2019年11月28日木曜日

9/13 勉強会:施行日をまたぐ消費税の適用税率 他

1.施行日をまたぐ消費税の適用税率

■売上計上方法により適用税率が異なる場合
・9月末に販売した商品を10月1日以降に発送した場合
 ⇒販売時に継続的に売上を計上している場合は、発送が10月1日でも旧税率が適用される。
 ⇒発送時に売上を計上している場合は、10%が適用される。

■売手と買手で計上基準が異なる場合
・出荷基準で売上計上している事業者と検収基準で仕入計上している事業者の取引で、
 商品出荷日が9月中、納品日が10月1日以降の場合、売手が8%で請求しても買手は10%で仕入税額控除できるのか。
 ⇒請求書等でその取引に係る消費税率が明らかな場合は、買手側は8%で仕入税額控除を行う。
 ⇒不明確な場合は買手側の会計処理により算出した仕入税額控除をすることが認められている。




2.会社法改正で株対価M&Aが本則化も

■今度の税制改正要望(令和2年度税制改正)
・株対価M&Aにおける買主株主の株式譲渡益について課税繰り延べ措置を講ずる

■会社法の「株式交付」定義
・株式会社が他の株式会社をその子会社とするために当該他の株式会社の株式を譲り受け、当該株式の譲渡人に対して当該株式の対価として当該株式会社の株式を交付するもの
⇒三角株式交換はダメ??
⇒税法上の「株式交付」をどう定義するかは今後議論





3.通達評価額に乗じた節税策に警鐘を鳴らす

不動産等を相続した相続人らが、取得した財産の価格を評価通達が定める評価方法によって算出、相続税を申告。相続財産の一部の土地及び建物の価額につき評価通達の定めにより評価することが著しく不適当と認めれらるとして、評価通達によらない評価方法での評価を行った更正処分の取り消しが求められた事案。

【判決】
評価通達6項を適用し、通達評価額ではなく鑑定評価額を相続税法上の時価と結論。
⇒通達評価額と鑑定評価額ではほぼ4倍の乖離が生じる
⇒節税や租税回避の意図があった

■評価通達6項とは
「この通達の定めによって評価すること が著しく不適当と認められる財産の価額は、国税庁長官の指示を受けて評価 する」




4.監査報告書に限定付意見の理由を記載

■概要
監査基準が改訂され、限定付意見とする場合、意見の根拠の区分の記載事項として以下を記載することを明確化される。
「除外した不適切な事項及び財務諸表に与えている影響」
「これらを踏まえて除外事項を付した限定付適正意見とした理由」

■背景
現行の監査基準では、意見の除外により限定付適正意見を表明する場合には、監査報告書の意見の根拠の区分において、「除外した不適切な事項及び財務諸表に与えている影響」を記載する中で、不適正意見ではなく限定付適正意見と判断した理由についても説明がされることを想定しているが、実際には説明が不十分な事例が見受けられ、財務諸表利用者にも分かりやすい説明することが求められている。




5.賃上げ税制 継続雇用者と休職

■概要
いわゆる賃上げ税制では「継続雇用者」への給与等支給額が対前年比で一定割合増加
していることが適用要件の一つとされている。

■継続雇用者とは
法人の適用年度及び当該適用年度開始の日の前日を含む事業年度の期間内の各月において
当該法人の給与等の支給を受けた国内雇用者として政令で定めるもの
⇒簡単にいうと前期と今期のすべての月に給与等の支給を受けている者

■休職者の扱い
休職中に給与の支給がない場合:継続雇用者に該当しない
休職中にたとえば産休手当や育休手当の支給がある場合:継続雇用者に該当する

⇒休職中であっても1円以上の給与等支給があれば継続雇用者に該当する




6.罰金:不納付加算税について

■不納付加算税とは
源泉所得税の納付漏れがあったことに伴い発生する税金の罰金
・1日でも遅れた場合発生する。
・自主的に納付した ⇒ 源泉所得税×5%
・税務署からの指摘 ⇒ 源泉所得税×10%
ただし、計算後不納付加算税が5,000円未満となる場合は納付は不要

