2015年11月20日金曜日

11/20 勉強会:印紙税法の第2号文書・第7号文書をめぐる実務ポイント 他


1.マイナンバー制度が税務執行に与える影響

■まとめ
・税務調査での活用
 ⇒税務署での業務がスムーズになる
  源泉徴収票などが名寄せしやすくなる
 ⇒将来は預金口座などの資産も把握できるようになるかも

・富裕層の資産移転の把握
 ⇒国内預金口座の把握が進む

・勤務先による副業の把握
 ⇒マイナンバーが導入されることにより明らかになることはない


2.非常勤役員への日当給与を定期同額給与と認めず

■請求人が非常勤役員に支給した日当は定期同額給与に該当しないため、損金算入できないと判断された事例

■審判所の判断
主に下記より定期同額給与や通勤費には該当しないと判断
・日当が規則的に継続支給されていないこと
・各月の支給額が同額でないこと
・自宅から直接用務地へ出向いており、宿泊を要する出勤ではなかったこと
・交通費は実費で支払っていた

よって非課税となる通勤費、損金算入可能な定期同額給与にも該当しない。


3.法人税の実地調査率

・法人税の税務調査を受ける確率のこと
・法人税に関する実地調査件数÷対象法人数により算出
・実調率(※1)は、年々低下している
 平成元年:8.5% ⇒ 平成26年:3.2%
(※1) すべての法人を対象とした実調率
・国税局調査課が所管する法人(※2)の実調率は、かなり高い
 国税局調査課が所管する法人:10.6% ⇔ 税務署が所管する法人(※3):3.1%
(※2) 原則、資本金1億円以上の法人が対象。約2万5,000社あり
(※3) (※3)以外の法人が対象


4.株主総会招集通知の電子化や重複開示の廃止などが実現へ

金融審議会に設置されたディスクロージャーワーキンググループにて、以下事項が検討されている。

■開示内容の整理
金商法、会社法、取引所規則それぞれの開示書類は目的は異なるものの開示内容の統一が図られていたが、さらに3つの開示制度の相違点が統一される方向で検討されている

金商法 ⇒ 有価証券報告書
会社法 ⇒ 計算書類や事業報告
取引所 ⇒ 決算短信

(例1)経営方針の記載
決算短信 ⇒ 記載が要求されている
有報・事業報告 ⇒ 明示的に要求されていない

(例2)大株主の状況
有報と事業報告とでは大株主の所有株式数の定義が異なる

これら相違点が統一される可能性あり。

そのほか、
四半期決算短信と四半期報告書の開示日が近いため、四半期決算短信は任意で開示すべきとの意見あり

■株主総会招集通知の電子化
株主総会招集通知の提供を原則電子化する可能性あり
⇒日本では株主総会日が集中し、株主による議案検討期間が確保されていないため。
⇒アメリカの制度を導入することも検討(Notice & Access制度)
 ・招集通知関連書類の提供は原則電子的に行う
 ・希望する株主のみ書面で送付

これら検討事項はH28年3月頃を目途に報告書をまとめる予定


5.移転価格税制の申告漏れが多数発生

・移転価格税制に関する申告漏れ件数が過去10年で最高の240件(前年対比+41.2%)を記録。
・海外取引法人への税務調査が重点課題の1つになっていることが一因か。
・海外取引においては、特に、下記事例で源泉徴収漏れが発生しやすので要注意。
(1)海外企業への、権利侵害に関する賠償金支払が、実質、工業所有権の使用料に該当する場合
(2)海外企業へ工業所有権の使用料を支払う場合で、金銭のやり取りなく債権債務を相殺する場合

 ⇒どちらも源泉徴収が必要


6.消費税:国外事業者が行う電子書籍の販売

■電気通信利用役務の提供にかかる課税方式
(1)消費者向け⇒国外事業者が納税義務を負う
(2)事業者向け⇒リバースチャージ方式
       (国内事業者が納税義務を負う)

