1.【相続税】評価差額に対する法人税等
■取引相場のない株式を純資産方式により評価する場合、
評価差額に対する法人税等に相当する金額を控除することはできるか?
①被相続人が有する取引相場のない株式の場合…できる
②評価会社が有する取引相場のない株式の場合…できない
■評価差額とは
(相続税評価により算出した純資産の額 - 簿価評価により算出した純資産の
額) × 42%
①被相続人が有する取引相場のない株式の場合…できる
②評価会社が有する取引相場のない株式の場合…できない
■評価差額とは
(相続税評価により算出した純資産の額 - 簿価評価により算出した純資産の
額) × 42%
2.平成24年分所得税確定申告のチェックポイント
■平成24年分所得税改正事項
・医療費控除
⇒医療費範囲の拡大(喀痰吸引等が追加)
⇒医療費範囲の拡大(喀痰吸引等が追加)
・上場株式等に係る譲渡損失の損益通算等
⇒譲渡の範囲拡大(外国証券業者利用の譲渡が追加)
・認定長期優良住宅新築等特別税額控除
⇒税額控除限度額が50万へ引下げ(改正前は100万)
⇒税額控除限度額が50万へ引下げ(改正前は100万)
・特定居住用財産の買換の場合の長期譲渡所得課税の特例
⇒譲渡対価要件が1億5千万以下へと引下げ(改正前は2億までOK)
⇒譲渡対価要件が1億5千万以下へと引下げ(改正前は2億までOK)
・グリーン投資設備の特別償却/特別控除
⇒24年7月1日以降取得の太陽光・風力利用機械等は初年度一括償却
⇒24年7月1日以降取得の太陽光・風力利用機械等は初年度一括償却
・中小企業者が機械等を取得した場合の特別償却/特別控除
⇒対象資産に「工具、器具、備品」が追加
⇒対象資産に「工具、器具、備品」が追加
・特定事業用資産の買換えの場合の譲渡所得課税の特例
⇒買換対象資産の範囲が限定(面積300㎡以上)
■平成22年度改正のうち、平成24年適用開始分
⇒買換対象資産の範囲が限定(面積300㎡以上)
■平成22年度改正のうち、平成24年適用開始分
・生命保険料控除
⇒対象拡大&計算方法変更
⇒対象拡大&計算方法変更
・減価償却資産の定率法
⇒200%定率法へ変更
⇒200%定率法へ変更
・資本的支出をした場合の取得価額の特例
⇒「一の減価償却資産を取得」とすることが不可
⇒「一の減価償却資産を取得」とすることが不可
・雇用促進税制
⇒基準雇用者数(前年からの増加数)×20万
⇒基準雇用者数(前年からの増加数)×20万
3.自民党税調が始動、大綱は1月24日頃に決定
1月24日を目処に自民党税調が税制改正大綱を取りまとめる。
主な検討項目は以下の通り
・所得税の最高税率の見直し(40%⇒45%)
・相続税の最高税率の見直し(50%⇒55%)
・贈与税率の見直し(概ね5%~10%引き下げる)
・消費税軽減税率導入の検討(食品などの税率を低くする)
主な検討項目は以下の通り
・所得税の最高税率の見直し(40%⇒45%)
・相続税の最高税率の見直し(50%⇒55%)
・贈与税率の見直し(概ね5%~10%引き下げる)
・消費税軽減税率導入の検討(食品などの税率を低くする)
4.オプション取引の有効性判定の裁判は控訴審へ
<前提>
①法人税法上、為替相場が15%以上変動した場合は損金算入OK
②ただし、有効なオプション取引によって
②ただし、有効なオプション取引によって
為替ヘッジがされている場合は損金算入NG
③何を持って有効とするか?
⇒デリバティブ比較法or基礎商品比較法にて判定する。
<争点>
今回のオプション取引がデリバティブ比較法で×、基礎商品比較法で○だったため
納税者がデリバティブ比較法を採用して損金算入したところ、税務署が否認した。
<結果>
・国側の敗訴(デリバティブ比較法で判定してOK)⇒控訴審を決定
③何を持って有効とするか?
