2016年2月13日土曜日

2/12 勉強会:住民税:「資本金等の額」の改正、法人税割不均一課税への影響 他

1.使用人賞与の損金算入時期
・特例民法法人から公益社団法人への移行の際に未払金に計上した
 未払賞与は損金算入できるかどうか
 ⇒できない

・理由
 費用の期間配分という観点からは未払金計上が認められるが、他方で決算期における未払賞与の計上については法人税法で別規定がありそれに当てはめると損金算入できないことになるため


2.租税特別措置の見直しについて
平成283月末で適用期限が切れる主な租税特別措置法の見直し
3項目は廃止、
14項目は減縮

以下、主なものについて記載する。
・生産性向上設備投資促進税制
(廃止)当初通り平成293月末で廃止

・環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)
(延長・減縮)風力発電設備の即時償却が廃止
 太陽光発電設備については売電用は除外
 電気自動車等の税額控除の廃止

・中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例
(延長・減縮)従業員1,000人超の法人を除外

・雇用促進税制
(延長・減縮)対象は正社員のみに限定
 有効求人倍率全国平均の2/3以下の地域(雇用環境の悪い地域)に限定

・国際戦略総合特区の所得控除
(廃止)適用件数ゼロにより廃止

租税特別措置法については、
・延長したか
・廃止になったか
・対象が変わっていないか
を確認することが必要


3.固定資産の内訳書
・勘定科目内訳書の1つ
⇒記載する必要のある固定資産は、土地および建物
⇒記載内容は詳細(※)なため税務調査などで活用されやすい
※固定資産の種類・構造、用途、面積、物件の所在地、期末残高など


4.株主総会決議事項の登記時に株主リスト
■商業登記規則を一部改正する省令案が公表
…株主総会の決議を要する登記をする場合には上位10名の株主リストを添付

■株主リストに記載する内容
・氏名(名称)
・住所
・株式の数および議決権の数
・議決権に係る当該割合を証する書類の添付


5.計算書類の作成・謄本交付請求を認めず
・株主が会社に対して、会社法4423項に基づいて、B/SP/LS/S・個別注記表・事業報告・附属明細書の謄本交付を請求
⇒会社は未作成を理由に、附属明細書の一部(「固定資産の明細」)を交付せず

■地裁
株主は、
・会社には作成義務があるので、文書は存在するはず
・仮に存在しない場合であっても、作成しその謄本を交付する義務がある

裁判所は、
・会社が未作成の場合に、会社法4423項に基づいて、計算書類等を作成することまで請求できない
∴株主の請求棄却

■高裁
株主は、
・会社は確定申告用の資料として「固定資産の内訳書」(「固定資産の明細」と実質的に内容が同じ)を作成している
⇒「固定資産の内訳書」の謄本交付請求が認められるべき

裁判所は、
・「固定資産の明細」と「固定資産の内訳書」は文書の作成目的のみならず、記載事項も異なる
⇒会社法4423項に基づいて、「固定資産の内訳書」の謄本交付請求を認めず
・会社法4423項は会社が実際に作成していることを前提として、謄本の交付請求を認めているのみ
(会社法の規定に「株主が会社に対し、計算書類等の作成を請求できる権利」を前提とするものはない)
∴株主の請求棄却


6.海外支店の特定仕入れが一部不課税に
■電気通信利用役務提供に関する消費税の内外判定
・改正前⇒役務提供者の所在地
・改正後⇒役務提供を受ける者の所在地

H27101日以降、
国内事業者が国外事業者より受ける事業者向け電気通信利用役務提供については、国内事業者に対し消費税が課税されている。

■国内事業者の海外支店の取扱いは?
・現行
内外判定は本店又は主たる事務所の所在地で判断。
海外支店が国外で役務提供を受けていても、国内事業者に消費税課税が発生。

H2911日以後
海外支店が国外で役務提供を受けた場合、消費税は課税対象外となる
ただし事業者向け電気通信利用役務提供に限定。


7.条文から読み解く軽減税率適用の有無
・軽減対象(8%)は以下の2つ
(1)飲食料品の譲渡 8%
 ・酒類、外食は軽減対象外(10%)
 →外食3要件(飲食業者が提供、テーブル・椅子等の設備あり、その場で飲食を前提)
 →持ち帰り用、老人ホームや学校給食は、外食には該当せず8%
 ・おまけ付きは、1万円以下 かつ 2/3以上が食品なら8%

