2014年8月10日日曜日

8/8 勉強会:改正会社法で創設の監査等委員会設置会社とは? 他

1.改正会社法で創設の監査等委員会設置会社とは?

H27.4 or 5月施行予定の改正会社法により、監査等委員会設置会社が創設された。

【現行】
・監査役設置会社(多数の上場企業が採用)
・委員会設置会社(少数の上場企業が採用)

【改正後】
・監査役設置会社
・指名委員会等設置会社(旧委員会設置会社/名称変更となる)
・監査等委員会設置会社

■創設理由
・従前の監査役設置会社は、社外監査役がいるものの、監査役は取締役会のメンバーでないため社外視点を反映させることに限界あり
・従前の委員会設置会社は、人事権を持つ指名委員会の設置が義務であり、企業側の抵抗が強かった
・中間的制度として創設された

■監査等委員会設置会社の概要
・監査等委員会が取締役会とは別途に置かれる
・取締役に対する監督を行う
・株主総会において取締役の選解任及び報酬等について意見を述べられる
・メンバー(監査等委員)は、3名以上の取締役でなければならず、過半数は社外取締役
・監査等委員は取締役会にも取締役として参加する
・監査役は置くことができない


2.平成26年度における法人税関係の改正について

■復興特別法人税の前倒し廃止
 ・適用:平成2641日以後終了事業年度より

■復興特別所得税額の法人税額からの控除
 ・復興特別法人税は廃止されたが、復興特別所得税は廃止されていないため、預金利子等から源泉徴収された復興特別所得税を通常の所得税とみなして所得税額控除制度の適用を受けることができるようにした
 ・適用:平成2641日以後終了事業年度より

■寄付金の損金不算入
 ・特定公益増進法人の範囲に次の法人が追加された
  ①地方独立行政法人で、博物館、美術館、動物園等の設置・管理業務を行っている法人
  ②幼保連携型認定こども園を設置する学校法人
 ・適用:平成2641日以後に支出する寄付金より

■所得拡大税制関係
 ・適用期限が平成30331日まで2年延長された
 ・要件の見直しが行われた
  給与等支給増加率「5%」以上
  ①平成2741日前に開始する事業年度:2%以上
  ②平成2741日から平成28331日までの間に開始する事業年度:3%以上
  ③①及び②以外の事業年度:5
 ・適用:平成2641日以後終了事業年度より(経過措置あり)


3.アンテナ設置料収入の申告漏れに注意

マンションの管理組合がアンテナ設置に伴う貸付けを行った場合、
以下理由により法人税等が課される。

   組合が団体として目的を達成するための組織であることが明確である
⇒人格のない社団等に該当する
   組合が当事者となって貸付契約を行っているため、貸付による収入は組合に帰属される
   貸付契約=収益事業を行う貸付業である

∴人格のない社団等で収益事業を行う組合と判断
 ⇒法人税の納税義務の対象となるため課税される。


4.所在不明株主に係る株式

数年所在不明の株主がいて、未払配当金を計上しているケース

①未払配当金に係る処理
 配当に係る源泉税は、配当の支払いがあったとみなして納付

②所在不明株式の自己株取得
 ⇒以下2つの要件を満たせば売買して良い規程がある
  ・株主と連絡が5年以上取れていない
  ・株主が5年間配当を受け取っていない

 ≪仕訳≫
   資本金等 ××× / 未払金 ×××
   利益積立金 ×× / 預り金 ××× ※源泉


5.IFRS適用企業の子会社吸収合併でASBJが見解

◆論点の概要
IFRSにおける連結上の帳簿価額を個別財務諸表上において「適正な帳簿価額」として引き継ぐ場合には、日本基準とIFRSで会計処理に差異がある項目について、そのままの残高で引き継ぐことになる。

例えば、企業結合で取得したのれんや耐用年数を確定できない無形資産については、非償却のベースでの残高で引き継ぐことになる。

よって、以下の点で問題となる。

・企業結合における資産・負債の認識や測定値が日本基準とは異なる可能性があることから、整合的でない。

・子会社化した後に当該会社を吸収合併した場合には、子会社化した時点の企業結合に関する会計処理及びその後の会計処理はIFRSに準拠して行われるため、子会社化することなく吸収合併し日本基準により会計処理する場合とは金額が異なる可能性がある。

