2011年11月25日金曜日

11/25 勉強会:過年度遡及会計基準 税務上はどのように対応するか? 他


お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。    

   
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1.(会社法) 公開会社法制定に向けた議論が再燃


・社外取締役の選任義務化、監査役や証券監視委員会の権限強化、上場規則の改正など

2.(監査 / コラム)なぜ会計士は粉飾決裁を見抜けないのか?

・監査人交代の際、交代の理由を臨時報告書で開示するが、大抵は「任期満了のため」
 → 本当の理由が会計処理による見解の相違であっても、実態は公表されていない
・欧州で導入が議論されている「監査人自体のローテーション」を日本でも導入議論すべきか?

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3.(IFRS)連単分離を望む企業~企業会計審議会総会~
  
トヨタ自動車 伊地知専務役員
・グローバルな比較可能性を求められているのは連結。単体を完全に切り離して欲しい
・個人的には同等性評価を見据えながら、コンバージェンスで十分と思っている

  
横河電気顧問 八木氏
・国際的に日本の存在感を維持するためには「強制適用の決断」が必要
⇒実情を考慮し、「限定的」な強制適用が妥当。


4.(会計)税効果会計における見落とされがちな論点
  
DTA:繰延税金資産
DTL:繰延税金負債


基本的には「DTAは慎重に、DTLは漏れ無く」。

①DTA計上の留意点   
委員会報告66号の5つの区分による判定に先立ち、「将来加算一時差異の十分性」を確認するステップを行う。
翌期1年分しかDTAを計上できない会社でも、 DTAとDTLが相殺しあう分についてはDTAを計上できる


②DTLを計上しない例外ケース
  

(1)子会社株式に係る連結財務諸表上の税効果⇒売却予定がなければ計上しない
(2)子会社株式に係る個別財務諸表上の税効果⇒売却予定がなければ計上しない
(3)未実現損失の消去に係る連結財務諸表上の税効果
 ⇒連結上消去された未実現損失は将来加算一時差異としてDTL計上されるが、
  売却元の当該未実現損失を計上する前の課税所得までしか計上できない

    
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5.(税務)過年度遡及会計基準と税務

遡及処理&修正申告の対象になるか否か

①会計方針の変更
②表示方法の変更
③会計上の見積りの変更
④過去の誤謬の訂正
       のうち、


遡及処理の対象になるもの
①②④

  

修正申告の対象になるもの


※誤謬=故意ではない間違い

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6.(国際) 海外M&Aに潜む不正リスクへの対応

(1)不正が発生する背景
→倫理観や内部統制の違い
→進出国の規制
→人事ローテーションが機能しにくい等

  
(2)主な手口
・キックバック
・外国公務員への賄賂
・幽霊社員への給与振込
・商品、資産の横流し 等

  
(3)対応
・十分なDD
・DD後のモニタリング


7.(税務) 23年度改正消費税のポイント整理

①事業者免税点制度の見直し(平成25年1月1日以後に開始する事業年度から適用)
    

  ・従来 →課税売上高が1千万円を超えた場合には、翌々期から課税事業者
  ・改正後→従来の要件+前期の上半期の課税売上高(または給与支給総額)における課税売上高が1千万円を超えた場合には、課税事業者


②仕入税額控除「95%ルール」の見直し(平成24年4月1日以後に開始する事業年度から適用)
  

  ・従来 →課税売上割合が95%以上の場合には、課税仕入れ等の全額を仕入控除できる
  ・改正後→95%ルールは、課税売上高が5億円以下の事業者に限って適用


8.(株式実務) 所在不明株主の株式売却制度について

  
・所在不明株主の可能性がある株主の株式を売却しようとする場合、

(会社): 所在不明株主に該当するか否かを確定する必要あり
    →証券保管振替機構に連絡。


(証券保管振替機構): 自社サイトに当該情報を掲載

(口座管理機関 / 証券会社、
銀行など):上記サイトを確認し、所在不明株主に該当するかを判断 
  
・従来、この口座管理機関による特定作業が難しかった。
 ↓
今後は、証券保管振替機構が口座コードなど特定しやすい情報を口座管理機関に提供することとする  

 
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2011年11月20日日曜日

11/18 勉強会: 雇用促進税制-Q&A ほか


お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。    

   
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1.(税務) 親会社株売却時の、所得金額計算に注意



株式移転で、完全子会社の自己株式が、親会社株式と交換となったケース
税務上、自己株式の簿価はゼロ⇒交換で得た親会社株式の簿価もゼロ
・上記の親会社株式を売却した際、売却額=売却益となる