(2)新聞(2回以上の定期購読)の譲渡 8%
 ・売店販売は軽減対象外(10%)


8.所得税:相続税額の取得費加算(土地特例)
■相続税額の取得費加算(土地のケース)
相続により取得した土地を一定期間内に譲渡した場合、支払った相続税額の一部を取得費(譲渡原価)に加算できる。

相続時期により、それぞれ下記算式で加算額が計算される。
(1)261231日までに相続があった場合
相続税額×土地の課税価格/相続財産の課税価格

(2)2711日以後に相続があった場合
相続税額×譲渡した土地の課税価格/相続財産の課税価格

■具体例
・相続税額 100
・相続財産の課税価格(合計10,000
 土地A 5,000
 土地B 3,000
 土地以外 2,000
のケースで土地Aを譲渡した場合、

(1)では
100×8,000/10,00080が加算対象
⇒譲渡していない土地B部分も計算対象となる

(2)では
100×5,000/10,00050が加算対象
⇒譲渡した土地Aのみが計算対象となる

■留意点
相続時期により計算方法が異なるので注意が必要


9.住民税:「資本金等の額」の改正、法人税割不均一課税への影響
■地方税法の改正により、【均等割】の税率判定に使用する「資本金等の額」について、下記の改正が行われている。(2741日以後開始事業年度)

1)資本金や資本準備金を欠損てん補に充てた場合等に、その金額を法人税法上の「資本金等の額」から減算等できる。
2)「資本金等の額」と「資本金と資本準備金の合計額」を比較し、いずれか大きい金額が均等割の税率区分の基準となる。

■上記の【均等割】に関する改正を、条例により独自に【法人税割】の不均一課税の適用基準にも反映させている自治体がある。パターンは下記の4とおり。
 A:上記[1] [2]の改正をいずれも反映
 B:上記[1]の改正のみ反映
 C:上記[2]の改正のみ反映
 D:いずれの改正も反映しない

ABのパターンはほぼ同数。ついでDCの自治体はわずか。


10.オペレーティングリース
1/13に公表されたIFRS16号「リース」ではリースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースとに区分せずすべてのリース取引を原則オンバランス処理するとされた
・現状の日本のリース会計基準では
  ファイナンス・リース:オンバランス
  オペレーティング・リース:費用処理
 ⇒日本基準に導入された場合、実務への影響が大きい


11.ふるさと納税 トップは宮崎県都城市
2015年のふるさと納税寄付額トップ5は以下のとおり
1位 宮崎県都城市 35.3億円
2位 静岡県焼津市 34.9億円
3位 長崎県平戸市 26.8億円
4位 山形県天童市 26.8億円
5位 長崎県佐世保市 24.9億円

2014年はトップの平戸市が13億円だった。
・減税対象寄付額が2倍に増えたことで各自治体とも大幅増。
・都城市では、宮崎牛・地元の焼酎などの特典が好評でリピーターが多い。
・焼津市はマグロなど500種類の特典あり。


12.自己株式の活用方法
(1)自己株式
取得:定時および臨時株主総会の決議をもって剰余金の分配可能額の範囲内で取得可能
保有:期間、数量等の制限なく保有可能
処分等:売却等の処分については新株発行に準ずる手続(1)、償却については、取締役会設置会社にあっては取締役会で決定

(1)例えば会社法上の未公開会社の場合は株主総会特別決議

(2)資本政策への活用方法
・経営権確保、安定株主対策
⇒大株主が株式を手放したいが、適当な相手先が見つからない場合
・資本政策上の自己株式の処理
⇒例えば、新株予約権を上場前の役員に付与し、
 上場後にそれを行使することによって既存株主に自己株式を移動させることで解消


13.今週の新規上場会社
なし










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2016年2月6日土曜日

2/5 勉強会:DTAの回収可能性に関する適用指針の適用初年度の留意点 他

1.税務署内での面接は「実地調査」に該当せず
・実地の調査の場合は、事前通知が必要
 ⇒納税義務者の支配・管理する事業所や事務所等に臨場して質問検査等を行うものを実地の調査という
 ⇒実地の調査の場合、事前通知がないと税務署職員は質問検査等を行うことができない

・納税義務者を税務署に呼び出した場合、事前通知が必要か
 ⇒不要
 ⇒税務署内での面接においては、調査であることを示した文書を事前に送付し、面接の開始時に調査であることを明確に説明すればよい