なお延滞税は別途発生。(少額の場合はなし)

■正当な理由がある場合
次のケースは「正当な理由」とのことで不納付加算税は発生しない
・従業員が提出したマル扶に誤りがあり、源泉所得税が少額となっていた。
・直近1年内に源泉所得税の納付漏れがなく、法定期限後1月以内納付。
・災害等による納付の遅延。

■裁判事例
・賃貸人である個人へ賃借料を支払う。
・賃貸人が居住者から非居住者になった。
・源泉徴収せずに賃借料を支払い。

賃借人は賃貸人と接触した事実がない。
契約締結時以降、一貫して賃貸人の口座に自動振替されており、
賃貸人からの請求書等は一切発行されなかった。
⇒賃借人は賃貸人の実態を「知る得る状況になかった」と判断をし、
納付しなかった源泉所得税に伴う不納付加算税は発生しなかった



7.金融庁、継続監査期間の算定方法を確認

・提出会社が有価証券届出書提出前から同一の監査法人から監査を受けている場合
 ⇒ 提出前の監査期間も含める

・提出会社が合併等している場合
 ⇒ 取得企業の過去の監査期間を含める
 ⇒ 被取得企業の過去の監査期間は含めない

・監査法人が合併等している場合
 ⇒ 合併前の監査期間を含める

例)PwCあらたの監査を受けている会社で、継続監査期間を「2006年以降」と開示した会社があるが、
 前身の中央青山監査法人による監査期間を含める必要がある可能性あり。

・監査業務を執行していた会計士が異なる監査法人に異動し、異動後の監査法人でも継続して監査を行った場合
 ⇒ 異動前の監査期間を含める

・なお、継続監査期間の算定が著しく困難な場合、注記にその旨をコメントする。




8.監査役としてKAMに期待すること ~花王㈱常勤監査役インタビュー~

・KAM
⇒「監査上の主要な検討事項」
 2021年3月期から適用、2020年3月期から早期適用可。
 監査役等が会計監査人と協議した事項の中から選定され、監査報告書に記載される。

・同業のグローバル企業はすでに導入済み。
 花王も外国人持ち株比率が45%以上と大きいため、早めに対応すべき。
⇒2019年12月期の監査計画の中では、会計監査人と議論しつつ試行している状況。

・KAMの記載をすることになった目的を意識しつつ、企業価値の継続的増加に結び付けていくことが重要。

・KAMの記載によって、監査する側がどのような点を注視しているか、がより明確になる。
⇒今までは監査の方針しか記載がなかった。

・監査報告書が企業価値の増大と投資家の信頼性向上につながってほしい。




インセンティブ報酬の税務上の留意点

■役員給与の区分と税務上の取り扱い
A=BおよびC以外の給与
⇒3類型のいずれかに該当する=損金算入
⇒3類型のいずれにも該当しない=損金不算入
B=業績連動給与以外の退職給与、使用人兼務役員の使用人分給与
⇒損金算入
C=不正経理による給与
⇒損金不算入
※ただし不相当に高額な部分の金額は損金不算入となる
※3類型とは
 定期同額給与/事前確定届出給与/一定の業績連動給与
■損金算入できる役員給与
a=事前確定届出、b=業績連動給与(退職給与含む)、c=退職給与(業績連動給与以外)
(1)新株予約権(非適格SO)=a,b,c
(2)特定譲渡制限付株式(事前交付型リスクテッドストック)=a,c
(3)事後交付型エクイティ報酬(株式報酬/株式交付信託等)=a,b,c
■事前確定届出給与の対象となるエクイティ報酬
・特定譲渡制限付株式(いわゆる事前交付型リスクテッドストック)
・特定新株予約権
・事後交付型エクイティ報酬
・株式交付信託
■業績連動給与の対象となるエクイティ報酬
・特定新株予約権
・事後交付型エクイティ報酬
・株式交付信託