・法廷で争っていたが、東京地裁にて、企業が敗訴。現在、控訴中。
    
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2.(会社法) 多重代表訴訟制度
  
①親会社株主の保護
  

(1)多重代表訴訟制度
 ⇒親会社株主が子会社取締役に対して、株主代表訴訟を提起できる  

 ⇒経済界が反対
  
(2)子会社株式の譲渡に係る親会社株主総会の承認義務付け
 ⇒多重代表訴訟制度に比べれば経済界の反対は弱い。

  
2.(監査) オリンパス不正 「日本の監査は存亡の危機」?
八田進二 青山学院大学大学院教授
  
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3.(税務) 雇用促進税制に関するQ&A  
    

厚生労働省は11/1に「雇用促進税制に関するQ&A」を公表した。


適用年度の前事業年度末日に雇用者がいない場合、雇用増加割合(10%増加)を算出できない
  ↓
雇用増加割合以外の他の要件(中小2名以上、など)を満たしていれば雇用促進税制の適用をうけることができる。


②適用要件に「事業主都合による離職者がいないこと」がある
  ↓
労働者の責めに帰すべき重大な事由による解雇・退職金を支給するための勧奨退職は「事業主の都合による離職」にあたらない。


③4月・5月にハローワークに提出される雇用促進計画の達成状況の確認には1ヶ月程を要するため、3月決算法人は確定申告書の提出期限に注意して、余裕をもって提出することに留意する。


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4.(税務) 還付加算金のしくみと計算ポイント
  
(1)還付加算金
 →還付税金に付される利子のようなもの



(2)利率が良く、相手先が税務署(国)で安全
  (平成22年、23年の利率:4.3%)
 →利殖のための悪用が発生
  (平成20年の還付加算金は約338億円)



(3)平成23年度度税制改正

法人税の仮決算による中間申告の制限  

→下記の場合は中間申告できなくなった
  a.前年実績に基づく中間税額が10万以下であるため、
    中間申告義務がない場合
  b.仮決算に基づき計算した中間税額が、
    前年実績に基づき中間税額を超える場合
②更正に基づく法人税・消費税の中間納付額について、
  還付加算金の計算対象期間が制限された

  

  
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2011年11月12日土曜日

11/11 勉強会: 法人税関係 24年度税制改正される見込のもの ほか


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1.(国際) 欧州での議論(監査法人について)


① 監査法人の強制ローテーション
 
 ⇒担当会計士だけではなく、監査法人自体の定期的な交代を促す提案
② 監査法人の監査業務への特化
  
  
2.(開示) 資産除去債務の影響で小売業36社が赤字

3.(開示)継続企業の前提
 
GC注記の規定が会計基準には存在しない
企業側は、監査基準におけるGC規定を援用した財務諸表等規則に基づいてGCを検討・報告している
 
    
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4.(税務 / 法人税) 平成23年度税制改正法案の「法人税関係」の改正内容を確認

23年度税制改正にて改正が見送られ、来年度改正に盛り込まれる見込のものとして、主なものは下記の通り。

法人税率引き下げ
繰越決算金 単年欠損の80%に使用制限/繰越年数を7⇒9年に延長
減価償却 250%定率法⇒200%定率法
貸倒引当金 設定可能な会社を制限(中小法人等)
寄附金 損金算入限度額の減額


 
5.(税務 / 相続税) 老人ホーム入所で空家の宅地と小規模宅地特例について
  
小規模宅地特例の適用条件相続開始直前に被相続人の居住の用に供されていたこと

・被相続人が老人ホームに入所したまま亡くなった場合は?
 ⇒ その宅地が「居住の用に供されていたこと」にならず、特例の適用が受けられない場合あり


・定期的に自宅へ戻っているなど「生活の拠点」がなお自宅にあることが認められれば、適用を受けることができる。


      
  

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2011年11月11日金曜日

【税務 / 給与】 平成24年1月1日以降支給分から、マイカー通勤の非課税枠が見直しに

平成24年1月1日以降支給分から、マイカー通勤の非課税枠が見直しになります。
  
【改正前】
「公共交通機関を利用した場合の1ヵ月分の費用」と、「通勤距離に応じた限度額」のいずれか高い方までが非課税 (上限10万円まで)

【改正後】
「通勤距離に応じた限度額」までが非課税 
※ 「公共交通機関…」の金額は使えない











【参考】(国税庁HP)

① 源泉所得税改正のあらまし
http://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/pdf/h23aramashi.pdf

