1.法人税改正の留意点をQ&Aで読み解く
■生産等設備投資促進税制
【概要】
・一定以上の投資をした場合、
新たに国内で取得等した「機械装置」について、
30%特別償却 or 3%税額控除 を受けることが出来る
・適用期間:H25.4.1~H27.3.31 までの間に開始する事業年度
・要件:
(1)国内における生産等設備への年間総投資額>当期の減価償却費
(2)国内における生産等設備への年間総投資額>前期の総投資額×110%
【留意点】
①賃貸借処理をしたリース資産のリース賃借料
⇒減価償却費に含める
②適用期間内に、生産等設備等を取得かつ事業供用しなければならない
EX)3月決算法人
適用事業年度
A: H25.4.1~H26.3.31
B: H26.3.31~H27.3.31
H25.1.1取得 ⇒ H25.6.1 供用 ×
H26.1.1取得 ⇒ H26.6.1 供用 ○
H27.1.1取得 ⇒ H27.6.1 供用 ×
2.税抜価格の強調表示が可能に
■消費税の「転嫁対策法」が平成25年10月1日に施行
・総額表示の義務付けを撤廃
→平成29年3月31日まで
・税抜価格の強調して表示することも可能
フォントを大きくする
目立つ色使いにする
当局、確認書での安易な重加賦課を注意
■当局の対応
・課税当局側が重加算税の賦課について慎重な姿勢を取るようになった
→重加算税賦課決定処分が取り消される事例が多くなってきたため
3.IPO準備企業もIFRS適用が可能に
■現行のIFRS任意適用要件
①発行株式が取引所に上場されている
②有価証券報告書において、連結財務諸表の適正性を確保するための
特段の取組に係る記載を行っていること
③指定国際会計基準に関する十分な知識を持った
役員又は従業員がその基準に基づいて連結財務諸表を
適正に作成できる体制を整備していること
④次の要件のいずれかを満たすこと
イ、外国法令に基づき国際会計基準に従って作成した
企業内容等に関する書類を開示していること
ロ、外国金融商品市場の規定に基づいて、イを行っていること
ハ、外国に連結子会社(資本金20億円以上のものに限る)
を有していること
■今後のIFRS任意適用要件(案)
・現行から①と④を除いたもの。
・上場企業以外でもIFRS任意適用要件が可能に
・上場準備企業が株式公開のための財務諸表をIFRSで作成できる
・約4,000社が適用可能になる計算
4.海外出向者の給与負担を巡り寄付金課税も
■前提
・海外子会社への出向社員に対し、
国内親会社と同水準の給与を保証するのが通常
・その給与は海外子会社が負担する
ただし海外子会社との給与差額を国内親会社が支払った場合、
その差額は国内親会社で損金算入可能
(参考:法人税基本通達9-2-35)
■今回の事案
・海外子会社の給与負担額が低いとして、
寄付金課税を受けるケースが発生している理由は・・・
日本との給与格差が大きい(日本の1/5~1/10程度)
海外子会社の給与負担額について、
給与格差と給与負担がアンバランスとされたため
→よって寄付金課税を受けた
5.過大役員退職金について
■役員退職金の相当額計算方法
一般に、平均功績倍率法
(同業類似法人の功績倍率の平均値×最終月額報酬×勤続年数×功労加算率)
が用いられる。
また、最高功績倍率法
(同業類似法人の功績倍率の最高値×最終月額報酬×勤続年数×功労加算率)
が用いられることがあるが、
・同業類似法人の抽出基準が十分でない
・抽出件数が僅少
など平均功績倍率法によるのが不相当な場合に限られる。
⇒最高功績倍率法は税務当局に否認されるケースが多い
なお、功労加算率についてもその役員の業務が社会通念上
一般的な業務である場合には否認されるケースがある。
■まとめ
要件を満たさずに「最高功績倍率法」や「功労加算率」を適用している場合、
「平均功績倍率法・功労加算なし」で計算した額との差額が
過大役員退職金として加算されるので注意が必要。
6.【消費税】弁護士との訴訟にかかる契約と工事請負の経過措置
■弁護士と締結する訴訟にかかる契約は、
工事の請負等の経過措置の適用があるか?
⇒適用されないものと思われる。
■理由
経過措置の対象になる請負契約は、
①仕事の完成に長期間を要し、
②仕事の目的物の引渡しが一括して行われることとされているもののうち、
③契約に係る仕事の内容につき相手方の注文が付されているものとされている。
(改正令附則4⑤)
訴訟に係る契約は、上記のうち②を充足していないものと思われる。
※例えば税理士の申告書作成業務等については②を充足し、
経過措置が適用されるものと考えられる。
7.株主資本変動計算書 横型の様式へ
H25年12月末以後終了する事業年度にかかる有報から
8.日本版IFRSの審議始まる
実務上の困難さ
・IAS16号:減価償却方法、耐用年数
・IFRIC4号:契約にリースが含まれるか否かの判断
・IAS38号:開発費の資産計上
・IAS12号:繰延資産の回収可能性
9.取引先が破産手続開始した場合の対応
①債権届出書の提出
・裁判所に「債権届出書」を提出して初めて破産債権者となれる
→提出しないと配当を受け取れない
②債権者集会への出席
・権利ではあるが、義務ではない
③「異時廃止」とは
・破産手続開始後に、破産手続費用が不足すると判明、
配当前に破産手続きを終了させること。
10.再生企業のM&Aを成功させるコツ
■再生企業のM&Aで押さえるべき5つの特徴
・過剰債務処理における債権者の同意取得プロセス
過剰債務の処理手続き(私的整理と法的整理)
①私的整理
・中立な第三者機関が取り纏める
EX.中小企業再生支援協議会
(法律によって各都道府県に設置されている公的機関)
・対象債権者を限定できる(金融機関のみに限定するなど)
・非公表のため対外的な信用維持が可能となる
・法的整理と比べ手続きの公平性が低い
②法的整理
・裁判所の監督下で行われる(会社更生法・民事再生法)
・全債権者を対象とする(対象債権者は限定できない)
・公告がなされるため会社の信用が落ちる
・手続き終了までに一定の時間を要する
11.減損処理後のその他有価証券の評価差額に対する税効果
原則:評価差益と評価差損に区別
①評価差損は個別銘柄毎に回収可能性を検討
②評価差益は繰延税金負債
例外:スケジューリングが不可能なものは、相殺後の純額合計し
①評価差益は繰延税金負債
②評価差損は回収可能性はないもととして取り扱う
※日本公認会計士協会監査委員会報告66号の5(1)
①~④については別途定めがある
12.直前大胆予想! 2020年夏季五輪開催都市はどこか!?
【各国が抱えるアキレス腱】
①イスタンブール
・反政府デモ
・ドーピング問題
・混乱する中東情勢
・都市インフラ未整備
②マドリード
・スペイン経済の低迷
・開発理念の弱さ
・既存設備に多くの改修が必要
・パリが2024年開催を目指すことを公言
③東京
・地震、原発事故への不安
・開発理念の弱さ
・2018年に平晶(韓国)で冬季五輪開催
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