10.のれんと減損に関する審議状況~IASB&FASB~

■共通認識
のれんの減損テストの費用と便益のバランスに問題あり

■IASB(日本)
・減損テストの手続きは煩雑であり、測定しても減損損失が適切に認識されない
⇒but手続を変更することによる改善は不可能
⇒so手続を維持しつつも、企業結合に関する開示を充実させたい

■FASB(米国)
減損テストの簡素化を目指す
⇒非公開企業にはのれんの償却を容認している
⇒今後は公開企業にも簡便な処理の選択肢を与えるか、意見を集めている





11.「時価の算定に関する会計基準」等の解説

■主な変更点
・金融商品における時価の定義が国際的に整合的なものとなるように変更
→時価は、算定日における価格、市場参加者目線、出口価格とされた。

・その他有価証券の月中平均価額に関する取扱い
→時価の定義を算定日における価格としたことに伴い削除。

・第三者から入手した相場価額の利用にあたり、当該価格の検証を要求
→各企業が状況に応じて、適切な手続きを行うことが必要である。

・時価を把握することが極めて困難なものの取扱いの削除
→観察可能なインプットを入手できない場合でも、入手できる最良の情報に基づく、観察できないインプット基づき時価を算定する必要がある。



12.収益認識基準適用後の有償支給取引

■従来の実務
ほぼ全量を加工後に売り戻すことが予定されており、有償支給材料等の価格変動リスクを負っていない場合は、リスク負担の観点から加工代相当額のみを純額で収益として表示

■収益認識基準適用後の会計処理
 買戻し義務の有無にかかわらず、支給品の譲渡に係る収益を認識することはできない。

■支給先が買い戻す義務を負っていない場合
・企業は支給先への支給時に当該支給品の消滅を認識し、棚卸資産の帳簿価額をマイナスする。
・支給品の譲渡にかかる収益は認識することはできず、有償支給取引に係る負債を認識する。

■支給元が買い戻す義務を負っている場合
・支給品の譲渡にかかる収益を認識することはできない。
・原則として、当該支給品の消滅を認識することはできず、棚卸資産に計上したままになる。
・代替的に、個別財務諸表では支給品の譲渡時に支給品の消滅を認識することが認められている
・連結財務諸表では、原則どおり、支給品のオフバランスは不可。
⇒連結修正仕訳において、借方計上し、棚卸資産の帳簿価額と同額の有償支給取引に係る負債を計上する。



13.ソフトバンクG、WeWorkに上場延期要請

・ソフトバンクグループが投資先の米シェアオフィス大手ウィーカンパニーに対し、
9月予定の新規株式公開を延期するよう求めているとのこと。
・投資家がウィーの事業モデルや企業統治に懸念を示し、上場時の想定時価総額が1月時点から半減する見通し。
上場後の株価低迷を回避する狙いと
・ソフトバンクGは傘下の「ビジョンファンド」を通じて累計100億ドル(約1兆円)超を投資している。
・ウィーの主幹事が投資家への聞き取りをもとに条件決定時の想定時価総額を算定したところ、200億ドル程度にとどまる見通しとなった。
・ソフトバンクGが1月に出資した際に見積もった評価額は470億ドル




14.のれんの会計処理に関する国際的な議論の動向

国際会計基準審議会(IASB)はのれんに関する議論に取り組んでおり、「識別可能な無形資産とのれんの事後の会計処理」に関するコメント募集を公表した
→のれんの償却を導入すべきか、のれん減損テストを修正すべきか等が論点となっている

米国会計基準ではのれんは非償却/減損テストのみとなっている
→当該論点について、①現行を維持する見解と②償却及び減損モデルへの移行する見解の双方が上げられている
→①の見解は、のれんの価値は規則的に下落しないことや減損は投資の失敗を示すものであり、償却により当該情報提供の可能性が低下する等
→②の見解は、企業結合のコストは、便益を認識する期間に配分すべき点や償却により企業および監査人のコスト節減となる可能性ある等

コメントリサーチの結果をディスカッション・ペーパーで2019年第4四半期に公表予定。
→IASB会議では減損のみとする見解となったが、僅差(14票のうち8賛成、6反対)のため両モデルを支持する主張を記載予定となっている


