2014年12月6日土曜日

12/5 勉強会:フリーレントにかかる税務処理 他

1.住宅取得資金の贈与と相続税の生前贈与加算

・住宅取得等資金の非課税の特例を受けた金額は、相続税の課税価格の計算上、生前贈与加算の金額に含めない

■事例
・(平成25年)父親から子供に住宅住宅取得資金として1,000万円の贈与
・(平成26年)父親が死亡、子供が相続をした場合

1、平成25年の贈与税の計算
 {(1,000万円-700万円)-110万円}×10%=19万円

2、平成26年の相続税
 ・生前贈与加算の額 1,000万円-700万円=300万円
 ・贈与税額控除   19万円


2.ジョイント口座巡る相続問題で高裁判決

■事例
・2名以上の共同名義人で開設する「ジョイント口座」をめぐり、共存名義人である配偶者に対し、相続人である子が相続分相当額の支払いを請求した訴訟

■争点
・ジョイント口座が遺産分割などの対象となる被相続人の“私法上の相続財産”を構成するか否か

■判決
・第一審、高裁ともに“私法上の相続財産”を構成しないと判断

■主な判決理由
・ハワイの銀行との本件預金契約では、預金口座はハワイの法律により規律される定めがあること
・ハワイ州法にて、ジョイント口座は生存名義人に帰属させないとする意志の存在を裏付ける明確で客観的な証拠等がない限り、生存名義人に帰属すると定められていること
・ハワイ州法では、共同名義人の死亡により生存名義人が自動的に死亡名義人の財産を所有するとされること


3.軽減税率、2017年度からの導入を目指す

⇒2017年4月の消費税増税に合わせ、逆進性対策について協議が行われている

■軽減税率導入派 …与党(自民・公明)
 ・2017年4月の導入を目指す
 ・問題点も多い
  …中小企業、小規模事業者への事務的負担増
  …一部税率を下げることで、収入が減る
   その穴埋めが必要となる

■給付付き税額控除派 …野党(民主党)
 ・カナダ、シンガポール等で採用されている制度
 ・低所得者に対して、所得税で税額控除を行う
  控除しきれない額については現金給付を行う
 ・軽減税率と比べて理解が得られにくい


4.会社法施行規則案の見直しに関するポイント

以下、会社法の改正に伴い、見直しが検討されている会社法施行規則の案
(1)社外取締役を選任していない理由の開示義務

(2)多重代表訴訟制度(※1)に関する提起請求の方法や不提訴理由の通知方法
(※1)親会社の株主がその子会社の取締役等の責任を追及する訴えを提起できるというもの

(3)子会社の内部統制システム構築義務の明確化

(4)特別支配株主の株式等売渡請求制度(※2)の事前及び事後開示事項
(※2)対象会社の総株主の議決権の90%以上を有する株主(特定支配株主)が株主全員に対して所有する株式の全部を特定支配株主に売り渡しを請求できるというもの

(5)全部取得条項付種類株式等の開示手続の拡充

(6)見せ金に関する設立時取締役の責任の明確化

(7)株主総会参考書類・事業報告に係るウェブ開示事項の範囲拡大

(8) 企業結合会計基準の改正内容の反映
など


5.合併等に伴うストックオプション買取りの所得区分は?

税制非適格SOを発行会社へ売却した場合の課税関係
【従前】
・譲渡所得( 20%課税 )

【改正後】H26年4月1日以降譲渡分
・給与所得( MAX 50%(※)課税 )
 ※H27改正前の所得税 + 住民税

⇒非適格SOを権利行使せずに発行会社へ売却する節税策を封じる策
※権利行使をすると給与所得課税となるため
⇒節税目的に限らず、M&Aによりやむを得ず発行会社へ売却する場合も改正内容が適用される


6.新規上場企業紹介

アトラ㈱(マザーズ 6029)
・承認日:2014/11/11
・上場日:2014/12/5
・本社所在地:大阪市西区
・主幹事証券:野村証券
・監査法人:トーマツ
・主な事業内容:鍼灸接骨院の開業支援、鍼灸接骨院の口コミ/予約システムの運営など

・サービス別の売上高構成(2013年12月期)
ほねつぎチェーン事業(フランチャイズ):39%
鍼灸接骨院向け予約システム:14%
診療費回収代行サービス:14%
鍼灸接骨院向け物品販売:14%
鍼灸接骨院向け経営コンサル:13%

