2015年6月6日土曜日

6/5 勉強会:消費税の内外判定に関するQ&A 他

1.検証・IBM事件高裁判決[3]

IBM事件にある違和感
1千億円以上ともなる税金に全く関心なく組織再編や資本等取引を行ったという主張
 ⇒法務・税務・会計の取扱いに注意深く検討するはず
  税務は税務調査があるので慎重に検討することが実務での通例

・中間持株会社を設けた上で自己株式取得を行った
 ⇒法人税法241項の改正が行われた以降は不自然なほど通常配当が行われなくなっている


2.繰延税金資産計上可能な合理的説明とは

■企業会計基準委員会が「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(案)」を公表した。
⇒遅くとも年内には正式決定する方針

■監査委員会報告第66号等の内容を踏襲しつつ、下記①~③を大きく見直し
①分類2に該当する企業におけるスケジューリング不能な将来減算一時差異に関する取り扱い
⇒スケジューリング不能な将来減算一時差異に係る繰延税金資産でも将来のいずれか時点で損金算入される可能性が高いと見込まれるものについて、当該将来のいずれかの時点で回収できることを合理的に説明できる場合には回収可能性があるとされている。

②分類3に該当する企業における将来の減算一時差異等加減算前課税所得の合理的な見積可能期間に関する取り扱い
5年を超える見積可能期間であっても回収可能であることを合理的に説明できる場合は回収可能性があるとされている。

③分類4に係る分類の要件を満たす企業が分類2又は分類3に該当する場合の取り扱い
⇒企業側が合理的に説明できる場合には、分類2あるいは分類3に該当するものとして取り扱うこととしている。


3.土地持分の評価損めぐり更正処分取り消す

■事例
・不動産販売会社が土地持分を棚卸資産に計上
・当該棚卸資産の棚卸資産評価損を計上
・・・この評価損が損金として認められるかどうか争われた事例

■論点
・元々会社は土地持分を固定資産に計上していた
・販売用不動産に出来ると判断した時点で棚卸資産に振替、評価損を計上
・税務署側は「固定資産」であるから評価損不可と指摘

■判断箇所
・当初の所有目的による
・棚卸資産へ振替える前から複数社と売却交渉をしていた
 …売却意向があったと判断⇒販売目的による所有


4.ホンダの移転価格訴訟で再び国が敗訴

【事例】
 ホンダ技研工業がブラジル子会社等との間で行った取引について、国から移転価格税制を適用され課税処分を受けた。
 (取引価格が独立企業間価格に満たないと指摘された)

【地裁(H26/8/28)
 国による課税処分を取り消し
 (独立企業間価格の算定に際して選定した比較対象法人が不適切であると判断※)

※ブラジル子会社等は税制上優遇される地域に所在し、輸入税の免除などの税恩典利益を受けていたが、国は独立企業間価格の算定上、当該地域外に所在する法人を比較対象法人として選定し、かつ、当該利益相当分の調整を行わなかった。

【高裁(H27/5/13)
 地裁の判決を支持


5.消費税の内外判定に関するQ&A

■消費税の内外判定のポイント
貸付地や役務提供地がどこの国に該当するかで判断すること
(消費税の基本通達5-7を参照)

Q1顧客から依頼を受けた弁理士が国外の弁理士に立替払いする料金

A:課税対象とはならない
理由:国外の弁理士が行う役務の提供地で判断するため

Q2:国内における国外からの技術導入に伴い支払う技術使用料、技術指導料

A:技術使用料は課税対象、課税対象外どちらの可能性もあり。
理由:権利の使用料は権利登録された機関の所在地で判定する。
   ⇒登録機関が国内であれば課税対象
    登録機関が国外であれば課税対象外

A:技術指導料は課税対象となる
理由:国内で技術指導という役務提供を受けるため。
ただし役務提供地が不明な場合は、役務提供者の事務所等の所在地で判断する。

Q3:税関等(保税地域)で使用した外国貨物の課税関係は。

A:輸入者(購入した者)は課税対象とはならない
 使用した者(税関等)が納税義務を負うこととなる
理由:輸入取引は保税地域より引き取った場合に課税となるため

Q4:海外での工事に対する現地作業員の指導料は

A:課税対象とはならない
理由:建設や製造に必要な資材(技術や知識も含む)を調達できる場所で判断するため

Q5:外国企業A社からのソフトウェア(著作権等)の借入れ

A:課税対象とはならない
理由:著作権等は貸付者の住所地で判断するため。
   (支店が日本にあっても本店所在地で判断される)