15自社ポイント_施行日前の売上に係るポイントも使用時の税率で処理

■売上返還時の自社ポイントの取扱い
売上対価の返還等の処理は、売上時の税率によることとされているが、事業者は当初の売上時である自社ポイント「付与時」の税率で売上対価の返還等を行う必要があるか。
⇒仮にそうであった場合、10月1日前の8%時に付与されたポイントについては、8%で売上対価の返還等の処理を行わなくてはならない。

■結論
自社ポイントの使用については、当初の売上時である自社ポイント「付与時」の税率ではなく、ポイント「使用時」の税率で売上対価の返還等の処理を行うことになる。
⇒国税庁が公表した仕訳例によると、自社ポイントの使用は、「課税売上げの対価1,000円(消費税額80円)」、「対価の返還等1,000円(消費税額80円)」の両建てで処理されており、ポイント「使用時」に売上計上と対価返還が同時に行われたものとして取り扱われている。
⇒そのため、ポイントごとに付与時の税率を把握しておくといった厳格な管理は不要。















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2019年9月13日金曜日

9/6 勉強会:日本基準とIFRSの違い_引当金 他

1.海外子会社役員への株式報酬にニーズ

海外子会社の外国人役員に日本の親会社の株式報酬を付与したいというニーズがある。

■問題
・付与するには証券会社に常任代理人業務を引き受けてもらう必要があるが、手間やコンプラリスクがあるため、証券会社は引受けに消極的。
・企業側でも海外税制、証券規制、為替規制等について高額な調査費用がかかる。

■解決策
・ストック・アドミニストレーション※というサービスを提供する企業が日本に進出して来ている。
このサービスにより企業は低コストでの情報収集とリスク管理が可能。
※タックスヘイブンに信託を創って日本の親会社の株式をプールし、そこからグローバルに株式報酬を付与するスキーム。





2.経済合理性が認められた組織再編等スキームとは

■事例
・国内、海外合わせて9社あまりの組織再編(うち、国内法人5社を合併)
・同族会社である海外法人から対象会社(日本法人)が多額の借入(合計1361億円)
・当該借入は、対象会社以外の日本法人株式(他のグループ会社が保有)を買い受けるための資金
・海外法人に対する支払利息を損金算入
⇒株の買付資金として多額の借金したが、グループ内での株の売買にあてられ、最終的には合併
⇒支払利息の負担が、法人税額を不当に減らす行為として、行為計算否認。更正処分を受けた。
⇒ただし、違法な処分として訴えたところ、東京地裁では請求が認容された。

■経済合理性の説明
・一つ一つの行為が、組織再編の目的と整合しているか
・組織再編の目的(複数)を同時に達成しようとすることの合理性と原告から見た経済合理性を考慮
(例)本件組織再編では以下のような目的があった
(1) 日本における会社関係を1つの会社の傘下にまとめること
(2) 日本における当該事業の会社を1つの法人にまとめること
(3) 日本の資本構造に借入金を発生させること
(4) 米国税制の観点から柔軟性を有する日本の企業体を活用すること など、8つの目的が掲げられていた。





3.消費税率引上げ後の不正還付に強い懸念

■東京国税局長、美並氏のインタビュー
重点施策の1つとして調査事務を掲げた。
⇒消費税担当者の増員し、情報収集・分析、調査企画の量的な面での向上を図る。
⇒国際的な取引はCRS(共通報告基準)に基づく金融口座情報を有効活用することにより、海外取引や資産を的確に把握し、税務調査等を実施していく。
⇒シェアリングエコノミーなどの新分野の経済活動への対応は、お尋ね文書を送付するなど、取引内容を確認し、厳正な調査を実施する。





4.相続開始=地位の継承事実を知った時

・民法において、「相続人は相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に、単純もしくは限定承認又は放棄しなければならない」と規定されている。

・再転相続においても、「相続の開始があったことを知った時」から起算される。
⇒具体的には、相続の承認または放棄をしないで死亡した者の相続人が当該死亡した者からの相続により、相続人としての地位を自己が継承した事実を知った時である。





