2015年2月8日日曜日

2/6 勉強会:子会社株式追加取得・一部売却の会計実務 他

1.IDCF事件・高裁判決

■まとめ
・IDCF事件を通して、専門家が試されている
 租税回避というものをどのように考えているか?

・国税局の事前照会で「大丈夫」という回答をもらっていてもその後の税務調査でひっくり返ることがある
 ⇒事前照会は専門家の総合的な本当の力量が問われる極めて高度な業務

・法人税法132条の2は組織再編の濫用防止規定
 ⇒濫用があるかないかが適用判断の基準

・個別規定の文面に当てはめて○となる行為でも、×としなければならないものがあるからその行為を×とするために132条の2が設けられいる


2.診療情報提供書に係る診療情報提供料の自己負担額の医療費控除の取扱いについて

・上記について、事前照会をしたもの
■事前照会内容(抜粋)
・けがをした際、当初診療を行った病院から紹介状を受取り、別の病院で治療を継続した。
・紹介状の作成料として、健康保険適用の文書料を支払った。
⇒この文書料は医療費控除の対象となるのか?

■結果
・本件のケースにおいては医療費控除の対象となる。
⇒別の病院で治療を受けるために直接必要な費用と考えられるため、
また治療を受けるために通常必要な費用と考えられるため、
健康保険適用の文書料であるため

※参考
通常、診断書などの文書料は医療費控除の対象外となる


3.財産債務調書、資産少額なら提出不要に

■27年度改正で見直された財産債務調書の件
※財産債務調書(27年度改正により財産債務明細書から名称変更)
 個人の12/31時点における財産と債務の一覧を記載したもの

■提出基準
 ・現在  … 所得が2千万円超
 ・変更後 … 所得が2千万円超 かつ
        保有財産の価値が3億円以上または出国時課税対象資産1億円以上

(例)所得1千万円、保有財産の価値が10億円の人は?
  ⇒提出不要


4.消費税率引上げ延期で経過措置はこうなる!

(経過措置)
⇒指定日前に契約を締結するなど一定条件のもとに、消費税率引上げ以降も増税前の税率(8%)の適用が認められる措置
⇒経過措置が認められる取引は限定され、また、条件は取引ごとに異なる

(指定日)
平成28年10月1日
(消費税率の引上げ時期延期(H27年10月1日⇒H29年4月1日)に伴い、
指定日も変更(H27年4月1日⇒H28年10月1日)

(経過措置が認められる取引とその条件)
(1)工事の請負
(平成25年10月1日~)H28年9月30日までに契約していること
(ただし、H28年10月1日以降、対価を増額した場合、増額部分は10%を適用)

(2)資産の貸付け(ex.リース取引)
H28年9月30日までに契約・貸付していること

(3)書籍等の予約販売
(平成25年10月1日~)H28年9月30日までに契約し、H29年3月31日までに対価を受領していること、
(なお、対価の受領は一部でもOK)

(4)通信販売
H28年9月30日までに条件を提示(または提示する準備を完了)し、
H29年3月31日までに申し込みを受けること
(なお、当該提示条件に基づいて販売する必要あり)

など


5.負債利子の額を当年度実績での計算によることが相当

■事例
・更正処分により受贈益と認定された
・確定申告済みの受取配当の益金不算入額の算定にあたり、負債の利子の額を当年度実績により確定申告している。
・受贈益認定に伴い帳簿価額が増加した

■請求人の主張
・受贈益がないことを前提に「当年度実績」を基に算定をした。
・受贈益認定されたのであれば、再計算する際は「基準年度実績」を基に算定したいと主張
(益金不算入額が減少し納税者有利となるため)

※負債の利子の額は、「当年度実績」又は「基準年度実績」のいずれかの算定方法を選択することが可能。

■判決
・算定方法は法人の選択に委ねれてはいるが、更正処分の再計算をする場合の算定方法について法令の定めはない。
つまり一度確定申告した分の修正申告等については、申告した算定方法に基づき算定する必要がある。