◆結論
親会社が子会社を吸収合併する際、IFRSにおける連結上の帳簿価額を個別財務諸表において「適正な帳簿価額」として引き継ぐことは適切でないとの見解。


6.交際費5,000円基準にかかる更正の請求など

■更正の請求
税額等の計算が国税に関する法律の規定にしたがっていなかったこと、または計算に誤りがあったことにより納付税額が過大だった場合、法定申告期限から5年以内であれば更正の請求ができる。

<ケース1>
接待飲食費に該当する交際費につき、50%を損金算入していなかった。
⇒計算に誤りがあった場合に該当し更正の請求ができる(FAQ掲載済)

<ケース2
15,000円以下の飲食費用につき、交際費から除外していなかった。
⇒計算に誤りがあった場合に該当し更正の請求ができる。

■ゴルフ関連(接待飲食費となるか)
①ゴルフコンペ終了後の打上げパーティー(表彰等)
⇒ゴルフプレーと不可分のため接待飲食費にならない

②ゴルフコンペ終了後、一部の参加者を誘って開催した打上げ
⇒ゴルフプレーとは別の催事となるため、接待飲食費になる。

③ゴルフコンペ終了後、一部の参加者を誘って開催した打上げに他の参加者も出席することになり全員参加となった場合
⇒ゴルフプレーとは別の催事となるため、接待飲食費になる(参加人数は判定に影響しない)


7.IFRS論点 中国及びインドネシアにおける土地に関する会計処理

・土地は国のもの。企業は保有できない
・土地の使用権を取得して工場等を建設している

(中国)
・土地は国が所有 国と使用契約締結(30年~50年)
・契約時に一括支払い
・土地使用権は無形資産計上&償却
IFRSだと前払リース料&取り崩し
PLインパクトは同じ

(インドネシア)
・土地を所有できるのは国かインドネシア人。法人は原則不可。
・土地使用権は最長30年、さらに20年延長できる
・僅かな支払で延長できる
・インドネシアの会計基準では使用権を計上し、非償却。
IFRSだと、有形固定資産とする方法、無形固定資産の取得として処理する方法、土地のリースとして処理する方法などの考え方が混在。実務混乱。


8.IFRS「投資企業:連結の例外の適用」

(投資企業の親会社により処理)
投資企業の親会社は、自身(親会社)が投資企業である場合を除き、投資企業である子会社を通じて支配している企業を含め支配している企業を全て連結する。
⇒親会社が投資企業でない場合は、原則全ての子会社を連結する。

(連結財務諸表の作成免除)
投資企業(親会社)が、子会社の全てを純損益を通じて公正価値で測定することを要求されている場合には、連結財務諸表を作成する必要はない。

IFRSにおいては、連結財務諸表の作成免除の要件の1つに最上位の親会社がIFRS準拠の連結財務諸表の作成が挙げられている。
このため、連結財務諸表を作成しない。

投資企業を親会社とする子会社は、形式的には要件を満たさないため、子会社が孫会社等含め連結財務諸表を作成しなければならないという課題がある。

⇒子会社においても、連結財務諸表作成負担を免除することについて、公開草案で解決を図ろうとしている


9.研究開発費に関する会計

 ・会計基準
日本基準→研究開発費はすべて発生時に費用処理(通常一般管理費に計上)
IFRS→研究は費用処理
開発は一定の要件を満たすものは資産計上
 
 ・研究開発費の管理を適切に行い経営管理に活かすことが重要


10.財務デューデリジェンスの基本

()初心者の陥りやすい過ち
  ①財務諸表監査と同様にとらえてしまう
   ・簿外事項の発見が大事
   ・事業や企業活動そのものの理解が大事
   ※内訳チェックだけでは発見しにくい
  ②思い込みで進めてしまう
   ・業績が良い会社→甘いDD
   ・業績が悪い会社→厳しいDD

