2018年4月9日月曜日

4/6 勉強会:「税効果会計に係る会計基準」の一部改正」等の概要 他

1.債務超過法人への第二次納税義務は違法

■事案
・同族会社の株主の滞納国税について、税務当局が当該同族会社に対して、第二次納税義務の納付告知処分をした(国税徴収法:同族会社の第二次納税義務)

■税務当局の判断
・納付告知処分直前の簿価純資産により限度額を算出し、納付告知処分をした

■同族会社の主張
・時価ベースでは債務超過であるから第二次納税義務の納付告知処分は違法と主張

■審判所裁決
・同族会社の資産負債は客観的時価を標準として計算すべき
 ⇒当該同族会社は債務超過であり株式の価額は0円である
⇒税務当局の納付告知処分を取り消した




2.「税効果会計に係る会計基準」の一部改正」等の概要

■会計処理に関する改正
・個別BS上の子会社株式等に係る含み益(将来加算一時差異)
(従来)一律DTLを認識
(改正)予測可能な将来に売却の意思がある場合はDTL認識(連結と合わせる)

・会社区分1のケースでのDTA
⇒回収可能な将来減算一時差異に「原則として」の文言を追加
⇒工場用地の含み損や売る前提にない子会社株式の含み損について回収可能性はないと判断することが適切であるという立場を基準で明確にした。

■表示に関する改正
・DTA、DTLはすべて非流動区分に表示

■注記に関する改正
・税務上の繰越欠損金が重要⇒以下を分けて2行で表示
(1) 繰越欠損金に係る評価性引当額
(2) 将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額



3.法人税率引下げで税額は0.3%減

■H28年度会社標本調査結果
・H28年度の法人税額は10兆4,676億円。前年比339億円減少
⇒H27年度税制改正の法人税率引下げが影響
・繰越欠損金の当期控除額は7兆5,951億円。3年連続減少
⇒大法人の控除限度額が80%から65%に引き下げられたことが要因
・寄付金支出額は1兆1,229億円。4年連続増加
・交際費等の支出額は3兆6,270億円。5年連続増加
・全法人に占める欠損法人の割合は63.5%。7年連続減少



4.消費税仕入れ税額控除否認事件が訴訟に

■消費税の仕入税額控除を巡り地裁と裁決が異なる解釈
⇒裁決(H24.1/19大阪国税不服審判所)
・課税仕入れを行った日の状況で判断
・課税仕入の目的、課税仕入等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案
・取得の時点で賃貸のように供しているから共通仕入と判定

⇒判決(H25.6/26さいたま地裁)
・課税仕入れを行った日の状況で判断
・最終的に課税資産の譲渡等のコストになる課税仕入等だけである。
・本件は、取得時点で賃貸契約を結んでいた為、共通仕入と判定されていた
・考えようによっては販売目的と謳っていれば課税仕入れのみと判定される可能性あり

■ムゲンエステート社が東京地裁へ提訴
・購入したマンション:大半が課税売上、賃貸料収入は僅か
・購入時に支払った消費税が全額仕入控除されない
⇒会社全体の課税売上割合が適用され仕入税額控除が否認されてしまう。
⇒財産権の保障について定める憲法29条などの憲法違反を主張する構え



5.収益認識会計基準の全容

■収益認識会計基準は国際的な会計基準と同様に

収益認識会計基準は、IFRS15号の基本的な原則を取り入れてまとめられており、
以下の5つのステップを適用し、収益の認識を行う。
(1) 顧客との契約を識別する。
(2) 契約における履行義務を識別する。
(3) 取引価格を算定する。
(4) 取引価格を履行義務に配分する。
(5) 履行義務が充足された時、又は充足につれて収益を認識する。

■日本の会計実務及び税務上の影響
収益認識会計基準の導入により、例えば今後は以下のような日本基準における実務の取扱いが認められなくなる。
・顧客に付与するポイントについての引当金処理
・返品調整引当金
・出荷基準は容認・有償支給取引
・割賦販売における割賦基準にも基づく収益計上
→これに伴い税務上は、返品調整引当金制度や長期割賦販売等における延払基準の選択制度が廃止される(一定の経過措置あり)。