※ただしH27年度改正において「電機利用通信利用の役務提供」は、役務提供を受ける者の所在地で判断することとなる。
著作権の利用等も「電機利用通信利用の役務提供」に含まれることとなるので、課税の対象となることに注意する必要あり


6.消費税の軽減税率、対象・区分経理で具体案を示す

・軽減税率制度検討委員会が522日に開催
・具体案(1)(3)が提示された↓

(1)「酒類を除く飲食料品」を軽減対象とする場合
 ⇒EU型インボイス方式を導入

(2)「生鮮食品」を軽減対象とする場合
 ⇒EU型インボイス方式を導入

(3)「精米」を軽減対象とする場合
 ⇒区分経理に対応した請求書等保存方式を導入

EU型インボイス方式
 :請求書に、適用税率別の対価の額・消費税額の記載が義務に

※区分経理に対応した請求書等保存方式
 :請求書に、適用税率毎の取引金額の記載が義務に(消費税額の記載不要)


7.所得拡大税制 新設法人の設立初年度

∇適用要件
(1)雇用者給与等支給増加額(当期)≧基準年度(H24年度)の雇用者給与等支給額×2
(2)雇用者給与等支給額(当期)≧比較給与等支給額(前期)
(3)平均給与等支給額(当期)>比較平均給与等支給額(前期)
を満たすと、支給増加額(当期-H24)の10%が税額控除できる(但し限度額あり)

∇新設法人の設立初年度
(1)について
⇒基準雇用者給与等支給額は設立初年度の支給額の70%相当額とする…2%基準クリア
(2)について
⇒比較給与等支給額はゼロとする…基準クリア
(3)について
⇒平均給与等支給額は1、比較平均給与等支給額はゼロとする…基準クリア

■まとめ
・設立初年度に従業員給与の支給があれば必ず適用がある


8.消費税:間接支配の孫会社は特定新規設立法人に該当せず

大規模事業者の傘下の設立法人のうち,「特定新規設立法人」に該当することとなった法人は,期首資本金が1,000万円未満であったとしても,設立事業年度から消費税の納税義務が生ずる。

①H26年4月1日以後に設立された法人が対象
②他の者に支配され、当該他の者(特殊関係法人を含む)の基準期間相当期間における課税売上高が5億円を超えること。
の要件を満たした場合に、免税事業者にはなれなくなる。

孫会社を設立した場合には上記規定の適用の有無の判定が複雑であるため、注意が必要。


9.DTAの回収可能性の判断要件見直し

・平成293月期の期首から適用。早期適用はH28.3期末から。
・公開草案についてのコメントが募集されている状況

分類2に該当する企業
・公開草案ではスケジューリング不能なDTAでも、「将来いずれかの時点で回収できることを合理的に説明できる場合」に回収可能性があるものとした。
・(例)
 有税で減損した政策保有株式について、将来売却可能性があることを
 合理的に説明できた場合

分類3に該当する企業
・5年が硬直的すぎる、実態を反映していない、と指摘があった
・公開草案では、5年超でもスケジューリングされた一時差異が回収可能であることを合理的に説明できればOKとなった

分類4に該当する企業
・重要な繰越欠損金が存在する会社
・重要な繰越欠損金あっても、5年超に渡り課税所得が安定的に生じることが合理的に説明できる場合
 ⇒分類2に該当
・おおむね3年から5年程度について合理的に説明出来る場合は
 分類3に該当

指針適用による影響額は利益剰余金で調整する。
※会計基準等の改正に伴う会計方針の変更として取り扱う。遡及適用はNG


10.マイナンバーの利用・提供、及び廃棄・削除に関する論点

1. 個人番号の利用・提供
(1) 個人番号等の利用が認められる範囲
⇒ 行政機関等が事務処理に必要な情報を、法令の規定に従って提出する際に必要な範囲のみ

※ 法定調書や支払調書等を提出するための利用等が認められる。

(2) 個人番号等の提供が認められる範囲
⇒ 行政機関等が必要とする情報を、行政機関等へ提供する場合のみ

※借入の際に金融機関に対し、源泉徴収票を使う場合には、提供が認められない。
※個人番号の提供が認められない場合は、個人番号部分を復元できない様にマスクするなどの工夫が必要。