・企業の特徴
上場しているドラッグストア等が「鍼灸接骨院」を展開している例はあるものの、「鍼灸接骨院」関連事業に特化している会社としては、同社が初の上場と思われます。


7.フリーレントにかかる税務処理

■収益計上方法
(1)フリーレント期間中は収益を計上せず、実際に賃料を受領した期間から収益を認識する処理

(2)賃料総額をフリーレント期間を含む賃貸期間で按分し賃貸期間に渡って収益計上する処理

■具体例
・賃貸期間2年
・賃料総額504,000円(月額24,000円×21か月)
・最初の3か月はフリーレント

(1)による場合
 初年度 24,000×9か月=216,000円
 2年目 24,000×12か月=288,000円

(2)による場合
 初年度 21,000×12か月=252,000円
 2年目 21,000×12か月=252,000円

■まとめ
当事者間で
・フリーレント期間は賃料免除または値引きと認識している場合⇒(1)
・月額賃料は賃料総額を賃貸期間で按分した金額と認識している場合⇒(2)


8.法人税:生産性向上設備等の取得と事業供用

生産性向上設備投資促進税制では
 ・『指定期間』(H26.1.20~H.29.3.31)内に
 ・特定生産性向上設備等を
 ・『取得等』して
 ・『事業供用』した場合に、
その事業供用年度に適用を受けることができる。

(1)
『指定期間』内にという条件は『取得等』と『事業供用』の両方に係ると解されているため、指定期間内に取得しても事業供用までの間にH29.3.31を経過してしまうと適用できない。

(2)
一方、『取得等』と『事業供用』が同一事業年度内に行われる必要は無い。

※
H25年度税制改正で創設された『生産等設備投資促進税制』においては『取得等』と『事業供用』が同一事業年度中に行われる必要があるため、混同しないように注意が必要。


9.H26公認会計士試験

・1,102人合格、合格率10.1%

・願書出願者数:H23の23,151人からH26の10,870人に半分以下に減少


10.権利確定条項付き有償新株予約権

(内容)
 ・有償SO
 ・権利確定条件あり(勤務条件&業績条件)
 ・発行時の対価は上記条件を反映させた公正価値
 ・権利確定日は付与日から一定年数経過後
(論点)
 ・有償である
  ⇒複合金融商品適用指針とSO会計基準の双方が関係
  ⇒整理の必要あり
 ・SO会計基準において、条件付きということから、“報酬の性質を含むか否か”が論点になる

⇒以上から、基準諮問会議は企業会計基準委員会に対してテーマ提言することとした。


11.適格合併における繰越欠損金の引継制限

1.概要
 グループ内の組織再編は共同事業目的の組織再編に比べ租税回避行為が行われる可能性が高い
  →繰越欠損金の引継に一定の制限が加えられる場合がある
  ・特定資本関係成立事業年度前:欠損金全部
  ・特定資本関係成立事業年度以後:欠損金のうち、特定資産の譲渡損に相当する金額

2.繰越欠損金の引継ができる場合 → 以下のいずれかにあてはまる必要
 ・共同事業を行うための適格合併である
 ・特定資本関係が5年超に及んでいる
 ・みなし共同事業要件をみたしている
 ・特定資本関係発生の直前事業年度末の時価純資産が未処理欠損金額を超えている
  
∴すべて当てはまらない場合は引継制限がかかる


12.使える補助金・助成金vol.10「ジャパン・コンテンツローカライズ&プロモーション支援助成金」


・(対象者)
日本国民また永住者、日本法人、
日本法人の海外子会社のうち委員会が認めた法人、地方公共団体

・(要件)
日本のコンテンツを海外にローカライズ、プロモーションした場合、補助がもらえる

・(補助内容)
ローカライズ:字幕つけ費用、音声の吹き替え、海外の文化・法律に則した表現の修正に係る費用など
プロモーション:イベント・見本市への出店費用など

・(金額)1/2以内

・(募集期間)現在募集中!!(~2015年2月28日)

・(採択数)2014年2月現在:エントリー2,564件 採択1,570件

・(採択事例)
藤子不二雄プロ:ドラえもんの英語圏配信
アサツーディ・ケイ:ミラノにてマンガフェスティバル開催

など








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供  

2014年11月29日土曜日

11/28 勉強会:有限責任事業組合(LLP)への出資の処理について 他

1.海外への機器使用料等に係る源泉徴収

■質問
 当社は日本法人です。
 香港の会社より日本国内で使用する機械装置を借りました。
 賃借料の支払いについて、源泉徴収の必要はありますか。

■回答
 1、租税協定の適用を受ける場合…源泉徴収は不要
   ただし、最初の使用料の支払いをする日の前日までに租税条約に関する届出書を日本法人の所轄税務署長に提出する必要がある