Q:業界専門書の電子書籍販売はどちらになるか
A:「消費者向け」に該当
⇒必ずしも一般消費者が購入しないわけではない

Q:ウェブ広告サービスはどちらになるか
A:「事業者向け」に該当
⇒通常、事業者限定のサービスである(と国税は考えている)
 ※実際は一般消費者でも利用可能

(まとめ)
その電気通信利用役務の提供が「消費者向け」か「事業者向け」かは役務の内容では判断できず、実質的に限定列挙となる

<「事業者向け」とされているもの>
・ウェブ広告
・アプリ等を販売するためのウェブサイトを利用させるサービス
・インターネットを介して行う宿泊予約サイトへの掲載 など


7.臨時報告書

・会社の業績等に重要な影響を与える事象が発生した場合に提出する開示書類
・株式交換・移転、合併・分割、重要な事業の譲渡・譲受けの決定や公認会計士等の異動など。
・損益への影響が純資産の3%以上、5年平均当期純利益の20%以上となる後発事象も対象となる。


8.法人税等負担率の分析

1. 法人税等負担率の注記
⇒ 法定実効税率と法人税等負担率に大きなかい離がある場合は、その主な要因を注記

※法人税等負担率 … 法人税等合計 ÷ 税前当期純利益
※法人税等合計  … 法人税等 + 法人税等調整額

2. 法人税等調整額の意義
⇒ 会計と税務とでは、資産・負債に差異が生じることがある。
⇒ 法人税等は税務上の所得で算出される
⇒ 法人税等の金額を期間按分(法人税等調整を計上)することにより会計上の税金費用に調整。

3. 法人税等負担率の分析の意義
⇒ 税効果会計が適切に適用され、決算数値に反映されているかを検証できること
※分析を通じて、DTA、DTLの計算にあたって、税務申告の調整項目の反映漏れ等を発見できる可能性がある。

4. 分析の方法
(1) 税前当期純利益に法定実効税率を乗じる
(2) 調整内容の影響額の算出 (下記の合計)
  ・永久差異(会計と税務で永久に差異が解消されないもの)× 法定実効税率
  ・所得に関係のない税金の金額 (住民税均等割など)
  ・評価性引当額の増減 × 法定実効税率
(3) (1)と(2)の合計額が、法人税等合計と一致するかを確認する。


9.決算期が異なる場合の対応方法の比較と検討ポイント

■親子間で決算期が異なる場合の対応方法比較
(1) 子会社の正規の決算を基礎とし、連結会社間の重要な取引のみ調整する方法
 子会社の決算日と連結決算日との差異が3か月を超えない場合、採用可
 長所:最も負荷がかからない方法である
 短所:重要な連結間取引しか調整されず、適切な連結財務諸表を作成する観点からは限界あり

(2) 仮決算を行う方法
 正規の決算とは別に仮決算を組む方法(仮決算日は連結決算日から3か月以内の一定の日に設定することが可能)
 長所:法的な規制はないため、決算手続を限定したり決算日を連結決算日の1か月前に設定したりと柔軟な対応が可能
 仮決算の精度にもよるが、(1) の方法よりも適切な連結財務諸表が作成されると考えられる。
 短所:毎期継続して2回決算を行うことになるため、導入後のコストは(1)~(3)の方法の中で最大となる。

(3) 決算日の統一
  そもそも決算期自体を変更してしまう方法
 長所:法定決算を基礎とするため最も適切な連結財務諸表が作成されるものと考えられる。
 短所:所在地国の法規制に対応する必要あり。採用できる会社が限られる。
 子会社決算と連結パッケージの作成が同時期に行われるため決算期の負荷は最も高くなる。

■仮決算と決算期変更、どちらをとるかについて検討のポイント
(1) 所在地国の法規制
 所在地国の税制によって決算日が特定の日に法定されている場合がある(ロシア、メキシコ、ブラジルなど)
 このような国に在外子会社がある場合、決算期変更の採用は不可能

(2) 決算体制の充実度
 増加する負荷に子会社の経理体制が耐えうるものであるかどうか

(3) グループ会社の分散状況
 特定の国に子会社が集中するなど、場合によっては親会社が決算期を変更する場合もありうる。


10.印紙税法の第2号文書・第7号文書をめぐる実務ポイント

・第2号文書…請負に関する契約書
・第7号文書…継続的取引の基本となる契約書

Qひとつの文書が第2号文書と第7号文書の両方に該当する場合はどうするか?
Aどちらか一方の号に所属が決定される。

原則:第2号文書とする
契約金額の記載なし:第7号文書とする 
※月額の記載だけがあり、契約期間の記載がないものは金額を計算できない為、契約金額の記載がないものとして第7号文書となる

