1.保守サービス契約、施行日またぐ際の消費税率は?
『役務提供』に関する売上についての適用税率
⇒役務の全部を完了する日で判定
( 26年3月以前:5% / 26年4月以降:8% )
【例】1年契約の保守サービス
①原則
・保守契約終了時点で判定
②毎月、保守料金を請求する場合
・月ごとの締め日で判定
③年間の保守料金を前受し、毎月収益計上する場合
(契約上、月額○○円として保守料金の定めがある場合)
・月ごとに判定
④年間の保守料金を前受し、中途解約しても料金の返還が不要な場合
・継続して前受金を一括収益計上すれば、前受した時点の税率を適用
2.地方法人税は欠損金の繰戻し還付の対象
・平成26年度改正で創設される地方法人税が、欠損金の繰戻し還付の対象になること
■X1年3月期 課税所得1,000,000円 (資本金3,000,000円)
納付税額(100円未満切り捨て)
・法人税 1,000,000 × 15.0% = 150,000円
・地方法人税 150,000 × 4.4% = 6,600円
・法人住民税法人税割 150,000 × 12.9% = 19,300円
■X2年3月期 欠損金額△500,000円
還付税額
・法人税 150,000 × 500,000 ÷ 1,000,000 = 75,000円
・地方法人税 75,000 × 4.4% = 3,300円
・法人住民税法人税割 なし
3.相続開始後に支給された役員賞与等
Q:被相続人死亡後に相続人が受け取った、賞与、給与は退職手当金等のみなし相続財産に該当するのか?
【事例】
・A社の役員である甲が、H25年3月20日に死亡
死亡後に下記の給与、賞与を支払った。
・3月20日締めの給与を3月25日に支払った。
・A社はH25年5月25日の株主総会で役員賞与の支給を決議し、6月に甲の配偶者へ支払った。
【相続税法上】退職手当金等のみなし相続財産には該当せず、本来の相続財産に属する。
→よって退職手当金等の非課税の規程は適用されない。
(参考)
【所得税法上】相続税法の規定により相続税の課税価格計算の基礎に算入されるもの=所得税は課されない。
4.持分比率の調整、適格・非適格の分岐点は
○背景
複数企業間の経営資源の融合による競争力強化や、過当競争・過剰供給構造を解消するため、平成26年度税制改正で事業再編促進税制が導入される。
○制度の概要
A社及びB社がそれぞれの1事業部を統合した新会社を設立し、対価として新会社の株式を受け取った場合、株式の取得価額の70%に達するまで、最長10年間に渡り、特定事業再編投資損失準備金として損金算入できる(最終的には5年で益金算入)。
+増資や不動産登記に係る登録免許税の減免
適格要件の一つとして持株の継続保有
○事例(三菱重工と日立製作所の火力発電事業の統合)
①三菱重工の100%子会社に、三菱重工及び日立製作所が事業を分割承継
②対価として日立製作所が新会社株の取得
③計画上の持分(三菱65% 日立35%)にするため、不足分を日立が三菱重工から金銭にて取得。
③の行為は「持株の継続保有」に反しないか?
