2011年8月29日月曜日
8/26 勉強会:消費税 免税点制度 退職給与の扱いは? 他
文書内の重要部分を、太字・下線で強調しています。
お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。
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■(税務) 今後、組織再編税制の税務調査が本格化?
・ヤフーの組織再編に行為計算否認規程(※)が適用され、265億円の追徴課税。(係争中)
・これまでは、組織再編を促進しようという配慮もあり、本格的な税務調査はなかった。
・東京国税局では、今事務年度、特別な調査チームを設置することを明言。
※ 租税回避目的以外に、正当な理由がないと思われる行為を、否認する規程。
■ (監査) RHインシグノ、重要な欠陥により、財務諸表監査も意見不表明に
・法令違反による社債発行を実施。
⇒ 全社的な内部統制及び決算・財務報告プロセスに係わる内部統制に重要な欠陥
⇒ 財務諸表も意見不表明
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■(税務 / 減価償却) 切放し低価法を廃止 今後は「洗替え低価法」のみ適用
・H23年度税制改正による。
・『切放し低価法』⇒『洗替低価法』に変更する事業者が洗替の基準とする金額は、本来の取得価額ではなく、直近期末の切り離し後の帳簿価額。
■(税務 / 消費税) 免税点制度の適用判定上「給与等」に退職給与は含まれず
・H25年1月1日以後に開始する課税期間からの事業者免税点の判定に際し、前年上半期の給与等の金額を用いる場合には、判定に用いる「給与等」の金額に退職給与は含まれない。
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2011年8月22日月曜日
8/19 勉強会:資産除去債務の一括掲記 & 平成23年度税制改正のポイント ほか
毎週、会計&税務の専門誌数紙から、気になるニュースをピックアップ。
文書内の重要部分を、太字・下線で強調しています。
お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。
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【旬刊 経理情報】 No.1290 2011年8月20日・9月1日合併号
■(開示) 平成23年3月期「有報」分析
・包括利益の表示 ⇒平成23年3月期「有報」では、すべての会社が包括利益会計基準を適用。
⇒230社中223社が2計算書方式を採用。
・資産除去債務
⇒ 平成23年3月期より、資産除去債務会計基準、資産除去債務適用指針が原則適用。
⇒ 一括掲記に係る規定(連結のみ)
:資産除去債務が総資産の100分の1以下の場合、その他などに含めて表示可)
■ (税務)平成23年度 税制改正のポイント
1、法人税関係の主な改正
①清算中の法人等の株式に係る評価損の損金不算入(グループ法人税制の見直し)
②法人税の中間申告制度の改正
→仮決算による中間法人税額が前事業年度の法人税額の1/2を超える場合等には、仮決算による中間申告書の提出ができないこととされた。
③雇用促進税制
事業年度末の雇用保険被保険者数が、前事業年度末と比較して、10%かつ5人以上増加した場合
⇒増加1名あたり20万円の税額控除を受けられることとなった。 (限度額あり)
2.消費税関係の主な改正
①仕入税額控除95%ルールの見直し
→課税売上高が5億円超の事業者は、課税売上割合95%以上の場合の課税仕入れ税額の全額控除の規定が適用されないこととされた。
②免税事業者の要件の見直し
(従来)前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下⇒ 免税事業者
(改正後) 前々事業年度 1,000万円以下 に加えて、前事業年度上半期売上高(※) 1,000万以下 が要件に
※ 「課税売上高」と「給与手当・退職手当の合計額」のうちいずれか低い金額とする
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【旬刊 経理情報】 No.1290 2011年8月20日・9月1日合併号
■(開示) 平成23年3月期「有報」分析
・包括利益の表示 ⇒平成23年3月期「有報」では、すべての会社が包括利益会計基準を適用。
⇒230社中223社が2計算書方式を採用。
・資産除去債務
⇒ 平成23年3月期より、資産除去債務会計基準、資産除去債務適用指針が原則適用。
⇒ 一括掲記に係る規定(連結のみ)
:資産除去債務が総資産の100分の1以下の場合、その他などに含めて表示可)
■ (税務)平成23年度 税制改正のポイント
1、法人税関係の主な改正
①清算中の法人等の株式に係る評価損の損金不算入(グループ法人税制の見直し)
②法人税の中間申告制度の改正
→仮決算による中間法人税額が前事業年度の法人税額の1/2を超える場合等には、仮決算による中間申告書の提出ができないこととされた。
③雇用促進税制
事業年度末の雇用保険被保険者数が、前事業年度末と比較して、10%かつ5人以上増加した場合
