2014年7月11日金曜日

7/11 勉強会:“重要事実”と無関係ならインサイダーにならず 他

1.先端設備リースの会計処理が決定

【リース活用による先端設備導入促進補償制度】
・手術支援ロボット、介護ロボット、3Dプリンターなどが対象
・リース期間終了によるリース物件の処分(売却)について、損失の1/2を国が補填してくれる
・補填額は、リース物品の購入価額の5%が上限
・リース会社は、国へ補償料を支払う
・リースの借手が倒産した場合、二次リースした場合は補填なし
(アセットリスクにのみの保証制度)

【リース物品の借手の会計処理】
・従来のリース取引と同様


2.新規上場時の財表は2事業年度分に短縮

・金融庁は新規上場時の有価証券届出書に掲げる財務諸表の年数を2事業年度へ短縮
 ※従来は5事業年度だった
・非上場企業のIFRS適用会社が初めて提出する有価証券届出書に掲げる連結財務諸表は最近連結会計年度分のみで可

→これらは8月下旬に公布・施行される予定


3.“重要事実”と無関係ならインサイダーにならず

■役員でもインサイダーにならないケースを明確化
下記のような「重要事実」を知ったことと取引が無関係であることが明らかであれば、インサイダー取引規制違反にはならない。

・「重要事実が、その公表により株価の上昇要因となることが一般的に明白なときに、当該株式の売付けを重要事実の公表前に行っている場合」

・「重要事実を知る前に、証券会社に対して当該株式の買付け注文した場合」


4.支出先のイニシャル記載でも使途秘匿金

■まとめ
・販促費の支出内容等が客観的に明らかになる資料には下記の記載をする必要がある
 ①日付
 ②相手の名前(イニシャルは不可)
 ③金額
 ④支出の内容

・相手の名前を伏せる場合の相当な理由としては下記のような場合が考えられる
 ①不特定多数の者との取引で相手方の氏名がわからないもの
 ②小口の金員の贈答のように相手方の氏名等を帳簿に記載しないことが一般的な支出
 ③災害等による帳簿の紛失

■事例
・法人が支出した販売促進費が使途秘匿金になるかどうかが争われたもの
・原処分庁からの資料要求に対して、日付、イニシャル、金額を記載したメモを提出
・イニシャル記載となった理由は、開示した場合、取引継続が難しくなると想定したため
・法人は、社内ならメモで具体的な相手方を理解でき、かつ、第三者から見ても特定の誰かを示していることが明らかと主張
・審判所は、使途秘匿金の課税制度の趣旨、社会通念に照らして判断すれば法人側の主張は通らない、また、イニシャル記載では、相手側の氏名を帳簿書類に記載したことにはならないとして使途秘匿金に該当すると判断した


5.出向者に係る特定役員退職手当等

■事例
・親会社の従業員が子会社の役員として出向
・親会社を退職することになったので、同時に子会社の役員も退任
・出向期間中の退職金は子会社から本人に直接支給する予定

■退職所得に係る注意事項
・出向期間が5年以下の場合
 →子会社から受ける退職金は特定役員退職手当等に該当する
 →平成25年分以降に適用
・特定役員退職手当等に係る計算
 特定役員退職手当等の収入金額-退職所得控除額=退職所得の金額
 
 ※参考:通常の退職金に係る計算
 (退職金の収入金額-退職所得控除額)×2分の1=退職所得の金額


6.法人税改革案からみる課税ベース拡大の行方

政府の税制調査会において、平成27年度税制改正のベースとなり得る法人税改革案が取りまとめられた。

① 中小法人課税(中小企業のみ)
・「中小企業」の基準である1億円基準の見直し
 ⇒基準の引下げが検討。
・法人税率の見直し(所得800万円以下)
 ⇒現行の15%から19%へ
 ※1億円超の大企業は25.5%から変更なし