⇒第2号文書と第7号文書、どちらの印紙税額が少ないかを考えて契約書を作成することで節税ができる。


11.新株予約権を対価とする費用の帰属年度の特例の内容について

内国法人は新株予約権を、個人から受ける役務提供の対価として発生する報酬債権と相殺して発行した場合
→新株予約権付与時の公正価値相当額を役務提供の対価とする費用
→被付与者である個人に給与等課税事由が生じたときに損金算入

(1)新株予約権の公正価値相当額
 会計:ブラックショールズ・二項モデル等の価格算定モデルで算定
 税務:法人税法規程なし、会計を準用

(2)公正評価額の損金算入時期
 会計:権利付与時~権利確定時までは対象勤務期間として、同期間に渡り合理的な方法で按分
 税務:被付与者が権利行使をして、かつ、所得税の課税が生じるときに限り損金算入できる
 →税制適格ストック・オプションが行使され、非課税となる場合には損金算入×


12.YKKはなぜ非上場なのか

・YKKはファスナー世界最大手。有数の、非上場の大企業。
・現会長の吉田忠裕氏は、創業者の息子。
・現会長以外の幹部はすべて非同族。
・創業者が外部の株主ではなく、社員に株を持たせることにこだわった。
⇒現在の筆頭株主は「社員持株会」。

・他に著名な非上場企業は、
サントリー、竹中工務店、JTB、ロッテ、大創産業など


13.ビートたけしが孫を養子に 相続税対策か

・ビートたけしが長女の子供を養子に。
・子供を経由して孫に行くよりも、相続税課税が1回少なくて済む。
・「孫を養子にする」節税対策は、バブル期に流行ったが、今回の相続税改正で再びブームになる可能性も。

・法定相続人に含めることが出来る養子の数は、「実子がいる場合」1人まで、「いない場合」2人まで。
・養子のうち直系卑属(孫、ひ孫)は税金が2割加算。


14.上場審査の流れ

(1)取引所上場の審査の流れ
 ・通常審査と予備審査がある。
 ・取引所の上場審査部が3ヶ月程度(標準審査期間)(JASDAQは標準で45営業日)かけて審査を行う。
 ・通常審査
  株主総会→取締役会決議(上場申請の決議)→上場申請(申請書類の提出)
  →上場審査(ヒアリング、実地調査、会計士ヒアリング、監査役ヒアリング、社長ヒアリング、社長説明会)
  →上場承認(公募・売出しに関する取締役会決議、有報を財務局に提出、取引所よりプレスリリースされる)
  →上場
   
  上場申請から上場承認まで3ヶ月、上場承認から上場まで1ヶ月
 ・予備調査
  上場申請直前事業年度の末日からさかのぼって3か月前に予備申請、審査開始、定時株主総会終了後、上場申請となる。
  予備申請を行えば、通常申請に比べ最短で3か月程度、上場までの期間が短縮される。

(2)マザーズ上場の審査の流れ
  ・上場審査の流れは、取引所上場と変わらないが、取引所上場の場合と比べ、提出書類が少ないことから、標準審査期間を2か月としている点に違いがある。

■今週の新規上場会社
上場・公開日    社名                  銘柄コード   市場  公募価格(円)
11月19日      ロゼッタ                       6182        マザ     695
11月19日      あんしん保証               7183        マザ   1,460

11月20日      ベルシステム24      6183        東証  1,555






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2015年11月14日土曜日

11/13 勉強会:扶養控除等申告書には個人番号記載不要 他

1.検証日産自動車事件
■争点
・子会社が減資を行い、親会社に時価よりも低い金額を交付した場合
 親会社に対して時価と交付を受けた金銭との差額について子会社への寄付金課税が成立するかどうか

■子会社が時価よりも低い金額を交付した理由
・旧商法において、減資には払戻限度額がありその払戻限度額を超える払戻しは違法であるため、払戻限度額までしか払戻しをしなかった
・払戻限度超過額を収益として計上することはできないし、実際に払戻しをされていない金額は寄付金にはならない

■裁判所の判断
・営利法人は損をする取引を選択しないはずであり、 損をする取引を選択したということは、損をした部分は寄付である
・法人税において、収益とは経済的な実態に即して実質的に理解することが相当である
・旧商法において、払戻限度超過額を収受することが許されなくても
 許されない=収益ではない、という理解はできない
⇒寄付金課税は成立する


2.海外取引への税務調査、申告漏れ発見の端緒は?