5.収益認識基準、2021年4月1日から適用へ

■概要
収益認識会計基準の注記事項、表示の取扱いに関して、ASBJにて検討を行っており、2020年3月末までに公表する予定である。その前提で、これらの注記事項等の取扱いを盛り込んだ改正後の収益認識会計基準がいつ適用開始となるか。

■結論
注記事項等を定めた改正後の収益認識に関する会計基準は、2021年4月1日以後開始する事業年度等の期首から適用する方針。2020年4月1日以後開始する事業年度等の期首から早期適用可能。



6.裁決例 財産評価通達6項の適用による節税防止

■財産評価通達6項
評価通達の定めにより評価することが著しく不適当な場合に国税庁長官の
指示で評価する定め

■概要
・被相続人Aは銀行借入(8億円)により不動産Bを8.3億円で購入
・相続時における不動産Bの評価通達による評価額は2億円
・借入金8億円を債務控除して申告、納税0
⇒不動産Bの通達評価額(2億)と借入金(8億)の差額を利用した節税スキーム

国は不動産Bの評価が著しく低いとして<財産評価通達6項>のよる評価を求めて争った

■結果
東京地裁は<財産評価通達6項>の適用を認め、不動産Bの評価額を鑑定評価額の
7.5億円として国側の主張を認めた。




7.消費税:簡易課税制度届出の「特例」に属する期間

軽減税率制度適用に伴い、
特例として進行年度中の届出で簡易課税制度を適用することが可能となる。

■原則
適用を受けようとする課税期間の前課税期間の末日までに提出

■軽減税率に伴う特例
以下適用対象期間において簡易課税の届出を行ったとしても、
提出した事業年度より簡易課税制度が適用可能

適用対象期間:2019/10/1-2020/9/30を含む期間

■例
・3月決算法人
⇒2事業年度分において簡易課税が適用可能
・9月決算法人
⇒1事業年度のみ適用

■留意点
・1度提出してしまうと2年間は継続適用とする規定にかわりはない
・上記の特例を使用できるケースは、
業務上標準税率(10%)と軽減税率(8%)に区分することに「困難な事情」がある場合に限る



8.内部監査の高度化(信頼されるアドバイザー)

・金融庁が、「金融機関の内部監査の高度化に向けた現状と課題」を公表。

・内部監査を4つの水準で評価。
第一段階:事務不備や規定違反等の発見を通じた営業店への牽制機能の発揮
第二段階:高リスク領域の業務プロセスに対する問題提起
第三段階:内外の環境変化等に対応した経営に資する保証を提供
第四段階:保証やそれに伴う課題解決にと止まらず、信頼されるアドバイザーとして、経営戦略に資する助言を提供

・大手金融機関は第二段階~第三段階に位置する企業が多いと評価。
⇒内部監査部門にマネー・ロンダリング、サイバーセキュリティといった高リスクの専門分野におけるチームを設置など

・地域金融機関においては人員削減が進展している中、経営陣の関与の度合いによって内部監査の水準に大きな差が生じていると指摘。


監査法人の「継続監査期間」の開示状況

・2018年公表の金融審議会のディスクロージャーワーキング・グループ(DWG)報告では、「情報の信頼性・適時性の確保に向けた取組み」の一例として、「監査人の継続監査期間」の開示が挙げられている。
⇒監査法人のローテーション制度が導入されていない中、継続監査期間は、監査人の独立性を判断する観点から重要な情報である。

・2020年3月期の有報から、「監査の状況」欄において、監査法人の「継続監査期間」の開示が求められる。
2019年3月期から早期適用可(83社)。
 (内訳)
1~5年 :16社(3社:IPO、13社:監査人の交代)
6~15年:29社
16年~ :38社
⇒監査法人交代後、15年以内の会社が多い。

・継続監査期間の記載方法は複数あり
⇒「○年間」が最も多い。特に決まりなし。



10.IPO後のテンバガー銘柄(※)