② 地方法人課税
 ⇒中小企業の外形標準課税の適用拡大

③ 欠損金の繰越控除制度
 ⇒現行9年から延長

④ 減価償却制度
 ⇒200%定率法を廃止し、定額法に一本化

⑤ 受取配当金の益金不算入
・株の保有が支配関係を目的⇒配当による収益を課税対象外とする。
・資産運用を目的⇒配当による収益の課税対象の範囲や益金不算入の割合を見直す。

⑥ 公益法人課税
 ⇒社会福祉法人の法人税非課税措置の見直し

中小企業に対する課税強化については反対意見や反発は避けられない。
最終的には平成27年度税制改正のプロセスの中で決定される。


7.アジア上場について

・主な市場
香港 シンガポール 台湾 韓国 上海

・上場の形式
プライマリーorセカンダリ

プライマリー上場・・・日本で上場していない会社が海外で初めて上場すること。
201286日に㈱ダイナムジャパンホールディングス(パチンコ業)が香港市場に上場(現時点で唯一の事例)。

セカンダリ上場・・・日本の上場企業が海外でも上場すること
2011414日には、SBIホールディングス㈱が香港市場に上場。

直接or預託証券方式
直接上場・・・通常の上場

預託証券方式・・・預託証券とは、既に発行している株式を預け入れた信託銀行等が発行する代替証券のことを言う。
発行済み株式を裏づけとした預託証券の発行により、通常の株式と同様に売買できる。
ファーストリテイリング(香港)、 エルピーダメモリ(台湾)


8.消費税:国境を越えた役務提供の消費税課税制度 政府税調案

課税の範囲
①役務提供の国内判定基準を変更する
(現行)
役務提供者の所在地で判定
(改正案)
役務を受ける者の所在地で判定

②電子書籍や音楽配信は資産の譲渡や貸付ではなく、役務の提供と整理する。

→①②により、Kindleの配信は国内取引として消費税の対象となる。

■︎課税の方式
B to B取引 :リバースチャージ方式
  役務提供を受ける者が料金支払時に消費税相当を天引し、国に納付する。
役務を受ける事業者のうち課税売上割合が高いものについては、リバースチャージ方式による納税額と仕入税額控除を同額とみなし、申告不要とする。

B to C :国外事業者申告方式
事業者向け取引であることが明らかでないものについては、国外事業者に日本への申告納税義務を負わせる。
対象となる国外事業者は、課税対象取引が1000万円超のものに限る。


9.生産性向上設備投資促進税制QA

■概要
・対象法人・・・ 青色申告法人 ※資本金規模問わず
・特別償却額・・・取得価額-普通償却限度額(=即時償却)
・税額控除・・・5%(建物等は3%)法人税額の20%限度
・生産性を向上する対象資産を取得した場合に適用

QAより(ポイント)
 ・新品の資産に限る
 ・建物も対象となる(ただし、本店、寄宿舎など生産に関連しないものを除く)
 ・補助金をもらって購入した場合には補助金を除いた額が対象
☆・A機械⇒特別償却、B機械⇒税額控除、というのも可
 ・繰越控除はない。
☆・中小企業者については、中小機械等の特別控除と選択適用
 (資本金3000万以下⇒10%の税額控除・3000万超1億円以下7%の税額控除)


10.財務専門家に求められるスキル

1.コミュニケーション能力
 コミュニケーション
 専門分野(財務)
 信頼関係
2.業務推進
 ビジネスを知ること
 業務推進の要を特定すること
 改善のための機会を調べること


11.エンドースメントされたIFRS(日本版IFRS)に対峙する問題点

・ピュアIFRSと日本版IFRSの差異は
 「リサイクリングと当期純利益の論点」
 「のれんの非償却の論点」
 に限定されそう。

・日本版IFRSIFRSではない、IFRSの名前を使えないといったリスク
 ⇒結局利用者はいないのでは?


