2012年10月28日日曜日

10/26 勉強会:【消費税】弁護士費用着手金の課税仕入時期について ほか



1.生前贈与の把握が調査事務の重点課題に

■資産運用が多様化・国際化する富裕層への取り組みが重大課題になっている
 ①多様化…個人財産だけでなく、関連法人も含めた資産の把握に努める
     →調査を連携するなど組織的に対応を図る

 ②国際化…海外財産の保有状況を把握するための資料収集やシステムの開発
     →情報収集・管理・活用が課題

2.最高裁、詐害的な会社分割を認めず


■最高裁の初めての判断
 ・Good出し、Bad清算を濫用したケースが多い
 ・詐害的会社分割によって債務が保護されない債権者については
  その保護を図る必要がある

■会社法の見直し要綱にも詐害的会社分割における債権者の保護を規定
 ・将来的には会社法でも濫用的な会社分割は認められなくなる


3.課税売上割合に準ずる割合の活用方法

・たまたま土地を売却したら、課税売上割合が著しく下がった
⇒共通対応課税仕入れについて、準ずる割合を適用できる。

・要件
⇒土地売却が単発、過去3年の課税売上割合の変動が5%以内等々

・使える割合⇒①と②のいずれか低いほう
①過去3年間の通算課税売上割合
②前期の課税売上割合

・注意点
⇒土地の売却が2年以上連続で続いたら、単発でなくなるので使えない。


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4.【消費税】たまたま土地を譲渡した場合の準ずる割合の適用

たまたま土地を売却したことにより課税売上割合が下がった場合に、
準ずる割合として認められている一定の割合がある。
(国税庁 質疑応答事例)
ただしここで言う【たまたま】はかなり限定的で、
偶発的・単発的である必要がある。

・事業スリム化のために、
  計画に基づいてその事業年度だけ土地の売却が生じた。 
⇒ ×

・土地の収用や立ち退きにより、土地を売却した。               
⇒ ○

【消費税】弁護士費用着手金の課税仕入時期について

■課税仕入れを行った日はいつになるか?

 ⇒課税仕入れを行った日は、個別の取扱いがない限り、
  所得税・法人税における資産の取得時期・収入費用の計上時期と同一となる。

 ⇒所得税法上、弁護士の着手金は
  委任契約が成立した際に収入に計上するとされている。

 ⇒したがって、消費税法上も委任契約が成立した日の属する
  課税期間に課税仕入れとなる。

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6.職業的懐疑心の強化と未就職問題

懐疑心を発揮するためには
「ビジネス感覚や常識が必要」
「職業的懐疑心は経験値からしか生まれない」

⇒会計監査全体の職業的懐疑心が向上するよう、
 いろんな経験値を持った人が監査法人に入ってくる仕組みが必要

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7.進捗会議から変えるプロジェクトマネジメント

プロジェクトの進捗会議において
プロジェクトマネージャーと各チームリーダーとの
間に信頼関係を構築することが必要である。
そのうえで以下が重要となる。

・参加者の目的意識を高めること。
・悪いことを言い出しやすい雰囲気を作ること。

■まとめ
進捗会議でのコミュニケーションをよくし
プロジェクトの状況について率直な意見交換が
できる環境作りが重要となる。

8.会社法制の見直しに関する要綱(平成24年9月)による実務への影響
  ~登記編~

○責任限定契約の範囲を社外取締役、監査役、会計参与、会計監査人に加え
・取締役(業務執行役員は除く)
・監査役

(実務)
責任限定契約の定款規定がある場合の社外役員の登記が不要になる

○公開会社でない小会社は、
監査役の監査範囲を会計監査に限定する定款の定めがあるものとみなされる

(実務)
監査役の監査範囲を会計監査+業務監査とする場合は、
定款変更のための登記が必要となる


9.クレジットリンク債の会計処理

【クレジットリンク債とは】
発行体と、発行体とは違う主体の信用リスクを組み込んだ債券。
両方の信用リスクを取ることで高い利率になる。

【会計処理】
区分処理すべき3つの要件をすべて満たしたときは区分処理、
そうでない時は一体処理。
時価評価差額は損益計上。

10.今年の通常国会(1~9月)に成立した主な法律

(1)著作権法の改正:違法ダウンロードの刑事罰化
  ※改正前→「違法」ではあったが、刑事罰はなかった
  ※改正後→2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金、又は両方