()ポイント
・DD報告書の様式を活用(漏れ防止)
 (該当がなければ「該当なし」と記録する方式)
・DD実施前に、報告書ドラフトを準備
・エクセル資料は事前に入手・分析
・入手資料は原本1つにする工夫(コピーは極力作らない)
・体系的なファイリング
・報告書完成前でも、いつでも報告できるよう論点まとめ
 (完成しないと報告できないのはダメ)
・論点になる事項は対象会社に文章で意見を求める
・数値算定中(未確定)でも、論点の項目出し


11.連結納税制度の適用に係る対応

1.連結グループにおける繰延税金資産、繰延税金負債の計上手順
 ① 各社ごとに財務諸表上の一時差異に対して税効果を認識
 ② 繰延税金資産、負債を合計。連結固有の一時差異に対して発生源泉となる各社ごとに税効果を認識
 ③-1 法人税に係る部分;連結グループとして回収可能性を判断
 ③-2 住民税または事業税に係る部分:各社ごとに回収可能性を判断

2.繰延税金資産の回収可能性の考え方
 連結所得見積額に基づいて回収可能性を判断(例外あり)

3.例示区分の考え方
 連結財務諸表:連結グループの例示区分
 個別財務諸表:グループと各社のいずれか上位の例示区分
 (連結欠損金がある場合は連結グループの例示区分による)


12.「リキャップCB」が急増 株価への効果は乏しい

・リキャップCBとは…
転換社債型新株予約権付社債(CB)発行と、自己株取得を同時に行い、負債・資本比率を再構築(リキャピタライゼーション)すること。

・一旦株主資本が減るため、ROEが向上し、株価が上がると言われている

・株価が一定以上になればCBが行使され、株式に変わるため、元に戻る

・発行の意図がわかりづらく、発行会社には既存株主の問い合わせが多い






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2014年8月2日土曜日

8/1 勉強会:簡易課税制度における事業区分について 他

1.検証・IBM事件

■まとめ
・国際的租税回避について、現在の税法では対応できない部分がある
 →「同族会社の租税回避」なのか、「国際的租税回避」なのかをよく考える必要あり

・日本IBMが日本で得た利益をアメリカ親会社へ送金しているが、その送金過程で日本において課税されていないことが問題。
 10年間で約12千億円(配当金の金額と自己株取得代金の合計)

 ※132条が創設されたのは昭和40年(約50年前)(その原型は大正12年(約90年前))


2.事業承継活性化で中間報告書をとりまとめ

■まとめ
・中小企業の経営者の高齢化により、今後10年間で約5割超の経営者が平均引退年齢(約70歳)にさしかかる

・後継者不足により、親族外の第三者に承継、事業売却するケースが増加
 →今の事業承継税制ではカバーできない事象が予想されている

・今後の見直し
 ①親族外承継の対象化(改正前:先代経営者の親族のみ)
 ②雇用の8割以上を「5年間平均」で評価(改正前:「5年間毎年」)
 ③利子税の引下げ(2.1%→0.9%) など


3.新株発行めぐり株主の賠償請求を斥ける

アートネイチャー:代表取締役らに新株発行
株主:発行価額が著しく低廉では?→株主代表訴訟

株価算定:税理士法人が実施(時価純資産法)
└時価純資産法@900vsDCF法@4,544

裁判所:株式価値は公正な価額であると判断
→根拠:算定方法や結果に不合理な点はない。
 └①株価算定に時価純資産価額法を用いたこと
 └②土地について路線価に基づく簡易な方法により時価を評価したこと
 └③取引相場がわからない資産は簿価を評価額としたこと


4.簡易課税制度における事業区分について

事業区分のトラブルが多く発生しているので、
適用対象者の業種だけで判断せずに取引内容をしっかり把握する必要がある。

   卸売業と小売業においての区分方法
購入者が事業者であるか否か判断できない。
    領収書等の相手先が○○商店や業者など⇒事業者(1)
    相手先が明確に判断できない⇒事業者以外(2)

   飲食サービス業と宿泊業との関係
飲食代と宿泊代が明確に区分されている⇒飲食分(4)、宿泊分(5)  
飲食代込の宿泊料である⇒宿泊分と考え第5

   不動産業について
不動産を購入して譲渡した⇒第1種または第2
建築をして譲渡した⇒第3
不動産の仲介・賃貸⇒第5(H27.4.1以後は第6)