12.棚卸資産の評価

■モデルケース
消費税増税前に大量に在庫を仕入れ、一時的に在庫を多く抱えている

■在庫水準が高いことによるリスク
①資金繰りの悪化
②在庫として保有している間の陳腐化・品質低下・価格変動
 ⇒収益性の低下

■リスク②の収益性の低下による簿価切下を行う場合
・基本的に簿価切下額は売上原価により処理
・下記の場合は特別損失により処理
 ①重要な事業部門の廃止
 ②災害損失の発生


13.子会社が親会社から自社株を取得する場合の規制について

【事例】
日本IBMS社)がその完全親会社であるIBMエーピー・ホールディングス(P社)から自己株式(S社)を購入し(※1)、その直後に両社が連結納税制度を利用することで所得を圧縮した件について、H22.5に当局が租税回避行為だとして約1,200万の追徴をする更正処分を行ったが、P社が原告となり当該処分を不服として争われた件について、H26.5に当局の行った更正処分が取り消された。

(※1)税務上の仕訳
株式譲渡部分
(現金)     300億 (日本IBM株) 4,300
(譲渡損) 4,000  

みなし配当部分(譲渡対価-@資本金等の額×取得株式数)
(現金)   4,000  (受取配当金) 4,000億 

【現在(H22年度税制改正~)】
H22.10以降においては、同様の処理を行っても節税効果は生じない。
⇒「100%グループ内の法人間取引について課税を生じさせない」

今後は上記事例に当てはめると
100%グループ内の法人からの受取配当等の益金不算入制度の見直し
⇒益金不算入
100%グループ内の発行法人への株式譲渡に係る損益取引の見直し
⇒計上されない。資本金等の額に加減算


14.M&AのしくみとDD

1.M&Aのしくみ
 事業会社にふさわしいM&Aのしくみは、シナジー効果の実現を目標に、それを目指した軸のぶれないしくみを開発すること。
M&A戦略
② プレDD
③ 本番DD
M&A成立
⑤ 新しい事業計画
⑥ シナジー効果実現

2.DD
 ・目的              :問題点・検討点をチェックすること、データ収集
 ・DD3段階  :プレDD、本番DD、クロージングDD
 ・種類              :ビジネスDD、法務DD、財務DD


15.楽天・エアアジア連合 仁義なき乗員奪取作戦

・新生エアアジアジャパンの設立が、71日に発表された。
出資はエアアジア49% 米系投資ファンド19% 楽天18%

・旧エアアジアジャパンは、ANAとエアアジアが対立し、提携解消

・新生エアアジア・ジャパンの描く成功への青写真

①パイロットを他社から高額引き抜き
ANAと同水準の給与 経営破綻後報酬が下がったJALのパイロットには魅力的?
→他のLCCは機長不足で欠航が多い

②羽田空港発着枠を狙う
→東京五輪を控えて、近く発着枠が増える見込み
→政財界に顔のきく楽天の三木谷さんを使う




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2014年7月4日金曜日

7/4 勉強会:ふるさと納税と一時所得 他

1.「改正会社法で創設された新キャッシュ・アウト(現金を対価とする少数株主の締出し)とは?」

■新たなキャッシュ・アウト手法として「特別支配株主の株式売渡請求」ができた
総株主の10分の9以上を有する株主(特定支配株主)が、株主全員に対して所有する株式の全部を特別支配株主に売り渡すことを請求できる制度。
→特別支配株主の意向により、その他の株主の意向に関係なく、全株式を取得できる

■従来の手法
・金銭を対価とする組織再編(株式交換等)
・全部取得条項付種類株式を用いた手法
→それぞれ実務ではデメリットがあった

■「特別支配株主の株式売渡請求」のメリット
・株主総会の特別決議が不要で、時間的・手続的コストが小さい
・税務上、株主間の課税のみで終了する
→企業にとって使い勝手の良い手法である


2.内外判定基準変更で国外取引を明確化へ

・国境を越えた役務提供に対する消費税について

現 状:役務提供地で判定
変更案:役務提供を受ける者の住所地や事務所所在地で判定(仕向地主義)
()KindleKoBoでのネット配信サービス
 ⇒サービス配信する供給地で課税されるため消費税は課税されないが、今後は課税される