■中小企業への影響
→中小企業については「中手企業の会計に関する指針」が適用されるため、収益認識会計基準の適用対象外となっているため、会計上直接の影響はない。
→ただし上述の通り、収益認識会計基準の導入に伴い、税務上も返品調整引当金制度や長期割賦販売における延払基準が一定の経過措置の適用後に廃止されるため、これらを適用している場合には、影響が及ぶことになる。




6.変動対価

取引価格を検討する際に考慮すべき事項のひとつ。

■変動対価の例
・ボーナス   ・インセンティブ     ・ペナルティー
・返金     ・市場に基づく手数料   ・値引き
・返品     ・返金保証        ・価格譲歩
・数量リベート ・サービス品質保証契約  ・損害賠償金

■変動対価の測定方法
期待値法⇒一連の起こり得る結果の確率加重平均金額
最頻値法⇒一連の起こり得る結果の中で、最も発生可能性が高い金額
※事実及び状況により適切な方法を用いて見積もる。

■変動対価の算定方法
(1)変動対価かどうか。
(2)期待値、または、最も発生の可能性が高い金額を用いて見積もる。
(3)将来重大な戻し入れが生じない可能性が非常に高い金額を超えていないかについて判定する。
(4)その金額を取引価格に含める。


7.裁判例:実質的に退職しているかどうかの判定で個別判断を公表

■概要
・スクラップ加工会社Aの代表取締役Bが代表権のない取締役会長になった
・A社は分掌変更による退職慰労金をBに支給損金算入した
・原処分庁は「実質的に退職していない」として全額否認(役員給与損金不算入)した
・A社はこれを不服として取り消しを求めた

■審判所
A社の請求を棄却した(退職の実態なしと判断)

■判断のポイント
・Bは会長就任後も周辺住民対策費として多額の金員を代表取締役に相談なく支払っていた
⇒事業に関する重要な意思決定及び執行を行っている
・取引先幹部に対する接待を担当していた
⇒営業面において相応の役割を果たしている
・代表取締役と金融機関との交渉の場に立ちあい意見を述べていた
⇒財政管理について相応の役割を果たしている
・取締役会で役員の選定及び役員給与の変更について意見を述べていた
⇒重要な人事の決定に関与している
・自ら領収書のチェックをしていた
⇒経理面においても支出状況を監視する立場にあった

上記を総合勘案すると実質的に退職しているとは認められず、支給金員は役員報酬としての
性質を有する。定期同額給与等に該当しないため、全額損金不算入となる



9.消費税増税に伴う経過措置の内容は前回引き上げ時と基本的に同じ

H31年10月1日から適用される消費税率10%への引き上げにつき、
前回引き上げ時(5%→8%へ)と同様に経過措置が設けられている。

■経過措置
指定日の前日までに契約を締結した取引については、
H31年10月1日以後も旧税率8%を適用することが可能
※指定日とはH31年3月31日のこと

■指定日が関係する主な取引
・請負工事等
・資産の貸付け
・指定した役務提供に係る取引 ※結婚式場の事前予約
・予約販売による書籍等
・通信販売



10.収益認識会計基準等を公表

・早期適用:2018年4月1日以後開始事業年度から
・強制適用:2021年4月1日以後開始事業年度から
(5つのステップ)
①顧客との契約の識別
②契約における履行義務の識別
③取引価格の算定
④契約における履行義務に取引価格を配分
⑤履行義務を充足した時(充足するにつれて)収益を認識



11.引受審査と上場審査

・引受審査
主幹事証券会社の審査
・上場審査
証券取引所の審査

引受審査(4~6ヶ月)
↓
主幹事が取引所に推薦書提出
↓
上場審査(2~3ヶ月)