→反しない。三菱にとって譲渡した株は会社設立時に取得したものであり、今回の吸収分割により取得したものでないから。
逆に、設立時入手株式<譲渡株式 となるような場合は、非適格再編となるので注意。
5.中小企業投資促進税制で適用ミスが散見
■制度概要
特定の資産を取得した場合以下の対象法人が特別償却または税額控除を受けられる
特別償却:資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
税額控除:上記の中小企業者のうち資本金の額もしくは出資金の額が3,000万円以下の法人又は農業協同組合等
■課税当局が認識した適用誤り
①資本金3,000万円超えの会社が税額控除を適用した
→適用対象外の会社
②医療機器を取得した会社が中小企業投資促進税制適用
→医療機器は機械装置ではなく器具備品の為適用対象外
③3.5トン未満の自動車を取得して中小企業投資促進税制を適用
→適用対象は3.5トン以上の一定の貨物自動車に限定
■適用誤りを防ぐためには、
A
自社が中小企業投資促進税制の適用対象会社であるかを確認する
B
中小企業投資促進税制を適用する資産が適用対象資産であるか確認する
◎なお中小企業投資促進税制の適用対象期間は平成26年3月31日までである
6.(相続税)医療法人版事業承継税制を創設
<現行>
医療法人の出資持分を有する者から相続を受ける場合、多額の相続税が課され、事業承継が困難となる。
■改正内容
・その医療法人が「認定医療法人」に該当し、
・相続開始後概ね3年以内に「持分の定めのない医療法人」に移行予定である場合
↓
相続税の納税が猶予または免除されることになる
用語
「認定医療法人」
・良質な医療を提供するものとして厚生労働大臣の認定をうけた医療法人
「持分の定めのない医療法人」
・平成19年4月1日以後設立の医療法人は出資金など資本持分を有することができなくなった(医療法人の株式会社化を是正するなどのため)
この改正案は従前の「出資持分のある医療法人」から現行の「持分の定めのない医療法人」へのスムーズな移行を促す目的で創設される。
7.(法人税)交際費 50%損金算入の対象を『接待飲食費』と規定
■新設される50%の損金算入の対象は、5000円基準の対象と同様。
■5000円基準の適用がされなかった部分が対象。
■中小企業は800万円定額損金算入との選択適用だが、ほとんどのケースで定額損金算入が有利。
※帳簿要件の詳細は検討中。
8.東証 社外取締役を1名以上確保求める
上場規程を一部改正
「上場会社は、取締役である独立役員を少なくとも1名以上確保するよう努めなければならない」
9.為替デリバティブのノック・アウト条件
(一例)
「1ドル=95円でドルを5年間購入し続けられる権利」を購入
「1ドル=95円でドルを5年間購入し続けられる権利」を購入
⇒有利な権利、不確定要素の高い権利の購入は手数料が高い
⇒そのため条件をつけた
「1ドル=120円」になると権利が消滅 (=ノックアウト条件)
(リスク)
・手数料を払って購入した「1ドル=95円」の権利が消滅
※交換レート(95円)と、消滅条件(120円)が離れているほどリスク大
※抵触しやすい消滅条件を設定して、リスク顕在化のダメージを小さくする方がいい
10.棚卸資産を滞留させない為の施策
・棚卸資産の削減が進む業績評価基準に変更する
・市場動向の見直し頻度を高める
・商品の購入ロットの変更を交渉する
11.M&A用語
①取引保護条項
M&A取引が確実に実行されるようにすることを目的として規程される種々の契約条項
②ブレークアップ・フィー
売主が買主候補者との合意にも関わらず、第三者との間で先に同じ取引を成立させてしまった場合に、売主から買主に支払われる違約金
③リバース・ブレークアップ・フィー
買主が取引を実行できなかった場合に売主に払う違約金
12.メールと電話など他の手段との使い分け
●メールに頼りすぎない
・便利で手軽だからこそ、使用の判断は慎重に行う
・軽んじられている・誠意が伝わらないと思われる可能性がある
●メールではない方が良い例
・電話
緊急の場合、相手の反応を確認しながら伝えたい場合
・対面
誤解を招いたら取り返しがつかない場合、お詫びの場合
●メールで返事をしなければならない決まりはない
・先方からメールで連絡が来ても、場合によっては上記のような使い分けが必要
13.70歳まで働く シニア起業の勧め
【経験者のアドバイス】
・エグジットを決めることが大切「5年以内に株式公開する、売却する、いくらで…」など。
・一人で起業して上手く行った例はない。必ずチームで。
・事業計画をしっかり立てる人ほど成功率は高い。
【押さえておきたい支援制度】
・創業補助金(中小企業庁)
→限度額200万 上限助成率2/3 倍率は1.5倍
・地域中小企業応援ファンド(中小企業基盤整備機構)
→限度額800万 上限助成率1/2
※弁護士、弁理士などの専門家との顧問契約のための費用や広告費等、創業及び販路開拓に必要な経費を補助。
※採用基準:地域の雇用に貢献しているかなど
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