ただし国内外にわたる役務提供について、以下は国外取引となるように法令で明確化する。

①国外で当該国に関する情報収集など役務提供
②国外で国外資産の譲渡等に伴う役務提供

上記以外は変更後の内外判定基準で判定することになる。
GoogleAmazonAppStoreAWSは要注意


3.マンション等の収益事業をめぐる課税問題で初の裁決事例

■まとめ
・マンションの管理組合は人格のない社団等に該当する
・管理組合が得ているアンテナ基地局の設置による収入は、収益事業に該当するので法人税の課税対象となる

■事例
・マンションの屋上(共用部分)にアンテナ基地局を設置して、賃料収入を得ていた管理組合に対して、その賃料収入について法人税が課税された事例

■争点と審判所の判断
①管理組合は人格のない社団等に該当するかどうか
→人格のない社団等に該当する(最高裁S391015日第一小法廷判決)

②共用部分を使用した賃料収入は、管理組合に帰属するか、各区分所有者に帰属するか
→共用部分の管理は管理組合が行っており、また、管理組合が当事者として 賃貸借契約を締結しているため、賃料収入は管理組合に帰属する

③アンテナ基地局設置による賃料収入は、管理組合の収益事業に該当するかどうか
→共用部分を使用したアンテナ基地局の設置は、不動産貸付業に該当するため法人税法でいうところの収益事業に該当する

■人格のない社団等の判断基準
①総会を組織し理事長等の役員を置くなど団体としての組織を備えていること
②総会は多数決の原則が行われていること
③構成員の変更にかかわらず、団体そのものが存続すること
④その組織において、代表の方法、総会運営、財産管理など団体の主要な点が確定していること


4.電子記録債権の受取書に係る印紙税

①売上代金を電子記録債権で受領した場合の受取書
・第17号文書(売上代金に係る金銭又は有価証券の受取書)には該当せず
 ※受取書に印紙添付不要
・受取書に、「上記金額を電子記録債権で受領しました。」などの記載必要

②印紙税の改正点(H26.4.1以後作成の受取書に適用)
・第17号文書について、5万円未満は印紙税不要に
 ※従前は、3万円未満が印紙税不要であった


5.社外役員等に関するガイドラインが公表

2014630日、「社外役員等に関するガイドラインが公表」され、要旨は以下の通りである。

◆ガイドラインの趣旨
我が国の上場会社が国内外から信頼を受ける良質なコーポレート・ガバナンスを確保するために求められる事項等を示したもの

◆社外役員を含む非業務執行役員の役割
・社外取締役は社内外での知見・経験を生かし、企業価値の持続的な向上のため外部の視点から忌憚のない意見を述べることが望ましい。

・社外取締役は、役員の選任・選定過程、報酬の決定過程において、忌憚のない意見を述べることが望ましい。

◆社外役員を含む非業務執行役員の人選
・企業は、非業務執行役員の人選に当たって、非業務執行役員に期待する役割を、非業務執行役員及び株主に対して明らかにすべきである。

・執行役員に業務執行役員からの独立性を強く求める場合、非業務執行役員の人選過程において、業務執行役員からの推薦とするのではなく、非業務執行役員に候補者の選定を依頼することが考えられる。

・企業は、監督の実効性と独立性のバランスを考慮して、非業務執行役員の最長在任期間を検討することが望ましい。


6.ふるさと納税と一時所得

■ふるさと納税について
【概要】
・地方公共団体に対する任意の寄付
・所得税で寄付金控除を、住民税で税額控除を受けることにより住民税の納税地を実質的に住所地→出身地に変えることができる。
・寄付のお礼として特産品(3,000円程度)がもらえる。
・複数の地方公共団体に寄付可

(具体的仕組み)所得税率10%とする
①地方公共団体3か所に10,000円ずつ寄付(計30,000円)
②所得税の減額  (30,0002,000)×10%=△2,800
③地方税の減額 ア(30,0002,000)×10%=△2,800
            イ(30,0002,000)×(90%10%)=△22,400円(※)
          ※住民税所得割額の10%が限度
④合計控除額 △28,000
⇒実質2,000円で特産品9,000円(@3,000×3)をゲット
           
■もらった特産品の取り扱い
・一時所得として所得税が課税される。
⇒通常は特別控除50万があるため申告不要。
  ただし、他の一時所得がある場合には加算して申告が必要。