2. 個人番号の廃棄・削除
(1) 廃棄・削除する時期
⇒ 事務手続きが不要となった場合で、法令で定められた保存期間を経過
⇒ 速やかに廃棄、又は削除しなければならない
(2) 廃棄・削除の方法
⇒ 復元できない方法で廃棄・削除

※焼却処分や、専用のデータ削除ツールの利用等

(3) 廃棄・削除を前提とした保管方法の例示
・システムで、廃棄すべき対象者がリストアップされるシステムの構築
・書類等を保管する段ボール等に保存期間・廃棄時期を記載する


11.リーディングケースにみる株式買取請求に係る「公正な価格」とは

・リーディングケース
 楽天TBS決定
  →上場会社がテレビ放送事業等を完全子会社に承継
   完全子会社から対価を何ら交付しない
   ⇒少数株主に買取請求権を認めないと著しく不公平

・公正な価格とは
 吸収合併等によりシナジー等企業価値の増加が生じるか否かの判断が重要なファクター


12.平成27年定時株主総会の直前対策(一部)

・招集通知について、前年度の安易なコピペによる誤記載をチェックする
・議事を妨害する株主への対応を考える
・役員の就任登記申請について、住民票や免許証等の写しを求める


13.非上場株式の株価算定における非流動性ディスカウントの採用可否と実務への影響

■非上場会社の収益還元法による評価の最高裁判例
(1)結論
・株式買取請求を前提とした場合に、非流動性ディスカウントを行うことが出来ない

(2)前提
・評価対象である非上場の会社を消滅会社として合併契約を締結
・消滅会社の株主から合併に反対する意思表示(通知、株主総会)
・消滅会社の株主から株式買取請求がされている

(3)最高裁の判断
 a.吸収合併等に反対する株主に株式買取請求権が付与された趣旨に従い、公正な価格を形成すべき
 b.非上場の株式評価手法はさまざまあるが、どの評価方法を採用するかについては、裁判所の合理的な裁量に委ねられる
 c.一定の評価方法を合理的としても、その評価手法の内容、正確からして考慮することが相当でないと認められる要素を考慮して評価することは×
 d.収益還元法は類似会社比準法等(マルチプル)と異なり、市場における取引価格との比較という要素は含まれていない。
 e.反対株主に公正な価格での買取請求権が付与された趣旨は、会社組織の基礎に本質的変更をもたらす行為を株主総会の多数決により可能とする反面、  反対株主に会社からの退出の機会を与えるととともに、企業価値を適切に分配するものであることを念頭に置くと、収益還元法に要素として含まれていない
  市場における取引価格との比較によりさらに減価を行うことは相当ではない
 f.反対株主の株式買取請求がされ、裁判所が収益還元法を用いて株式の買取価格を決定する場合に、非流動性ディスカウントを行うことが出来ない

(4)本決定に関する検討
非流動性ディスカウントを否定した理由
 1. (2)最高裁の判断d. 収益還元法は類似会社比準法等(マルチプル)と異なり、市場における取引価格との比較という要素は含まない
 2. (2)最高裁の判断e. 反対株主に公正な価格での買取請求権が付与された趣旨は、反対株主に会社からの退出の機会を与えるととともに、企業価値を適切に分配することが含まれている

(補足)
確かに収益還元法は、市場における取引価格との比較という要素は含まないという捉え方も可能である一方で、収益還元法により算定された価格で売却する際に、流動性が低いがゆえに売却価額が減額されることも可能性としては想定される以上、収益還元法と非流動性ディスカウントが両立しえないとまではいえない。
また、非上場株式の評価は様々な種類が存在し、組み合わされることもあることを踏まえると、算定の基礎にある考え方((2)最高裁の判断d)が異なっていることのみで非流動性ディスカウントを考慮することが相当でないとの評価が直ちに妥当するとは考えにくい。
⇒非流動性ディスカウントを行うことが出来ないという判断は、株式買取請求権の趣旨を踏まえたものであることが強調されるべき
=企業価値の適切な分配機能を発揮するためには、非流動性ディスカウントを考慮すべきでない