6.実務家のための贈与税の審理上の留意点に係るQ&A

【テーマ(1)】住宅ローンの内容に異動が生じた場合の贈与税
・共働きの夫婦が共同で住宅を取得し、連帯債務によるローンを組んでいた。

(A)妻が退職したため、夫が妻の債務を返済した場合
 ⇒妻:夫に返済してもらった債務相当に贈与税が課税

(B)ローンを借り換え、夫が妻の債務を肩代わりした場合
 ⇒妻:夫に肩代わりしてもらった債務相当に贈与税が課税

(C)住宅の名義を共有から夫単独所有へ変更し、ローンを夫が引き受けた場合
 ⇒夫:『住宅価格 - 妻から引き受けたローン金額』に贈与税が課税

【テーマ(2)】教育資金管理契約に係る口座からの払い出し時期
・教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税特例を受けている大学生Aが、H27.10.7に研修旅行費を支払い、大学から領収書をもらった。

(A)教育資金を支払った後に、領収書と引き換えに非課税口座から払い出す方法を選択している場合
 ⇒H28.10.7までに、領収書を銀行へ提出し、教育資金相当額を払い出す必要あり

※支払いから1年以内に、銀行から払い出さなくてはならない

(B)非課税口座からの払い出し時には領収書を必要とせず、1年分の領収書を翌年3月15日までに提出する方法を選択している場合
 ⇒H27.1.1~H27.12.31までに銀行から教育資金相当額を払い出し、
 ⇒H28.3.15までに領収書を銀行へ提出する必要あり

※支払いした年と同じ年に、銀行から払い出さなくてはならない
※払い出すタイミングは、支払いの前後どちらでもOK


7.自動車の損失と雑損控除

■雑損控除の対象
「生活に通常必要な動産」について、「災害・盗難・横領」により損失が生じた場合が対象

■自動車の損失について
・「通勤用」、「交通の便が特に悪い」場合は「生活に通常必要」な資産となる

①自損事故…「災害・盗難・横領」にあたらないので適用なし
②当て逃げ…「災害・盗難・横領」にあたらないので適用なし
※「災害」には人為による異常な災害が含まれるが、天災と同視すべき劇的な事象をいうと解するのが妥当とされている。従って当て逃げやいたずらなどは災害に含まれない。

(参考)
「人為」による異常な災害の例⇒耐震偽装によりマンションが傾いたケース

③盗まれた場合…盗難に該当し適用あり


8.消費税:内外判定基準の内国法人への影響

KindleやApp Storeへの課税のため、電気通信役務の提供の内外判定基準の改正が行われた。
この改正は国内企業にも影響がある。

■改正内容
判定基準が、[役務提供を行う者の事務所等の所在地]から[役務提供を受ける者の事務所等所在地]に変わった。

■国内企業への影響
国内企業が海外の顧客に配信する事業は従来は国内取引の[輸出免税]とされていた。
改正後は[国外取引]となるため消費税の対象外となり、課税売上割合が低下する。


9.子会社売却と税効果

・子会社売却を「決定」したことにより繰延税金負債(DTL)を計上するケースあり
 (※根拠:連結税効果実務指針34項、38項)

・連結加入後に子会社が獲得した留保利益は連結上オンバランス、
 親会社の単体決算上はオフバランス(子会社株式は取得原価のままなので)
 ⇒一時差異発生

・DTL認識は子会社売却の「意思決定」時


10.M&Aの最終契約書の補償条項について

1.補償条項設定の目的と役割(効果)
(1)買主サイド
 ・目的
  ⇒ 売主より知らされていない事実による損失に対して賠償請求したい。
 ・役割(効果)
  ⇒ 売主の故意・過失なくても損害賠償請求可能となる。

※民法の債務不履行責任は相手方の故意・過失があることが要件となる。

(2)  売主サイド
 ・目的
  ⇒ 買主から損害賠償請求される金額や期間等を制限したい。
 ・役割(効果)
  ⇒ 補償条項の内容により、損害賠償請求を最小化することが可能

2.補償条項の制限事項の例示と留意事項
 ・金額による制限
※補償金額の上限を定める。相手の損失が一定額を超えたら超過分を補償するなど。
 ・時間による制限
※補償請求できる期間を定めるなど
 ・当事者の認識による制限
※買主が相手方の違反を認識していた場合は補償請求できないとするなど