5.修正版IFRSは「修正国際基準」に名称決定

企業会計基準委員会(ASBJ)は724日、日本の修正版IFRSの公開草案を決定し、名称は「修正国際基準」に正式決定した。

以下、修正された主な会計基準は以下の通り。

   のれんの処理について
   企業結合で取得したのれんは、耐用年数にわたって、定額法その他の合理的な方法により、規則的に償却するようIFRS第3号「企業結合」の規定を修正等している。
また、関連会社又は共同支配企業に対する投資に係るのれんについても同様。

なお、のれんの耐用年数はその効果の及ぶ期間によるが、20年を超えてはならないとしている。

開示に関しては、のれんの償却方法及び耐用年数並びにのれんの償却額が含まれている。

包括利益計算書の表示科目等を開示するようにIFRS第3号の規定を修正等している。

   その他包括利益の処理について
その他の包括利益の会計処理については、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資の公正価値の変動」、「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の発行者自身の信用リスクに起因する公正価値の変動」、「確定給付負債又は資産(純額)の再測定」に関して、ノンリサイクリングとしている規定を修正等し、リサイクリングするようにしている。

今後は日本基準、米国基準、IFRS、修正国際基準の4つの会計基準が並存することになる。


6.アジア上場②

シンガポール証券取引所(SGX

◆市場の構成
・メインボード・・・日本でいう東証1部・2
・カタリスト・・・日本でいうジャスダック・マザーズ

◆主な特徴
・外国企業の占める割合が非常に高い(2012年で40%)
・インドや中国等のアジア諸国への足がかりとするケースが多い

◆他のアジア市場に比しての優位性
・上場申請書類、開示書類を英語で作成するのみで良い
・会計監査人にシンガポールの会計事務所を必ずしも起用する必要が無い
・低い法人税率(17% その他軽減税率あり)
・リーガルコストが低い傾向にある

◆上場している日本企業
野村HD
村田製作所
MARUWA
ジークHD(カタリストへプライマリ上場した初の日本企業)


7.法人税:子会社が解散し残余財産の分配をした場合の処理

■前提
親会社A B株式の帳簿価額1,000
100
子会社B 資本金等の額1,200万 金銭で3,000万を分配

<親会社A
現金 3,000/みなし配当 1,800
      / B株式 1,000
      /資本金等の額 200

☆ポイント
①分配金銭のうち、子会社の資本金等の額を超える部分は配当とみなす
②譲渡損益は計上せず、資本金等の額の増加として処理

<子会社B
☆ポイント
確定申告書の提出期限は残余財産分配日の前日まで
(注)申告期限の延長をしている場合でも延長の適用なし


8.法人税:タックスヘイブン税制の事業基準をめぐる事案 (名古屋審判所)

自動車部品等の販売を行うXのシンガポール子会社Y(特定外国子会社等に該当)が、TH税制の適用除外規定の要件のうち[事業基準]満たしているかが争われた。

●規定
•適用除外規定(4つ全て満たす必要がある)1つである事業基準では、[主たる事業が株式の保有等一定の事業に該当しないこと]とされている。
•複数の事業がある場合の主たる事業は、収入金額又は所得金額の状況、使用人の数、固定施設の状況等の具体的・客観的な事業活動の内容を総合的に勘案して判定される。

●事実関係
Yは株式保有による配当収入とサービス業売上による収入を得ており、配当収入が売上の75%を占めていた。
•従業員は全員がサービス業に従事していた。
•全従業員がサービス業に従事している点を根拠に、XYの主たる事業はサービス業であるとして、YTH税制を適用せずに確定申告した。

●判断等
•税務当局は売上構成を重視し、Yの主たる事業は[株式の保有]であるとして、Xの申告漏れを主張した。
•審判所は税務当局の主張を指示した。
•株式保有は事業規模によって必要な従業員数が増減するものではないため、従業員数を主たる事業の判断基準とするのは合理的ではない。
というのが判断の理由。