■本決定の射程と実務への影響
(1) 非流動性ディスカウントの採用可否
・株式買取請求がされた場合の公正な価格の算定には当てはまるが、M&A実務での株価算定において直ちに当てはまるものとまでは言えない
⇒個別判断が必要になる

(2)射程範囲
下記の様なケースにおいて、本決定が必ずしも当てはまるか否かは明らかではないが、各制度の立法趣旨を踏まえて慎重に判断するべき
・譲渡制限株式に関する株式会社または指定買取人により買取りに係る売買価格の決定
・全部取得条項付種類株式の取得に関する価格の決定 等


14.東芝 有報提出期限の延長申請承認 上場廃止を回避へ

・前年度の有価証券報告書の提出期限を831日に、今年度第1四半期報告書は914日に延長する申請が承認されたと発表

・有報提出期限(原則):3ヶ月以内(3月決算であれば6月末まで)

・「やむを得ない理由により当該期間内に提出できないと認められる場合には」、「あらかじめ内閣総理大臣の承認を受けた期間内」に提出すれば良い。(改正金融商品取引法 24 1 項)。

・「やむを得ない理由」
(1)天変地異、大規模なシステムダウン等の発生
(2)民事再生手続開始の申立て等
(3)過去に提出した有報等に虚偽記載が発見され、過年度の有報等の訂正が必要であること(公表している場合に限る。)
(4)連結財務諸表等に虚偽表示の疑義が発見され、監査人がその内容を確認する必要があること(公表している場合に限る。)

(5)外国会社が、本国の法令等により提出期限までに有報等の提出ができないこと









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2015年5月29日金曜日

5/29 勉強会:マイナンバー取得、顧客等の身元確認も必要 他

1.検証・IBM事件高裁判決[2]

132条が創設された際に「経済的合理性を欠くものは租税回避行為である」という考え方は存在していない

・税務職員に「経済的実質」を判断させる税制度はあり得るが「経済的合理性」を判断させる税制度はあり得ない
 税務職員は経済の専門家ではないから

・経済的合理性の有無で租税回避の有り無しを判断する根拠としてしばしばグレゴリー判決が持ち出されるが、132条の創設はグレゴリー判決が出される前なので132条の創設の趣旨、目的にグレゴリー判決で示された「事業目的原理」が考慮されているはずはない

・「行為、計算が不当」かどうかではなく、「結果が不当」かどうかをもって132条の適用の有無を判定するという法律の本来の趣旨が正しく理解されていればIBM事件の判決結果は違ったはず

・租税回避の判定基準は創設時のものを軸として時代に合わせて必要な基準を追加していくべきもの


再雇用も職務内容に変動あれば退職所得

■事案
幼稚園の園長が退職金を支給されたあとも勤務を継続した。

■原処分庁
勤務を継続しており、給与所得に該当すると指摘。

■審判所
下記を満たせば退職所得と同様に取り扱うことが相当であると判断。
⇒勤務関係の性質、内容、労働条件等に重大な変動があって、形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とは認められないなどの特別の事実関係があること

今回の事案では・・・
・園長は再雇用されて嘱託職員として園長にとどまり、理事長の地位も有していた。
・実質的には園長としての職務のほとんどを引き継いでいた。
・職務内容は量的にも質的にも大幅に軽減され、基本給の減額など労働条件も大きく変動。

よって従前の勤務関係の延長とは認められず、退職所得に該当する。


3.美術品についての減価償却資産の判定に関するFAQ

H27/1/1以降、100万円未満の美術品は減価償却資産
 ⇒例外として、100万円以上の美術品でも時の経過により価値が減少することが明らかな場合は減価償却資産

■「時の経過により価値が減少することが明らか」とは?
 ・例えば、次に掲げる事項を満たす場合など
  (1)会館のロビーのような不特定多数の者が利用する場所の装飾/展示用
  (2)移設することが困難
  (3)他の用途に転用した場合、美術品としての市場価値が見込まれない

■少額減価償却資産に出来るか?
 ・「中小企業の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」適用可能

■耐用年数は?
 ・金属製のもの     …15
 ・その他(絵画、陶器等) … 8


4.コーポレートガバナンス・コードの策定に伴う上場制度の整備について

■コーポレートガバナンス・コードとは
・上場企業が守るべき行動規範を網羅したもの
 (ex.独立社外取締役を少なくとも2名以上選定すべき)
・コードを実施しない場合に、その理由を開示・説明する必要がある
・その説明をしなかった場合、制裁措置を受ける
・平成2761日から実施予定