⇒ 補償条項の制限は様々な内容で定めることが可能
⇒ 売主、買主それぞれ、どのようにリスクを負担するのかに留意し、制限事項を設定することが重要と考えられる。


11.子会社株式追加取得・一部売却の会計実務

(主な改正点)
 1.のれんの処理
  (1) 追加取得時
   ・従来、株式の追加取得価額と獲得した持分の差額はのれんとしていた
   ⇒差額は資本剰余金で処理することに。
  (2) 売却時
   ・従来、減少する持株割合にみあった額だけのれん未償却額を減額していた
   ⇒減額しないことに。
   ・従来、連結上の子会社株式売却益は利益としていた。
   ⇒改正基準では資本剰余金に振り替えることに。

 2.取得関連費用の取り扱い
  (1) PL上の取扱い
   ・従来、取得原価に含めて計上できる結果、
    のれんとして数年間にわたり費用化できた
   ⇒発生した事業年度で一括費用処理
  (2) CF上の取扱い
   ・投資CF ⇒ 営業CF

(適用時期)
 平成27年4月1日以後開始する連結会計年度の期首から
 ⇒初年度の取り扱い:下記、選択可能
  ・過去の期間のすべてに改正後の連結会計基準を適用&累積的影響額を期首残高に反映する方法
  ・改正後の連結会計基準等を適用初年度の期首から将来にわたって適用する方法


12.無形固定資産の取得原価の配分

・日本基準で認識される無形資産の例
 ①法律上の権利
  Ex.特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権、商号、営業上の機密事項等

 ②分離して譲渡可能な無形資産
  Ex.ソフトウェア、顧客リスト、特許外の技術、データベース、研究開発活動の途中段階の成果等

・IFRSで認識される無形資産の例
  IFRSでは設例を設けて例示列挙している。
  Ex.商標権、顧客関係、著作権、コンテンツタイトル、リース契約、ライセン
ス、特許権、技術資産


13.普通株式(上場)への転換可能な優先株式(非上場)の会計処理

(1)優先株式とは
・剰余金の配当、残余財産の分配、またはその両方について普通株式に比べて優先的に受け取ることが出来る株式

(2)転換請求期間開始前
・市場価格の無い種類株式に該当
⇒取得価額で計上し、実質価額が著しく低下すれば減損を検討
※実質価額の算定が要注意
⇒@純資産ではなく、オプション価格モデルで評価

(3)転換請求期間開始後(イン・ザ・マネー=転換すれば利益が得られる状態)
・市場取引なくても(=転換していなくても)、市場価格のある株式に該当(転換できるから)
⇒通常の上場株式と同様の評価

(4)転換請求期間開始後(アウト・オブ・ザ・マネー=転換しても利益が得られない状態)
・市場価格のある株式に該当しない(転換しないから)
⇒(2)転換請求期間開始前の評価方法による


14.それって「調査」?

「調査」で税金が増えた場合 ⇒ 延滞税に加えて、過少申告加算税が課される
「行政指導」で税金が増えた場合 ⇒ 延滞税のみが課される

【手続通達1-2】⇒「調査」と「行政指導」の区別を定義

下記の行為は調査に該当しない(=行政指導)
・書類の添付漏れを連絡し、自発的な提出を要請
・計算ミス、記載ミスを伝え、自発的な再提出を要請
・税法の適用誤りがありそうな場合、自発的な情報提供、あるいは再提出を要請
・申告義務があるにも関わらず申告していないと思われる者に自発的な提出を要請等

【事務運営指針 第2章1】
調査又は行政指導を行う場合は、納税義務者等にどちらであるかを明示する。

(対面、電話、書面いずれでも)