■事例
①租税条約等に基づく「自動的情報交換※1」が端緒となり申告漏れが発覚
具体的には・・・
「自動的情報交換資料等」により、Aが海外で資産運用が見込まれる一方、その運用益が申告されていないと想定されたため調査に着手。
※1
法定調書等から収集した情報を支払国の税務当局から受領国の税務当局に対して一括して送付するもの。

②「国外送金等調書」が端緒となり申告漏れが発覚
具体的には・・・
「国外送金等調書」は金融機関が税務署へ提出する法定調書の1つであり、100万超の国外送金、国外からの入金があった場合、送金者等の氏名、住所、送金額等を記載した調書を税務署へ提出する。

⇒国税庁は今後も海外取引に関する税務調査を積極的に行う方針。



3.扶養控除等申告書には個人番号記載不要

■扶養控除等申告書
・原則
 …マイナンバーを記載。(※記載した書類は厳重に7年保管)

・例外
「個人番号については給与支払者に提供済みの個人番号と相違ない」
旨を余白に記載すれば、省略も可能となる。

※保険料控除申告書、退職所得の受給に関する申告書については、現時点では省略可能とはなっていないため、記載必要。
 今後足並みをそろえていく可能性もあるかもしれない。



4.予備的主張

 訴訟において、本来の主張が認められなかった場合に備え、予備的に行う主張のこと

例えば、債務不存在確認訴訟において、
「そもそも借金していない」という本来の主張が認められなかった場合に備え、「仮に借金していたとしても、返還請求権は時効により消滅している」と主張するのが予備的主張


5.タワーマンション節税に国税庁が方針

・高額なタワーマンション(タワマン)の1室を購入し、相続税評価額を下げるという節税策に国税庁が方針

【スキーム】
・タワマン(特に眺望のよい高層階)は、高い販売価格が付く
・マンション1室の相続税評価額は、通達上、下記合計により計算
 -敷地全体のうち1室当たりの土地部分の評価額(路線価)
 -家屋部分の評価額(固定資産税評価額)
・タワマンは、総部屋数が多く土地部分の評価額が小さくなるため、相続税評価額が低くなる(平均で、約3分の1に評価額を圧縮でき、物件によっては7分の1になることも)

 ⇒相続直前にタワマンを購入、相続発生後すぐに売却するようなケースは、相続税評価額=購入価格等 で計算し、追加課税する可能性があるとの方針


6.資本金額の説明義務違反で税理士が敗訴した事件

■概要
・節税目的で税理士と顧問契約
・税理士より法人成りの提案があった
・資本金1億円超で医療法人を設立
・新設1期・2期分の消費税の還付等が受けられなかった

■医療法人側(原告)の主張
節税を目的とした顧問契約を締結したにもかかわらず、損害を被る結果となったことは債務不履行による損害と主張

■税理士(被告)の主張
法人設立時に消費税が免税となる旨を説明したものの、資本金1億円とし「資産価値を高めたい。運転資金を潤沢にしたい」とする原告側の強い要望があったと主張し、債務不履行に該当しないと主張。

■裁判所の見解
・顧問契約の本当の目的が「節税」であること。
・節税目的で法人を設立したにも関わらず損害が発生した。

顧問税理士として節税目的に沿うよう正しく説明・指導しなかったと判断し、税理士に債務不履行の責任ありとの判決を下した。


7.相続タワマン節税:旧措法69の4復活か?

