2018年2月19日月曜日

2/16 勉強会:平成29年度改正 外国子会社合算税制に関するQ&A 他

1.平成29年度改正 外国子会社合算税制に関するQ&A

■外国子会社合算税制とは
・外国子会社を利用した租税回避を抑制するために、一定の条件に該当する外国子会社の所得を、
 日本の親会社の所得とみなして合算し、日本で課税する制度

■改正前の制度の問題点
・外国子会社の租税負担割合が20%以上の場合、実体がない場合でも制度が適用されなかった
・外国子会社の租税負担割合が20%未満の場合に、実体のある事業を行っている場合であっても、
 所得が親会社の所得に合算されてしまう場合があった
⇒租税回避リスクを、外国子会社の租税負担割合により把握する制度から、
所得や事業の内容によって把握する制度に改正

■改正内容
・外国子会社の租税負担割合が20%以上の場合、明らかにペーパーカンパニーであるときは
 外国子会社合算税制の対象となった
・経済活動の実体のある事業から得られた所得は、外国子会社の租税負担割合にかかわらず合算対象外とされた

■適用年度
・平成30年4月1日以後開始事業年度より適用




2.IoT投資促進税制、リースも適用可

■IoT投資促進税制
・革新的情報産業活用設備(※)を取得した場合、30%の特別償却または3%の税額控除の適用を受けられる
(一定の賃上げ※を行った企業は5%の税額控除OK)

※対象設備
・データ収集機器、ロボット、工作機械、データ分析システム(サーバー、AI、ソフトウェア)、サイバーセキュリティ対策製品など
・設備全部の合計で5,000万円以上であること
・H33年3月31日までに取得すること
・ファイナンスリースの場合も適用可能
・所有権移転外ファイナンスリースの場合は税額控除のみ可能(特別償却は不可)

■固定資産税の特例措置(中小企業のみ対象)
・対象設備(※)を導入した場合、課税標準が最初の3年間は最大でゼロから2分の1以下に軽減される

※対象設備
・労働生産性を年平均3%以上向上させるものとして認定を受けた先端設備等導入計画に従って取得した設備
・ファイナンスリース(移転外含む)の場合も適用可能




3.赤字法人と所得拡大税制

■当初申告要件あり
確定申告書(中間申告書)に「雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の
特別控除に関する明細書」を添付したときのみ税額控除を適用できる。
⇒修正申告書や更正請求書に明細書を添付したとしても適用できない

■事例
当初申告時に赤字のため「特別控除に関する明細書」を添付しなかったが、
その後の税務調査で所得(法人税額)が生じることとなった。修正申告書において適用を
受けようとしたが、「当初申告要件」が付されているため適用ができなかった。

■対策
税務調査により赤字が黒字に変わる可能性がある場合には、保険的に「特別控除に関する
明細書」を添付しておくことも検討する




4.原材料に使う飲食料品への軽減税率の考え方

売手が食品(酒を除く)として販売しているか否かにより、軽減税率の摘要可否を判断する。
仕入側の目的は考慮しない。

■例
・食品にも化粧品にも使用可能な添加物を販売するケース
・売手は化粧品に使用することを想定したパッケージ等をして販売している。
・仕入側は食品の原材料として使用する。
⇒このケースでは売手は『食品』として販売していないので、
売手側&仕入側の双方で10%の税率を用いる。(軽減なし)




5.取締役会の書面決議の活用

■社外取締役の選任の進展と書面決議の積極的な利用
(1)審議の活性化
社外取は全社の業務に精通している訳ではなく、個別具体的な事項は可能な限り書面決議に回して、
重要性の高い事項について議論する時間を確保する
(2)出席率の向上
本業を有しているのが通常で一般的に多忙。また遠隔地や外国人取締役の日程調整は難しい
社外取締役の出席率は75%が一つの目安
■書面決議と取締役の善管注意義務の関係
実開催と書面決議のいずれの場合も取締役の責任の在り方に何ら変わりはない
十分な情報収集のもと、適切に判断する必要がある