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2015年1月31日土曜日

1/30 勉強会:非上場の子会社株式の評価損の損金算入について 他

1.ヤフーに続きIDCF事件控訴審でも国勝訴

■まとめ
・ヤフー事件と一体と言えるIDCF事件の控訴審も国が勝訴(1月15日)
 →IDCF側が最高裁へ上告することが予想される

■IDCF事件とは
1、ソフトバンクの100%子会社(当時)のIDCS社の営業部門を分割し、IDCS社の100%子会社のIDCF社を設立
2、分割直後にIDCS社はIDCF社株式の全部をヤフーに売却
3、2の行為により1の分割は税制非適格分割となる
  →IDCF社に資産調整勘定が発生
4、ヤフーがIDCS社を合併
  →当該合併は「みなし共同事業要件」を満たすとして、IDCS社の欠損金を引き継ぐ形となっていた

■IDCF事件の問題点
・IDCS社がIDCF社株式を売却した行為が意図的な「適格外し」
 →IDCS社の青色欠損金をヤフーに引き継がせ、IDCF社ではのれんを認識しその償却費を計上する


2.執筆・公演等の所得は雑所得に該当と判断

■概要
 大学の准教授が執筆・公演の所得を事業所得として申告
⇒雑所得に該当すると判断された事例

■准教授の所得
 ・大学の非常勤講師による所得
 ・上記に関する講演、執筆による所得 ※ここが争点

■事業所得として認められなかった理由
 ・執筆活動に関して営業や取材をしていたと主張
  ⇒裏付けとなる証拠や記録が一切残っていない

 ・専門分野と、その他趣味の執筆活動をしていたと主張
  ⇒書面やデータが一切残っていない
  ⇒これらの内容の執筆による収入金額がない

 …「事業」と言える程の規模や様態でないため
  「事業所得」としては認めることが出来ない

■結果
 ・当初申告の事業所得の必要経費(交通費200万、図書費200万円等)が雑所得の必要経費となるため、他の各所得から控除が出来なくなる


3.税効果適用指針、27年3月末までの最終化は困難

(1)現状、繰延税金資産の回収可能性(税負担の減額効果があるかどうか)に関する具体的な会計基準なし
⇒企業会計基準委員会が公開草案を作成中
(従来は、監査上の実務指針に基づいて判断)

(2)従来の指針:画一的な取扱い⇒新基準:ある程度柔軟な取扱い
Ex.金額的に重要な繰越欠損金がある場合
従来:翌期に見積もりできる課税所得の範囲内でしか回収可能性が認められない。
⇒新基準:状況次第で、より長期に渡って見積もった課税所得の範囲内で回収可能性が認められる。

(3)H27年3月期から早期適用を望む声あり
⇒時間的に厳しく実現は困難


4.必要経費該当性の判断で当局の理由記載に不備

■事例
原処分庁が必要経費算入を否認した件で、原処分庁が提示した必要経費に該当するか否かの判断理由に審判所は不備があったと指摘した
⇒不備による一部課税処分の取り消しが行われた

■事案
雑所得に係る旅費等の経費について一部必要経費不算入とした。

原処分庁:
必要経費不算入とした更正の理由として、書面上で、一部の金額は業務上の必要性が明らかに区分できない。
また必要経費ではなく家事関連費に該当と記載
⇒ざっくりと指摘した

審判所:
金額のみの指摘だけでは不十分。
「いつ、だれに、どのような内容で支払ったか」など、必要経費に該当するか該当しないかの内容が特定できないと指摘
⇒指摘する以上、細かいところまで特定して指摘すべき

■今後
必要経費の該当性の判断については、より具体的な理由の提示が求められる可能性があり


5.ベンチャーファンドへの出資に税理士も

・金融審議会「投資運用等に関するワーキング・グループ」が1/19開催
⇒プロ向けファンドの新制度について報告案がまとまった

【内容】
・プロ向けファンドが悪用され、投資家が被害に合うケースが散見
⇒ファンドに投資できる個人投資家を限定することに

・投資できる個人投資家
(1)金融資産1億円以上保有している者
(2)(1)以外では、一定条件のもと、
 -上場会社の役員・元役員 等
 -上場会社の上位50位程度の株主 等
 -経営革新等支援機関として認定されている公認会計士・弁護士・司法書士・行政書士・税理士等
 -会社役員・コンサル等として、会社設立・新規事業の立上げ等の実務に1年程度携わった者