 2、租税協定の適用を受けない場合…源泉徴収は必要


2.実調減少の一方で無申告理由のお尋ね

・国税庁が平成25年事務年度における相続税・贈与税の調査状況を公表
→相続税の実地調査1万1,909件で前年より約300件減少
→贈与税も3,786件で前年より約800件減少

・減少の理由
(1)国税通則法改正の影響(調査手続の順守)
(2)実地調査以外の多様な手法の活用
[例:無申告が想定される者に対する書面でのお尋ね(平成25年度は相続税約5,000件、贈与税約1万件実施)]


3.堅固・非堅固にかかわらず借地権は存在

■概要
・母から子供へ土地を贈与した
・土地は法人に貸付を行っている
・土地の評価にあたり、借地権価格の控除は認められるか

■流れ
1、昭和52年 亡父が所有している土地の上に法人が建物を建てる
2、昭和63年 法人から亡父へ地代の支払開始 ※賃貸借契約なし
3、平成10年 建物を取壊し、駐車場へ
4、平成21年 母から子供へ土地を贈与

■論点
1、建物を取り壊した場合の借地権は?
  ⇒朽廃を原因とした滅失でない場合、借地権の存続には影響しない(借地法2条)

2、借地権の発生は昭和52年か昭和63年か?
  借地権の判定に必要な建物は堅固か非堅固か?
   ⇒どちらにせよ本件贈与時には借地権が存続していると判断

 ・堅固な建物の場合 【存続期間:60年】
  ⇒昭和52年・昭和63年どちらの発生でも借地権は存続期間内

 ・非堅固な建物の場合【存続期間:30年】
  ⇒昭和52年に発生したと考える場合…平成19年に契約更新したとみなされる
  ⇒昭和63年に発生したと考える場合…存続期間内


4.改正会社法の施行日は平成27年5月1日

今年6月に公布された改正会社法の施行日が平成27年5月1日とされる予定

【社外取締役に関する改正】
 社外取締役を選任していない上場会社等は、定時総会において口頭による説明に加え
(1)事業年度末日に社外取締役を置いていない場合、事業報告において
(2)総会に提出する取締役選任議案に社外取締役の候補者が含まれていない場合、株主総会参考書類において社外取締役を置くことが「相当でない理由」を記載しなければならない。

【「相当でない理由」とは】
 会社の実情に即したものでなければならず、「社外監査役が複数いることのみ」をもって当該理由とすることはできない。


5.税務申告を怠った税理士に、附帯税と慰謝料の損害命令

■事例
・A社と税理士Bで税務申告係る委託契約を締結
・Bは支部会が多忙等の理由により3年間税務申告をしなかった
・その間、顧問報酬は自動引き落としされていた
・無申告に伴う附帯税はBが負担すべきと損害賠償をおこした

■判決
支部会の仕事がいそがしい ⇒ 委任業務の放棄
記帳代行等を行わず    ⇒ 業務に係る報酬請求権は発生しない
3年間無申告       ⇒ 契約義務の不履行、不法行為による権利侵害

以上の判断により、
無申告により被った附帯税等につき損害賠償命令が下された。


6.受配益金不算入改正、JV(ジョイントベンチャー)への影響回避へ

★受取配当の益金不算入額
【現状】
<持分比率>           <益金不算入>
①       100%              ⇒  配当全額
②25%以上100%未満   ⇒  配当 ▲ 負債利子
③25未満                 ⇒ (配当 ▲ 負債利子)× 50%

【27年度税制改正の『有力』検討案】
<持分比率>               <益金不算入>
①       100%                                ⇒ 配当全額
②       33%以上100%未満             ⇒ 益金不算入額縮小?
③少数株主持分(5%)以上33%未満  ⇒ 益金不算入額縮小?
③       数株主持分(5%)未満            ⇒ 益金不算入額縮小?