(※)株価が10倍に跳ね上がった銘柄

1.ZOZO
2007年初値100円、2018年4,875円、約49倍
2.カカクコム
2003年初値174円、2018年2,664円、約15倍
3.エン・ジャパン
2001年初値226円、2019年4,605円、約20倍

■2018年に新規上場したIPO銘柄は1年後どうなったか
・テンバガー銘柄はなし
1.ファイバーゲート(商業施設やマンション向けにWi-Fiを提供)
2018年3月初値1,194円、2019年5月4400円、3.7倍
2.ラスクル(WEBから印刷物を注文できる印刷通販サイト)
2018年5月初値1,645円、2019年3月5,340円、3.2倍

・初値から7割、8割下げている銘柄が多い。
・2018年1月~6月でIPOは36件であるが、30以上の銘柄はマイナス

※初値は調整後、その後の価格は高値



11.日本基準とIFRSの違い_引当金

■認識要件
日本基準:4要件をすべて満たす場合に認識する
IFRS:3要件をみたす場合に認識する
→IFRSの方が要件が少なく(範囲が狭い)、現在の債務か否か等で日本基準とIFRSで差が生じている
→設備等の大規模修繕等に備えて計上する修繕引当金について、日本基準では引当金の4要件を満たすため、引当金を計上するが、IFRSでは回避可能な債務(設備売却等で修繕不要となる)であるため、引当金を計上しない。
→有給休暇引当金はIFRSでは企業の債務と考えられるため引当金計上するが、日本基準では明確な規定がないことや実務慣行から引当金計上していない。


日本基準の4要件
・将来の特定の費用または損失であること
・その発生が当期以前の事象に起因すること
・発生の可能性が高いこと
・金額と合理的に見積もることができること
IFRSの3要件
・企業が過去の事象の結果として現在の債務(法的または推定的)を有している
・債務の決済のために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高い
・債務の金額について信頼性のある見積ができる




12.税率差額の別途請求でも区分記載への対応が必要

2019年10月1日をまたぐ取引に係る対価を施工日前に請求する場合に、10月1日以後の期間を含む全期間分の消費税額を税率8%で請求し、施工日以後に差額2%相当額を請求するケースがある。
10月1日以後に行われた課税仕入から区分記載請求書等の保存が仕入税額控除の要件となるため、注意が必要となる。

■区分記載請求書等保存方式は10月以後の課税仕入れから
・区分記載請求書等保存方式は、2019年10月1日以後に行われた課税仕入れから適用
・一つの請求書において旧税率と新税率が混在するときは、旧・新税率ごとに合計した税込対価の額が記載されたものでなければ、区分記載請求書等の要件を満たさない。

■税率差相当額を請求する場合の対応
・契約期間が2019年10月1日をまたぐことにより旧税率8%と新税率10%が混在する取引について、
①施工日前に全期間分の消費税額を8%で算出して請求し、②施工日以後に差額2%相当額を請求する場合
⇒差額請求の際に、既請求内容を踏まえた区分記載請求書等を交付する方法
⇒既請求内容のうち2019年10月1日以降分の請求金額が変わるということで、新税率10%に基づく2019年10月以降の期間に係る請求書(明細書等)を交付する方法
この場合、仕入側は、既請求書と新たに交付された請求書(明細書等)を合わせて保存することで仕入税額控除の要件を満たす。















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2019年9月2日月曜日

8/30 勉強会:ポイント還元制度 他

1.令和2年度税制改正の論点

■連結納税
・現時点では、開始、加入時の時価評価課税、欠損金の切捨て、グループ調整計算に関する議論は膠着状態。
■国際課税
・電子経済に対する新たな課税(デジタル課税)の国内法改正が実現する可能性は低い。
■租税特別措置法
・法人実効税率の引き下げが議論される可能性は低い。
■税務手続きの電子化
・個人住民税の特別徴収税額通知の電子化が検討されている。




2.収益の表示、従来どおり「売上高」も可

■収益認識会計基準
・2021年4月1日以後開始の事業年度から強制適用
(2018年1月1日以後開始する事業年度からも早期適用可)
・表示・注記は強制適用時期まで検討する、となっていた。