⇒増加1名あたり20万円の税額控除を受けられることとなった。 (限度額あり)
2.消費税関係の主な改正
①仕入税額控除95%ルールの見直し
→課税売上高が5億円超の事業者は、課税売上割合95%以上の場合の課税仕入れ税額の全額控除の規定が適用されないこととされた。
②免税事業者の要件の見直し
(従来)前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下⇒ 免税事業者
(改正後) 前々事業年度 1,000万円以下 に加えて、前事業年度上半期売上高(※) 1,000万以下 が要件に
※ 「課税売上高」と「給与手当・退職手当の合計額」のうちいずれか低い金額とする
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2011年8月13日土曜日
8/11 勉強会:資産除去債務 小売業のケース 他
毎週、会計&税務の専門誌数紙から、気になるニュースをピックアップ。
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【週刊 T&A master 】 414号 平成23年8月8日
■(税務)平成23年度税制改正
・法人実効税率5%引き下げを明記。
ただし、復興財源確保のため、時限法案で付加税を導入し、実際の納税額は当面、現在の水準を維持。
--------------------------------------------------------------------------------------
【週刊 税務通信】 No.3174 2011年8月1日
■(税務) 控除対象消費税額等と交際費等の額
・消費税で個別対応方式を採用した場合に生じる控除対象外消費税のうち、交際費に該当する支出に係るものについては、交際費の損金不算入の対象とすることを忘れないようにする必要がある。
■(税務/賞与) 未払いの使用人賞与を損金算入するための条件
①賞与支給日が就業規則等で規定されている場合
・定められた支給日が到来していること。
・支給額を通知していること。
・損金経理していること。
②①以外の場合
・全ての従業員に支給額が通知されていること。
・期末から1ヶ月以内に支給されていること。
・損金経理していること。
-------------------------------------------------------------------------------------
【週刊 経営財務】 No.3027 2011年8月8日
■(会計)資産除去債務
1Qや2Qで見積り不能とし、決算で計上するケースあり。
(理由)
・1年間で基準への理解が深まった
・期末では計上して欲しいとの監査法人の要望
小売業にインパクト。
もともと店舗閉鎖損失引当金を計上しているケースでは、
店舗閉鎖損失引当金から資産除去債務引当金への振り替えをしている
■ (会計)過年度遡及基準
①税務調査による指摘
誤謬、かつ、重要性がある場合は修正再表示する
②貸倒引当金戻入益
今期から販管費のマイナス。前期は特別利益。
比較可能性から前期分も販管費のマイナスすべきか?
⇒前期は修正不要。
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【週刊 T&A master 】 414号 平成23年8月8日
■(税務)平成23年度税制改正
・法人実効税率5%引き下げを明記。
ただし、復興財源確保のため、時限法案で付加税を導入し、実際の納税額は当面、現在の水準を維持。
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【週刊 税務通信】 No.3174 2011年8月1日
■(税務) 控除対象消費税額等と交際費等の額
・消費税で個別対応方式を採用した場合に生じる控除対象外消費税のうち、交際費に該当する支出に係るものについては、交際費の損金不算入の対象とすることを忘れないようにする必要がある。
■(税務/賞与) 未払いの使用人賞与を損金算入するための条件
①賞与支給日が就業規則等で規定されている場合
・定められた支給日が到来していること。
・支給額を通知していること。
・損金経理していること。
②①以外の場合
・全ての従業員に支給額が通知されていること。
・期末から1ヶ月以内に支給されていること。
・損金経理していること。
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【週刊 経営財務】 No.3027 2011年8月8日
■(会計)資産除去債務
1Qや2Qで見積り不能とし、決算で計上するケースあり。
(理由)
・1年間で基準への理解が深まった
・期末では計上して欲しいとの監査法人の要望
小売業にインパクト。
もともと店舗閉鎖損失引当金を計上しているケースでは、
店舗閉鎖損失引当金から資産除去債務引当金への振り替えをしている
■ (会計)過年度遡及基準
①税務調査による指摘
誤謬、かつ、重要性がある場合は修正再表示する
②貸倒引当金戻入益
今期から販管費のマイナス。前期は特別利益。
比較可能性から前期分も販管費のマイナスすべきか?