(2)金融商品取引法の改正:インサイダー取引規制の見直し
  ※企業の組織再編に係る次の行為が除外された
    ・事業譲渡による保有株式の承継
    ・組織再編の対価としての自己株式の交付

(3)労働契約法の改正
  ※有期労働契約が5年を超えて反復更新された場合
    →労働者の申し出により、無期労働契約に転換される


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2012年10月21日日曜日

10/19 勉強会:【所得税】生命保険契約の権利を退職金とした場合の一時所得の計算について ほか



1.租税回避に特命調査チームで対応

⇒国際的な租税回避を防止するため、日本とアメリカで、
   特別調査の協力体制を作っていく取り決めを締結した。

日本とアメリカでそれぞれ租税回避などの疑いがある場合に、
両国が平行して査察調査を行うときなどは、
協議しながら調査を進めることができるようになった。


2.三角株式交換

完全親会社となる会社が、
そのさらに親会社の株式を,完全子会社となる会社の株主に交付するという株式交換

Ex シティグループジャパン(日本法人)の子会社となる
日興コーディアルの株主にシティグループ(米)の株式を交付した。

三角合併との違いは、三角合併の場合子会社が消滅するのに対して
三角株式交換は子会社が存続する点にある。

3.三角合併の利用が進まない原因は

■利用が進まない原因
 ①合併親法人から合併法人に対する資産の移転があったものとして
  課税関係が発生するリスクがある。
  …合併親法人に対して割り当てられた自己株式の割り当てをしなかった場合など

 ②三角株式交換を利用して100%子会社化したほうが、
  許認可の取直しや登記の名義変更などが不要となり手軽

4.税務否認と取締役の責任

■ポイント
 コーポレートガバナンスの重要性を国税庁が推進しているので
 取締役による税務リスク管理がコーポレートガバナンスの
 トレンドになっていく可能性がある

■税務否認を受けた場合における取締役の責任
 →会社法上の善管注意義務違反等が発生するかどうか

 ・現状では、裁判等で取締役の責任が認められた例はあまりない
 ・役員の責任が認められた事案…自動車メーカー「無限」の脱税事件
 
 ・役員の責任が認められた事案の多くが、悪質な脱税案件に限定されている
 ・組織再編税制に係る否認事案
  →租税回避行為として追徴課税を受けた場合でも
   取締役の責任を問われた事案はこれまで出てきていない

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5.所得税:生命保険契約の権利を退職金とした場合の

一時所得の計算について


■解約返戻金を受け取った場合の一時所得の計算

-算式-
(解約一時金-支出した金額-50万)×1/2

法人契約の生命保険金の権利を退職金として受け取り、その後解約一時金を
受け取った場合、「支出した金額」はどう計算するか
(掛金は法人が負担したものであり、本人は掛金を負担していないのではないか?)

⇒解約返戻金のうち、
退職所得の収入金額とされた部分は本人が負担した金額として控除できる。

<具体例>解約返戻金として課税された金額を1,000万とする。

①解約一時金 1,000
②支出した金額 1,000←退職所得の収入金額とされた額
③50
④(①-②-50)×1/2=0

【消費税】改正消費税法の経過措置-対価の額の変更と経過措置

・請負契約等に関する経過措置では指定日(H25.10.1)前までに
契約をを締結した場合でも、
その後対価の額に変更が生じたときは、一部に新税率が適用される。
  (一部に経過措置が適用されない。)

ex.)
   《契約》  指定日   《金額変更》
 [対価未定]   l  ⇒ 金額確定           ・・・全額新税率
  [100万円]    l   ⇒  110万円 ⇒ 95万円    ・・・95万円旧税率
  [100万円]    l   ⇒  110万円 ⇒ 105万円    ・・・100万円旧税率、
                                    5万円新税率