9.修正国際基準(JMIS)公開草案

・のれんは20年以内で規則的の償却


10.スカイマーク 決算発表2時間遅れ

73115時発表のはずが、17時発表。
・「継続企業の前提に関する注記」で最後までもめた
LCCに押されて収益減
・エアバスに損害賠償

・助ける金融機関はあるか






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7/25 勉強会:LINE上場 他

1.非上場株の評価損で損金要件を満たさず

【非上場株式の評価損の損金算入要件】
   損金経理
   1株あたりの純資産価額が取得時と比較して50%以上下落
   期末の価格が簿価の50%以上下落
   近い将来価格の回復可能性見込みなし

【事例】
・会計上、減損処理すべき事由に該当
→回収可能性が無いと判断し、損金算入処理を実施
⇒④を満たすかどうかが地裁で争われた
※①~③は満たしていた

【判決】
・④は満たさない(損金算入できない)
・「会計上、減損処理すべきかどうか」と「回収可能性の有無」は個別に判断が必要


2.課税リスクの説明不足で追徴課税、税賠事件で税理士法人が逆転勝訴

■まとめ
・税理士は、課税リスクを関与先に丁寧に説明する義務がある
・税理士は、課税当局からの指摘等を関与先に速やかに報告する義務がある
・課税リスクをわかった上で関与先が行った会計処理について、税務調査等で追徴課税があった場合、税理士に損害賠償をする義務はない


3.会計基準間の主な差異について調整表の添付は求めず

・日本版IFRSとピュアIFRS及び日本基準の間の差異について注記を行うか否か検討されている。

・それぞれの会計基準の制度の問題であるため、制度間の注記においては会計基準に盛り込まない。

・日本版IFRSとピュアIFRS及び日本基準の間の差異は、金融庁にて記載の要否を定める。

・開示を求めた場合であっても、差異に伴う調整表を添付することは考えていない
※日本版IFRSが最終化される段階で決定される


4.判例:役員への債務免除に対する源泉徴収

※原則:源泉徴収義務あり
※特例:資力喪失者に対するものである場合は源泉徴収不要

■概要
・人格のない社団(青果荷受組合)Aはその理事長であるB55億円の貸付をしていた。
・その後Bの不動産(時価7億円)の回収をし、残額48億円を債務免除した。

国税
⇒理事長Bは自らの支配力を利用して債務免除を受けているものであるから、これは「給与」に該当する。また継続して不動産収入が27百万あり資力喪失とは言えない。

青果荷受組合A
⇒「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難である場合の債務免除」であるから源泉徴収義務なしを主張。
 
■広島高裁
理事長Bには所有資産2.8億円に対して借入金が52億円あり、不動産収入があるとしても「債務超過」状態は明らかである。債務免除は資力喪失による返済不能に基づくものと認められ給与にはあたらない。
よって源泉徴収不要。

<国側が上告中>


5.消費税:与党税制協議会 軽減税率についてヒアリング

•軽減税率について、46団体にヒアリングを行う。
•経団連、日本税理士会連合会 等
→軽減税率導入に反対

•農業団体、水産団体
→導入に賛成

•日本百貨店協会等
→慎重な姿勢

今後も医療団体、全国知事会、商工会等にヒアリングを行う。


6.IFRS アメリカが採用しない理由

・政治的な判断に加え、税法・会社法などの周辺制度に大きな影響を及ぼす
 =コスト・ベネフィットの点でコストに見合わない

・投資家の意見として、プリンシプル・ベースのIFRSでは財務諸表間の比較可能性が向上しないとの認識が強い

・プリンシプル・ルールでガイダンスも少ないため、会計処理に係る判断に難しい局面が多くなる
 =経営者を訴訟から保護するうえで十分に機能しない可能性がある

■独立性違反で監査のやり直し
Big4系監査事務所がすでに実施した監査について、過去に遡って監査報告書を無効とする対応を行った。
 ※前代未聞

・監査事務所の責任者と被監査会社の責任者との利害関係がありSECが決めた監査人としての独立性違反があったため

Big4系の別の事務所が過去に遡って監査を実施する


7.M&Aのシナジー効果について

・自社の目指したいシナジー効果をイメージすることが重要。
 シナジー効果の実現は、各社の事業内容、事業規模等によりさまざまであるが、因数分解すると下記のようになる。

