1.【専門用語】一時所得の経費
税法上の経費とは、
■一時所得
⇒「その収入を得るために支出した金額」と規定
⇒直接経費しか認められない
■不動産所得・事業所得・雑所得
⇒「必要経費」と規定
⇒間接経費も認められる
2.オーナールーム賃貸⇒自ら転借で課税仕入
<前提>
①不動産貸付業を営む個人事業者が飲食店舗付の30戸のマンションを建てた
②そのマンションごとY社に貸し出した。
③Y社に貸し出したマンションの1室を自らの居住用に再度借りた。
<争点&判決>
①Y社からの収入は全て所得となりうるか?(自分が転借している部分は収入ではな
いのでないか?)
⇒Y社からの収入は、マンションの1室をオーナーが使うかどうかに関わらず定額で
発生するため収入として認められる。
②マンションを建てた費用は消費税法上課税仕入となるか?
(自分が転借している部分は家事使用のため課税仕入ではないのではないか?)
⇒マンションを立てた当初はオーナーが住むかどうかは不明であり
あくまで貸付用に立てたものとして課税仕入として認められる。
3.外れ馬券は経費とならず!!
・競馬の払戻金は、一時所得に該当
・的中馬券に係る購入金額のみが経費になると採決された。
→はずれたレースの購入金額は費用とはできない。
■上記によるとこんなことが起こりうる!
・毎週競馬をするOさんの例
①勝ちレース=10万円/月の利益を得た。
②負けレース=10万円/月の損をした。
→年間実績①120万円、②▲120万円→年間収支±0万円
→課税は①の120万円に対してされる!!
※参考ニュースURL
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121229-00000525-san-soci
4.経済対策、日本再生法」で税制措置を打ち出す方針
■復活が検討される税制措置
・試験研究税制の特例(税額控除が10%上乗せ)
・資産の除却損、設備廃棄に係る欠損金の繰戻還付等
※繰戻し還付とは、前年度に利益を計上して法人税が発生したものの、今年度に経営
状態の悪化などにより損失を計上した場合に、
前年度に納付した法人税の還付を受けることができる制度である。
■実施予定時期
・平成25年度or平成26年度税制改正
5.事前確定届出給与の判定基準、複数回支給した場合の取扱い
■具体例1(今回の裁判の場合)
①事業年度 01年10月1日から02年9月30日
②取締役の職務執行期間 01年11月26日から02年11月26日
③1回目の賞与 01年12月11日 届出額500万円 支給額500万円
④2回目の賞与 02年7月10日 届出額500万円 支給額250万円
⑤損金不算入額 500万円+250万円=750万円
※③の賞与も損金とならない
■具体例2
①事業年度 01年4月1日から02年3月31日、02年4月1日から03年3月31日
②取締役の職務執行期間 01年6月26日から02年6月26日
③1回目の賞与 01年12月11日 届出額500万円 支給額500万円
④2回目の賞与 02年6月10日 届出額500万円 支給額250万円
⑤損金不算入額 03年3月期において250万円
※③の賞与は02年3月期の損金となる
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6.会計ニュースのキーワード:「非中小法人等」について
■中小法人と非中小法人の違い
・中小法人等
⇒期末資本金の額若しくは出資金の額が1億円以下の法人等
・非中小法人等
⇒期末資本金の額又は出資金の額が1億円以下である普通法人のうち、
資本金5億円以上の法人(大法人)と完全支配関係を有する法人
(例1)
親会社(資本金5億円以上)
↓100%
当社(資本金1億円以下)
(例2)
親会社(資本金1億円以下)
100%↓ ↓100%
大法人A 大法人B
50%↓ ↓50%
当社(資本金1億円以下)
■中小法人等○、非中小法人等×の優遇措置
①年800万円までの所得に対する軽減税率
②留保金課税の適用除外
③貸倒引当金の繰入←非中小法人等は段階的に廃止
④交際費の定額控除限度額適用
⑤青色欠損金の繰戻し還付
⑥青色欠損金の繰越控除80%制限の適用除外
・取引先との忘年会等 ⇒ 交際費(飲食)の5,000円基準で損金算入できる。
・社内で行う忘年会等 ⇒ 福利厚生費として損金算入できる。《注》
《注》
”社内”で”概ね一律に供与”され、”通常要する費用”でない場合は、
福利厚生費ではなく給与又は交際費とされる。
例えば部署単位の忘年会は、”社内”で”概ね一律に供与”に該当しない。
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8.企業結合会計基準等の改正案
・少数株主持分を資本の範囲に含める
・少数株主取引の取り扱いは損益取引から資本取引へ
・表示の変更
従来の当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」となる
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