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7.工事進行基準-進捗度の見積方法

「成果の確実性」が認められる工事⇒工事進行基準適用

成果の確実性あり=工事進捗度を信頼性をもって見積もることができる
⇒代表的な見積もり方法は「原価比例法」

8.会社法見直し M&A実務に与える影響

①子会社株式売却
(現行)
・重要子会社の売却:株主総会不要
・事業譲渡:総資産の20%超の場合は総会特別決議
(見直し)
・子会社の売却に株主総会決議必要
⇒ただし、総資産の20%以下、もしくは譲渡後も50%超保有なら不要

②キャッシュアウト制度
90%以上株主なら少数株主に売り渡しを請求できる

③詐害的会社分割
Good出し、Bad清算が横行
⇒分割会社の債権者保護が手当されていない

⇒見直しで、分割会社に残存する債権者が承継会社に対して
 承継した財産の価額を限度に債務の履行を求めることができるようになった


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9.過大支払利子税制について

【まとめ】

 ・2013年4月1日以降開始事業年度から適用
 ・関連者等への過大な支払利子は損金不算入
   ※関連者等→50%以上の株式を保有されている(又はしている)関係にある
          個人と法人

【計算式概要】
 損金不算入額=①△②

 ①関連者純支払利子等の額
 ②損金算入限度額=調整所得金額(所得に減価償却費等を加減算)×50%

10.加算税・延滞税

・重加算税が課されるケース

<ケース1>
経営者や使用人が自らの私欲のために重加算税の対象となる行為をする場合

<ケース2>
会社の事業を進めていくうえでの必要悪として重加算税の対象となる
行為をする場合

※国税通則法の改正により課税庁の処分には理由を記載することに
 なっているので、重加算税の課税根拠がわからない際には、
 その根拠を確認することが重要となる。


11.資本的支出に係る減価償却方法の改正

平成24年4月1日以後に取得した減価償却資産について
定率法の償却率が定額法の償却率の250%から200%と改正された。

・定率法を採用している減価償却資産について資本的支出があった場合
→資本的支出の対象資産取得日が平成24年3月31日以前であれば
 償却率が異なるので、別の減価償却資産として減価償却を計算する。

※平成24年4月1日をまたぐ事業年度に取得した場合
<前提>
平成24年6月決算で5月に取得
 減価償却資産を平成24年3月31日以前に取得したとみなして
 250%定率法により計算することができる。

12.TOBにおける株式等売渡請求制度

上場会社がTOBを実施し、その結果

・90%以上の応募を集めた場合
 →「特別支配株主」となり、
 少数株主に現金を対価として強制的に売り渡すよう請求できる
 (株式等売渡請求制度)
 
 株主総会を開かずに少数株主を締め出す(キャッシュ・アウト)ことができる

・90%以上の応募を集められかったが、追加で集めて90%を超える場合
 →株式等売渡請求制度が使えるかどうか?
(参考)
 アメリカでは、TOBで90%集められなくても、株主総会を省略できるように
持株比率を90%まで増やせるようにSOを付与する実務が定着


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2012年10月12日金曜日

10/12 勉強会:遺留分減殺請求訴訟係争中の葬式費用は指定相続分で負担 ほか



1.税務紛争で存在価値を増す電子メール

■ポイント
 電子メールも証拠文書になりえるので、
 税務に関する意思決定に係るメールを作成する際は
 言い回しに細心の注意を払う必要がある。


2.遺留分減殺請求訴訟係争中の葬式費用は指定相続分で負担

■ポイント
 相続税申告時点で遺留分減殺請求訴訟中の葬式費用は
 課税価格の計算上、控除できない。

■事例
 被相続人が子にすべての財産を相続させる旨の遺言をし、
 葬式費用を支払った配偶者が遺留分減殺請求した

■判断
 ①遺留分減殺請求訴訟中の葬式費用はなかったものとして計算するのが相当
 ②ただし、この事例においては、
 遺産の全部を特定の相続人に相続させるという遺言を残しており、
 これは、遺産分割方法の指定と同時に相続分を指定してものであるから
 その指定された相続分に応じて葬式費用を負担するのが相当