■ガバナンス報告書における記載
(1)コードの各原則を実施しない理由
 ・どの原則に対する説明なのかを明示(ex.原則1-4)
 ・自社の個別事情や今後の取り組み、実施の目途など
 ・原則全てを実施している場合、その旨

(2) コードの各原則に基づく開示
 ・コードには特定事項の開示を求める原則あり
  (ex.政策保有株式に係る議決権行使の基準)
 ・直接、内容を記載するほか、
  有報・会社HPに記載していれば、それを参照すべき旨やURLなどの閲覧方法を記載する方法もあり
 
■ガバナンス報告書の更新・提出
・上記記載事項の(1)(2)の内容に変更が生じた場合、その後最初に到来する株主総会の日以後遅滞なく記載を更新し提出する必要あり
 (任意に都度、更新も可)
 
・ただし、適用開始後初回の提出については、特例あり
⇒上記記載事項の(1)(2)は、準備が出来次第、
 速やかに(遅くとも定時株主総会の6ヶ月後までに) 記載し提出すればよい
 (それ以外の既存の記載事項は、通常通り、定時株主総会後遅滞なく更新し提出する必要あり)


5.マイナンバー取得、顧客等の身元確認も必要

■マイナンバー制度
・行政を効率化し、国民の利便性を高める等の目的で導入される。
H27105日より国民1人ずつに通知される。
 ⇒個人番号は12桁、法人番号は13
H2811日以降、税務申告書、支払調書等に、個人番号、法人番号を記載する必要あり

■主に個人番号の記載が必要となる申告書等
(1)所得税、個人住民税、個人事業税
 ⇒H2811日の属する年分以降の申告書より
  (H29315日提出期限の申告書より)

(2)法人税、法人住民税、法人事業税
 ⇒H2811日以降に開始する事業年度の申告書より
   3月決算・・・H293月期の申告書より
  12月決算・・・H2812月期の申告書より

(3)法定調書
 ⇒H2811日以降支払いに係る法定調書等より
  (H28年分の法定調書合計表より)

(4)給与支払報告書
 ⇒H28年分の給与支払報告書より

(5)各種申請書・届出書
 ⇒H2811日以降に提出すべき申請書等より

H28年分以後に使用予定の様式一覧(H27.5.29現在)

■事業者が従業員の個人番号を把握する場合
・利用目的を明示する必要あり。
・通知カード又は住民票で個人番号の確認をし、免許証等により身元確認をする。

■事業者が顧客の個人番号を把握する場合
個人番号の提供依頼書類を作成して提供を受ける。
なお通知カードの写し又は写真等でも構わない。


6.国外転出時課税、未分割時の取扱いは?

・国外転出時課税制度 (H27/7/1以降適用)
1億円以上の有価証券等を保有する居住者が、次のいずれかの場合、その有価証券等の含み益に所得税が課税される制度(みなし譲渡所得課税)

(1)国外転出する場合
(2)非居住者へ有価証券等を贈与する場合
(3)対象者が死亡して有価証券等を非居住者が相続する場合
 ※非居住者へ贈与したものとみなされる

(3)の場合の取扱
⇒みなし譲渡所得課税額は、通常相続発生の際に提出する、準確定申告書()と合わせて申告
 ※死亡する時までの被相続人の所得税を、相続人が代わりに申告するもの
 ※死亡後4ヶ月以内の申告義務あり

4ヶ月以内に遺産分割協議が整わず、非居住者が相続するかどうか不明な場合
⇒法定相続分に応じて非居住者が相続するものとみなして国外転出時課税制度を適用する


7.法人税:受取配当等益金不算入(短期保有株式関連)

■計算期間を通じた保有割合で判定するもの
(1)完全子法人株式等(100%保有)
(2)関連法人株式等(33%超100%未満保有)

■基準日の持株割合で判定するもの※
(3)その他株式(5%超33%以下保有)
(4)非支配目的株式等(5%以下保有)