⇒前期は修正不要。
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2011年8月10日水曜日
【コラム】東京電力、賠償資金を「利益」計上 / 原子力損害賠償支援機構法のカラクリ
8月9日、東京電力が2011年4~6月期決算を発表。
最終赤字は、5717億円、うち、特別損失として5000億円規模の「損害賠償費用」を計上することになりました。
賠償額は今後も膨らむ見込で、財務に与える影響も憂慮される中、
西沢俊夫社長は、「債務超過になる心配はない」とのコメントを発表しました。
その根拠は、「原子力損害賠償支援機構から賠償資金をもらう。そのお金は決算上、利益として計上されるので」とのこと。
国からお金をもらう、というのは分かるにしても、
それが利益に計上される(つまり、PLにヒットする)とは、どういうことか?
そのカラクリは、現在参院で可決された、原子力損害賠償支援機構法にあるようです。
この支援機構は、原子力損害が発生した原子力事業者(例:東京電力)が損害を賠償するために必要な資金の交付その他の業務を行うとされています(第1条)。
資金の交付の具体的な内容は、第40条・41条に記載されています。
1.資金交付(要賠償額から賠償措置額を控除した額を限度として、損害賠償の履行に充てるための資金を交付すること)
2.株式の引受け
3.資金の貸付け
4.社債又は主務省令で定める約束手形の取得
5.資金の借入れに係る債務の保証
上記のうち、2~5については、いわゆる増資や借入・社債発行などと同様の処理を行うことになる、すなわち、P/Lにはヒットしないのですが、
1の資金交付については、機構が交付を決定した時点で利益(または賠償費用のマイナス)として処理することになります。
※ 利益計上には下記2点が必要になります。
① 交付が決定されていること(決定前は、偶発利益のため計上不可)
② 要賠償額から賠償措置額を控除した額を損失計上していること(実際に支払うor引当計上)
西沢社長が言う「利益に計上される賠償資金」は、1の資金交付を指しているのです。
その交付金額ですが、「要賠償額から賠償措置額を控除した額」となっています。
賠償措置額とは、原子力賠償制度で定められた、事業者自身が負うべき賠償額のこと。
「熱出力1万Kw以上の原子炉の運転」では、1200億円と定められています。
最終赤字は、5717億円、うち、特別損失として5000億円規模の「損害賠償費用」を計上することになりました。
賠償額は今後も膨らむ見込で、財務に与える影響も憂慮される中、
西沢俊夫社長は、「債務超過になる心配はない」とのコメントを発表しました。
その根拠は、「原子力損害賠償支援機構から賠償資金をもらう。そのお金は決算上、利益として計上されるので」とのこと。
国からお金をもらう、というのは分かるにしても、
それが利益に計上される(つまり、PLにヒットする)とは、どういうことか?
そのカラクリは、現在参院で可決された、原子力損害賠償支援機構法にあるようです。
この支援機構は、原子力損害が発生した原子力事業者(例:東京電力)が損害を賠償するために必要な資金の交付その他の業務を行うとされています(第1条)。
資金の交付の具体的な内容は、第40条・41条に記載されています。
1.資金交付(要賠償額から賠償措置額を控除した額を限度として、損害賠償の履行に充てるための資金を交付すること)
2.株式の引受け
3.資金の貸付け
4.社債又は主務省令で定める約束手形の取得
5.資金の借入れに係る債務の保証
上記のうち、2~5については、いわゆる増資や借入・社債発行などと同様の処理を行うことになる、すなわち、P/Lにはヒットしないのですが、
1の資金交付については、機構が交付を決定した時点で利益(または賠償費用のマイナス)として処理することになります。
※ 利益計上には下記2点が必要になります。
① 交付が決定されていること(決定前は、偶発利益のため計上不可)
② 要賠償額から賠償措置額を控除した額を損失計上していること(実際に支払うor引当計上)
西沢社長が言う「利益に計上される賠償資金」は、1の資金交付を指しているのです。
その交付金額ですが、「要賠償額から賠償措置額を控除した額」となっています。
賠償措置額とは、原子力賠償制度で定められた、事業者自身が負うべき賠償額のこと。
「熱出力1万Kw以上の原子炉の運転」では、1200億円と定められています。
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2011年8月8日月曜日
【IFRS】日本板硝子が、IFRSベースの第1四半期決算短信を発表 / 国内企業で、4社目のIFRS適用
http://www.nsg.co.jp/ir/library/earning.html
日本板硝子が、IFRSベースの第1四半期決算短信を発表しました。
国内企業では、4社目のIFRS適用事例になります。
内容としては、
---------------------------------------------
・IFRSの初度適用についての説明(30ページから)
・日本基準とIFRSの調整表を掲載し、重要な会計方針について説明