(1)事業の選択と集中
 コア事業のバリューチェーンの強化と不採算事業の縮小を行うM&Aは効果が出やすい

(2)時間を買う
 人口減少社会にあっては、時間効果は経営資源を手に入れる効果だけであり1+1に過ぎない。
 追加的なシナジーはこれだけでは×

(3)企業再生
 経営の規律、従業員のインセンティブを原因とした経営不振の企業再生は、M&Aシナジーの宝庫。
 長所を発見し、未来の方向を示せば再生企業の社員は見違えるように変化する

(4)規模・範囲の経済
 規模の拡大が追加的な価値向上になるか否かが疑問が残る事例が多い。

(5)重複部分の固定費削減
 コストシナジー効果と呼ばれ即効性はあるが、有能な人的資源を失うリスクもある。

(6)補完的な組み合わせ
 バリューチェーンや事業ポートフォリオにおいて、補完的なM&Aは効果が出やすい。

(7)イノベーション
 イノベーションを伴うシナジー効果は計り知れない

(8)交渉力
 単なる規模拡大による交渉力強化はではなく、顧客にとっての価値向上を目指すことが重要。

(用語説明)
バリューチェーン:
事業活動を機能ごとに分類し、どの部分(機能)で付加価値が生み出されているか、競合と比較してどの部分に強み・弱みがあるかを分析し、事業戦略の有効性や改善の方向を探ること。


8.会計不正の調査委員会に経理部はどう対応するか

()会計不正対応の3つのフェーズ
  ①発覚のフェーズ
  ②調査のフェーズ
  ③事後処理のフェーズ

()ポイント
・初動対応を迅速かつ適切に行う
・風評被害や法的リスクを増大させないように注意
・会計監査人との十分な対話、正当性を適切に伝える
・スケジュール管理、開示書類訂正への対応
・「決算対応チーム」と「調査対応チーム」に役割分担
・会社側に立つ専門家の必要性(調査体制の構築、問題点の絞り込み等)


9.所得拡大促進税制の要点

■制度の要点
①青色申告法人が
②国内雇用者の給与額が
③一定以上増加した場合
④給与支給増加額の10%の税額控除が受けられる
 ※法人税額の10%相当額(中小企業は20)が限度。

【一定以上増加】
()基準年度75万、前事業年度80万、適用年度100万、
  人数は5人のまま

①基準年度の給与支給総額と比べて25%増加している
 ⇒75万×2%=1.5万≦100万-75万=25万 … OK
②前事業年度と比べて給与支給総額が増加
 ⇒80万≦100万              … OK
③一人当たりの給与額が増加
 ⇒80万÷5人=16万<100万÷5人=20万  … OK

【注意事項】
・退社、入社、高齢者(再雇用)は計算時に注意
・通勤手当は含めても含めなくとも良い ※継続適用必須
・法人税額の10%までしか控除出来ないが、控除しきれなかった部分の繰越不可
・雇用促進税制との両取りは不可
・適用忘れによる修正申告は不可


10.LINE上場

・7月16日、LINEが東証に上場申請。(→順調に行けば11月に上場)
LINEの登録ユーザー数は4.8億 世界最大のワッツアップ(5億)に肉薄
・一方で、シェアトップの国は日本、タイ、台湾のみ。
・米国ユーザーはわずか1千万。
・米国でも上場し、知名度向上を目指す

・なお、2014年1-3月期の売上は146億円。(前年同期比3.2倍)

ゲーム課金が主要部分を占める






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2014年7月20日日曜日

7/18 勉強会:検証・IBM事件 他

1.検証・IBM事件

■ヤフー・IDCF事件
・租税回避に該当(東京地裁2014318日判決)
・国側が全面勝訴
・法人税法132条の2の解釈に踏み込んだ判決
・証拠資料が十分にそろっている。税務調査が的確かつ効率的
・スキームの立案が国内において行われている。税務担当部署で作成

IBM事件
・租税回避に該当せず(東京地裁201459日)
・納税者側が全面勝訴
・事実認定に関する記述に終始
・証拠資料が少ない
・スキームの立案が国外?弁護士などが特別チームを編成して作成?
・国際的な租税回避についてを述べた条文がない
 →132条では対応しきれない面がある

■判決の分かれ目
・証拠資料の質、量の差
 →証拠資料が少ないことがIBM裁判では納税者側に有利に働いた
 →納税者側も少ない資料で事実関係の説明をしなければならない