・審査内容は引受審査も上場審査も基本的に同じ
・審査は質問⇒回答書作成⇒質問を何度か繰り返す
・社長、監査役、監査法人ヒアリングあり


12.中小企業者と中小法人等の差異

■租税特別措置法上の中小企業者
① 資本金の額または出資金の額が1億円以下の法人
ただし、同一の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の2分の1以上を所有されている法人および2以上の大規模法人に発行済株式または出資の総数または総額の3分の2以上を所有されている法人を除く。
② 資本または出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下の法人

■法人税法上の中小法人税等
① 普通法人のうち、資本金の額もしくは出資金の額が1億円以下であるもの(大法人との間に大法人による完全支配関係がある普通法人または複数の完全支配関係がある大法人に発行済株式等の全部を保有されている法人を除く)または資本もしくは出資を有しないもの(相互会社を除く)
② 公益法人等または協同組合等
③ 人格のない社団等

■判定結果が異なった事例
A社:上場会社(資本金5億円超)
B社、C社:非上場会社(資本金1億円以下)
⇒A社は、租税特別措置法上の大規模法人、法人税法上の大法人の両方に該当
⇒A社がB社株式を100%保有、B社がC社株式を100%保有
⇒租税特別措置法上の中小企業者は、自らの資本金額及び直接の親会社の資本金額で判定
⇒C社は、租税特別措置法上の中小企業者には該当するが、法人税法上の中小法人等には該当しない














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2018年3月30日金曜日

3/30 勉強会:平成30年3月期の税務申告のチェックポイント 他

1.国外財産調書制度に係る加重措置の適用可否で初裁決

■国外財産調書制度とは
・12月末時点で5,000万円超の国外財産を有する居住者に対して
翌年3月15日までに国外財産の種類、数量、価額等を記載した
国外財産調書の提出を義務付けるもの
・期限内に調書の提出がない場合又は期限内に提出された調書に記載のない
 国外財産に係る所得税の申告漏れが生じたときは5%の加算税

■裁決事例
【前提】
(1)納税者は平成26年分の所得税について法定期限内に確定申告書を提出していた
(2)納税者は国外財産調書は提出していなかった
(3)納税者は平成27年8月31日に自主的に修正申告書を提出した
(4)納税者は平成27年9月14日に修正申告書の基因となった国外財産調書を期限後提出した

【争点】
・原処分庁は国外財産調書の提出がない場合の加重措置を適用し過少申告加算税の賦課決定処分を行った
・納税者は修正申告書に加重措置は適用されないと主張した

【裁決】
・加重措置を適用した過少申告加算税の賦課決定処分は適法
⇒国送法6条4項は国外財産調書が提出期限後に提出されたことを前提として、
 それ以後に修正申告の提出があった場合の取扱いを定めたもので、逆の場合は同項の適用はないと解釈
⇒つまり順番が大事!(4)国外財産調書の期限後提出、(3)自主的修正申告の順であれば加重措置回避できた




2.再編税制「その他所要の措置」の内容は

■「その他所要の措置」とは
・今回の税制大綱…組織再編関連での改正が並ぶ中、「その他所要の措置を講ずる」旨記載があったが、今回その内容が明らかになった。

■内容=全部取得条項付種類株式や株式併合:金銭交付でも適格株式交換に
・税法:適格株式交換等の対価要件の例外を複数列記
(従来の例)
・買い取り請求に基づく対価として交付される金銭その他の資産
・一定数以上の株式を保有している親会社が株式交換する際、他の株主に交付される金銭その他の資産
など
⇒限定列挙されたもの以外の対価によるものは非適格とされる。

(改正)以下が追加
・全部取得条項付種類株式の取得、株式併合の場合で端株に対して交付された金銭




3.法人決算業務契約の途中終了で報酬額は

■事例
・法人との間に顧問契約あり
・H26年決算業務は途中で終了し決算書を作成していない。
・決算業務を途中で終了したのは法人からの連絡が途絶えたから
・税理士が決算業務報酬として58万円を請求(決算業務を遂行した割合に応じた相当額)