⇒※短期保有(基準日以前1月以内取得かつ基準日後2月以内譲渡)株式等を除いて判定する

■ポイント
3月決算の場合、2月中に買い増しておく
3月中に購入した場合は6月以降に譲渡する


8.源泉:社宅家賃の経済的利益について

使用人に社宅を貸与する場合で、家屋や土地に係る固定資産税の課税標準等を用いて計算する『通常の賃貸料』の50%以上の家賃を徴収しないときは、その経済的利益に係る源泉徴収が必要となる。

■借上げ社宅等で固定資産税の課税標準額が知り得ない場合に、近隣相場等を用いて判定することは出来るか?
⇒できない。

社宅賃料の金額設定にあたっての算式は会社独自に決めて運用できるが、税務上のバーに例外はない。
例えば全ての社宅について一律で近隣相場の50%の賃料を徴収している場合にも、その金額が『通常の賃貸料』の金額を超えている場合には源泉徴収が必要。


9.新規上場後3年は内部統制監査を免除

・金商法の改正により、新規上場後3年以内に提出する内部統制報告書は、公認会計士または監査法人の監査証明が不要とされている。
 ※内部統制報告書の提出は必要
 ※新規上場の負担を軽減するため

・資本金100億円以上または負債総額1000億円以上の会社は除く。


10.平成26年会社法改正に伴う有価証券上場規定等の一部改正

1. 関連する会社法改正
・株式等売渡請求制度の新設
※議決権90%以上を有する株主(特定株主)が、他の株主に保有する株式の全てを売渡ことを請求できる制度。

・独立役員の範囲の緩和
※退任後10年経過していれば、独立役員になることが可能になった。

2. 上場規定等の改正
(1) 株式売渡請求
・発生事実としての開示
 ⇒特定株主が請求することを決定した場合にその内容を開示

・決定事実としての開示
 ⇒売渡請求の承認・不承認を会社が決定した場合にその内容を開示

・上場廃止基準の該当事由として追加

※その他、全部取得や株式併合など、キャッシュアウトの手法となるものは、適時開示が改正されているため注意が必要。

(2) 独立役員の独立性についての開示
・退任後10年経過したものが独立役員となる場合
 ⇒ 過去に勤めていたことを開示


11.MBOを失敗させた場合の会社の取締役の責任

・取締役の責任
  善管注意義務
  忠実義務
 ⇒一般株主(会社の持ち主)の立場に立って
   企業価値の向上を企図すべき法的義務を負う
 ⇒公開買付価格の公正さを確保する義務
   価格決定手続の公正さの確保に配慮すべき義務 を負っている


12.外貨建転換社債型新株予約権付社債の発行者側の会計処理

・会計処理の方法
  区分法 → 予約権部分と社債部分に分けて会計処理
  一括法 → 両者を区別しないで会計処理

・一括法の場合の会計処理
  行使されるまでは、すべて社債として負債に計上する
  (通常の社債として換算も行う)
  予約権が行使された時は、行使時レートで換算し、社債から資本金へ振替。
  (社債の帳簿価額との差異は為替差損益とする)


13.従業員による不正に係る課税上の問題点と留意点

①従業員が得た収益が、法人の売上に当たるか否か?
⇒以下を総合的に検討する
・取引を行った従業員の地位、権限
・従業員が行った取引形態
・法人の事業内容
・取引の相手先の認識

②会計不正による増加税額に対する加算税が重加算税になるか、過少申告加算税で済むか?
⇒「従業員の行為=法人の行為」と同一視できるか否かで判断
 ・法人が認識していたか
 ・法人と従業員との関係(地位や権限)
 ・法人の黙認の有無
 ・法人が払った注意


14.コーポレートガバナンス・コードの策定に伴う上場制度の整備

(1) コーポレートガバナンス・コードとは
株主の権利や取締役会の役割、役員報酬のあり方など、上場企業が守るべき行動規範を網羅したもの

(2)実務の留意点
・「基本原則」、「原則」「補充原則」の73原則について、実施しない原則がある場合には説明する必要がある。
⇒東証1部・2部は全ての原則について説明
⇒マザーズ、ジャスダックは「基本原則」のみ説明

・「実施しない」場合には、実施する意思があっても適用当初から実施が困難で実施していない場合も含まれる

・ガバナンス報告書に変更が生じた場合は遅滞なく変更後の報告書を提出するが、新設される2つの記載欄の記載内容(5月の改正に伴う)について変更が生じた場合は、少なくとも変更が生じた最初に到来する定時総会の日以後遅滞なく記載を更新
⇒初回の特例として、201561日以降最初に到来する定時株主総会の日後準備が出来次第速やかに(6ヶ月以内)でOK
⇒新設項目以外は特例なし


15.企業の節税策 報告義務化へ

・規則の詳細は未定。欧米のルールを参考にこれから詰める

・対象=税理士、コンサル会社

・報告内容=顧客リストの提出、節税策の報告(対象となる節税策、金額基準については別途規定)、高額報酬を受けている場合の開示等

・罰則=報告義務を怠った場合罰金

・適用時期=2017年度から?