6.第1回 連結の範囲、会計方針の統一、決算日

■連結の範囲
(子会社の範囲)
・連結の範囲には、原則すべての子会社が含まれる
・子会社=持株基準ではなく実質支配力基準による
(子会社に該当しない会社)
・議決権の過半数を所有していても子会社に該当しないケースあり
(連結の範囲に含まれない企業)
・子会社に該当しても支配が一時的等の理由から含まれないケースあり

■会計方針の統一
・原則は親子で統一する
(必ずしも統一が求められない会計方針)
・資産の評価方法
・固定資産の減価償却の方法
・退職給付会計における退職給付見込額の期間帰属方法
・退職給付会計における未認識項目の費用処理方法
(在外子会社における取扱い)
・在外子会社がIFRSまたは米国会計基準によっている場合、一定の修正(のれんの償却等4項目)を加えればそのまま利用可

■決算日
(子会社の決算日が連結決算日と異なる場合)
・原則=連結決算日に正規の決算に準ずる合理的な手続きによって決算(仮決算)を行う
・例外①:決算日の差異が3か月以内の場合
⇒親3月末決算、子12月末決算であれば1/1~3/31に生じた重要な連結会社間取引の調整をすればそのまま利用可
・例外②:決算日の差異が3か月超の場合
⇒親3月末決算、子9月末等の場合、原則は連結決算日に仮決算を行う必要がある
 相当の理由(3か月以内の四半期決算日に合わせて等)があれば、3か月を超えない範囲の日に仮決算を行い、取り組むことも可能だが①の調整は必要




事業譲受時の税効果会計

前提:現金対価による非適格組織再編

■用語
のれん/負ののれん:会計上の時価と取得原価との差額
資産調整勘定/差額負債調整勘定:税務上の時価と交付した金銭の差額

■のれん、資産調整勘定が計上される場合
・会計上は合理的な期間で償却
⇒のれんは取得原価配分の残余項目のため、税効果会計を適用すると循環計算となるため、税効果会計を適用しない。
・資産調整勘定は5年で損金算入するため、将来減算一時差異に該当
・資産調整勘定に係る繰延税金資産を認識した上で会計上ののれんを算定
 ※資産調整勘定に係る繰延税金資産分、のれんが減少

■負ののれん、差額負債調整勘定が計上される場合
・会計上は一括で費用処理
・差額負債調整勘定5年で益金算入するため、将来加算一時差異に該当
・差額負債調整勘定に係る繰延税金負債を算定した上で、負ののれんを算定する
 ※算定フローは資産調整勘定と同様
 ※差額負債調整勘定に係る繰延税金負債分、負ののれんが減少



8.日本商工会議所が、消費税軽減税率制度のチラシを公表。

・会議でのお弁当、お茶や定期購読の新聞が軽減税率対象。
・8%と10%の税率を分けて記載する必要があるため、請求書や領収書の様式の変更が必要に。
・レジの買い換え、タブレット型POSレジの導入、システム改修のための国の補助制度あり。2019年9月30日までに事業完了を要する。



9.月次決算の早期化

・5営締め、10営役会資料作成
・15日前後で取締役会に報告

ポイントは主に以下。
(1)スケジュール管理の徹底
⇒経理部への請求書等の締切日の設定
⇒必要なデータをどの部署からどのタイミングで入手するか
⇒経理部及び経理部以外の部署も視野に入れたスケジュールの作成

(2)決算業務の標準化
⇒経費精算の入力作業を各部署で分散など。

(3)日常業務の精度向上
⇒作業の分散化

(4)概算計上等の簡便的手続きの採用
・5営締め、10営役会資料作成
・15日前後で取締役会に報告

ポイントは主に以下。
(1)スケジュール管理の徹底
⇒経理部への請求書等の締切日の設定
⇒必要なデータをどの部署からどのタイミングで入手するか
⇒経理部及び経理部以外の部署も視野に入れたスケジュールの作成

(2)決算業務の標準化
⇒経費精算の入力作業を各部署で分散など。

(3)日常業務の精度向上
⇒作業の分散化

(4)概算計上等の簡便的手続きの採用



















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