6.出国時課税制度 補足

<制度概要>
評価額1億円以上の有価証券等を有する者が出国する場合、出国時に譲渡があったものとして課税する制度

■対象者
転勤で1年以上国外勤務となる者も含まれる

■更正の請求
国外転出後5年以内に帰国した場合には更正の請求をすることで課税を取り消すことができる

■納税猶予制度あり
担保を供し、納税管理人の届出をすれば最大10年納税が猶予される

■対象となる金融資産
上場株式だけでなく、非上場株式・新株予約権なども対象となる

■適用開始
平成27年7月1日以後の国外転出より適用


7.事業税:外形標準課税の拡充

H27.4.1以後に開始する事業年度から、段階的に『付加価値割&資本割』の税率が引き上げられ、『所得割』の税率が引き下げられる。
これにより、外形標準課税が拡充される。
 (所得が発生している法人の税負担が減り、所得が発生していない法人の税負担が増える)

■税率の変更 ※標準税率
・H26年度[現行]
  所得割:3.8% 5.5% 7.2%、付加価値割:0.48%、資本割:0.2%
・H27年度[改正後1]
  所得割:3.1% 4.6% 6.0%、付加価値割:0.72%、資本割:0.3%
・H28年度[改正後2]
  所得割:2.5% 3.7% 4.8%、付加価値割:0.96%、資本割:0.4%

■負担軽減措置(経過措置)
・付加価値額が30億円以下の法人に適用される。
・『旧税率により計算した事業税』と『新税率により計算した事業税』の差額(負担増加分)の1/2が税額控除される。

■超過税率について
・各自治体の条例改正により、税率が今後明らかになる。


8.66号(DTAの回収可能性の判断指針)の見直し

・分類3と分類4に「将来の業績予測等を考慮する定め」を記載した点が大きく変わった
・過去の課税所得や繰越欠損金という期末時点の事象だけではなく将来もみて判断することとなった。

分類3(5年)の変更点
・5年超期間での回収について合理的に説明できれば認められることとなった
・5年以内のより短い期間となることもある(従来は5年固定)

分類4の変更点
・従来は「繰越欠損金の存在」というストック要件が重視されすぎていた
・重要な欠損金があっても将来解消が合理的に説明できれば、分類2や3があり得ることとなった
・重要な繰越欠損金が「過去3年以内か当期に発生したかどうか」で判断することとなった。


9.新興国の非上場株式の評価時の留意点

新興国企業であり、非上場の会社の株式を評価する際に問題になりやすい事項は以下の通り

1.評価段階以前に問題となりやすい事項とその対応例
 ・財務諸表の信頼性が低い   
⇒評価に先だって財務DDを実施
 ・資本市場のデータ入手が困難
⇒先進国のデータで代替
 ・経営陣が参画継続か否かで企業価値に影響を与える
⇒インセンティブプランによる経営陣の引き留めなど
   ※例として、経営陣が行政とのパイプが広いなど

2.評価段階で問題となりやすい事項とその対応例
(1) 倍率法(類似会社比準法など)
 ・比較対象と出来る企業が見つからないことが多い
⇒対象企業の国以外の同業種の企業を利用
(2) DCF法
 ・所在国の予測が困難な事象(カントリーリスク)をどのように企業価値に反映させるかが難しい
⇒様々なカントリーリスクの推定方法はあるが、確立された手法は無い
⇒推定したカントリーリスクが、所在国の情報などの定性的な情報と整合性しているかを検討する
 ・急成長中の新興国ではターミナルバリューが大きくなりやすい
⇒現在の成長率がどの期間続くのか中長期的な視点で判断し、成長率を決定


10.「平成27年度税制改正大綱」のポイント

■法人税
○
 ・実効税率の引き下げ
▲
 ・事業税外形標準課税の強化
 ・繰越欠損金の控除制限の強化
 ・配当課税の強化
 ・試験研究費の税額控除制度の見直し
 ・特定資産の買換え特例の縮減(限度額80%⇒70%or75%)