■タワマン節税とは
⇒市場価格と相続税評価額との乖離を利用した節税策

相続税評価額の計算では、
・階層による評価額に違いがない
・一棟の建物全体の評価額を専有面積の割合で按分
⇒世帯数が多いとひと部屋あたりの評価額が低くなる

ことから市場価格との乖離が生じやすく節税対策で
購入されるケースも多い

■旧措法69の4
⇒相続開始前3年以内に被相続人が取得した土地建物はその取得価額をもって相続税評価額とする規定。平成8年廃止。

■裁決例(H23.7.1)
・購入後居住した形跡がない
・被相続人死亡後すぐに売却
・乖離率5倍(購入3億、評価額0.6億)

⇒評価額は購入価額を基礎に算定すべきと判断された


8.税務当局への事前相談の方法

税務当局への事前相談、照会の方法は下記の4つがある。

(1)タックスアンサー
 国税庁HPに掲載されているFAQ集。

(2)電話相談
 電話相談センターの税務相談官による一般的な税務相談。
 
(3)面接による相談
 税務署が対応する個別案件相談。要予約。

(4)特定案件の事前照会
 各国税局の審理課等で対応する「再建支援等」「特定調停(債権放棄に係るもの)」「企業組織再編成」に係る具体的な事前照会。否認されると企業活動が立ち行かなくなる重要事項に特化している。
 
 ※(4)の窓口一覧


9.権利確定条件付き有償新株予約権の処理を検討(ASBJ)

・権利確定条件付きで従業員等に有償で発行される新株予約権(権利確定条件付SO)について会計処理の検討を始める

・権利確定条件付SOの会計処理について
 「複合金融商品適用指針」
 「ストック・オプション会計基準」
 のいずれの適用対象になるか明確化されていない

・現行実務では「複合金融商品適用指針」での処理が多い。
 「ストック・オプション会計基準」に従って報酬費用を計上するケースは少ない

⇒ASBJ事務局より、「ストック・オプション会計基準」の適用範囲に含めることが適切と提案された


10.上場審査の形式基準

(1)本則第一部
  ・株主数2,200人以上
  ・流通株式数20,000単位以上
  ・流通株式時価総額10億円以上
  ・流通株式数(比率)35%以上
  ・時価総額250億円以上
  ・会計監査2年間(虚偽記載なし、かついずれも適正意見であり、直前期は無限
定適正意見)
  ・純資産の額10億円以上
  ・利益の額(経常利益)5億円以上(最近2年間の合計)

(2)本則第二部
  ・株主数800人以上
  ・流通株式数4,000単位以上
  ・流通株式時価総額10億円以上
  ・流通株式数(比率)30%以上
  ・時価総額20億円以上
  ・会計監査2年間(虚偽記載なし、かついずれも適正意見であり、直前期は無限
定適正意見)
  ・純資産の額10億円以上
  ・利益の額(経常利益)5億円以上(最近2年間の合計)

(3)マザーズ
  ・株主数200人以上
  ・流通株式数2,000単位以上
  ・流通株式時価総額5億円以上
  ・流通株式数(比率)25%以上
  ・時価総額10億円以上
  ・会計監査2年間(虚偽記載なし、かついずれも適正意見であり、直前期は無限
定適正意見)

(4)JASDAQ
  ・株主数200人以上
  ・流通株式時価総額5億円以上
  ・会計監査2年間(虚偽記載なし、かつ直前期は無限定適正意見)
  ・純資産の額(スタンダード2億円以上、グロース正(直前期末)
  ・利益の額(経常利益)(スタンダード1億円以上(最近1年間)、グロース 該当なし)(※1)

  (※1)「スタンダード」は、既にある程度の利益が出ているレベルの企業向けの区分

     「グロース」は、将来性を秘めた成長途上にある企業向けの区分






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2015年11月7日土曜日

11/6 勉強会:マイナンバー:扶養控除等申告書・法定調書関連 他


1.一括取得した建物の課税仕入、鑑定評価による按分計算認めず

・土地建物を一括取得した場合
 …土地:消費税は課税されない(非課税)
 …建物:消費税が課税される
 ⇒按分計算が必要になる
・按分する根拠を何にするか?
 固定資産税評価額  :合理的
 鑑定士による鑑定評価:合理的であるが、実際請負代金とのかい離がある場合は合理的とはいえない