■判決
・税理士が勝訴
【理由】
(1)法人と税理士は決算業務報酬額に関する合意をしていた
(2)税理士はH26年決算業務の98%を遂行
(3)決算報酬はH17年~24年までは50~60万程度であり、法人も支払っていた
⇒従来の請求額と比較して不相当な額とはいえない
⇒決算業務の途中終了について税理士には責任はない※

※民法648号3項
委任が受任者の責めに帰することができない事由によって履行の中途で終了したときは、受任者は既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる





4.新固定資産税の特例措置

税制改正により平成32年度までの3年間に限り投資した機械設備等の固定資産を1/2から最大0になる。
施行時期:国会の審議状況によるが「公布の日から3か月を超えない範囲内で」

■(旧)中小企業経営強化法 ⇒ (新)生産性向上特別措置法への変更
・平成31年までは両制度が併存する。
・旧制度は固定資産税の課税標準が1/2が限界だったが、新制度は1/2~最大0

■固定資産税の特例措置を受けるためには?
・設備導入促進計画を国に認めてもらう事
・市区町村の条例に定められていないと特例措置を受けられない
・また対象設備も市町村ごとに異なっている為注意が必要で条例の公布を待つ必要がある。
(⇒3月末頃を目途に全国の市町村が制定した条例を中小企業庁のHP上にUPする予定との事)

■設定のハードルは?
・先端設備導入計画の認定は経営力向上力計画は申請書2枚のみ
・法令の要件さえ整っていれば認定を受けることができる。

■新制度の施工日前に取得した設備の取扱いは?
・対象外なので注意。
・現行の制度では認定前に取得していても取得日から60日以内に経営力向上計画が受理されれば軽減措置を受けることができる。





5.検針日基準の代替的な取り扱いは容認せず

■電気事業及びガス事業における検針日基準に代替的な取り扱いを設けず
→新しい収益認識会計基準は、基本的に収益を見積り計上することが原則
→検針日基準を認めた場合には、他の業種から例外的な取扱いの追加の要望を受けることが懸念されるため。
→ASBJは、今後実務上見積が困難であれば再検討することも考慮するとしている。

■売上高又は使用料に基づくロイヤリティも代替的な取り扱いはなし。
→現行実務上、一定の場合には現金主義での収益認識が認められている。
→新しい収益認識会計基準では、現金主義での収益認識ができない。
→現金主義での収益認識を容認すれば、比較可能性を損なわせる可能性があるため。
→ASBJは、今後実務上見積が困難であれば再検討することも考慮するとしている。





6.審査事例:歯科矯正治療費に係る事業所得の総収入金額計上時期

■質疑応答事例による回答
<いわゆる治療基本料金の取り扱い>
(1)矯正装置の装着など一定の役務提供を行った時に基本料等の全額について請求し
受領することとしている場合⇒その役務の提供を完了した日
(2)期間の経過または役務の提供の程度等に応じて所定の基本料金等を受領することとしている
場合⇒その期間が経過した日またはその役務の提供を了した日
(3)(1)(2)以外
イ.支払日が定められている場合⇒支払日
ロ.支払日が定められていない場合⇒支払を受けた日
ハ.支払日が矯正治療を完了した日後とされている場合⇒治療を完了した日

■事例
A歯科では治療を希望する者に対し、治療費の振込先・治療費総額が記載された
書面を交付している(請求書との認識はない)。この場合、収入の計上時期はいつか?

書面が「請求書」にあたる場合⇒一定の役務提供を完了した日に計上
書面が「請求書」にあたらない場合⇒支払を受けた都度計上




7.電子申告義務化 PDFデータ対応の範囲は現行どおり

H32年4月1日以後開始事業年度より、
資本金1億円超の大法人は法人税と消費税等の電子申告が義務化される
すべての申告書と添付書類が対象で、
原則電子データで提出し、一部の書類はCSV形式やPDFデータで提出することができる。