■表示方法
・明確化、統一化すべきとの意見があった
・が、これまでも実態に応じて適切な表示科目が用いられてきたので一定の科目に統一することのコンセンサスを得るのは難しい
・企業の実態に応じて決める方向に。






3.令和2年改正で消費税の申告期限延長も

 消費税の申告期限の延長が令和2年度税制改正議論の対象となる可能性がある。

■消費税には申告期限の延長制度はないため、業務負担や「働き方改革」に反するのではないかとの指摘が、消費税の申告延長論を後押ししている。
「業務負担」:消費税の申告を済ませた後、法人税の申告プロセスで新たな調整項目が見つかった場合には、消費税の修正申告、更生の請求を行わざるを得なない。
「働き方改革」:3月決算法人ではGWを返上して5月中に申告を行わなければならいとういう実態が生じている。




4.軽減税率制度

■飲用後、回収される空びんの取扱い
空びん回収時に飲食店に支払うびん代は飲食料品の対価ではない。
⇒飲食店から容器保証金を受領していない場合、びん代には標準税率が適用されるが
びん代を飲料の売上値引として処理することも認められている。
容器保証金は単なる預け金であり、課税の対象にはならない。

■製作物供給契約による飲食料品の販売
取引が製造販売or賃加工により適用税率が異なる。
製造販売⇒飲食料品の譲渡として軽減税率の対象
賃加工⇒役務の提供として標準税率の対象





5.税金費用、損益計上から変更へ

■論点
「その他の包括利益に対する課税」に関しては、
連結納税加入時にその他有価証券が税務上時価評価された場合などにおいて、
所得等に対する法人税、住民税及び事業税等が課される場合があるが、
当該税金費用について、その他の包括利益から控除して表示することが適切ではないか。

■考え方
税金費用は税金の発生源泉となる取引等に起因して生じるものであり、
当該取引等の処理と整合させ、所得を課税標準として課される税金については、
損益、その他の包括利益及び資本の各区分に計上すべき

■結論
現行の損益に計上する取扱いから、
当事業年度の所得等に対する税金費用を、
当期純利益、その他の包括利益及び株主資本項目に区分して計上する取扱いに改正する方向




6.Google広告が仕入税額控除の対象に

■請求業務の住所が変更に
Google広告の請求業務に係る拠点が海外⇒国内に変更(2019年4月より)
※Google広告は事業者向け電気通信利用役務の提供に該当

■変更前
リバースチャージの対象
※ただし、課税売上割合95%以上の場合は経過措置により当面適用なし
⇒結果的に不課税仕入れで処理

■変更後
取引相手が国内事業者のため通常の国内取引に該当
⇒課税仕入れで処理





7.消費税:電気通信利用役務の提供に再確認

■ポイント
「事業者向け」か「消費者向け」か正確に把握することが重要
・事業者向け
インターネット上での広告の配信やゲームをはじめとするアプリケーションソフトを、
インターネット上のWEBサイトで販売する場所を提供するサービスなど
主にFacebook広告など

・消費者向け
事業者向け取引以外のものが該当
⇒国外事業者からの請求書に消費税が課されているか確認
⇒相手側が日本において登録をうけている事業者か否か確認

■フロー
(1)事業者向けか消費者向けかの判断を行う
(2)事業者向けの場合
・課税売上割合が95%以上⇒課税対象外
・課税売上割合が95%未満⇒リバースチャージ方式の適用
(3)消費者向けの場合
・登録国外事業者である⇒課税対象
・登録国外事業者でない⇒課税対象外




8.一体的開示と表示方法の変更

・金融庁と法務省で、有価証券報告書と事業報告等の一体的開示を行いやすくする環境整備について議論。
・その一環として、表示科目の名称の共通化の考えを示した。
・ヒーハイスト精工は、従来、
計算書類では「原材料及び貯蔵品」
有報では、「原材料」「貯蔵品」を区分掲記していたが、
上記の動きを受け、有報でも「原材料及び貯蔵品」とした。