■消費税
 ・引き上げ時期の変更
 ・電子商取引の課税方式の変更

■国際課税
 ・外国子会社からの配当の益金不算入制度の見直し
 ・外国子会社合算税制(タックスヘイブン対策税制)の見直し 等


11.固定資産の減損における資産のグル―ピングと事業セグメントの関係

⇒目的・意義が異なるので区分の方法も常に同じにはならないが重要な関連性がある。

・連結F/Sの固定資産の減損における資産グループは、どんなに大きくても事業セグメントよりも大きくなることはないと考えられる

・事業セグメントの変更や見直しを行った場合、固定資産の減損における資産グルーピング変更につながる可能性がある。


12.非上場の子会社株式の評価損の損金算入について

(1)評価損の損金算入
・原則×
・例外○

(2)例外について(a.かつb.)
a.発行法人の資産状態が著しく悪化
・法的整理が開始
・@純資産が株価の50%以上下回る
b.株価が著しく低下
・@純資産が株価の50%以上下回るかつ将来の回復が見込まれない

(3)実務
a.評価のポイント(企業支配株式等の価額)
・特定株主により20%以上保有されている場合で、企業支配が目的と認められる場合
⇒通常の評価+企業支配に係る対価の額を加算して判定

(事例)
@純資産が4万の非上場株式を支配目的で60%を@5万で取得
↓
当期末は@純資産2万(50%以上下落しているが。。。)
⇒通常の評価(@2万)+企業支配に係る対価の額(@1万=購入時時価@5万-購入時純資産@4万)
=@3万(@5万と較べて50%以上下落していない)
↓
損金算入×


13.青色申告承認取消の条件

税務調査の過程で、「青色申告承認取消」をちらつかせ、交渉を有利に進めようとする調査官がいたら…
青色申告承認取り消しの条件を、事務運営指針でしっかり確認しておきましょう!

「法人の青色申告の承認の取消しについて(事務運営指針)」
tm

1.帳簿書類を提示しない場合
⇒帳簿書類が存在しない場合、存在しても税務職員に提示しない場合

2.税務署長の指示に従わない場合
⇒帳簿書類の備え付けについて、指示に従わないと青色申告取消になる旨を説明の上、なお説得に応じない場合

3.隠蔽・仮装の程度が大きい場合
⇒隠蔽または仮装した所得金額が更正後の金額の50%超かつ500万円以上
⇒隠蔽または仮想した所得金額が当初欠損金額の50%超かつ500万円以上

4.2期連続無申告、あるいは期限後申告







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2015年1月23日金曜日

1/23 勉強会:結婚子育て贈与、暦年贈与等と併用OK 他

1.適用時期から見る平成27年度税制改正大綱

1、ジュニアNISA 平成28年分より適用開始
  平成28年1月1日より口座開設の受付
  非課税枠最大400万円(80万円×5年)

2、出国時課税制度 平成27年7月1日より施行
  財産債務明細書の見直しは、平成28年1月1日以後の提出分より適用

3、住宅取得等資金贈与 適用期限:平成31年6月30日まで延長
  非課税枠が平成27年1月以降、短い期間で増減するので贈与のタイミングには注意が必要

4、結婚・子育て資金の一括贈与
  平成27年4月1日から平成31年3月31日までの拠出分が対象
  親・祖父母から子・孫へ結婚等の資金として1,000万円までの贈与を非課税とする
  金融機関で口座を開設し、子・孫が50歳になった時点の口座残高について贈与税が課税される

5、教育資金の一括贈与 適用期限:平成31年3月31日まで延長
  非課税となる資金の使途に通学定期代、留学渡航費が追加された

6、法人税実効税率の引下げ、税効果会計
  平成27年4月1日以後開始事業年度から適用開始
  平成27年度の法人税実効税率は32.11%
  ※通常国会で年度内に改正案が成立し、平成27年3月31日までに公布されることが見込まれている
  ※3月決算法人の実効税率は要注意

7、電子書籍への課税
  国境を越えた役務提供に対する消費税の課税見直し
  国境を越えて行う電子商取引に消費税を課税される
  平成27年10月1日から施行される予定