⇒JVは、出資比率を51:49へ設定することが少なくない
(誰が主導権をとるか明確にするため)
⇒上記②の持分比率を「50%以上100%未満」とすると、出資比率の決め方に多く影響する(51%と49%では税負担が変わるため)
⇒影響を避けるためにも、上記②の持分比率を「33%以上100%未満」とする案が有力


7.新規上場企業紹介

㈱カヤック(マザーズ 3904)
承認日:2014/11/20
上場日:2014/12/25
本社所在地:神奈川県鎌倉市
主幹事証券:大和証券
監査法人:トーマツ
主な事業内容:広告コンテンツ開発、ソーシャルゲーム開発等

企業の特徴:
広告コンテンツ事業とソーシャルゲーム事業の売上が拮抗している。
「面白法人カヤック」と打ち出しているように、一社だけで「合同説明会」をやってみたり、退職者ブースがあったり、採用ページに退職者インタビューが載っていたり。
また、毎月の社員の手当てがサイコロで決まるようです。


8.消費税:外国の市場調査を外国法人に委託した場合の課税仕入れ

■事例
(1)A社は外国の市場調査を当社に委託
(2)当社はその調査を外国法人B社に再委託

この場合、A社・当社が支払う手数料の扱いはどうなるか?

■役務提供の内外判定
市場調査など、役務の提供場所が明らかでないものは役務の提供にかかる事務所等の所在地で判定する。

■課税関係
(1)当社が外国法人B社に支払う手数料
⇒事務所等の所在地が国外であるため国外取引(課税仕入れとならない)

(2)A社が当社に支払う手数料
⇒事務所等の所在地が国内であるため国内取引(課税仕入れとなる)

結果、同一内容の調査報告であっても内外判定が異なることとなる。


9.所得税:海外勤務者に対するボーナスの源泉徴収誤りが散見

内国法人の海外勤務者に支給されるボーナスについて源泉徴収の対象となる国内源泉所得の範囲は以下のとおり。
 ※OECDモデル租税条約を前提

■従業員の場合
 支給された賞与のうち、国内勤務分に対応する部分は源泉徴収の対象となる。
 出国後に賞与支給された場合でも賞与支給対象期間の中途まで国内勤務していたら、プロラタで計算する。

■役員の場合
 支給された賞与の全額が源泉徴収の対象となる。
 内国法人が支給する役員報酬は、勤務地にかかわらずその全額が国内源泉所得となる。


10.役員向け株式給付制度

・日本版ESOP(株式給付型)
  ※退職時などに自社株式を給付する制度で給付対象者を従業員ではなく役員する会社があり
・事例:東京エレクトロン
  役員退職慰労金制度を廃止し、「業績連動型報酬制度」を導入


11.消費税10%引き上げに伴う経過措置

1. 消費税8%へ引き上げ時と同様の経過処置
・旅客運賃等
・請負工事
・資産の貸付
・延払基準適用
・工事進行基準適用
・冠婚葬祭互助会が行う役務提供
・書籍等の予約販売
・特定新聞
・通信販売
・有料老人ホーム
・仕入返還等、貸し倒れに係る消費税額の控除等

2. 消費税10%引き上げ時に新たに経過措置として追加されるもの
・家電リサイクル
【対象取引】
 ⇒ 施工日前にリサイクル料金を受領し、施工日後に再商品化等した資産を引き渡す取引
【適用条件】
 ⇒ 家電リサイクル法に規定されている条件を満たすこと

・電気料金等
 ⇒ 電気料金等の範囲に、灯油の供給が追加

3.消費税率10%へと引き上げの時期
 ⇒ 引き上げ時期の判断は12/8以降の予定であるが、引き上げ時期は延期される見通し


12.連結財務諸表上の税効果の考え方

 ・性格
  単体財務諸表の税効果=税務上の簿価と会計上の簿価の差異に係るもの
  連結財務諸表の税効果=単体会計簿価と連結会計簿価の差異に係るもの
 ・回収可能性
  連結:単体で回収可能性を検討した繰延税金資産については新たに検討不要
 ・実効税率
  単体:差異の解消年度(将来)の実効税率
  連結:差異の発生年度の実効税率


13.税務調査を活用した不正防止・早期発見法

税務調査を分析し、管理部門、内部監査部門がノウハウを共有する。

・調査官はどのような証憑書類を要求したか?
・調査官にどのような質問を受けたか?
・論点となった項目は否認事項となったのか?問題とならなかったのか?
 そうした判断根拠はどこにあるのか?


