1.検証・IBM事件
■まとめ
・国際的租税回避について、現在の税法では対応できない部分がある
→「同族会社の租税回避」なのか、「国際的租税回避」なのかをよく考える必要あり
・日本IBMが日本で得た利益をアメリカ親会社へ送金しているが、その送金過程で日本において課税されていないことが問題。
10年間で約1兆2千億円(配当金の金額と自己株取得代金の合計)
※132条が創設されたのは昭和40年(約50年前)(その原型は大正12年(約90年前))
2.事業承継活性化で中間報告書をとりまとめ
■まとめ
・中小企業の経営者の高齢化により、今後10年間で約5割超の経営者が平均引退年齢(約70歳)にさしかかる
・後継者不足により、親族外の第三者に承継、事業売却するケースが増加
→今の事業承継税制ではカバーできない事象が予想されている
・今後の見直し
①親族外承継の対象化(改正前:先代経営者の親族のみ)
②雇用の8割以上を「5年間平均」で評価(改正前:「5年間毎年」)
③利子税の引下げ(2.1%→0.9%) など
3.新株発行めぐり株主の賠償請求を斥ける
アートネイチャー:代表取締役らに新株発行
↓
株主:発行価額が著しく低廉では?→株主代表訴訟
株価算定:税理士法人が実施(時価純資産法)
└時価純資産法@900円vsDCF法@4,544円
裁判所:株式価値は公正な価額であると判断
→根拠:算定方法や結果に不合理な点はない。
└①株価算定に時価純資産価額法を用いたこと
└②土地について路線価に基づく簡易な方法により時価を評価したこと
└③取引相場がわからない資産は簿価を評価額としたこと
4.簡易課税制度における事業区分について
事業区分のトラブルが多く発生しているので、
適用対象者の業種だけで判断せずに取引内容をしっかり把握する必要がある。
①
卸売業と小売業においての区分方法
購入者が事業者であるか否か判断できない。
領収書等の相手先が○○商店や業者など⇒事業者(第1種)
相手先が明確に判断できない⇒事業者以外(第2種)
②
飲食サービス業と宿泊業との関係
飲食代と宿泊代が明確に区分されている⇒飲食分(第4種)、宿泊分(第5種)
飲食代込の宿泊料である⇒宿泊分と考え第5種
③
不動産業について
不動産を購入して譲渡した⇒第1種または第2種
建築をして譲渡した⇒第3種
不動産の仲介・賃貸⇒第5種(H27.4.1以後は第6種)
5.修正版IFRSは「修正国際基準」に名称決定
企業会計基準委員会(ASBJ)は7月24日、日本の修正版IFRSの公開草案を決定し、名称は「修正国際基準」に正式決定した。
以下、修正された主な会計基準は以下の通り。
①
のれんの処理について
企業結合で取得したのれんは、耐用年数にわたって、定額法その他の合理的な方法により、規則的に償却するようIFRS第3号「企業結合」の規定を修正等している。
企業結合で取得したのれんは、耐用年数にわたって、定額法その他の合理的な方法により、規則的に償却するようIFRS第3号「企業結合」の規定を修正等している。
また、関連会社又は共同支配企業に対する投資に係るのれんについても同様。
なお、のれんの耐用年数はその効果の及ぶ期間によるが、20年を超えてはならないとしている。
開示に関しては、のれんの償却方法及び耐用年数並びにのれんの償却額が含まれている。
包括利益計算書の表示科目等を開示するようにIFRS第3号の規定を修正等している。
②
その他包括利益の処理について
その他の包括利益の会計処理については、「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品への投資の公正価値の変動」、「純損益を通じて公正価値で測定する金融負債の発行者自身の信用リスクに起因する公正価値の変動」、「確定給付負債又は資産(純額)の再測定」に関して、ノンリサイクリングとしている規定を修正等し、リサイクリングするようにしている。
今後は日本基準、米国基準、IFRS、修正国際基準の4つの会計基準が並存することになる。
6.アジア上場②
シンガポール証券取引所(SGX)
◆市場の構成
・メインボード・・・日本でいう東証1部・2部
・カタリスト・・・日本でいうジャスダック・マザーズ
◆主な特徴
・外国企業の占める割合が非常に高い(2012年で40%)
・インドや中国等のアジア諸国への足がかりとするケースが多い
◆他のアジア市場に比しての優位性
・上場申請書類、開示書類を英語で作成するのみで良い
・会計監査人にシンガポールの会計事務所を必ずしも起用する必要が無い
・低い法人税率(17% その他軽減税率あり)
・リーガルコストが低い傾向にある
◆上場している日本企業
野村HD
村田製作所
MARUWA
ジークHD(カタリストへプライマリ上場した初の日本企業)
7.法人税:子会社が解散し残余財産の分配をした場合の処理
■前提
親会社A B株式の帳簿価額1,000万
↓100%
子会社B 資本金等の額1,200万 金銭で3,000万を分配
<親会社A>
現金 3,000万/みなし配当 1,800万
/ B株式 1,000万
/資本金等の額 200万
☆ポイント
①分配金銭のうち、子会社の資本金等の額を超える部分は配当とみなす
②譲渡損益は計上せず、資本金等の額の増加として処理
<子会社B>
☆ポイント
確定申告書の提出期限は残余財産分配日の前日まで
(注)申告期限の延長をしている場合でも延長の適用なし
8.法人税:タックスヘイブン税制の事業基準をめぐる事案 (名古屋審判所)
自動車部品等の販売を行うXのシンガポール子会社Y(特定外国子会社等に該当)が、TH税制の適用除外規定の要件のうち[事業基準]満たしているかが争われた。
●規定
•適用除外規定(4つ全て満たす必要がある)の1つである事業基準では、[主たる事業が株式の保有等一定の事業に該当しないこと]とされている。
•複数の事業がある場合の主たる事業は、収入金額又は所得金額の状況、使用人の数、固定施設の状況等の具体的・客観的な事業活動の内容を総合的に勘案して判定される。
●事実関係
•Yは株式保有による配当収入とサービス業売上による収入を得ており、配当収入が売上の75%を占めていた。
•従業員は全員がサービス業に従事していた。
•全従業員がサービス業に従事している点を根拠に、XはYの主たる事業はサービス業であるとして、YにTH税制を適用せずに確定申告した。
●判断等
•税務当局は売上構成を重視し、Yの主たる事業は[株式の保有]であるとして、Xの申告漏れを主張した。
•審判所は税務当局の主張を指示した。
•株式保有は事業規模によって必要な従業員数が増減するものではないため、従業員数を主たる事業の判断基準とするのは合理的ではない。
というのが判断の理由。
9.修正国際基準(JMIS)公開草案
・のれんは20年以内で規則的の償却
10.スカイマーク 決算発表2時間遅れ
・7月31日15時発表のはずが、17時発表。
・「継続企業の前提に関する注記」で最後までもめた
・LCCに押されて収益減
・エアバスに損害賠償
・助ける金融機関はあるか
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