② マイカー・自転車通勤者の通勤手当
http://www.nta.go.jp/taxanswer/gensen/2585.htm


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2011年11月6日日曜日

11/4 勉強会 過年度遡及修正の場合、税務申告はどのように行うか? 他



お急ぎの場合は、太字・下線部分だけ読んでも、ざっと概要がつかめます。 

 
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1.(税務) 税務調査で顕在化 定期同額給与の問題点
  
定期同額として認められるケース、認められないケースの判断が難しい例をいくつか列挙


・役員給与改定後、実際の支払額は改訂されないまま数カ月経過。不足分を一括して払うのは?
 ⇒ 「定期同額」とは認められない

・社内の不祥事により、一時的に役員給与をカットするのは?
 ⇒ 理由及び金額が相当であれば、「定期同額」と認められる

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2.(税務) 遡及処理を行った場合、申告書別表で調整を
 
過年度の法人税等に影響なし
利益剰余金が変更になるので、申告書別表において調整必要
  
(例)
売上計上基準を出荷基準から検収基準から変更。
⇒前期は売上30と原価20が過大計上だった。
⇒会計上は前期の売上30、原価20を取消し、今期計上
⇒税務上はこのままだと当該利益10について、前期も当期も両方課税される。
⇒よって、別表四で30減算留保、20加算留保とする。別表五(一)も調整必要。

  
3.(開示) 包括利益 「単なる表示基準」

企業へのアンケートの結果、下記のような声が多数

・包括利益はアセットとして眠っているものであり、収益ではない。
・投資有価証券の時価評価を業績と考えるのには抵抗がある。
・包括利益は企業価値を表すかもしれないが、業績ではない。


4.(IFRS) 無形固定資産
  

(1)定義
識別可能、企業が資源を支配、経済的便益が期待

  

(2)資産計上要件
 技術的に可能
 使用・売却する意図
 使用・売却する能力
 経済的便益を得る方法
 使用・売却するために必要な資源を利用できる
 信頼性を持って測定できる

  

(3)償却
・耐用年数を確定できない無形資産は償却せず、減損で対応。

  
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5.(税務) 国税庁 遡及会計基準に係る税務処理のQ&A公表
  
会計方針の変更による遡及処理を行った場合において、過年度の申告書について修正申告は不要
  
過年度の減損損失計上漏れの修正に係る遡及処理ではBS残高を直接調整する(PLを通さない)が、税務上は損金経理されたものとして扱う。

・遡及会計基準による修正差異表示は、仮装経理に係る税額還付等をうけるために必要な『修正の経理』に該当する。

・過年度事項の修正内容を示す添付書類に代えて、決算書の注記を添付することで認められる場合がある。

  
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6.(税務) 経済情勢・税制改正に対応する税務調査の最近の傾向と対策  

Ⅰ.組織再編税制の調査対策

 (調査事項1)
 形式基準:税制要件を形式的に充足しているか


 (調査事項2)
 実質基準:包括的否認規定が適用されないか(※)

 ※事業上必要はないが、繰越欠損金の引継ぎを目的に行う場合はダメ
 ⇒形式のみ税制要件を満たすことによる組織再編税制の悪用

 
[事例]
 昨年ヤフー㈱が行った吸収合併について、
 繰越欠損金の引継ぎが認められず、約265億円が追徴課税


Ⅱ.子会社整理損・支援損の調査対策
   

(支援方法) 無利息貸付、債権放棄、DES等
 ⇒通常 は子会社に対する寄付金(損金算入に限度額あり)
 ⇒ただし、社会的に親会社の責任放棄が許されない程の事実がある場合は、
   寄付金ではなく、子会社整理損・支援損として損金に算入できる。
 ⇒主な要件は「子会社が倒産の危機にある場合」等


Ⅲ.有価証券評価損の調査対策
  

(調査事項)客観的に、将来その価値が回復しない旨を説明できるか

 
  
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2011年11月3日木曜日

平成23年 年末調整 / 昨年からの変更点 + 計算例

1.昨年と比べて変わった点等

 ① 扶養控除の見直し

  ・16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)に対する扶養控除の廃止(38万円→0円)
   ※ 子ども手当支給のためか
  ・16歳以上19歳未満の扶養控除の上乗せ部分の廃止(63万円→38万円)
   ※ 高校授業料無償化のためか


 ② 同居特別障害者加算の特別措置改組

 ③ 住宅借入金等の特別控除
   ※ 住宅借入金等特別控除申告書については再発行可能であるため、なくした場合は税務署へ依頼

 
2.例題

【問題】:以下のケースで、還付額はいくらになるか?

月給20万×12=240万
生命保険 5万
個人年金 5万
扶養者  妻一人(収入なし)
       子一人(8歳)※1
社会保険料 年間15万
源泉 年間6万


【解答】
150万(控除後※2)-10万(生保 / 個人年金含む)-15万(社保)-38万(妻)-38万(本人)=49万(課税所得)
  
49万×5%(速算表)=24,500
  
60,000(源泉)-24,500=35,500
  
⇒ 還付額は35,500
  
※1 年少扶養は廃止により控除なし
※2 240万円→給与所得控除後の給与等の金額150万円(早見表でチェック)

  
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