PDFデータで容量が大きくなる場合は、
光ディスクで提出可能となるように法改正も見込まれている。




8.仮想通貨/活発な市場

仮想通貨の処理は「活発な市場」の有無で処理を分けている
「活発な市場」がある場合
・市場価格をBS価額とし、差額は損益とする
「活発な市場」がない場合
・取得価額をBS価額とする
・期末時点の処分見込価額が取得原価を下回る場合処分見込価額をBS価額とし、差額は損失とする

「活発な市場」の判断基準
⇒継続的に価格情報が提供される程度に、十分な取引量、取引頻度があること
2018/4月以降開始の期から適用だが、早期適用可能なので2018年3月期からの早期適用がありえる。





9.平成30年3月期の税務申告のチェックポイント~役員報酬~

(1)支給総額が同額である、源泉税額等の控除後の手取り額が同額であるか
(2)やむを得ない事情を除き、期首~3ヶ月以内の改定
※申告延長の場合、当期首からその指定された月数に2を加えた月数を経過するまで
(3)期中に減額改定が行われている場合、税務上認められる業績悪化改定事由、臨時改定事由に該当するか
(4)増額改定が過去に遡及して一括で払われる場合、遡及増額分を全額否認しているか
(5)出向法人で役員の場合、出向元に対して支払う当該役員に対する給与負担金について、
出向先で総会等の決議があり、出向契約で予め期間、金額が定められているか。
また、支払われた負担金は、定期同額または事前確定届出の要件を満たしているか。
(6)事前確定届出給与に該当する場合、届出が期限までに提出済みか
(7)業績連動給与に該当する役員退職給与で、H29.10.1以降に決議があったものは(※)、
業績連動給与の損金算入要件を満たすものを除き損金不算入にしているか
※決議が無い場合は、H29.10.1以降に支給されたもの





10.支配獲得時の資本連結

■主な資本連結
・投資と資本の相殺消去
・のれんの計上
・非支配株主持分の計上
■みなし取得日・売却日の取り扱い
・支配獲得日が子会社の決算日以外の日である場合、当該日の前後いずれかの決算日に支配獲得(株式の売却等)が行われたとみなして処理できる
■決算日の異なる子会社を取得した場合の取り込む財務諸表の範囲に関する留意点
・子会社の決算日と連結決算日の差異が3ヶ月を超えない場合=子会社の正規の決算を基礎として連結決算可能
(のれんの償却開始時期)
・原則=支配獲得日・・・子会社のPL連結期間と一致
・例外(親3末、子12末決算で4月末に100%取得)
(1)みなし取得日4/1・・・2Qからのれん償却(1QではPL取り込まない)
(2)みなし取得日6/30・・・3Qからのれん償却(1Qおよび2QではPL取り込まない)





11.外国子会社から受けた配当の益金不算入についての留意点

■ポイント
 (1)配当等の額の95%を益金不算入としているか
 (2)配当に係る外国源泉税額を損金不算入としているか

■対象となる外国子会社
内国法人が25%以上※を配当基準日以前6ヶ月以上から継続して保有している外国法人
※株式数か議決権数かいずれか高い方の割合
※租税条約で緩和されている場合は、その割合(日豪間は10%)

■外国子会社の配当が損金算入されている場合、受けた方も益金不算入の対象外となる



12.外国税額控除

外国税額控除のチェックポイント

①外国税額につき税額控除または損金算入のいずれを選択するか確認したか
⇒外国税額につき、損金算入を選択した場合、外国税額の繰越控除余裕額または繰越控除限度超過額はすべて打ち切られることに留意。