3.消費税率UPに伴う経過措置のポイント


⇒指定日以後に工事の請負金額の増減額については、
当初の契約金額との差額により5%か8%のいずれかが適用される。

・具体例
①当初契約金額200万円⇒指定日後に210万円へ増加⇒差額10万円は8%適用
②当初契約金額200万円⇒指定日後に150万円へ減少⇒その後180万円へ増加⇒全額5%


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4.【裁決事例】役員退職慰労金の分割支給について


■概要法人Aは役員Bの退職に基づき、退職年度に7,500万円(退職金1)、
 翌事業年度に12,500万円(退職金2)を支給し、
 それぞれ退職給与として損金経理して申告したところ、
 退職金2については否認された。


■主張法人A・・・資金繰りの理由による退職金の分割支給は
           通達で認められており、支給の都度損金とできる。 
 当局・・・法人Aが分割支給とした理由は単に資金繰りの理由によるものでなく
      赤字決算を銀行に提出できないとの理由によるものであり、     
      利益調整目的であるから認められない。


■審判所の判断法人Aは分割支給に関する議事録を作成しておらず、
 また、金融機関に欠損の申告書を提出したくないとの思惑が認められることから、
 分割支給に合理性は認められない。よって退職金2は損金不算入となる。


(まとめ)資金繰りの都合により退職金を分割支給し、支給の都度損金とした場合、
・分割支給に合理性あり⇒損金算入
・分割支給に合理性なし⇒2回目以降は損金不算入の可能性あり


【法人税】役員の中途退任で一部を支給しなかった事前確定届出給与

・事前確定届出給与の届出をした給与のうち該当役員が任期中に退任したことによ り支給されなかった金額があったとしても、
 臨時改定事由には該当せず変更の届出を剃る必要はない。
 (既に支給した給与の損金算入は認められる。)

※事前確定届出給与
役員に対して定期同額給与以外の給与(賞与のイメージ)を支給する場合は
原則的には損金不算入になるが、
支給額・支給時期を記載し他届出書を提出し、
届出通りに支給された場合は、損金算入が認められる。

※臨時改定事由
役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更等のやむを得ない事情
(かなり限定的)により支給額を変更する場合は、
変更の届出をすれば損金算入が認められる。


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2012年10月5日金曜日

10/5勉強会:所得税:特定支出控除の質疑応答について ほか



1.現金を対価とする少数株主の排除(キャッシュアウト)の手法

■現状、一般的なスキーム
全部取得条項付種類株式を活用
※全部取得条項付種類株式=当該種類の株式について、
会社が株主総会の決議によってその全部を取得することができる株式

(デメリット)
・株主総会特別決議を要する。
→時間的、手続き的コストが大きい。

■会社法制の見直しに関する要綱で、盛り込まれたスキーム
特別支配株主(総株主の議決権の90%以上保有)の株式等売渡請求。
※株式等売渡請求=株主は株主全員に対し、
所有する株式の全部を特別支配株主に売り渡しを請求できる制度

(メリット)
・特別決議を要しない。
→時間的、手続き的コストの問題クリア。

(税務上の取扱い)
・あくまで株主間取引であるため、株主への課税のみで課税関係終了。
⇒手続き、課税の両方に優位性のあるスキーム


2.相続の際の債務等超過分の控除

・相続人の中に債務等超過分の控除可能者が複数いる場合、
控除するにはそれら全員の合意が必要。

※債務等超過分とは?
各相続人の負担が確定していない債務等のうち、
各相続人の取得した財産を超える部分


3.弁護士会役員の交際費の費用計上について

⇒個人事務所をやっている弁護士が、
地域の弁護士会の役員として会合等に参加した場合に
経費として認められるか?