・不服審判所に申し立てられた事例では、鑑定評価の額(12億)が新築請負代金(6億)の約2倍で評価されていたため鑑定評価に合理性がないとの指摘がされた


2.株式報酬の税務

・今年6月に導入されたコーポレートガバナンス・コード
⇒役員報酬と中長期的な業績との連動性を求めている

・信託を通じて役員に株式を交付するスキーム
(例:三菱UFJ信託銀行=役員BIP、みずほ信託銀行=BBT 等)
⇒役員に株式を交付する時期による課税
(在職時)
法人税法上、損金算入不可
※定期同額・事前確定届出給与・利益連動給与に該当しないため

(退職時)
交付時の時価総額相当額を退職金として損金算入できる可能性大


3.賞与支給額の通知有無、高裁も法人敗訴

■概要
 職員に対する未払定期賞与の損金参入時期について争われた事例
 未払賞与の損金算入要件である「支給額の通知」はどこまでが通知か?

■法人側の主張
 社員に通知されている「給与規定」に則って定期賞与を支給している
 それは全職員が知っていることであり、それが通知になると主張

■裁判所判断
 「支給額の通知」は「具体的な賞与の支給額」を決定し、「通知」するまでを言う

 今回の場合は、業績等により支給割合が変更される余地が残っており、「具体的な支給額」の通知があったとはできないと判断され、法人側の主張は斥けられた


4.税効果適用税率指針の原案が明らかに

■税効果会計に適用する税率の取扱いが変更
 現行:決算日に公布されている税法に規定されている税率で計算
 指針案:決算日に国会で成立している税法に規定されている税率※で計算
 (なお、平成28年3月期からの適用を予定)

※より厳密に言うと、
 ・法人税、地方法人税、地方法人特別税
  ⇒決算日に国会で成立している税法に規定されている税率
 ・住民税(法人税割)、事業税(所得割)
  ⇒決算日に各地方公共団体の議会等で成立している条例に規定されている税率


5.定期代や留学渡航費等を非課税対象とするには?

・平成27年度税制改正で、教育資金一括贈与の非課税制度が使いやすくなる
 ※非課税制度の概要
  ⇒30歳未満の受贈者が、祖父母など直径尊属から、金融機関を通して教育資金を受贈した場合に1500万円までは贈与税非課税となる制度。

【改正内容】
・通学定期券代、留学渡航費が非課税対象に(H27.4.1以後支払い分)
 ⇒通学定期券の写し、留学先の入学許可証・航空券の写し等が必要
・1万円以下の小口支払は、年間総額24万円以下までの支払について領収書が不要に(H27.1.1以降支払い分)
 ⇒領収書に代えて支払内容を記載した明細書の作成が必要


6.マイナンバー:扶養控除等申告書・法定調書関連

■FAQ抜粋
<扶養控除等申告書>
・「給与支払者に提出済みの個人番号と相違ない」旨の記載をすれば個人番号の記載不要(Q1-9)

・「法人番号」をプレ記載して従業員に配布…OK
 但し、給与支払者が個人の場合、「個人番号」をプレ記載して配布するのはNG(Q1-16)

・個人番号部分にマスキングをして保存することは不可(Q1-23)
⇒原本保存とならないため

<法定調書>
・提出後に個人番号の提供を受けた場合、原則として再提出する必要があるが、個人番号以外の事項が正しく記載されていれば再提出不要(Q1-5)

・個人番号が不明の場合は記載しないで提出するが、適用欄に理由を記載する必要はない。
但し、のちに理由を確認される場合があるので理由等を記録しておく(Q1-6)


7.法人税:マイナンバー対応に要したシステム関連費用

マイナンバー制度の導入に伴って必要になる「安全管理措置」を講じるため、社内で使用するシステムの変更に要した支出は『修繕費』か?『資産取得』か?

