1.簡便法による中古資産の耐用年数
【中古資産の耐用年数の計算方法】
①見積法 … 使用可能期間を見積り算出
↓見積り困難な場合は、
②簡便法 … (法定耐用年数 - 経過年数) + 経過年数
× 20%
【簡便法の注意点】
・中古資産を事業の用に供するために支出した資本的支出の金額が、
中古資産の再取得価額の50%相当額を超える場合は、適用不可能
⇒法定耐用年数を使用
2.投資用マンションはPEに当たらず
■非居住者が受け取る不動産賃貸料
・前提…貸主:非居住者、不動産:日本国内に所在
・原則…借主が源泉徴収後の賃貸料を貸主に支払う
借主は源泉徴収税額は国に納付
貸主は確定申告によって所得税額を精算する
・例外…PEを有している貸主が税務署から「源泉徴収の免除証明書」の交付を受けている場合
借主は賃貸料の全額を貸主に支払う(源泉徴収不要)
貸主は確定申告によって所得税を国に納付する
■投資用不動産はPEにならない
・海外転勤するサラリーマンが所有していた投資用不動産をPEとして源泉徴収の免除証明書の交付を申請した場合、却下されるケースが発生
・投資用不動産には事業活動の拠点とは言えないなどが却下の理由
・海外転勤を機に自宅を賃貸に出した場合も免除申請が却下される可能性がある
■留意事項
・賃貸不動産を借りている場合、持ち主が非居住者だったら源泉徴収するのをわすれないこと
持ち主が売買によって変更した場合は特に注意(契約書などで確認する)
3.上場株式の市場外取引、売却価格に潜む税務リスク
■裁判事例
原告が保有する上場株式(A株)を原告が実質的に支配するX社へ市場外取引で売却
↓
X社はA株を担保として金融機関より借入
↓
借入金から原告へA株の取得代金を支払い
↓
原告はそれによって、個人の借入金返済、相続税の納付を行った
※A株の売却益は譲渡所得として申告した
■問題点は?
証券取引所の終値をはるかに超える価格で取引された。
■裁判所は税務当局の判断を支持
取引所価格と売却単価の差額は、譲渡対価とはいえず原告の一時所得に該当する。(=譲渡所得ではない)
4.親会社株主帰属の当期純利益を区分表示
■連結財務諸表規則等の改正(27年4月1日以後開始事業年度適用開始)
【表示関する取扱いの改正】
①
『少数株主損益調整前当期純利益』→『当期純利益』
但し親会社株主に係る成果を内訳表示する
②
『少数株主持分』→『非支配株主持分』
名称変更するため規定の整備がされる
【会計処理の改正】
①
取得関連費用のうち外部アドバイザーに支払った費用は取得原価に含めていたが即時費用化し、『主要な取得関連費用の内容及び金額』にて注記
※【表示に関する取扱いの改正】以外は26年4月1日以後開始事業年度から早期適用可能
5.基礎から学ぶ消費税の転嫁阻害表示と総額表示
■転嫁阻害表示に該当するもの
・「消費税相当分、商品増量します」
・事業者間での取引に「消費税還元セール」と表示
■転嫁阻害表示に該当しないもの
・「3%還元セール」
・「4/1以降お値段そのまま」
■増税後、商品の値札が「旧税率」と「新税率」が混在する場合
→「値札に記載」+「消費者が目につきやすい場所への表示」が必要
6.消費税: 3月中に4月分家賃を支払った場合の処理方法(3月決算法人)
前提⇒家賃(税抜) 100,000円 支払 108,000円
■原則
【当期】
家賃 102,858 /現金108,000
仮払消費税 5,142
【翌期】
仕訳なし
■処理1(仮払処理)
【当期】
家賃 100,000 /現金 108,000
仮払金 8,000
【翌期】
仮払消費税 8,000/仮払金 8,000
■処理2(仕入対価の返還処理)
【当期】
家賃 102,858 / 現金 108,000
仮払消費税 5,142
【翌期】
家賃 100,000 / 家賃
102,858
仮払消費税 8,000 / 仮払消費税 5,142
7.企業結合における取得関連費用
・外部アドバイザーに対するDD等の報酬が該当
・改正前の企業結合基準:一部は取得原価に含める
・国際会計基準:取得関連費用は、企業結合とは別の取引と考えられている。取得関連費用は発生した事業年度の費用として処理
・改正後の企業結合基準:取得関連費用は発生した事業年度の費用として処理
※主要な取得関連費用の内容及び金額は注記により開示する
8.テクニカル上場
・上場会社が組織再編等で上場廃止となった場合、再度の上場を通常よりも簡易な審査を実施することで速やかな上場を可能とする制度。
①非上場会社と合併し解散する場合
②株式移転等のM&Aにより非上場会社の完全子会社となる場合など
「上場会社としての実績が非上場会社に引き継がれたものと評価する」
・新規上場基準は用いずに、「上場廃止基準に定める流動性基準への適合状況」を確認することで審査される
・市場区分は引き継がれるが、銘柄コードは新たに設定される
9.東証から上場会社へ通知(平成25年7月)
『MBO等に関する適時開示情報の充実等について』
①MBOのプロセス
・MBO(公開買付)により新経営陣が対象会社を100%支配することが目的
・少数株主の保有株式を強制的に取得(スクイーズアウト)
②新経営陣と少数株主は利益相反の関係
・新経営陣は安く買いたい ⇔ 少数株主は高く売りたい
⇒取得価格の決定を裁判所に求める事案が増加
③少数株主の利益保護の観点
・東証は今までも算定書の取得、提出を求めていた
⇒更に、今後は提出範囲や算定書の記載事項を明確化
10.未公開企業のストック・オプションについて
■ストック・オプションの評価方法
・公開企業…公正な評価方法(本源的価値と時間的価値)
・未公開企業…公正な評価方法もしくは本源的価値
■本源的価値
・「自社の株式の評価額」と「権利行使価格」との差額
■自社株式の評価方法
・開示を条件に、最も良い方法を採用して良い
・評価方法の継続性は求められていない
→注記の記載が必要
11.ユーグレナが公募増資75億円
・うち43億円を設備投資に
⇒これまではミドリムシを使った健康食品、化粧品原料
⇒今後、ジェット燃料市場に参入
・「世界の飢餓を減らしたい」というのが起業の出発点
⇒バイオ燃料ブームで穀物が燃料用になる中、世界で食糧不足が起きている現状の打破なるか
12.減税なくして成長なし?自動車業界が負担減を要求
・自動車取得税は、消費税が10%になった時点で廃止される予定。
・自動車業界は、8%になった時点で相応に自動車取得税を減らす等の措置を要望
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決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
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