① 開発費
→ IFRS第38号「無形資産」に基づき、資産化の要件を満たす場合は無形資産として資産計上するとし、利用可能期間にわたって定額法で償却する。
② のれん
→ IFRSに基づき、償却はせず、毎年減損テストを行う。
※ 2010年4月1日時点、2011年3月31日時点におけるのれんの減損テストを行ったが、いずれにおいても減損を行う必要がないと判断
③ 日本基準で貸借対照表に計上していた負ののれん
→ 余剰金に振替
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など。
日本板硝子が、IFRSベースの第1四半期決算短信を発表しました。
国内企業では、4社目のIFRS適用事例になります。
内容としては、
---------------------------------------------
・IFRSの初度適用についての説明(30ページから)
・日本基準とIFRSの調整表を掲載し、重要な会計方針について説明
① 開発費
→ IFRS第38号「無形資産」に基づき、資産化の要件を満たす場合は無形資産として資産計上するとし、利用可能期間にわたって定額法で償却する。
② のれん
→ IFRSに基づき、償却はせず、毎年減損テストを行う。
※ 2010年4月1日時点、2011年3月31日時点におけるのれんの減損テストを行ったが、いずれにおいても減損を行う必要がないと判断
③ 日本基準で貸借対照表に計上していた負ののれん
→ 余剰金に振替
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など。
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2011年8月7日日曜日
【資本】 資本と利益の混同禁止 / 資本金を減資したとき、利益剰余金を直接増やせるか?
「資本金を減資して、欠損金を補填する、という話をよく聞くけれど、会計上は正しいのか?」
「資本と利益の混同禁止の考え方との整合性は?」
今回は、そんな問いにお答えしたいと思います。
------------------------------------------------------
【原則】
減資した場合、その金額を株主に払い戻さない(いわゆる無償減資)ケースでは、
その金額は、その他資本剰余金に移ることになります。
これは、減資差益だけでなく、自己株式処分益も同じです。
減資差益であれ、自己株式処分益であれ、両方とも払込資本としての性格をもっています。
したがって、資本金、資本準備金、その他資本剰余金のいずれかに計上することになりますが、
資本金及び資本準備金については会社法第445条の規定により定められており、
両者に該当しないため、自己株式処分益と減資差益は、その他資本剰余金に計上します。
ただし、減資差益は、株主総会の議決に基づき、準備金に積み立てることもできます(447条)。
【応用編】
では、冒頭の、資本金を減資して、欠損金を補填する(つまり、減資金額を、利益剰余金に移す)ことが出来るのか、ということですが、
それは、まさに、「欠損金を補填する場合に限り」認められています。
これは、自己株式会計基準61 に、
資本剰余金から利益剰余金への振替が認められるケースとして記載があります。
「負の残高になった利益剰余金を、将来の利益を待たずにその他資本剰余金で補うのは、払込資本に生じている毀損を事実として認識するものであり、払込資本と留保利益の区分の問題にはあたらないと考えられる」
従って、利益剰余金がマイナスの時、利益剰余金がゼロになるところまでは、減資金額を利益剰余金に移すことが出来ますが、利益剰余金をプラスにする、あるいは元々プラスである利益剰余金を増やすことは出来ないことになります。
ただし、この記述を見る限り、
「資本と利益の混同禁止の考え方との整合性は?」
今回は、そんな問いにお答えしたいと思います。
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【原則】
減資した場合、その金額を株主に払い戻さない(いわゆる無償減資)ケースでは、
その金額は、その他資本剰余金に移ることになります。
これは、減資差益だけでなく、自己株式処分益も同じです。
減資差益であれ、自己株式処分益であれ、両方とも払込資本としての性格をもっています。
したがって、資本金、資本準備金、その他資本剰余金のいずれかに計上することになりますが、
資本金及び資本準備金については会社法第445条の規定により定められており、
両者に該当しないため、自己株式処分益と減資差益は、その他資本剰余金に計上します。
ただし、減資差益は、株主総会の議決に基づき、準備金に積み立てることもできます(447条)。
【応用編】
では、冒頭の、資本金を減資して、欠損金を補填する(つまり、減資金額を、利益剰余金に移す)ことが出来るのか、ということですが、
それは、まさに、「欠損金を補填する場合に限り」認められています。
これは、自己株式会計基準61 に、
資本剰余金から利益剰余金への振替が認められるケースとして記載があります。