⇒弁護士会等の活動は弁護士としての業務に密接に関係があるため、
必要経費として認められる。

■具体例
①懇親会会費等は費用として認められる。
②懇親会の2次会会費は費用としては認められない。
③一泊の打ち上げ旅行を行い参加費は、費用として認められない。
⇒私的な側面が強いものは経費として認められない。

4.Q&Aで読み解く二世帯住宅の敷地に係る小規模宅地等の特例

■ポイント
二世帯住宅の場合、建物内部で自由に行き来ができる構造だと
一軒屋に同居していると認められて
小規模宅地等の特例の適用が受けられる。

■事例
前提:父親が所有する敷地の上に、二階建の二世帯住宅を建築し
1階に父親と母親、2階に息子とその家族が住んでいる。
父親が死亡し、母親と息子が敷地と二世帯住宅を相続した場合

①二世帯住宅の内部で行き来が自由にできる構造の場合
→母親と息子が相続により取得した宅地は、特定居住用宅地等として
 小規模宅地等の特例の適用がある。

②外付けの階段を利用しないと二世帯住宅の行き来ができない場合
→母親が相続により取得した宅地には、小規模宅地等の特例の適用があるが
 息子が取得した宅地には、小規模宅地等の特例の適用がない。

⇒内部で自由に行き来ができるということは、二世帯住宅といえども
 一軒の家に同居しているのと同じという判断である。
 内部での行き来ができない構造だと、
 それぞれの世帯が居住している空間がわかれているため
 一軒の家に同居しているとは認められない。

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5.【統計】国税庁 平成23年分の民間給与実態統計調査を公表


・非正規雇用込みの平均給与は409万円。前年比3万円減。

・給与所得者数はH20年に次いで過去2番目に多かった。

・給与総額は前年比0.4%減。

・源泉徴収税の総額は前年比4.2%増。

所得税:特定支出控除の質疑応答について


■特定支出控除とは
⇒その年の特定支出
(資格取得費用・書籍購入費用・衣服購入費用などで一定のもの)が
給与所得控除額の1/2を超える場合にその超える金額を給与所得控除額に
加算できる制度。
H25年分以後の所得税について適用。

■質疑応答(抜粋)
①専門学校の授業料(2年コース)を前払いした場合、
全額が支出年の特定支出となるか
⇒全額はNG。授業料を按分して計算する。

②法科大学院に通うための費用は特定支出となるか
⇒司法試験の受験資格を得る為に必要であり、
資格取得のための費用と認められるため特定支出となる。
なお、会計大学院の費用は受験資格を得る為のものでないためNG。

③スポーツ新聞の購読料は特定支出になるか
⇒業務の遂行上必要であり、給与の支払者(会社)により
必要であることを証明されたものについては特定支出となる。

④背広を購入するための支出は特定支出になるか
⇒背広着用の社内規定がある、
 または着用の慣行がある場合には特定支出となる。

⑤自己負担した交際費は特定支出となるか
⇒職務の遂行上直接必要であり、
給与の支払者(会社)により証明がされたものは特定支出となる。

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7.グループ内での資産譲渡と組織再編の課税問題を検討する


■グループ内で資産を譲渡した後の適格組織再編が
 どのように繰延譲渡損益に影響するか。

【結論】:資産を譲渡した後に適格組織再編があった場合には、
     繰延譲渡損益は実現はしない。

【留意すべきケース】
<ケース1>
・譲渡損益調整資産がグループ内の法人の株式の場合
 →発行法人が適格合併により消滅すると繰延譲渡損益は実現する。

<ケース2>
・譲受法人が解散した場合
 →適格合併とは異なり、繰延譲渡損益は実現し益金算入される。


8.シェアードサービス(SSC)の現状と改善


(1)シェアードサービスを導入している企業が増加
  →効果が上がらない企業も増加

(2)ポイント
  ①当初の目的が達成できているかを節目に確認
    (3年、5年、10年等)
    ※導入自体が目的ではない
  ②業務の標準化、可視化
    ※形だけのSSCにならないように
  ③SSC配属社員のモチベーション維持
    ※将来のキャリアパスを描く
  ④可能な範囲でのシステムの共通化
    ※業務集約効果が向上


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