②外国税額控除を選択する場合、控除対象外国法人税はすべて加算(社外流出)調整が必要

③外国子会社配当の益金不算入規定が適用される配当金に係る外国源泉税は外国税額控除の対象とならない

④外国子会社配当の益金不算入制度が適用される配当がある場合、
配当等の5%相当額を国外所得金額に算入し、残額を国外所得金額から控除する

⑤過年度からの控除限度超過額ないし控除余裕額を当期に充当する場合、
古いものから先に充当し、同じ年に発生したものは国税⇒道府県民税⇒市民税の順に充当する




13.交際費の税務申告時チェックポイント

(1)税務上の交際費に該当するが、交際費以外の勘定科目で処理されているものの有無の確認
 「有」の場合、損金不算入額の計算対象に含めているか
(2)一人当たり5千円以下の少額飲食費(社内飲食費は除く)
 全額が税務上の交際費から除外されているか
(3)一人当たり5千円以上の飲食費(社内飲食費は除く)
 50%相当額が損金算入されているか
 ※中小法人(大法人の完全支配関係があるものを除く)が、
  年額800万円の定額控除限度額に係る規定を適用する場合は、いずれか有利な方を選択適用可能。
(4)上記(2)、(3)を適用する場合、一定書類の保存がされているか
 飲食等のあった年月日、参加人数等の一定の事項を記載した書類の保存が必要
(5)税抜経理方式を採用している場合
 交際費に係る控除対象外消費税額が発生した時に、交際費等の支出額に含めているか
(6)その他
・5千円以下か否かの判定時の金額
 税込経理方式は税込金額で、税抜経理方式は税抜金額で判定
・接待時の移動に要する交通費等
 する側  ⇒税務上の交際費に含める(接待等がなければ支出されなかった費用も含むため)
 受ける側 ⇒税務上の交際費に含めない





14.今3月期決算の実務ポイント 税務

・研究開発税制
 ⇒ 増加型を廃止、総額型に
 ⇒ 2年間の時限装置で控除率の上乗せあり
 ⇒ 「新サービス研究」を対象に追記

・所得拡大促進税制
 ⇒ 中小企業者以外の要件が厳格化(前事業年度の平均給与等総額を超えていること⇒前事業年度比2%以上増加)
 ⇒ 税額控除率は10%から22%に

・営業権の償却
 ⇒ 月割計算に変更



14.公開申請に伴い発生する費用

(1)証券取引所
1.上場審査料
東京証券取引所200万円、その他100万円

2.上場手数料
取引所/定額/変動
東京/1部1,500万円、2部1,200万円/株式数×価格×(公募:万分の9、売出:万分の1)
マザ/100万円/株式数×価格×(公募:万分の9、売出:万分の1)
ヘラクレス/400万円/上場時の時価総額により25万円~1,300万円
大阪/500万円/1単位(※)につき30円(上限1,500万円)
名古屋/300万円/1単位(※)につき26円(上限1,700万円)
JASDAQ/600万円/上場株式数により72万円~132万円

(※)投資単位が50万円とみなして次の計算により算出した調整後の上場株式数
投資単位調整後上場株式数=上場株式数×(実際の投資単位÷50万円)










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2018年3月23日金曜日

3/23 勉強会:資本政策のスケジューリング 他

1.IFRSを適用して新規上場した企業の減損テスト

減損テストの回収可能価額をどのように算定しているか?
■すかいらーく
・のれんのみ
・回収可能価額は使用価値にて算定
・使用価値=原則5年の事業計画の割引後CF

■コメダホールディングス
・のれんのみ
・回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値にて算定
・公正価値=3年以内の事業計画の割引後CFに事業の継続価値を加味

■スシローホールディングス
・のれんと、耐用年数を確定できない無形資産(企業結合により認識されたブランド)
・回収可能価額は使用価値にて算定
・使用価値=翌連結会計年度の事業計画を基礎+割引後将来CF

■プレミアグループ
・のれんと、耐用年数を確定できない無形資産(事業運営ノウハウ等の顧客関連資産)
・回収可能価額は処分コスト控除後の公正価値にて算定
・公正価値=マルチプル法で算定




2.役員退職給与適正額の算定に平均功績支給倍率1.5倍を適用

■争点(死亡退職慰労金の支給額…4.2億円は妥当)
・会社側:内規に基づく算定額4.2億円を支給(功績倍率6.50)
・国税側:類似法人の平均功績倍率による2.1億円が妥当(功績倍率:3.26)

■判決(東京地裁)
・平均功績倍率からのかい離を考慮して、平均倍率の1.5倍までを退職給与の相当額とする

■「1.5倍」の根拠
・従来もっとも多く支持されてきた平均功績倍率法を機械的に適用することへの疑問
・裁判所の肌感覚にすぎない(理論的根拠なし)