2.連結納税における貸倒引当金の計算

■普通法人である連結子法人が貸倒引当金の繰り入れを行う際の留意点
・損金の額に算入するには下記の要件を満たす必要あり
①資本金の額が1億円以下であるもの
(大法人による完全支配関係がある普通法人等は除かれる)
②その連結子法人に係る連結親法人が①に該当する

・内国法人が、その内国法人との間に連結完全支配関係がある連結法人に対して有する金銭債権は含まれない


3.投資収益率算定は対象外設備も含め計算

生産性向上設備投資促進税制の適用要件
 ・設備投資計画上の投資収益率が15%以上(中小企業は5%以上)
 ・税理士等がチェックし経済産業局の確認が必須
 ⇒対象設備の50%の特別償却又は対象設備の取得価額の4%の税額控除

投資収益率とは
 (営業利益+減価償却費)の増加額÷設備投資額により算定
       
<結論>
特別償却又は税額控除 ⇒ Aの金額
適用要件の判定    ⇒ ABの金額
⇒上記、税制優遇措置を適用する場合には、留意する必要あり。


4.後年分の会計票筆圧調査から偽計を認定

【事例】
・税務調査にて、
 日々の会計票の束の裏面に残っていた筆圧痕金額(束の合計額)
  > 実際に集計した束の合計額を発見
・売上金額を家族名義の口座に入金していたにも関わらず、調査時にその家族口座は会社とは関係ないという態度をとっていた

【審判所】
・会計票の束から、売上にかかる会計票の一部が故意に抜かれた
・把握しづらい家族名義口座に売上金額を入金し、会社に帰属させないようにしていた
⇒売上の隠蔽を図る行為であり、「偽りその他不正の行為」に該当すると判断

※偽りその他不正の行為
⇒社会通念上不正と認められる一切の行為が該当
⇒懲役・罰金(刑事罰)の対象


5.IPO関連

- 新規IPO企業紹介 -
◆会社の概要
会社名:㈱イグニス
上場日:715
市場:マザーズ
事業内容:スマートフォン及びタブレット端末等向けのネイティブアプリサービスの提供
主幹事証券:野村證券
監査法人:あずさ

◆資本金100万円で上場
有価証券届出書によると、上場直前のイグニス社の資本金は設立時から変わらずの100万円。
マザーズの上場要件に資本金や純資産の項目が無いとは言え、設立時から一度も増資をせず(創業者保有株式の売却はあり)、上場を果たした非常にレアなケース。

直前々期は44百万円の債務超過であったが、直前期では147百万円の利益剰余金が計上されており、アプリの開発期(直前々期)は借入金(みずほ銀行などから90百万円程度)で運転資金・開発資金を賄い、サービスリリース後の現在は内部留保で賄う、理想的な形の資金繰り。

アプリの開発力もさることながら、創業3年の会社にメガバンクが1億円近い融資を行っているため、創業者社長にはそれなりの資力があったが、税務メリットや話題性の点などから、あえて増資を行わなかったことが考えられます。


6.判例:土地譲渡対価の益金算入時期

■概要
・不動産業者Aは東京都との間にH2011月に土地売買契約を締結
 ※代金の支払いは所有権移転登記後とする
 ※土地の上に建物があり、これを取り壊さないと土地は利用できない
H2012月に所有権移転登記
H216月に建物を取り壊した

この場合「引き渡しがあった日」がいつになるかを巡り争われた。

A社⇒実際に土地が利用できるようになったH216
課税庁⇒契約締結日であるH2011

■東京地裁
不動産の売買があった場合の収益計上時期は「引き渡しがあった日」となる。
この場合の「引き渡し」は現実に固定資産が使用収益できるようなることでなく、契約により支配権が移転することを言う。よって契約締結日であるH2011月に売上計上すべきである。