14.有限責任事業組合(LLP)への出資の処理について

(1)有限責任事業組合の特徴
  a.構成員全員が有限責任で、
  b.損益や権限の分配が自由に決めることができるなど内部自治が徹底し、
  c.構成員課税の適用を受ける⇒損益通算が可能

(2)個別FSの会計処理
  a.純額法:損益計算書の純額のみを持ち分割合に応じて計上
  b.総額法:損益計算書と貸借対照表の全てを持ち分割合に応じて計上
  c.折衷法:損益計算書は全てを持ち分割合に応じて計上、貸借対照表はLLPの資産から負債を引いた純資産の金額を持ち分割合に応じて計上

(3)税務のポイント
 ・税務メリットを最大限取るなら、総額法
 ⇒受取配当金の益金不算入、所得税額の控除、引当金繰入額の損金算入
全て認められる。
 ⇒純額法は全て認められない
 ⇒折衷法は受取配当金の益金不算入、所得税額の控除は認められる。


15.使える補助金・助成金vol.9「長期優良住宅化リフォーム推進事業」

・(要件)
もらえるのはリフォーム工事発注者、リフォーム工事施工業者
住宅をリフォームし、耐震性・省エネ・維持管理の容易性等の要件を満たした場合

・(補助内容)リフォーム費用の一部を補助
・(金額)1/3 上限1百万/戸、50百万/事業者
※S基準を満たすリフォームについては、上限2百万/戸

・(募集期間)2月上旬
・(採択数)平成25年度: 6件採択(131件応募)


※専門家による審査が行われ、表面的な内容の提案は弾かれてしまう模様。








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供  

2014年11月22日土曜日

11/21 勉強会:連結納税の範囲と連結会計の範囲の差異について 他

1.緊急インタビューヤフー事件・高裁判決

・ヤフー事件の高裁判決が11月5日にあり、控訴棄却となった

・高裁と地裁の判決の違いがあった
 地裁:法人税法132条の2の趣旨、目的で判断
 高裁:趣旨、目的に加えて行為の目的、性質にも目を向ける

・行為によって導き出された結果が「不当」かどうかで判断する必要がある


2.高裁勝訴がIBM二審の国の主張に影響も

・ヤフー事件は高裁でも国の勝訴という結果を受け、IBM事件の控訴審における国の主張に注目
⇒「132条は租税回避のみを目的にした行為にのみ適用」と前提を変更してくる可能性

・IBM事件とヤフー事件では行為計算否認規定に関する国側の主張に大きな違いがある
⇒ヤフー・・・「個々の行為には租税回避以外の目的が含まれていたとしても法人税法132条の2の適用があり得る」

⇒IBM・・・「租税回避のみを目的にした行為でない限り132条の適用はない」


3.自己株式取得に伴う株式譲渡損と同族会社等の行為計算の否認~日本IBM事件~

【論点】
日本にあるIBMの中間持株会社が米国IBMから資金を借り入れ、その資金で米国IBMから取得した日本IBM株式を日本IBMに譲渡した取引において、譲渡損及びみなし配当の計上が認められるか否か
(租税回避行為として否認されるか否か)

【背景】
・訴額が巨額で、訴訟当事者が先進産業であるIT関係であり、著名な外資系企業であったこと
・ヤフー事件(最近、判決が出た同様の租税回避事件)では、当局の課税処分が適法とされたが、当該判決では当局の課税処分は違法とされたことから、社会的に注目された。

【国の見解】
日本にある中間持株会社はペーパーカンパニーであり、株式の売買の必要性はなく、株式譲渡は赤字づくり(連結納税を適用しているため、日本IBMの黒字と相殺できる)のために行った経済合理性がないものであるとして、租税回避行為と主張。

【裁判所の見解】
中間持株会社はグループ内で資金を柔軟に移動させる等、持株会社としての一定の機能があったとして、ペーパーカンパニーではなく、また、株式譲渡によって赤字が発生したことについても、不合理不自然とは言えず、租税回避行為ではないとした。


4.貯玉再プレーに係る処理で留保金課税

※貯玉再プレーとは
 パチンコで遊んだ後、パチンコ玉を景品交換せずに店に預けて、次回来た時に預けておいたパチンコ玉(貯玉)を引き出して遊ぶこと

■事例
経営者が貯玉再プレーにおける会計処理について、売上・仕入処理を行った
⇒原処分庁はこの処理に対し留保金課税を適用した

■なぜ適用したか
・預け金的な性質を有するにもかかわらず、意図して計上したため売上高・仕入高が過大計上と認定

・認定された過大計上分は配当を目的とした金額ではない
 ⇒内部に留保するための金額と判断され、留保金課税の対象となった


5.Q&Aで読み解く 27年経過措置通達

・10%増税時に予定されている経過措置の内容は、8%増税時とほぼ同じ

・主な経過措置
 -旅客運賃等に関する経過措置
 -電気料金等に関する経過措置
 -工事の請負等に関する経過措置
 -資産の貸付に関する経過措置
 -役務の提供に関する経過措置


