要である。
14.四半期財務諸表の会計処理:繰延税金資産の回収可能性の判断における簡便的な取り扱い
繰延税金資産及び繰延税金負債を、年度決算と同様に、四半期末における一時差異等について、回収可能性を検討した上で計上する。
■簡便的な処理
下記に両方に該当する場合には、前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタッスク・プランニングを利用することができる。
①経営環境の著しい変化が生じていない
②一時差異等の発生状況について前年度末から大幅な変動がない
※「経営環境の著しい変化」には、重要な企業結合、事業分離、業績の著しい好転・悪化等が該当。
■上記①や②に該当しない場合
繰延税金資産の回収可能性の検討にあたっては、財務諸表利用者の判断を誤らせない範囲において、簡便的に検討が可能。
⇒前年度末の検討において使用した将来の業績予測やタッスク・プランニングに、”当該著しい変化または大幅な変動による影響を加味”したものを利用することができる。
また、税金費用について四半期特有の処理を採用している場合でも、前年度末に計上した繰延税金資産の回収可能性を四半期末に見直す必要があるが、同様の方法によって簡便的に検討を行うことができる。
15.Sansan(4443)
・法人向け名刺管理サービス「Sansan」及び個人向け名刺管理アプリ「Eight」の提供の2つのビジネス
・売上は18年5月期73億円、17年5月期48億円と50%以上の成長
・19年5月期の3Qで売上76億円
・マザーズ市場に6月19日、IPOを予定
・上場時の時価総額が1,347億円になる見込み
・売上は18年5月期73億円、17年5月期48億円と50%以上の成長
・19年5月期の3Qで売上76億円
・マザーズ市場に6月19日、IPOを予定
・上場時の時価総額が1,347億円になる見込み
16.外貨換算
・通貨
取引では様々な種類の通貨が使用される。
→主たる経済環境で使用する通貨を機能通貨と呼ぶ
→日本の場合は、通常、日本円が該当する
→機能通貨以外の通貨を外貨という
・機能通貨
取引内容・事象・状況を勘案して決定する
→そのため、機能通貨と現地通貨が一致しないこともある
→ex.ベトナム子会社での取引はドル中心である場合、機能通貨はドル、現地通貨はベトナムドンとなる。
・外貨建取引
外貨建取引は機能通貨に換算する必要あり
→取引発生時は取引レートまたは平均レートを使用できる
→期末換算は測定日のレートを使用する
→棚卸資産の評価は取得原価×取得日レートと正味実現可能価額×期末日レートのいずれか低いほうで評価
16.インボイス制度~その4~
■現行制度と区分記載請求書
区分記載請求書とは2019年10月より新たな仕入税額控除の方式として、現行の請求書等保存方式に加えて、軽減税率対象資産の譲渡等である場合は「資産の内容及び軽減税率対象資産の譲渡等である旨」を記載
■区分記載請求書Q&A
Q,現行制度との違いは?
A,取引の月日、課税資産の譲渡等の資産及び役務の内容に加え、軽減税率対象資産の場合は
そのことがわかる旨を記載する。
Q,免除規定はあるのか?
A,免除規定あり。3万円未満の取引に係る仕入税額控除については、現行制度と同様に請求書等の
保存がなくても法令に規定する事項が記載された帳簿を保存する事で仕入税額控除が可能。
Q,免税事業者が発行する請求書も区分記載請求書等保存方式にする必要があるのか?
A,事業者の任意である。2019年10月より新たな仕入税額控除の要件として区分記載請求書の保存が
要件となるため、現行制度での請求書を発行すると相手方が仕入税額控除を受けることができない。
Q,軽減税率対象資産を扱っていない場合と対象資産しか扱っていない場合の対応は?
A,10%のみしか扱っていない場合:現行制度のままで請求書を発行して差支えない。
8%のみしか扱っていない場合:請求書に記載されている商品等のすべてが軽減税率対象である旨を記載
Q,値引きや対価の返還があった場合は?
A,値引き・対価の返還等の対象となった取引事実に基づき適用される税率を判断する。
上記適用税率の判断が難しい場合は、課税仕入の内容に応じて税率毎に按分し区分する。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
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