7.会社法改正法案可決

・監査等委員会設置会社制度の創設
・社外取締役を置くことが相当でない理由の開示義務付け
・社外取締役等の要件等の厳格化
・会計監査人の選解任等に関する議案内容決定権の監査役への付与
・多重代表訴訟制度の創設
・株主による組織再編等の差止請求制度の拡充
H27年春ごろに施行される見通し
⇒3月決算であれば来年6月の総会から

■社外取締役の要件
※改正会社法が6月20日に成立
①親会社の取締役等でないこと
②取締役等の近親者でないことなど

社外取締役を設置しない場合には、「置くことが相当でない理由」を説明する必要あり

会社法2条15項
「現在及び過去一度も当該会社またはその子会社の代表取締役・業務執行取締役・執行役・従業員等となったことがないこと」
⇒①と②が加わり、過去一度も、が就任の前10年間、に変更になった

3月決算であればH26年6月の株主総会で社外取締役を選任しなければ来年の株主総会で説明必要

■倫理
Big4であるKPMGの現役パートナーがインサイダー取引に関与し14ヶ月の実刑判決を受けた
7月18日が収監日 現在51歳


8.特集 得する年金

(未納付・未加入期間について)
2015年の9月まで 未納保険料は過去10年さかのぼって納付可能
・国民年金の加入期間は60歳までだが、6065歳で任意加入して、過去の未加入期間をカバーできる

(年金受取り開始時期)
・年金を受ける時期は60歳まで早められる 
(その場合、早めた月数×0.5%減額 → 65歳支給開始の人が60歳まで早めると本来の70%)
・逆に70歳開始に遅くすることも可能
(遅くした月数×0.7%増額 → 65歳支給開始の人が70歳まで遅くすると本来の142%)

(主婦の年金)
・専業主婦(≒第3号被保険者)は、自分では保険料を収めず、将来基礎年金6.5万円を受け取れる

・案①パートも厚生年金を適用
・案②第3号を廃止、第1号に加入してもらう(基礎年金を受け取りたければ月1.5万円の保険料を払う)





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2014年7月2日水曜日

6/27 勉強会:非公開会社を買収する際に留意すべきポイント 他

1.パックツアー提供は「輸出」に該当せず

<裁判事例>
国外の旅行会社に対する国内でのパッケージツアーの提供は、輸出免税取引に該当するか否か。
→輸出免税取引に該当しない

・請求人は、海外旅行会社に対してパッケージツアーという商品を輸出したと主張
・審判所は、「輸出」とは貨物を船に積み込んで国外へ送る行為を指すと指摘

従って
パッケージツアーの提供は船へ積み込むことによる資産の譲渡に当たらないため、輸出免税取引に該当しないと判断した。


2.共働き世帯にも配偶者控除適用の可能性

現状の配偶者控除は、専業主婦世帯の方が共働き世帯よりも恩恵が大きい
→夫婦2人で受ける控除額を同額とする仕組みが検討されている。

共働き世帯も配偶者控除適用となると、控除額は大幅に引き下げられる可能性大


3.時価を超える株式譲渡で譲渡所得と認めず

■個人から法人へ上場株式を売却したとき
 ・時価(譲渡対価として適正額)とは
  …証券取引所の終値をもとに算出した価格
 ・時価を超える価格で売却したときの所得区分
  ①譲渡所得:時価から有価証券の簿価などを控除した金額
   (分離課税)
  ②一時所得:時価を超えた価格
   (総合課税)

 ※東京地裁、東京高裁の判決より

■補足
 ・個人から法人へ株式を時価の2分の1未満で売却したとき
  ⇒時価で譲渡があったものとみなす


4.先端設備リースの会計処理、実務対応報告は2段階で公表へ

■リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームの概要
国(基金設置法人)とリース会社において、基本リース契約満了後、1年以内にリース物件を売却した際にリース会社に損失が発生した場合、当該損失の2分の1を国が補償する。
※リース物件購入価格の5%を上限