※米英、韓国ではすでに同様の義務あり。
 OECDが日本にも同様の制度導入を呼びかけ。

※米国では1,000万ドル以上の損金が対象









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2015年5月24日日曜日

5/22 勉強会:法人税:接待飲食費まとめ 他

1.IBM判決の影響を強く受ける中小企業
IBMが利用したスキームは、平成22年度改正により実行不可
IBM事件の高裁判決で示された新解釈が、中小同族法人の税務調査を大きく変える可能性あり
⇒正当な理由や事業目的があっても、法人税法132条の適用がありうる
⇒高裁判決が132条の解釈の一般論として判示されているのでそれを前提にタックスプランニングをする必要がある


2.改正企業会計基準第1号「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準」等について

H263月に単体開示の簡素化に係る財務諸表等規則等の改正があった
⇒それに伴い、個別財務諸表における開示の要否を明確にするため、H273月企業会計基準等の改正を公表

(主な改正項目と改正内容)
1)決議後消却手続を完了していない自己株式が貸借対照表日にあり、その帳簿価額又は株式数に重要性がある場合の個別財務諸表における注記
⇒注記の箇所をBSから株主資本等変動計算書(SS)へ
⇒個別SSの注記事項として自己株式の種類及び株主数に関する事項を記載していない場合には注記不要

2)個別財務諸表における無償で取得した自己株式の数に重要性がある場合の注記
 ⇒個別SSの注記事項として自己株式の種類及び株主数に関する事項を記載していない場合には注記不要


3.自己株式の取得が予定された株式

・自己株式の取得が予定された株式は受取配当金の益金不算入規定が適用されない
 …「予定された」とは?
 …事実認定次第

(例)完全子会社を目指していたが、株式の取得が予定通り進まなかった
   そこで取得した株式を買い取ってもらった
   ⇒「予定された」に該当しない


4.消費税の内外判定基準

・消費税の課税取引となる国内判定に該当するか否かを判定する基準のこと
・原則は「譲渡」や「貸付」時における資産の所在場所で内外判定する

 ⇒27年度改正で「電気通信利用役務」に関してだけ改正が入り、内外判定が「役務の提供を受ける者の所在地」に変更された


5.繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針(以下、適用指針)案の全容

■適用指針の策定の背景
 DTAの回収可能性について定めた「監査委員会報告第66号」(以下、66)について、
(1)税制改正(繰越欠損金の繰越期間延長)に対応していない、
(2)形式的な適用がなされている
 などの指摘があったため

■適用指針の内容
(1)66号の会社分類自体に変更なし

(2)分類234は内容の変更あり
 たとえば、分類2
 スケジューリング不能差異も将来、いずれかの時点で回収できることを合理的に説明できれば、DTAの計上可。
 (66号では、スケジューリング不能差異は、一律にDTAの計上不可。)

■適用時期
 3月決算を前提とすると、連単ともに平成293月期より適用(ただし、平成283月より早期適用可)

■適用初年度の取扱い
(1)適用年度の期首時点において適用指針に基づいて算定したDTADTLと前期末のDTADTLの差額を適用初年度の期首利益剰余金残高に加減

(2)会計方針の変更による影響額を注記
 会計基準等の改正に伴う「会計方針の変更」として取扱う
 (会計処理を定めた66号の内容を変更するものであるため)

■適用前(公表日後~適用するまでの決算期末において)
 未適用の会計基準等に関する注記として、適用による影響を注記


6.出資持分の相続税評価で通達の形式適用を否定する判決

■事例
・非上場会社の出資持分の相続税評価額算定
・持分50%以下であるため、形式適用により配当還元方式を採用
・裁判所は形式適用を否定し、純資産価額方式が適用された
・同族株主に該当するか否か

■通達における判定
通達では、同族株主以外の株主が取得した株式は「配当還元方式」を採用

A氏・・・D社50%超保有、C社6%保有
D社・・・F社32%保有、C社28%保有
F社・・・C社29%保有
 
C社がF社株を取得する場合の算定方法は?