「利益剰余金が負の残高のときにその他資本剰余金で補てんするのは、資本剰余金と利益
剰余金の混同にはあたらない」「負の残高になった利益剰余金を、将来の利益を待たずにその他資本剰余金で補うのは、払込資本に生じている毀損を事実として認識するものであり、払込資本と留保利益の区分の問題にはあたらないと考えられる」
従って、利益剰余金がマイナスの時、利益剰余金がゼロになるところまでは、減資金額を利益剰余金に移すことが出来ますが、利益剰余金をプラスにする、あるいは元々プラスである利益剰余金を増やすことは出来ないことになります。
ただし、この記述を見る限り、
「資本金を取り崩して、直接利益剰余金に移す」のではなく、
「資本金を取崩して、資本剰余金増加 ⇒ 資本剰余金から利益剰余金へ振替」と、2段階で処理するのが正確な処理と考えられます。
事例:東理ホールディングス 「減資のお知らせ」
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8/4 勉強会:過年度遡及会計基準適用で、「除却損」はなくなる? 他
毎週、会計&税務の専門誌数紙から、気になるニュースをピックアップ。
文書内の重要部分を、太字・下線で強調しています。
お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。
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【週刊 T&A master 】 413号 平成23年8月1日
■(税務)所得申告しない場合、罰則適用へ
23年6月30日以後が提出期限の所得申告に対して、
「納税しない意志をもって申告しない場合」の罰則が制定。
(最大5年以下の懲役、または500万円以下の罰金)
■(税務 / 固定資産) 原発特別措置適用へ
福島原発問題で、「避難地域」または「警戒地域」に該当している地域の
固定資産税関係が減免。
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【週刊 税務通信】 No.3174 2011年8月1日
■(税務 / 消費税) 95%ルール適用制限
・個別対応方式を採用した場合、
【課税売上のみに対応する課税仕入】(全額控除の対象にできる課税仕入)は、限定的に捉える必要がある。
⇒ 正に課税売上『のみ』に対応するものでなければならない。
■(税務 / 役員給与) 上場企業役員の減額改定の留意点
・業績悪化による開示(利益30%減)要件への抵触を避けるために行う役員給与の減額
-------------------------------------------------------------------------------------
【週刊 経営財務】 No.3026 2011年8月1日
■(会計)資産除去債務
適用2期目以降の論点は“見積りの変更”。
使用見込期間の変更や原状回復費用の増減など
■(会計)過年度遡及会計基準
固定資産除却損は過年度の減価償却費の修正としての性格あり
処分の意思決定を行った時点で耐用年数及び残存価額が適切に修正され、以後の減価償却費で調整されるので「除却損」は出ない?
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【週刊 T&A master 】 413号 平成23年8月1日
■(税務)所得申告しない場合、罰則適用へ
23年6月30日以後が提出期限の所得申告に対して、
「納税しない意志をもって申告しない場合」の罰則が制定。
(最大5年以下の懲役、または500万円以下の罰金)
■(税務 / 固定資産) 原発特別措置適用へ
福島原発問題で、「避難地域」または「警戒地域」に該当している地域の
固定資産税関係が減免。
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【週刊 税務通信】 No.3174 2011年8月1日
■(税務 / 消費税) 95%ルール適用制限
・個別対応方式を採用した場合、
【課税売上のみに対応する課税仕入】(全額控除の対象にできる課税仕入)は、限定的に捉える必要がある。
⇒ 正に課税売上『のみ』に対応するものでなければならない。
■(税務 / 役員給与) 上場企業役員の減額改定の留意点
・業績悪化による開示(利益30%減)要件への抵触を避けるために行う役員給与の減額
⇒ 定期同額給与の規定において、業績悪化による改定として是認されるものには該当しない。
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【週刊 経営財務】 No.3026 2011年8月1日
■(会計)資産除去債務
適用2期目以降の論点は“見積りの変更”。
使用見込期間の変更や原状回復費用の増減など
■(会計)過年度遡及会計基準
固定資産除却損は過年度の減価償却費の修正としての性格あり
処分の意思決定を行った時点で耐用年数及び残存価額が適切に修正され、以後の減価償却費で調整されるので「除却損」は出ない?
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