⇒デリバティブ比較法or基礎商品比較法にて判定する。
<争点>
今回のオプション取引がデリバティブ比較法で×、基礎商品比較法で○だったため
納税者がデリバティブ比較法を採用して損金算入したところ、税務署が否認した。
<結果>
・国側の敗訴(デリバティブ比較法で判定してOK)⇒控訴審を決定
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5.審査事例:【更正通知書の更正理由附記について】
■事案
請求人Aは、建物附属設備にかかる減価償却費を損金算入したところ
原処分庁より「架空資産にかかるもの」であるとして更正処分を受けた。
その際、更正通知書には「当該資産は架空資産であるため償却費の計上は
認められない」旨、附記されていた。
<請求人Aの主張>
更正通知書には「架空資産」と判断するに至った具体的な理由が附記される
べきであり、単に「架空資産である」旨が記載されているだけでは「更正の理由が附
記」されているとは言えず、処分は不当である。
<原処分庁の主張>
請求人の帳簿書類を調査したうえで架空資産として特定しており、
請求人Aは、建物附属設備にかかる減価償却費を損金算入したところ
原処分庁より「架空資産にかかるもの」であるとして更正処分を受けた。
その際、更正通知書には「当該資産は架空資産であるため償却費の計上は
認められない」旨、附記されていた。
<請求人Aの主張>
更正通知書には「架空資産」と判断するに至った具体的な理由が附記される
べきであり、単に「架空資産である」旨が記載されているだけでは「更正の理由が附
記」されているとは言えず、処分は不当である。
<原処分庁の主張>
請求人の帳簿書類を調査したうえで架空資産として特定しており、
更正通知書に架空であることの理由を附記する理由はない。
■審判所の判断
「帳簿書類に基づく更正」を主張するためには、
■審判所の判断
「帳簿書類に基づく更正」を主張するためには、
より信憑力のある資料を明示して説明されなければならない。
本件では「架空資産」の認定に至った具体的な説明がなく、
「更正の理由」が附記されているとは認められない。
よって原処分庁の処分は認められない。
まとめ
⇒「更正通知書」に附記された「更正の理由」が不明瞭である場合には、
まとめ
⇒「更正通知書」に附記された「更正の理由」が不明瞭である場合には、
更正処分が取り消しとなることがある。
6.【所得税】東京地裁 派遣麻酔医の得る収入は「給与所得」と判断
《事例》
・複数の病院と契約を結んで業務を行なっていた麻酔医が、
・複数の病院と契約を結んで業務を行なっていた麻酔医が、
各病院から得た収入を『事業所得』として申告した。
・税務当局は『給与所得』であるとして処分を課した。
・東京地裁は税務当局の主張を認めた。
■事業所得とは、
自らリスクをとって独立して反復して営まれる業務から生ずるもの。
■給与所得とは、
自らリスクをとらず、使用者の指揮命令・空間的時間的拘束に服して
・税務当局は『給与所得』であるとして処分を課した。
・東京地裁は税務当局の主張を認めた。
■事業所得とは、
自らリスクをとって独立して反復して営まれる業務から生ずるもの。
■給与所得とは、
自らリスクをとらず、使用者の指揮命令・空間的時間的拘束に服して
提供した労務の対価。
■本件では、
・麻酔医の収入が定額だった。(リスク無し)
・麻酔業務の費用は病院が負担してた。(リスク無し)
・手術場所、時間は病院が管理していた。(使用者の拘束に服していた)
■本件では、
・麻酔医の収入が定額だった。(リスク無し)
・麻酔業務の費用は病院が負担してた。(リスク無し)
・手術場所、時間は病院が管理していた。(使用者の拘束に服していた)
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7.子会社株式の減損処理
・前提:非上場の子会社株式
■原則:取得価額で評価
■例外:子会社の財政状態の悪化により
実質価額が著しく低下した場合
→減損処理を行う
①純資産価額に基づいて実質価額を算定し
取得価額と比べて50%以上の低下がある場合に減損処理を検討
②事業計画の策定をし回復可能性があるかどうか検討
→実質価額まで減損処理
<具体例>
子会社株式:取得価額10億円
期末の実質価額2億円
事業計画に基づいた価額6億円
→取得価額10億円の50%以上は回復するが
100%の10億円まで回復しているわけでないので
2億円まで減損処理を行う
■例外:子会社の財政状態の悪化により
実質価額が著しく低下した場合
→減損処理を行う
①純資産価額に基づいて実質価額を算定し
取得価額と比べて50%以上の低下がある場合に減損処理を検討
②事業計画の策定をし回復可能性があるかどうか検討
→実質価額まで減損処理
<具体例>
子会社株式:取得価額10億円
期末の実質価額2億円
事業計画に基づいた価額6億円
→取得価額10億円の50%以上は回復するが
100%の10億円まで回復しているわけでないので
2億円まで減損処理を行う
8.最近の持株会社をめぐる動向
(1)1997年「純粋持株会社」が解禁
(2)持株会社に移行した上場会社数が増加
・2002年 約40社(累積)
・2012年 約370社(累積)
※10年間で約10倍になった
(3)メリット
・戦略的意思決定のスピード向上
・経営責任の明確化
・グループ全体における資源の最適配分
・M&Aのしやすさ 等
・戦略的意思決定のスピード向上
・経営責任の明確化
・グループ全体における資源の最適配分
・M&Aのしやすさ 等
(4)デメリット
・グループ一体感の喪失
・間接コスト増大 等
・グループ一体感の喪失
・間接コスト増大 等
(5)持株会社解消の動きもある
(例)王子製紙→持株会社へ移行
日本製紙→持株会社を解消予定
(例)王子製紙→持株会社へ移行
日本製紙→持株会社を解消予定
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