企業会計基準第30号「時価等に関する会計基準」等の概要

・企業会計基準委員会(ASBJ)は、7/4、上記基準を公表。

■概要
・時価算定に関する詳細な規程なし。
⇒IFRS、US-GAAPとの整合性、国内外のF/Sの比較可能性を高める。
・基本的にはIFRS13号「公正価値」を踏襲している。
⇒金融商品・トレーディング目的の棚卸資産が対象。
・時価の定義
⇒売却価額(購入価額ではない)
・時価の算定
①レベル1のインプット⇒企業が入手できる活発な市場の資産・負債の相場価格(例:株価)
②レベル2のインプット⇒資産・負債について直接又は間接的に観察可能なインプット(例:金利)
③レベル3のインプット⇒資産・負債について観察できないインプット(例:ボラティリティ)

・「時価を把握することが極めて困難と認められる」の文言削除
⇒上記の有価証券・デリバティブ取引であっても、入手できる最良のインプットに基づいて時価を算定。
⇒一方で、市場価格のない株式等については、何らかの方法で算定したとしても、それを時価とはいわない。

・投資信託
⇒時価会計基準公表後、1年をかけて検討を行う。

・開示
⇒時価のレベルごとの残高、評価技法、インプットの説明を注記。

・適用時期
⇒2021/4/1以後開始する事業年度(早期適用は、2020/4/1以後開始する事業年度)。




10.香港デモ長期化、8月の新規上場1社どまり

・6月に始まった香港の「逃亡犯条例」改正案をきっかけとする大規模デモは80日以上続いているが、収束の兆しが見えない。
・香港は18年の新規株式公開(IPO)が世界1位だった。
・それが8月は27日時点でわずか1社であり、約6年ぶりの低水準になる可能性がある。
・6月以降、不動産開発の易商紅木やビール最大手アンハイザー・ブッシュ・インベブのアジア子会社などが大型上場を取りやめた。
・8月中にも上場するとの観測があった中国電子商取引大手、アリババ集団は秋以降に仕切り直す方向。




11.IFRSと日本基準の相違点_ヘッジ会計

■ヘッジ会計モデル
IFRS:ヘッジ関係(公正価値ヘッジ、キャッシュフローヘッジ、在外持分に対するヘッジ)に対するヘッジあり
日本基準:相場変動を相殺またはキャッシュフローを固定するヘッジあり
→特別な処理として金利スワップの特例処理(時価評価しない)、為替予約の振当処理(ヘッジ対象を固定)あり

■非金融商品に関するヘッジ
IFRS:非金融商品に関してもヘッジ対象に指定できる。
日本基準:外貨による予定取引の為替リスク以外に、非金融商品に関するリスクをヘッジ対象にできない。

■外貨建債権債務に関するヘッジ
IFRS:外貨建債権債務もヘッジ適用可能。
日本基準:外貨建債権債務は振当処理を除き、ヘッジ対象とできない



12.ポイント還元制度

■概要
消費者が中小店舗で商品やサービスを購入する際に、キャッシュレス決済(クレジットカード、電子マネー、QRコード決済など)にて代金を支払った場合、購入額の最大5%のポイントが付与される制度

■仕組み
①政府がクレジットカード会社などのキャッシュレス決済事業者を募集し選定
②店を経営している中小企業は、キャッシュレス決済事業者に登録を行い、キャッシュレス端末などのキャッシュレス手段を提供してもらう
③消費者が対象の店舗でキャッシュレスで支払いをすると、クレジットカード会社などのキャッシュレス決済事業者などが、いったん消費者にポイントを付与し、その負担分を後から国が補助

■期間
現状、制度実施期間は増税後9ヶ月間(2019年10月1日~2020年6月30日)。

■還元率
5% ⇒ 中小企業や個人が経営する小売、飲食、宿泊など
2% ⇒ コンビニ、外食、ガソリンスタンドなどのフランチャイズチェーン
還元なし ⇒ 上記以外の店舗、大手スーパー、百貨店など

■還元対象金額
実際に支払う税込金額に対して還元

















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