6.政府税調、配偶者控除の見直し案を示す

…政府税制調査会は配偶者控除の見直しについて、大きく3つの改革案が挙がっている。

■改革案(1)
 配偶者控除をそのまま廃止
 ※「高所得の世帯に限り廃止」も検討されている

■改革案(2)
 配偶者控除を廃止し、「移転的基礎控除」を導入
 …配偶者が自身の基礎控除額38万円を使い切れなかった場合に、残った基礎控除額を納税者本人の控除額に振り替える

 (例)配偶者の収入が80万円だった場合
   80万円-(給与所得控除)65万円= 15万
   15万円-(基 礎  控 除)38万円=△23万 ←移転対象額

■改革案(3)
 配偶者控除を廃止し、「夫婦世帯を対象とする新たな控除」の導入

⇒(1)、(3)に支持が集中している


7.新地方公会計基準について

【背景】
地方公共団体等は住民・納税者・各種利害関係者に対して、財務・非財務情報を作成・開示する義務があるが、統一的な地方公会計基準が作成されていなかった。
そこで総務省より「今後の新地方公会計の推進に関する研究会報告書」が公表された。

【目的】
・公表される財務数値の透明性の向上、説明責任の履行
・団体間での比較可能性の確保

【概要】
・現金主義から発生主義へ

・複式簿記の導入

・財務書類の体系
貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書

・固定資産台帳の整備
貸借対照表との突合だけでなく、公共施設等のマネジメントにも活用

【今後の課題】
・運用のための人材の育成
・統一的な基準の導入にあたり、システム面の整備


8.後発的事由による更正の請求

■更正の請求期限
通常⇒法定申告期限から5年
後発的事由による場合⇒事由が生じた日の翌日から2月以内

・後発的事由とは
(1)判決や和解により計算の基礎とした事実が異なることとなった場合
 (例)和解により請求権が消滅したことで所得が減少したケースなど
(2)所得が他者に帰属するものとする国税の更正や決定があった場合
 (例)子の所得として処理していたものが更正により親の所得とされたケースなど
(3)その他やむを得ない理由がある場合

これらに該当する場合、法定申告期限から5年を超過していても更正の請求ができる


9.法人税:自己株式の取得付随費用の損金性と申告減算の可否

■自己株式の取得付随費用は支出時の損金になるか?
⇒支出時の損金になる。

自己株式の取得は資本等取引であり、有価証券の取得のように取得付随費用を取得価額に乗せる処理はしない。
支出後の複数年に渡って「自己が便益を受けるために支出する費用」とも言えないため、税務上の繰延資産にも該当しない。

■会計上取得価額に乗せられた取得付随費用を申告減算できるか?
⇒申告減算できる。

損金経理要件を課す規定は無い。


10.遡及適用の例外

・会計方針を変更した場合
 原則:過去もすべて変更
 実務:実務上不可能な場合もある
⇒遡及適用が実行可能な最も古い期間の期首時点で累積影響額を算定し反映する

・H26.3期決算の上場会社
 会計方針変更は53件
 うち、「原則的遡及適用が実務上不可能なケース」は7件あった


11.連結納税の範囲と連結会計の範囲の差異について

(連結納税)
 100%完全支配関係のある子会社のみ対象とする
 重要性を問わず対象となる
 破産手続中の子会社はたとえ100%完全支配関係があったとしても対象とできない

(連結会計)
 一定の要件を満たせば、40%などの低い持株比率でも対象とできる場合がある
 「重要性の乏しい会社」「支配が一時的であると認められる会社」は連結対象外とすることができる
重要性があれば破産手続中の会社等も連結対象としなければならない


12.使える補助金・助成金vol.8「ネット・ゼロ・エネルギー・ビル実証事業」

・(要件)
設備導入により、ビルのエネルギー消費量を25%以上削減など

・(補助内容)
 設備・システム導入のための設計費、工事費等

・(金額)
 1/3 上限5億
※削減率によっては補助率引き上げ

・(募集期間)
 5月~8月

・(採択数)
 平成25年度: 97件採択(107件応募)

※前回の「エネルギー使用合理化事業者支援事業」と異なり、専門家による計算が必要。ただし要件を満たせば、採択率は非常に高い。








◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供