1.税理士業の事業承継めぐり取消裁決
【事例】
・税理士Aが死亡(税理士Bが相続)
・Aの事務所内でBが事務所を営んでいた
・Aの死亡により、BがAの事業を承継
⇒(法63)により、Aの準確定申告で事業税を必要経費に計上した
⇒Aは事業を廃止したといえるか?
※当局は、Bが事業承継しているので、Aは事業を廃止していないと主張
★(法63)事業を廃止した後に納税義務が確定する事業税等について、事業廃止年分の必要経費として計上できる
【審判所】
・Aの死亡により、Aと取引先との間の契約は終了
(Bが新たに取引先と契約を締結している)
・Bの住所表記から「Aの税理士事務所内」がなくなった
⇒Aは事業を廃止している
⇒Aの準確定申告で、事業税を必要経費計上可能
2.26年度税制改正の政令が公布
■主だった改正点
・所得税
→ゴルフ会員権の譲渡損を他の所得と損益通算できなくなった
平成26年4月1日以降の売買に適用
・相続税
→相続税が課されない公益事業を行う者の範囲が拡大
家庭的保育事業、小規模保育事業若しくは事業所的保育事業
または認定こども園を設置、運営する者
子ども・子育て支援法の施行日以後について適用
・消費税
→簡易課税においてみなし仕入率の見直し
金融業・保険業(60%→50%)
不動産業(50%→40%)
平成27年4月1日以後開始事業年度について適用
条件付で適用開始時期の特例あり
→課税売上割合の計算の見直し
金融債権の譲渡についても譲渡対価の5%相当額を資産の譲渡等の対価の額に加算
平成26年4月1日以降の譲渡について適用
3.連結納税適用企業の法定実行税率に注意
・H26年3月決算法人は税効果で、改正後の税率を適用する。
・新たに創設される「地方法人税」の改正はH26年10月1日から施行。
3月末時点では未公布。
→H26年3月決算法人はH26年10月1日以後開始する事業年度以降に解消すると見込まれる。
一時差異等に係る繰延税金資産および繰延税金負債の計算では、改正前or改正後の税率どちらでもよい。
※ただし連結納税制度適用法人は、新税率を使用する
4.資本金1億円超の法人の外形標準強化も
■6月に打ち出される『成長戦略』に『外形標準強化』が盛り込まれる予定
【外形標準強化内容】
・資本金1億円超の法人に対する所得割と資本割・付加価値割のバランスの見直し
→大法人の税負担抑制
→法定実効税率の引下がる
◎『強化』≠『増税』
5.連結財務諸表作成会社の単体簡素化を図る改正財規等が施行
金融庁は3月26日、「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」を公布・施行した。
今回の改正は、連結財務諸表作成会社が有価証券報告書に記載する単体財務諸表について、簡素化を図るというもの。
平成26年3月31日以後に終了する事業年度等に関する財務諸表等について適用される。
適用対象
・連結財務諸表作成会社かつ会計監査人設置会社の単体財務諸表
簡素化の主な内容
①貸借対照表
別掲基準:100分の1→100分の5
②損益計算書
別掲基準:100分の5→100分の10
③製造原価明細書
連結財務諸表においてセグメント情報を注記していれば不要
④注記事項
(損益計算書関係)
・販売費の科目若しくは一般管理費の科目又は販売費及び一般管理費の科目に一括して掲記し、その主要な費目及びその金額を注記する場合の主要な費目:100分の5→100分の10
・研究開発費の注記→不要
・減損損失に関する注記→不要
(株主資本等変動計算書関係)
・ 自己株式に関する注記→不要
(リース取引関係)
記載不要
(資産除去債務関係)
記載不要
(1株当たり情報)
・一株当たり当期純損益に関する注記→不要
(ただし主要な経営指標等の推移における記載は必要)
・潜在株式調整後一株当たり当期純利益に関する注記→不要
・一株当たり純資産額の注記→不要
6.医療法人の社員と同族判定
■出資持分ありの医療法人
⇒払い戻し請求があると医業継続が困難となる。
↓
平成19年より「持分の定めのない医療法人」しか設立できなくなった。
■既存の「出資持あり医療法人」が「出資持分なし医療法人」に移行する場合
→出資者が出資持分を放棄する(医療法人に対して持分を贈与する)
【留意点】
その医療法人の役員の1/3超が親族で占められている場合、医療法人が贈与を受けたものして贈与税が課税される。
(相続税の負担が不当に減少する結果となる場合に課税対象となる)
※贈与税は個人が対象であるが、
上記の場合、医療法人を「個人とみなして」課税されるので注意が必要。
なお、判定の要素は「役員」の割合であり、親族の社員(株主)割合が1/3超であっても課税はされない。
7.印紙税:消費増税に伴う変更契約書にかかる印紙税
消費税の増税に伴って、原契約で定められた契約金額のうち消費税部分のみを増額変更する契約書を作成した場合には、一定の要件に該当するものについて、200円の印紙税が課される。
8.企業結合会計基準対応で財規等改正
・少数株主との取引⇒資本剰余金に計上
・少数株主持分⇒非支配株主持分
・少数株主損益⇒非支配株主に帰属する当期純利益
・当期純利益は少数株主損益を含める。
・改正前の当期純利益は「親会社株主に帰属する当期純利益」に変更
・企業結合における取得関連費用:取得原価から発生時費用計上へ
⇒主要な取得関連費用は注記へ
9.京王ズの乱は不発 問題多い高希薄化増資
【京王ズのケース】
・京王ズが、筆頭株主光通信ともめたことをきっかけに、ノジマに第三者割当増資を計画
・割当株式が、発行済株式総数を超え、希薄化率は111%
・光通信が差し止めを申し立て
→「資金使途の妥当性がない」と主張したが、棄却される
・京王ズ「売上高の過半を占める光通信と関係悪化で、資金繰りが将来悪化」と主張
【東証企業行動規範】
・300%超の希薄化→上場廃止。
・25%超の希薄化→株主総会での「意思確認」もしくは「第三者からの意見入手」
実際は、「第三者からの意見入手」で済ませるケースがほとんど。
ただし現在、会社法改正で「支配株主が変わる第三者割当増資で、1割以上保有の株主が反対すれば、普通決議が必要に」
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