2013年5月19日日曜日

5/17 勉強会:消費・印紙税改正前に領収書の再点検を ほか



1.物納底地の貸付料、鑑定評価巡り国側敗訴


■前提
建物が建てられている土地の価値
更地 = 借地権 + 底地
 
■事例
①相続税の納税者が、マンションの敷地を物納した
 ※敷地の価値は、底地としての価値とされた
②マンションを利用するため、国からその敷地を借りて、地代を支払った
→地代はいくらか

■国の主張
更地価格を基礎として地代を決めるべき

■納税者の主張(勝訴)
物納時の評価である、底地価格を基礎として地代を決めるべき


消費・印紙税改正前に領収書の再点検を

■まとめ
・領収証には、消費税額を区分して表示する
・消費税額が区分表示されていれば、税抜価格を基礎にして
 印紙を貼る必要があるかどうかを判定できる。

■平成25年度税制改正
・平成26年4月1日以降に作成された領収証について
 領収金額が5万円未満の領収証には印紙の貼り付けが不要に。
 (現在は3万円未満の領収証に印紙の貼り付けが不要)
 (平成26年4月1日は消費税の税率が5%から8%に)

■例示 消費税込51,450円の領収証の場合
 パターン1「領収金額51,450円」            
200円の印紙の貼り付けが必要

 パターン2「領収金額51,450円(うち消費税等2,450円) 
印紙の貼り付け不要

 パターン3「領収金額51,450円(税抜金額49,000円)   
印紙の貼り付け不要


3.債権承継通知後の差押処分は違法

■まとめ
・譲渡禁止特約が付いている債権でも、
 債務者が新しい債権者と取引を継続していれば
 特約付きの債権が譲渡されたものとして取り扱う。

■具体的事案
 ・A社…建物所有者。B社に物件を賃貸している。
      B社から預かっている敷金がある。
 ・B社…税金滞納中。A社の物件を賃貸中。会社分割を検討
 ・C社…B社から分割した新設会社。A社の物件をB社から承継

 ①B社はA社に建物賃貸借契約の譲渡を持ちかけたが、
  A社はそれを拒否。

 ②B社はC社を新設し、A社が保有する賃貸借契約に係る契約上の地位
 (賃借する権利、敷金の返還を受ける権利)をC社に承継。

 ③B社はC社に承継した旨をA社に通知

 ④A社はC社からの家賃収入を売上計上、賃料の改定交渉もC社と行う。

 ⑤税務署がB社の滞納税金回収のため、
  A社が預かっている敷金の返還を受ける権利を差押。
 
 ⑥審判所の判断
  ・A社はB社とC社が別法人と認識した上でC社と取引を継続
  ・上記より、賃借する権利、敷金の返還を受ける権利もC社に承継されたことを
   承諾したものと認定
  ・敷金を返還する権利はC社に承継されているので、B社の権利ない
  ・よって、税務署が行った敷金の返還を受ける権利の差押は違法な処分とした


4.「企業会計基準委員会が2件の新規テーマを決定」

■見直し決定事項
企業会計基準委員会は、
実務対応報告18号および連結納税と企業結合に関する税効果について
見直すことを決定
→詳細は今後検討予定


5.消費税経過措のQA


Q1:インターネット料金を月々定額で支払っている場合

電話料金等と同様に26年4月30日までに確定した支払額は
5%で計算してよいか?

A1:定額の場合経過措置の対象にはならず、支払が4月30日ならば8%で計算
※ただし、使った量に応じて金額が変化する多段階定額制の場合は、
経過措置の対象。

Q2:モデルルームの工事の受注をしたが、仕様は完全に決まっており、
デザインなど購入者の希望を一切反映しない場合、経過措置の対象となるか?

A2:工事契約の仕事の内容につき、購入者の具体的に指示を出している場合のみ
経過措置の対象となる。
Ex.ドアのデザインについて、購入者が指示を出す等

 

6.【所得税】住宅ローン控除の拡充は消費税率引上げが前提・経過措置の

適用関係に留


・消費増税に伴う住宅対策として、H26.4~H.29.12の居住期間にかかる
住宅ローン控除の枠が拡大される。(最大400万円へ)
・ただし、控除枠拡大は消費増税率が8or10%の場合に限られる。
⇒ex.
『H25.9施工契約、H26.5引渡&居住開始』のケースでは、
請負工事の経過措置により5%の消費増税率が適用される。
従って住宅ローン控除の枠拡大は適用されない。


7.【研究開発税制と中小企業】


■研究開発税制
試験研究費の額の一定割合を法人税額から控除できる制度。
「総額型」で8%~10%、中小企業は12%を控除できる。

・優遇されているが適用を受けている中小企業の割合は低い
⇒人件費の要件が「専門的知識をもって試験研究の業務に専ら従事する者」に
限定されていることが理由。
中小では試験研究以外の業務を兼務するケースが多いため
適用を受けにくい。

※「専ら従事」の要件⇒①~④をすべて満たすこと
①プロジェクトチームに参加し担当業務が行われる期間は専属的に従事
(全期間でなくてもOK)
②専門的知識が業務に不可欠
③従事期間がトータルでおおむね1月以上
④担当業務が明確に区分され、従事期間の人件費が適正に計算されている

 8.インドの監査制度の特徴と進出の留意点


・インフレ10%、昇給20%、貸出金利12%、預金金利7%
・すべての法人、支店、駐在員事務所に勅許会計士による会計監査が
 義務つけられている
・税務は3月末決算
・売上高が1000ルピー(1,800万円程度)を超える場合は
 別途勅許会計士による税務監査も義務付けられている
・会計と税務とでは主に固定資産の減価償却に違いがある
・移転価格証明制度
 関連当事者間取引が約18Mを超えると移転価格の妥当性の証明文書が必要
 2013年3月期から20%超の同一の株主を有する会社間の国内取引に対象に
・文書化義務違反のペナルティは取引額の4%
・2012年にはようやく移転価格の事前確認制度が導入された

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