8、海外芸能人・スポーツ選手への課税方法の見直し
  海外から日本に来る芸能人、スポーツ選手等への消費税の課税方法の見直し
  平成28年4月1日以後から適用開始
  今まで:芸能人等が申告・納税義務者
  これから:役務提供を受けた国内の事業者が申告・納税義務者


2.地方法人税創設で税効果の取り扱いを改正

・連結納税制度を適用した場合の地方法人税に係る税効果の考え方

⇒法人税と同様の取り扱い
つまり、繰延税金資産の回収可能性は、連結納税主体を一体として判断

・連結納税会社における個別財務諸表上の取り扱い

⇒連結納税会社ごとに計算


3.住宅取得資金、契約時の贈与に要注意

平成27年税制改正で、住宅取得等資金の贈与の特例に改正が入った。
■改正内容
 ・金額の増加
 ・契約時期により非課税限度額が異なる段階性の設定

■ケース① 消費税の引き上げがなかった場合
(契約時期)                (非課税額)
平成27年1月~平成27年12月  1,000万円(1,500万円)
平成28年1月~平成29年9月    700万円(1,200万円)
平成29年10月~平成30年9月   500万円(1,000万円)
平成30年10月~平成31年6月   300万円( 800万円)

■ケース② 消費税が10%に引き上げられた場合
(契約時期)                (非課税額)
平成28年10月~平成29年9月  2,500万円(3,000万円)
平成29年10月~平成30年9月  1,000万円(1,500万円)
平成30年10月~平成31年6月    700万円(1,200万円)

 ※()は「良質な住宅」の場合に適用される金額

■留意点
住宅取得等資金の贈与の適用を受けるためには、贈与を受けた翌年3月15日までに住宅の引渡しを受ける必要があり


4.毎期のれんの減損テストは削除等せず

(論点)
 修正国際基準(日本版IFRS)の公開草案の検討結果について

(前提)
 企業会計基準委員会はIFRSの強制適用に見据えて、修正国際基準(日本版IFRS)を策定している。
(国際会計基準(IFRS)をそのまま採用すると、日本企業の実態にそぐわない可能性があるため)

(検討結果)
(1)削除・修正項目(日本版IFRS において、IFRSの規程から削除・修正する項目)
⇒公開草案通り
(2)IFRSに存在する規定を削除・修正すべきとの意見があった
「のれんの減損テスト実施」、「耐用年数を確定できない無形資産の非償却」
⇒当初の公開草案通り、IFRSに存在する規程を削除・修正しない方向で検討

(削除・修正項目)
(1)のれんの非償却
 IFRS:のれんは償却しない⇔日本版IFRS:のれんは毎期償却する。
(2)ノンリサイクリング
 IFRS:その他包括利益を当期純利益に組替調整しない⇔日本版IFRS:その他包括利益を当期純利益に組替調整する。

(削除・修正しない項目)
(1)のれんの減損テスト実施
 IFRS、日本版IFRS:のれん減損テストは毎期実施する。
(2)耐用年数を確定できない無形資産の非償却
 IFRS、日本版IFRS:耐用年数を確定できない無形資産は償却しない。


5.H27年度税制改正による期限が到来した租税特別措置について、縮減・廃止が決まった項目は?

H27年3月末で適用期限が切れる措置法のうち、
(1)延長されるもの
・中小法人等の軽減税率(800万円以下の所得⇒15%)・・・H29年3月末まで延長

(2)縮減・廃止されるもの(主なもの)
・太陽光発電の即時償却・・・廃止
・医療機器等の特別償却 
医療安全機器の特別償却(16%の特別償却)・・・廃止
※高額医療機器の特別償却(500万円以上、12%の特別償却)は1年延長
・特定資産の買換えの特例・・・縮減
  ※先週の勉強会の記事(9号買換え)を参照
・船舶の特別償却・・・縮減
・生産等設備投資促進税制・・・廃止