■対象となるリース契約
①先端設備等をリースにより導入するための契約であること
②中古品の先端設備等をリースにより導入するための契約でないこと
③二次利用価値を設定したリース契約であること
(リース料総額の現在価値がリース物件の取得価額の90%未満となる契約であること)
④リース期間が経済的耐用年数(法定耐用年数)の75%未満となるリース契約であること

■対象となる設備
・機械及び装置=すべて
・器具及び備品=電子計算機、放送用設備、電話設備その他の通信機器、試験又は測定機器、医療機器等
※最新モデルであること等の要件あり

■会計処理について
従来のリース取引と同様の取扱い
※今後、検討される可能性あり


5.代償分割の場合の取得費加算

【相続税の取得費加算制度】
・相続により資産を取得した場合で、310ヶ月以内にその資産を売却すれば、資産の取得費に支払った相続税の一部を加算できるという制度
 ⇒取得費が増えるため、売却益の圧縮を図れる

【事例(代償分割)】
相続人       :A氏、B氏(相続分は各1/2
相続財産の評価額  :土地100M
遺産分割方法    :A氏が土地100Mを取得、A氏がB氏へ現金50Mを譲渡
A氏の相続税課税価格:50M
A氏の相続税額      1.75M

【取得費加算額】
<原則で計算>
①相続税額 × ②相続財産の評価額 / ③課税価格
1.75M × 100M / 50M = 3.5M
⇒支払った相続税額以上に、取得費加算が認められることになり不適切

<代償分割の際の特例計算>
原則計算式中の「②相続財産の評価額」に一定の調整を加えることが必要
※調整するための算式は複雑であり省略
1.75M × (調整後)50M / 50M = 1.75M
⇒支払った相続税額が、取得費加算の上限となる


6.ショートレビューについて

・ショートレビューとは
 ショートレビューとは、監査契約締結前に行われる監査法人による短期調査をいう。
 概ね3~4名程度の人員で2~5日程度かけて行われ、報酬は調査に投入した人員により幅があり、30万円~500万円程度。

・ショートレビューの目的
 (1)IPOに向けての内部統制上及び会計処理上の問題点の抽出
 (2)監査業務遂行に必要な最低限度の内部管理体制(監査受入れ体制)が構築できているか否かの確認

・ショートレビュー後
 基本的には監査法人と監査契約を締結し、ショートレビューにより浮き彫りになった内部統制及び会計処理上の様々な問題点を改善していく。
 ショートレビュー時の対応や発覚した問題点によっては、監査法人に監査契約を拒絶されることも・・・


7.消費税:自動車リサイクル預託金も5%のみ分母へ

課税売上割合の計算上、金銭債権の譲渡額は5%のみ分母に算入すれば良いことになった改正の影響は、リサイクル預託金の譲渡にも及ぶ。

サービサーの不利益の解消を狙った改正であるが、中古車買取業者にも恩恵が及ぶことになる。


8.損害賠償事例:繰戻し還付の申請漏れ

■欠損金の繰戻し還付(適用要件など)
①中小法人のみ適用
※解散の場合は大法人にも適用
②前期が所得プラス、当期が所得マイナス(欠損)
③当期の確定申告書と一緒に還付申請書を提出する

<事象>
電子申告で還付請求書を提出したと思い込んでいたが、実際は処理されていなかった。
⇒繰戻し還付が受けられず損害賠償請求を受けた。

■防止策
①ダブルチェックを行う。
②紙ベースで提出完了書類を出力し、一覧表で再チェック

■参考
欠損金の繰戻し還付を受けられない場合でも、翌年以降所得がプラスとなれば繰越控除(9年間)の適用がある。


9.TOKYO PRO Market

・プロ投資家向け市場
・上場は2013年末時点で6社
・今年は2社増加で8社

特徴は4つ
・株主数や時価総額等の形式基準がない
・年間上場コストが500万円程度と他市場よりも安い
・上場申請から承認まで10営業日、上場後も内部統制報告書、四半期開示は任意
・指定アドバイザー制度「J-Adviser」の導入
 ※適格性の調査や上場前後を通じて指導・助言等を行う
  上場にはJ-Adviser」との契約が必須