■ソフトの買い替え、新規取得
通常の資産の取得として取り扱う。

■既存システムの改修、機能付加
 修繕費として一時の損金算入が可能。
 【考え方】
 「安全管理措置」を講じない以上,法令に沿ったシステム運用ができなくなる。
  そのため既存の給与計算システム等に対して支出した改修費用は,“現在使用しているソフトウエアの効用を維持するためのもの”として「修繕費」と処理できる。


8.決算日後の税率変更

・税効果会計基準では、決算日後に税率変更があった場合、その内容およびその影響を注記し、税率変更はDTA等の額に反映しない

⇒ASBJの審議では、決算日後の税率変更を修正後発事象として取り扱う
 =改正後の税率で算定することが有用、との意見もあり
 ⇒当該税率はDTAの見積もりの一部、という考え方

ただし、有価証券の減損に用いる株価は期末時点のもので、期末日後の変更は反映していない。
IFRSでも期末日後の税率変更はDTAに影響しない。


9.事業統合における持株比率調整の留意点

1. 持株比率調整とは
⇒ 当事者間で合意した持分比率と、株式価値算定による比率とで乖離
⇒ 合意した持分比率になるように株式の譲渡等を行い調整すること

2. 留意すべき事項
⇒ 持分調整により、税制適格要件を充足しなくなる可能性があることに留意が必要

3. 税制適格要件を満たさなくなる持分調整の例
⇒ 下記の持分調整を実行すると、調整しなければ税制適格だったものが、税制非適格となってしまう。

(1) 子会社同士の合併
 被合併法人の株主が、合併法人の株主に株式を譲渡
 ⇒ 子会社の持分比率を下げる調整
  ※被合併法人の株主には株式継続保有要件が課されているため
(2) 複数の会社の事業を一つの新会社に統合 (共同新設分割)
 分割法人間で株式を譲渡して、合意された持分比率に調整
  ※分割法人は、新設された会社の株式の継続保有を課されているため

4. 税制非適格とならない様にする持分調整の方法
⇒ 持分を株式の売却で調整するのではなく、株式価値等を調整することにより、合意された持分比率となるようにする。

<上記例示の場合の対応策例>
(1) 子会社同士の合併の場合
 ⇒ 被合併法人が事前配当を行い、被合併法人の評価額を調整
(2) 共同新設分割の場合
 ⇒ 合意された合併比率に満たない会社が、追加で資産を拠出することにより、評価額を調整


10.事業統合の定義概要とスキームごとの留意点

(1) 目的
 ・経営統合
   同業で業界首位を目指すようなときに行われることが多い
   経営資源のすべてを統合。すべてが一体化される
   実態として一体化を図るのはハードルが高いといえる。
 ・事業統合
   本社機能的な部分まで統合されることはない。あくまで事業単位での統合
   互いの経営資源を拠出する形で統合後の事業を形成
   段階的な統合を図るために事業統合を利用するケースも見られる

(2) 事業統合のタイプ
 ・子会社同士の合併
   簿外債務を含むすべての資産・負債が対象
   合併比率を調整するためには合併前に増資等による調整が必要
   株主総会の特別決議が必要
   包括承継により承継
   債権者保護手続:1ヶ月以上の異議申立期間が必要
   対価:株式、社債、新株予約権、新株予約権付社債、その他の財産
   従業員の扱いは包括承継

 ・共同新設分割
   事業に紐づく権利義務であれば統合可能
   統合範囲の調整により統合比率は調整可能
   株主総会の特別決議が必要
   包括承継により承継
   債権者保護手続:1ヶ月以上の異議申立期間が必要
   対価:株式、社債、新株予約権、新株予約権付社債
   従業員の扱いは包括承継

 ・吸収分割
   事業に紐づく権利義務であれば統合可能
   統合範囲の調整により統合比率は調整可能
   株主総会の特別決議が必要
   包括承継により承継
   債権者保護手続:1ヶ月以上の異議申立期間が必要
   対価:株式、社債、新株予約権、新株予約権付社債、その他の財産
   従業員の扱いは包括承継

 ・事業譲渡
   すべての事業を統合する必要はない。範囲の自由度が高い
   譲渡範囲を調整することにより譲渡価値は調整可能。株主になるためには別途資本参加の手段が必要
   株主総会の特別決議が必要
   個別同意により承継
   債権者保護手続は不要
   対価は株式以外の財産
   従業員の扱いは個別同意により承継