7.税務:租税公課等の損金算入時期

租税公課等はその租税債務が確定した事業年度に損金算入されるという考えのもと、具体的には以下の様に取り扱う。

□申告納税方式のもの(事業税、事業所税)
申告書を提出した日の属する事業年度の損金とする。

□賦課課税方式のもの(固定資産税、不動産取得税、自動車税)
賦課決定のあった日の属する事業年度の損金とする。

□特別徴収方式のもの(ゴルフ場利用税、経由取引税)
納入申告書を提出した日の属する事業年度の損金とする。

□利子税、延滞金
納付した日の属する事業年度の損金とする。


8.リサイクリング

・その他の包括利益(OCI)として計上した未実現利益を、実現時にPLを通して当期純利益に計上し直すこと
・その他有価証券評価差額金:売却時にPLで売却損益を計上
 
IFRSの場合、その他有価証券評価差額金のリサイクリングは認められていない
 =売却時にPLを経由せず利益剰余金に直接振り替えられる


9.経理・財務部門と他部門間の職務分担見直し

()経理・財務部門内の見直し
※「やりすぎ」の削減
 ①業務の廃止、簡略化
 ②業務の移管(SSC、アウトソーシング)

()他部門間との見直し
※「形だけの業務」の削除
 ①業務の移管(他部門へ)
 ②制度の再設計

()ポイント
※不要なものは思い切って「関わらない」
※効率化のために「減らす」だけでなく「増やす」という発想も必要
※「しかたない」と思考を停止させてはいけない


10.附帯税等の会計処理

・附帯税等の会計処理
P/L上、「法人税等」の次に、「法人税等の更生、決定等による納付税額又は還付額」等の科目で記載(外形除く)
※修正申告事項が過去の誤謬に起因するものでない場合
 ⇒金額の重要性が乏しい場合には、「法人税等」に含めて表示することが出来る

・利子税等の会計処理
 ⇒利子税は営業外費用の「その他」等で処理
 ⇒還付加算金は、営業外収益の「法人税等還付加算金等」で処理
 ⇒印紙税の過怠税は「租税公課」等で処理


11.M&Aファイナンスの特徴

投資ファンドが買手となる場合、全額自己資金ではなく、投資効率を高めるために借入を利用することが多い。

【例】100億投資して5年後に資産価値が50億増加する場合
   借入する場合は、80億を買入
5年後に一括弁済 年率5%固定=利息20億(4/年×5年)
(結果)
①借入なし⇒100の投資で50増加
②借入あり⇒20の投資で305020)増加
(結論)
②の方が増加資産は少ないが、投資効率は良い
※ただし、借入時にその他取引費用が出たり、自己資金を使わなければ預金利息を得られた可能性もあるため、実務的には内部収益率(IRR)を使って投資効率を図る。


12.接待飲食費の損金算入に関する判断ポイント

26年度改正で社外の人との接待飲食費は50%損金算入可能に

■ポイント① 5千円基準と併用できる
 ⇒1人当たり5千円以下の飲食費は交際費から除外できる(従来通り)
 ⇒接待飲食費の措置法と併用可能
 ⇒大企業の場合、5千円基準で交際費をはじいた残りの接待飲食費について、50%相当額が損金算入となる

■ポイント② 接待飲食費の範囲
 ⇒ゴルフや観劇等の催事に伴う飲食や、送迎費は接待飲食費の対象外
 ⇒だが、飲食を主とする目的であるならば、「カラオケ」「キャバクラ」「スナック」も接待飲食費の対象

■ポイント③ 社内交際費
 ⇒社内交際費は50%損金算入できる接待飲食費からは除外される
 ⇒ただ周辺科目を使えば100%損金算入できるため、慎重な判断が必要

 ※福利厚生費の要件
⇒慰安目的であること
⇒従業員に対して公平さが保たれること
⇒通常要する費用であること

 ※会議費の要件
⇒通常会議を行う場所で行われる会議に伴う費用であること
⇒通常供与される飲食物であること ※12杯程度のお酒はOK


13.ローランド TOB成立 TOB価格は安すぎる??

・現経営陣と、米系投資ファンドが手を組み、TOBを実施
(創業者は反対していた)
715日、TOB成立。83%を取得。
TOB価格は安すぎるため、今後、プロ投資家が残った株式を買い集め、高い価格で会社に買い取らせる動きも?
TOB価格の算定はアミダスパートナーズ。
DCF法で算定。


ローランドは連結で稼ぎ頭の子会社(ローランドDG)株式を手放し、連結から外す予定。






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