10.非公開会社を買収する際に留意すべきポイント

・接触の仕方
 いきなり会社を売りませんか?M&Aしませんか?と提案すると相手が身構える
 ⇒「業務提携することでこのようなメリットがありますよ」とメッセージをうまく伝える

・オーナー経営者との接触の注意点
 オーナー経営者にとって長年育ててきた会社を売りに出すのは、複雑な気持ちを持っている
 ⇒買ってやるという態度ではなく、誠実、謙虚な姿勢で臨む

・財務諸表の精査
 基本的に非公開会社は税務会計を基準に決算している
 ⇒引当金、資産除去債務、減損処理、棚卸資産の評価、有価証券の評価、時間外手当の支給や社会保険の加入等の人事関係の処理が不正確・不適切に処理されている場合が多い為、十分なデューデリジェンスの実施が不可欠

・引継予定資産の精査
 たとえば、重要な取引先が経営者との長年の信頼でつながっている場合
 ⇒M&A後、取引関係が突然解消されるリスクがある為、引継期間を十分設定する

・ビジネス視点での精査
 案件の初期検討段階では、あえて財務数値の分析からは入らない
 ⇒財務数字は良くないが、事業内容や保有する資源が魅力的という場合もある


11.経理・財務担当者の資産横領手口と防止対策

()主な手口
①小切手の不正振出
 例)多忙な上長が未使用小切手に押印を済ませていた(金額を書くだけの状態)
②預金口座からの現金引出
 例)同じ人が通帳と印鑑を管理、鍵のかからない場所に印鑑を管理
③預金口座からの不正送金
 例)承認者のID・パスワードを把握
④保管現金の不正持出
 例)現金出納簿と現金有高記録の照合のみ(現金実査はしなかった)

()不正リストの高い組織
・業務の効率性を重視した内部統制の無視
・上長のチェックレベルが低い又は形骸化 等

()防止
・不正ができる機会を排除
・ルール違反禁止の徹底
・人事ローテーション


12.ヤフー・IDCF事件地裁判決後の実務対応

■実務対応における参考点
 ⇒東京地裁の判決であるため、ほぼ参考にならず
 ⇒若干無理のある判断とも見受けられる

■唯一参考に出来る点
 ⇒原告が他社の合理的なスキームについて容認されている、と主張したことに対して、裁判所側は下記の通り主張

  ・各事例においてそれぞれ性質が異なる
  ・当該事件において他スキームと比較するのは実質的でない
  ・今回の組織再編成の方法を前提として判断しないといけない
 ⇒納税者有利のスキーム比較は、税務調査においても強い論拠になりえない

■この事件の判決が覆っても、条文解釈の重要性が問われる点は変わりない


13.未上場の子会社(時価を把握することが極めて困難と認められる子会社)株式の評価について

①子会社株式の評価
原則:取得価額
例外:財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した時(※1)は、相当の減額(※2)を行い、評価差額は当期損失

以下私見ですが実務上の取り扱い
(※11株当たり純資産価額が取得原価に比し概ね50%以上下回った場合で、かつ、事業年度終了時の価額がその時点の帳簿価額の50%相当額を下回り、かつ、近い将来(3年~5年)回復の見込みがない場合
(※2)実務上は1株当たり純資産額×持株数まで減額

②子会社株式評価のための子会社管理
・日ごろから子会社の業績等の把握を適時にする
・子会社決算を会計基準等に従って作成しておく
・固定資産の減損等についても漏れなく把握しておく


14.急成長するMVNO市場(格安スマホ)

・日本の移動体通信市場は、現在1.5億件
MVNO1375万件(約9%

・大手の通信事業者から通信回線を借りて、ローコストでオペレーション
・通信速度、通信料に制限あり

・今後は業者向けサービスの拡充も

 ⇒センサー、計測器、自動販売機などの端末とセンター間の無線通信など、利用されるデータ量が予測しやすいものであれば、MVNOを利用しやすい





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