11.事業統合前に詰めるべき主要論点

⇒株主間契約の中の、「解決困難な事象」が発生した場合の対処について

※株主間契約とは
2社以上の会社で事業を行う際に、会社の基本的な運営方針や後々発生する事業への対処方法をあらかじめ決めておき、明文化しておくもの。

主な記載事項
 ・目的、定款
 ・出資比率、議決権
 ・機関設計、役員選解任
 ・拒否権
 ・資金負担
 ・配当
 ・競業避止
 ・デットロック条項
 ・株式譲渡
 ・解消
 ・紛争

【解決困難な事象が発生した場合の対処】
 ①デッドロック条項
 ※株主間での見解相違に決着をみない場合の対処方法を定める条項

 ・役員間での協議、株主の代表者間での協議、独立機関による判断などの段階的な協議によりクールダウンの機会を設け、上位の判断で決着を試みる

 ②統合解消
 ・株主間の売買を想定した場合
⇒一定の事由が生じたとき(義務違反があった、統合事業の目的が達成された等)、買取規定や売渡請求権又は売渡規定や買取請求権を株主間契約で規定する

 ・第三者への売却を想定した場合
  ⇒自社が株式の過半数を持つ場合や少数株主となる場合等のさまざまな状況を勘案して先買権、売却参加権、共同売却権、強制売却権等を規定することが必要


12.インサイダー取引規制の適用除外規定である「知る前契約・計画」「対抗買い」について

(1)「知る前契約・計画」
→重要事実を知る前に決定された契約・計画

イ~ハまで、すべてを充足する必要あり
イ:重要事実を知る前に締結された書面による契約の履行または重要事実を知る前に決定された書面による計画の実行として売買等を行う
ロ:重要事実を知る前に、次に揚げるいずれかの措置が講じられたこと
ハ:売買等の別、銘柄及び期日ならびに当該期日における売買等の総額または数が、「知る前契約・計画」において特定またはあらかじめ定められた裁量の余地がない方式により決定

(2)「対抗買い」
→TOBに対抗するために、被買付企業の親密先が株式を買い付ける行為
 普通に考えると、TOBがあるといった情報を知っている第三者は、情報が公表されるまでは買付できない
そこでTOBがあるといった情報を知っている第三者による対抗買いを可能とするための適用除外規定として、TOBに対抗するため、被買付企業の取締役会等が決定した要請に基づいて株券等の買付等を行う場合が定められてた。


13.TPP、オタク文化を殺さず

・TPP交渉の中で、「著作権者が訴えなくても、行政の判断で著作権侵害を止めることが出来るようにする」という議論があり、出版業界が騒然となっていた。
・これまで著作権者が看過してきた、「コスプレ」や「同人誌」が規制の対象になるのでは…と憶測。
・上記は著作権者にとってもマイナスは少なく、むしろファン活動の裾野を広げてくれていた。
・発表された大綱では、「著作権者の収益に大きくマイナスの影響を及ぼす場合」と条件がつき、ひとまず騒動は落ち着いた。


14.上場市場の種類と特徴

(1)証券取引所本則市場
 ⇒東京、名古屋、福岡、札幌の各証券取引所に本則市場がある。
  また東京、名古屋の2証券取引所の本則市場は、所属部として第一部、第二部に区分されている。
(2)マザーズ
 ⇒東京証券取引所が、新興企業に資金調達の場を提供する目的で創設された。
  市場コンセプトは「市場第一部へのステップアップのための成長企業向けの市場」
(3)JASDAQ
 ⇒日本初の成長・ベンチャー企業(新興企業)向けの市場。
  他の取引所に開設されている新興市場とは異なり、現在では老舗となった企業も上場しており、中には秩父鉄道(1963年上場)のような上場から50年を超える企業も存在する。
  平成22年10月に、ヘラクレス市場とJASDAQ市場が市場統合され、現在の東証JASDAQ市場となっている。

■今週の新規上場会社
上場・公開日   社名                 銘柄コード  市場  公募価格(円)
11月4日       日本郵政                 6178      東証  1,400
11月4日       かんぽ生命保険    7181     東証  2,200

11月4日       ゆうちょ銀行              7182      東証  1,450






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