■問題点
・限度額のバーを平均倍率の1.5倍としたことに明確な根拠なし
・類似法人の選定が売上金額の倍半基準で国が選定した5件の類似法人をそのまま認めている




3.仕入税額控除で地裁が裁決と異なる解釈

■消費税の課税仕入れの区分
(事例)
・販売用の目的で建物を取得
・取得時点では住宅の貸付け等の用に供している

■裁決(H24.1/19 大阪国税不服審判所)
・課税仕入れ等を行った日の状況で判定
・課税仕入れの目的、課税仕入れ等に対応する資産の譲渡等の内容を勘案
⇒取得時点で賃貸の用に供しているから共通仕入と判定

■判決(H25.6/26 さいたま地裁)
・課税仕入れ等を行った日の状況で判定
・最終的に課税資産の譲渡等のコストになるものは課のみ仕入
⇒本件は、取得時点で賃貸契約を結んでいたため共通仕入と判定
⇒最終的に販売するのであれば課のみ仕入と判定される可能性も…

■業界の動向
積水ハウス:27年1月期から29年1月期までの3事業年度分を修正申告
ムゲンエステート:不服申し立てを行う予定





4.疑似ストックオプションを巡る税賠訴訟で税理士側が敗訴

■疑似ストックオプションとは?
本来のストックオプション:自社の株式を予め決めた値段で購入できる権利
疑似ストックオプション:ワラント(新株引受権付社債)を発行しワラント部分をストックオプションとして付与

■本件の概要
1、A社がB社に対して分離型新株引受権付きの社債を発行
2、A社がB社から新株引受権の部分だけを買い戻す
3、2の新株引受権をA社の代表取締役である納税者へ付与、平成15、16年にその権利を行使
4、納税者は税理士に行使した年分の確定申告を依頼、給与所得として申告書を提出
5-1納税者は平成26年に破産し手続き開始
5-2破産管財人(本件の原告)は平成15、16年に行った確定申告は課税関係が発生しないにもかかわらず給与所得として申告したことは善管注意義務違反であるとして訴訟提起

■権利行使時に課税関係が発生するか否か?
所得税法施行令84条第4項にある「有利な発行価格により新株を取得する権利」が疑似ストックオプションの課税関係を生じるのかどうか?(同法施行令84条は平成18年に改正)
⇒ストックオプションは譲渡性がない=付与時に経済的利益を観念する事が困難である為、行使時にしている。⇒一方、本件は第三者から買い戻したものを付与している=譲渡性があり市場価値があった。
⇒所得税法施行令84条の適用を認める合理性がないと判断された。

■税理士の善管注意義務違反があったかどうか?
1、16年分の確定申告資料に「新株引受権付社債」と記載された調書を添付している
2、所得の内訳に「ワラント行使」「新株引受権等行使」と記載していた
3、疑似ストックオプションという言葉は知らずとも本件の概要はわかっていた、文献もあったと述べていた
⇒適正な申告を行うべき義務に違反した・・と判断された。

■結果
原告側の主張を認め、3600万円の損害賠償を命じる判決を下した。現在、被告は控訴中





5.収益認識注記は重要な会計方針に含めず

■収益認識会計基準の適用時期
→2018年1月1日以後に開始する事業年度から早期適用が認められている。
→2021年4月1日以後に開始する事業年度から強制適用。

■早期適用段階では、注記事項は必要最低限とし、強制適用時まで注記事項は定めない。
→具体的には、「顧客との契約から生じる収益については、企業の主要な事業における主な履行義務の内容及び企業が当該履行義務を充足する通常の時点」を注記。
→有用性とコストの評価を十分に行うことができないため、早期適用段階では重要な会計方針の注記には含めず、個別の注記として開示することとした。