そのほか12措置について縮減、廃止される。


6.結婚子育て贈与、暦年贈与等と併用OK

・平成27年度改正で、
「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」が創設予定

【内容】
・贈与者:親・祖父母
・受贈者:子・孫(20歳~50歳)
・贈与者が信託銀行等に受贈者名義の口座を開設し、資金を拠出
 ※2年以上に分けて、複数回拠出してもOK
・受贈者1人ごとに1,000万円(結婚費用は300万円)まで贈与税非課税
・1,000万円非課税:出産費用、不妊治療費、子の医療費・保育費 等
・300万円非課税 :挙式費用、新居の住居費、引越費用 等
・「受贈者が50歳に達した時」「贈与者が死亡した時」の口座残高に課税される
・年間110万円非課税、相続時精算課税制度、住宅取得資金非課税、教育資金非課税との併用可能


7.所得税:国民年金の2年前納と確定申告について

■国民年金の2年前納
平成26年4月より2年分の前納が認められるようになった。
前納期間中に就職する場合、厚生年金と重複する期間が出るため調整が必要となる。

■確定申告等との関係
前提:27年4月に2年分前納したとする

<ケース1>
27年10月に就職(10月から厚生年金に切り替え)
⇒前納となる18か月分は支払保険料から控除して年末調整

<ケース2>
パート先で年末調整をした後、28年1月に就職(28年1月から厚生年金に切り替え)
⇒前納となる15か月分は支払保険料から控除して確定申告

<ケース3>
確定申告で全額控除した後、28年4月に就職(28年4月から厚生年金に切り替え)
⇒前納となる12か月分は控除過大のため修正申告が必要


8.消費税:フリーレント期間を含む賃料の按分計上と消費税の適用税率

フリーレントのある賃貸借契約について、会計上費用を平準化して計上している場合には消費税の税率に注意が必要。
平準化によりフリーレント期間に計上されることになる費用に適用される税率は、本来その賃料が帰属する月の税率に拠る。

例)
・H24.1.1-H24.12.31の賃貸借契約
・フリーレント3ヶ月、税抜賃料4万円/月(総額36万円)
・賃料は賃貸借期間に平準化して計上する。
⇒
1~3月の仕訳は、
    賃料  30,000  / 未払費用 32,400
  8%→仮払CT 2,400  /
となる。
税率改正前の期間の費用として計上するが、適用される税率は本来の費用の帰属期間である4月以降の8%とする。


9.改正企業結合会計基準等の適用(3月決算の場合、2015/4から適用)

Q1:株式交換(契約日:H27.2.23、効力発生日:H27.4.1)は旧基準と改正基準のいずれを適用するか?

 ⇒効力発生日が4/1以降なので改正基準を適用する


Q2:上記についてアドバイザーに報酬20Mを払っている。
   どう処理したら良いか?

 旧基準:取得原価に入れていた
 改正後:単体-子会社株式の取得原価
        連結-発生年度の費用


Q3:大型企業買収を行い臨時・巨額のアドバイザリー費用が発生する
   特別損失にできるか?

 ⇒不可
  前向きな費用だから&旧基準ではのれんに含まれ販管費だったから


10.退職金に係る事務手続

 ・詳細別紙参照
 1.対象となる税金
  (1)生存退職金 ⇒ 所得税、住民税
  (2)死亡退職金 ⇒ 相続税

 2.従業員退職金と役員退職金
  (1)従業員退職金
     ⇒労働契約、就業規則
  (2)役員退職金
     ⇒株主総会or定款

 3.事務手続
  (1)退職所得の受給に関する申告書を退職者から受け取る
  (2)特別徴収(給与所得者)異動届出書を役場に提出する
  (3)特別徴収した住民税を支払う
  (4)源泉所得税を支払う
    ⇒役員に退職金を支給した場合、退職所得の源泉徴収票等を提出する必要がある


11.税務調査手続きのルール

・平成23年税制改正で、国税通則法が改正され、税務調査の手続きが明確化されることになった。

・税務調査の適正な手続きは、国税通則法の他、下記で確認することが出来る。

①国税通則法第7章の2⇒法律
②手続通達(国税通則法第7章の2(国税の調査)関係通達)⇒行政機関の内部文章、職員はこれに則って判断する。
③事務運営指針(調査手続きの実施に当っての基本的な考え方等について)⇒通達をより具体的にした、担当者用のルール
④税務調査手続きに関するFAQ(職員用、一般納税者向け、税理士向け)







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