<判定>
D社 50%超>50%         ∴D社はA社の同族関係者
C社 A社6+D社28=34%≧30% ∴C社はA社、D社の同族株主
   F社29%≦30or50%     ∴C社はF社の同族株主及び同族関係者でない
F社 D社32%<50%              ∴F社はA氏、D社の同族関係者でない
   D社32%≧30%        ∴F社はA氏、D社の同族株主

この時点ではC社はF社の同族株主でないため、通達における「配当還元方式」により株価算定

■否定後の判定
F社のD社保有32%を除いた68%について、各出資会社が総会を欠席していた。
⇒F社はD社に実質的に支払いされていたと認定
 ∴D社32%<50%であるが、A氏とD社の「同族関係者」に認定された

否定判決後のF社の判定
A社0+D社32+C社0=32%>30% ∴C社も同族株主に該当

従って、同族株主以外の株主が取得した場合に該当しないため、原則的な方法である純資産価額方式が適用された


7.海外支店取引でも国内法人に消費税

・平成27101日以後、国外事業者から受ける広告配信等が課税対象に。
・海外支店が国外事業者から受ける広告配信等も同様。

例)
・本店:東京
・支店:ニューヨーク
・ニューヨーク支店の広告配信を、現地業者に依頼した
 →現地業者に消費税課税が発生
 →東京本店が代理で納税しなければならない(リバースチャージ方式)


8.法人税:接待飲食費まとめ

∇交際費の損金算入限度
・中小法人 年800万または接待飲食費×50
・接待飲食費×50

∇接待飲食費ポイント
○・・接待飲食費になる ×・・接待飲食費にならない
■自社開催パーティー
・宴会場等の会場使用料…○
・音響照明費用、司会者費用…○
・送迎費、宿泊費…×
・コンパニオン費用…×
・生演奏等の余興費用…×

■政治家のパーティー券購入費用
・飲食パーティーで出席者との懇親を目的とする場合…○
・実質的な政治献金である場合・・・×(寄付金)

■ゴルフプレーなど
・プレー中の食事代…×
・終了後の食事会費用…×
・解散後の飲食費用…○

■その他(社内飲食費との関係)
100%親法人役員等に対する接待飲食費…○
・得意先人数1名に対し接待側人数が複数…○


9.【消費税 個人】相続と消費税の納税義務の判定

相続人()が被相続人()の事業を承継することになった場合の()の消費税の納税義務の判定は、下記のとおり。

[1]相続があった年の判定
 ()の単独の基準期間の課税売上高が1000万円以下であっても、()の基準期間の課税売上高が1000万円超であれば、
 [←合算せず判定]
  ・相続があった日から年末までの期間について()は課税事業者となる。[1年全部ではない]

[2]相続があった年の翌年、翌々年
 ()の単独の基準期間の課税売上高が1000万円以下であっても、()の基準期間の課税売上高と合算して1000万円超であれば、  
 [←合算して判定]
  ・その年について()は課税事業者となる。

[3]複数の相続人()が相続した場合
 相続財産の分割が確定するまでは、複数の()が共同で事業を承継したものとして判定する。
  ・()の基準期間の課税売上高に法定相続分の割合を乗じて計算した金額を使って、[1][2]の判定を行う。


10.工事進行基準の監査上の留意事項

「工事契約に関する会計基準」が幅広い業種で適用され、適用に関する不正事案が散見されている

過去の不正事例
・工事契約を意図的に設定することによる工事損益率の調整
・工事収益総額が確定していない場合の、工事収益の不適切な見積もり
・実現可能性の低い原価低減活動を反映した原価見積もり
・原価の付け替え
・架空原価
・作業時間の操作


11.海外出向から帰国した人の年末調整のポイント、海外出向する人の年末調整のポイント

・海外出向から帰国した人の年末調整のポイント
  年の途中で帰国した社員に関して、一般の社員と同様に年末調整を行うが、帰国初年度については数点留意点がある

・海外出向する人の年末調整のポイント
  年度の途中で海外出向する人について、非居住者となる場合は出国時点で年末調整を行う。









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