1.外国法人へ支払った外注費
・販売用のソフトウェアを、海外の会社に制作依頼
⇒製作会社への制作料支払い時に、源泉徴収が必要なケースあり
【源泉徴収が必要なケース】
海外の製作会社に、
・プログラムの書き方に選択の余地あり
・個性を発揮する余地あり
(Ex.要件定義以降の工程をすべて製作会社が行うケースなど)
⇒製作会社の著作権が発生
⇒制作料の支払いは、外国法人から著作権を譲受するための支払いと判断される
⇒源泉徴収義務が発生する
2.輸入サービスに関する消費税課税ルールの実務への影響
■課税方法
・BtoCの場合
「課税事業者登録制度」
国外事業者を日本の税務当局に登録させて、国内の個人にサービス提供した場合には日本の納税管理人を通じて納税を求めるしくみ
・BtoBの場合
「リバースチャージ制度」
国外事業者は国内事業者に「税抜価格」で販売、国内事業者は国外事業者に「税抜価格」を支払うとともに税務当局に「消費税」を納付するしくみ
・BtoCとBtoBが混在する国外事業者の場合
BtoCとみなす方向
3.消費税:施行日をまたぐ取引の適用税率
■施行日をまたぐ取引
・3月28日に仕入れた商品を4月2日に販売した場合、販売については8%の税率が適用される
・3月29日に予約したレストランで4月5日に食事をした場合、食事代金には8%の税率が適用される
・3月31日に3月1日から翌年2月末日までのメンテナンスサービス代金を
受領した場合(そのサービスが一つの取引と認識されるケース)
サービス代金には翌年2月末日の税率が適用される
4.小口株主への配当課税強化も
■政府が目指す法人実効税率25%への実現のため財源確保
【受取配当金の益金不算入見直し】
・法人
→持分比率25%未満の場合に見直しの可能性
→現状の益金不算入額
『(受取配当額-配当を受ける株式に係る負債利子)×50%』
⇒計算式に変更の可能性
・個人
→上場株式等の源泉徴収税率」20.315%⇒引き上げの可能性あり
5.ASBJ税効果専門委員会が始動
繰延税金資産の計上に際しては、将来の回収可能性の有無が問題となり、その回収可能性の見積に際しての指針となるのが、66号の「5つの会社分類」である。
・5つの会社区分おさらい
① 期末における将来減算一時差異を十分に上回る課税所得を毎期計上している会社等
→ 繰延税金資産の全額について、その回収可能性あり
② 業績は安定しているが、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社等
→スケジューリングの結果に基づき回収可能性を判断
③ 業績が不安定であり、期末における将来減算一時差異を十分に上回るほどの課税所得がない会社等
→将来の合理的な見積可能期間(概ね5年)内の課税所得の見積額を限度として認識
④ 重要な税務上の繰越欠損金が存在する会社等
→原則:翌期に課税所得の発生が確実に見込まれる範囲内。
→ただし書き:将来の合理的な見積可能期間(概ね5年)内の課税所得の見積額を限度として認識
⑤ 過去連続して重要な税務上の欠損金を計上している会社等
→回収可能性なし
ASBJ税効果専門委員会において、この会社区分に関する議論がなされている。
財務諸表作成会社…廃止すべき、もう少し柔軟に、基本的にこのまま等、幅広い意見。
財務諸表利用者…過去の業績だけではなく将来見通しも含めて柔軟に回収可能性を検討すべき。
監査人…現在のルールを踏襲。
6.法人税:運送業における売上計上基準
■原則(物の引き渡しを要しない請負契約)
⇒運送役務完了時=顧客へ荷物を届けた時に売上計上
■他の売上計上基準の検討
たとえば、事務手数が煩雑であるため、
顧客から荷物を預かった時点で売上を計上する方法は認められるか?
⇒認められる。
運送契約の性質・内容等に応じ、「合理的であると認められる」方法を継続適用すれば可。
運送業界では預かり時点での売上計上が慣行とされており「合理的であると認められる」ため適用できる。
■取引先別に異なる計上基準を適用できるか?