【収益認識の代替的な取扱い、金額に関係なく適用可】
■収益認識会計基準では、期間がごく短い工事契約及び受注製作のソフトウェア、出荷基準などの取扱いなどで代替的な取り扱いが認められている。
→代替的な取扱いを適用する際には、個々の項目の要件に照らして適用の可否を判定する必要であるが、金額的な影響を集計して重要性の有無を判定する要件は設けないこととした。





6.法人税:業績連動給与_中途退任者等の取り扱い

■業績連動給与の主な損金算入要件
・「利益の状況を示す指標」等を基礎に算定されていること
・有価証券報告書等で「客観的な算定方法の内容」等が開示されていること
・指標の数値が確定してから金銭や株式を一定の時期までに交付等していること

■「中長期」の指標を基礎に算定する場合に中途の退任や死亡退任があった場合
⇒有価証券報告書等において開示等しておけばよい

(記載例)
評価期間中において役員が退任した場合
⇒○年○月期の業績確定を待って、通常の算定方法に基づき算定した個別支給株式数及び
個別支給金額を評価期間中の在任月数を48で除した数を乗じて調整のうえ、○年○月に
支給します。

などと記載する

■交付期日要件
金銭については指標の確定日(=退任日)の翌日から1か月以内、株式であれば退任日の
翌日から2か月以内に交付等しなければ損金算入が認められないことに注意




7.固定資産税特例 認定支援機関による計画の事前確認を義務化

H30年度改正で創設される、
中小事業者等が取得した機械装置等の固定資産税を、
3年間、最大ゼロまで軽減できる固定資産税の特例

年率3%以上の労働生産性の向上が見込まれるかが論点になるが、
その事前確認として、「認定経営革新等支援機関」である税理士等に事前確認が義務付けられる。
⇒本当に向上が見込まれるか、外部機関の確認が必要であるため。




8.会社補償とD&O保険

・2月に公表された会社法制の中間試案に、「会社補償」と「D&O保険」の整備が記載されている
 ⇒会社がD&O保険に加入するための手続などが明記された
・会社補償:役員が職務執行のために過失なく損害を受けたときは、会社に対して賠償請求できる
・D&O保険:賠償額の填補を目的とした保険
・現行ではいずれも利益相反取引に該当し、会社による厳格な規制が適用される
 ⇒会社法で適切な規程を設けて運用する必要ありとされた
・D&O保険は免責事由や免責金額による制約があるので、外国から役員を招く会社等、
 D&O保険と会社補償の両方の制度を用意している会社もある




9.税効果会計及びマイナス金利の実務ポイント

・税効果会計基準一部改正案(現在、案を公表し、パブリックコメントを募集中)
 ⇒ 国際会計基準表示区分をすべて非流動区分に表示(繰延税金資産は投資その他の資産、繰延税金負債は固定負債)
  ⇒ 評価性引当額を、「税務上の繰越欠損金に係るもの」「その他」に区分しで注記する
 ⇒ 繰越欠損金に係る重要な繰延税金資産を回収可能と判断した理由を注記する

・マイナス金利の扱いについて、当面の取り扱いとして「マイナスをそのまま利用」「ゼロを利用」いずれも選べる、を延長。





10.資本政策のスケジューリング

大きく以下の4つの時期に分けて考えることができる。
(1)オーナー一族の持株調整期
⇒資本政策の開始時点で、もっとも安価に増資あるいは株式を移動できる期間
⇒主目的は、オーナー一族の持株を増加させることであり、
 以降のステップで外部株主が参入してくるのに備えることである。

(2)役員・従業員の持株調整期
⇒ある程度上場の目処がついてきた段階
⇒株式保有の方法として、従業員持株会やストック・オプションなどの インセンティブ・プランを導入

(3)安定株主の持株調整期
⇒金融機関・取引先等の外部株主を参入させ、上場後の安定株主作りを行う期間
⇒割当先および株数は、将来を見据えて、取引関係、営業上の支援等を考慮して決定

(4)発行済株式数の調整期
⇒株式上場が近づいてきた時点で最終的に申請時の発行済株式数を調整するための期間
⇒株式分割などにより発行済株式数を調整













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