⇒適用できる。
取引先別に異なる売上計上基準を適用することが、「合理的であると認められる」場合には継続適用を要件としてこれが認められる。
(例)
取引先A⇒荷物を預けた時点での請求を要望
取引先B⇒荷物が到着した時点での請求を要望
など顧客の要望に応じて請求書を発行するような場合には取引先別に異なる売上計上基準を用いることができる。
7.法人税:政府税調 減価償却は定額法に統一へ 等
政府税調では実効税率の引き下げを見据えて代替税源の確保のため、以下を検討。
•減価償却の定額法への一本化
•研究開発税制の縮小&恒久化
•中小の軽減税率の見直し
•特定の企業に利用が限られている優遇税制の見直し
8.自己株式の取得
(開示)
・株式の発行、自己株式の処分:1億円以上で開示が必要
・自己株式の取得の場合は金額の多寡に関わらず直ちに開示
(目的)
・自己株式の取得目的
・財政政策:自己株式取得でEPSとBPSが向上
・組織再編:M&Aの対価として利用
9.経理財務部員の為の資格ガイド
①BATIC(国際会計検定)
・試験日:7月、12月
・1,000点満点。4つのレベルに応じた称号が付与
・試験内容:英文簿記、国際会計理論
・学習時間:半年かけて週に15時間ほど
・IFRS適用に向けて注目度高い
②USCPA
・試験日:1,2,4,5,7,8,10,11月から自由に選択
・試験内容:4科目で各科目75点
・IFRS適用に向けて注目度高い
③ビジネス会計検定試験
・試験日:9月、3月
・試験内容:1級は財務諸表含む会社情報を総合的に分析
・会計知識全般を網羅して習得でき、すぐに実践的に生かせる資格
④ビジネス実務法務検定試験
・試験日:6月、12月
・試験内容:民法、労働法、商法、会社法等
・学習時間:2級までは半年かけて週に12時間ほど。1級はもっと
・ビジネスパーソンには不可欠の法律知識を習得できる
10.海外子会社の決算早期化
①現地経営陣のコミットメント
⇒海外はトップマネジメントが主流のため、CEO、CFOのコミットメントと彼らからの明確なメッセージが大事
②積極的かつ建設的に親会社からの協力を引き出す
⇒ツールや関連情報の提供を能動的に親会社に依頼する
③祝日などへの対応はコスト増が不可避
⇒各国の祝日や長期休暇と決算が重なることを事前にコストとして織り込んでおく
④経理能力のレベルアップ
⇒外部コンサルタントの利用も1つの手
⑤現地会計監査人との調整
⇒税金費用計算の計算に時間を要するため、決算月の前月に仮決算を行い、
最終月1ヶ月はロールフォワードで取り込むことも検討
11.生産性向上設備投資促進税制の適用に係る特別償却の対応
■上記の税制では固定資産の特別償却か税額控除が選択適用可能
⇒固定資産の特別償却(一時償却)を行う場合の会計処理
■具体例
<前提条件>
・1,200円の機械を当期中に取得した
・税務上の特別償却限度額1,000(積立金方式)
・翌期以降200ずつ取崩し、当該取崩額を課税所得に加算
・法定実効税率40%
<決算仕訳>
・1年目
法人税等調整額 400 / 繰延税金負債 400
繰越利益剰余金 600 / 特別償却準備金 600
・2年目以降
繰延税金負債 80 / 法人税等調整額 80
特別償却準備金 120 / 繰越利益剰余金 120
■ポイント
・税務上は全額償却が認められても企業会計上は認められない
⇒積立金方式で税務上減算することで課税所得を圧縮する
・将来加算一時差異が発生するので繰延税金負債の計上が必要
12.オリンパス 今も背負う巨額賠償
・信託銀行6行が、この4月新たにオリンパスを提訴
→損害賠償請求279億円
・金商法では、有報の虚偽記載による損害賠償請求の時効は2年。
この4月がタイムリミット
(時効停止の期間(半年)を含めて、ウッドフォード解任から2年半)のため。
・金額が明らかになり次第、オリンパスの2014年計画に上記損失引当がされる見込。
・オリンパスはこれまでに累計577億円の賠償請求がされており、
そのほとんどが和解に向かっていたところ、今回の追加請求があり。
・金商法の時効は過ぎたが、
「民法上の不法行為」に対する時効は「行為を知ってから3年」
まだ追加訴訟の可能性はあり。
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