2.中小企業者等の固定資産税の設備投資減税について
■制度概要
経営力向上設備(仮称) のうち一定の機械装置について
 ⇒取得から3年間、固定資産税を2分の1に軽減する制度
 ⇒固定資産税は課税標準額×税率1.4%、これが半分になる

■適用時期
「中小企業等経営強化法(仮称)」の施行日から平成31331日までの間に取得したもの
⇒法律自体は平成287月ごろの施行を目指している

■適用対象法人等
・資本金1億円以下の法人
・資本有しない場合、または個人の場合は従業員1,000人以下の法人・個人
 ただし、以下に該当すると対象外
・資本金1億円超の会社1社に1/2以上保有されている法人
・資本金1億円超の会社2社以上で2/3以上保有されている法人

■経営力向上設備
・法律に規定される「経営力向上計画」を策定し、事業所管大臣の認定を受けた設備
⇒ある程度の事務負担が想定される

■設備の内の"一定の"の要件
・生産性向上設備のA類型(先端設備)の要件とほぼ同じ
1. 販売開始から10年以内
2. 旧モデル比で1%以上生産性向上
  ⇒工業会による確認が必要
3. 1()160万円以上
・新品のみが対象で中古は対象外


3.28年度改正で株式交換・移転税制が緩和
■株式交換・移転税制における「特定役員継続要件」について
(現行法)
・共同事業を営むための株式移転や株式交換においては、株式交換完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式交換に伴って退任
⇒非適格
28年度税制改正)
・特定役員の全てが退任しない限り非適格とならない
⇒適格

■適格株式交換・移転により親法人が取得する株主50人以上の子法人株式の取得価額について
(現行法)
・株式交換等の直前の簿価純資産価額
28年度税制改正)
・「子法人の直前の申告における簿価純資産価額」をベースに、資本金等の額、利益積立金額の出入りだけ調整


4.国別報告書等未提出は30万円以下の罰金
■平成28年度税制改正
…移転価格税制に係る文書化制度が改正(厳格化)される

文書化の実効性を担保するため、
国別報告書やマスターファイルの提出をしなかった場合の罰則が導入。

⇒未提出の場合は「30万円以下の罰金」となる。
 延滞税のように期間に応じて重くなったりするようなことはない。


5.特定役員とは?
■特定役員とは
社長・副社長・専務取締役・常務取締役の他、「これらに準ずる者」で「法人の経営に従事している者」

■「これらに準ずる者」とは
常務取締役以上の者と同等に「経営の中枢に参画している者」

■使用人兼務役員・社外取締役は?
「経営の中枢に参画している者」とは言えず、特定役員に該当しない

■常務執行役員などの肩書(取締役ではない)で、経営の中枢に参画している場合は?
 特定役員に該当し得る。


6.住宅用地の評価ミスめぐり過納付相当額の賠償を命じる
■概要
(1)Aが「住宅用地の特例適用」の土地を所有
(2)×1年~×5年まで、特例適用された通知額を基に納税
(3)×6年~×10年までは、特例適用されていない通知額を基に納税
(4)A死亡により土地を相続したBに対し、×11年についても特例適用されていない税額で通知
(5)Bは損害賠償請求をした

※「住宅用地の特例適用」とは、住宅家屋の敷地は、固定資産税の課税標準が通常の6分の1に軽減される特例。

■判決
・土地に何かしらの客観的状況の変化なし
・特例適用しない納税額を通知したことに合理的な理由がない
⇒都税事務所側に職務上の過失があったとし、国家賠償法上違法であると判断した。

ただし、上記(2)(3)の納税額の差が異常に増額となったことにつき、死亡したAは課税明細書で適正でないことを判断できたと想定できるので、全額損害賠償とならず、損害額の1割を過失相殺した。


7.つまみ申告に対する重加算税取消し裁決
・「つまみ申告」(意図的に所得金額の一部のみを過少申告する行為)
・過去の最高裁判決から、以下を満たせば所得税の重加算税を賦課できることに
 -当初から所得を過少申告することを意図
 -その意図を外部からもうかがい得る特段の行動をした
 -実際にその意図に基づく過少申告をした

【審判所事例】(重加算税が課されるかどうか)
・電気工事業者Aが、売上の集計金額を手書きしたメモを破棄
・売上金額を過小に申告

 ⇒Aは取引先から売上が記載された支払内容確認書を毎月受け取っており、  メモを破棄したのは単に保存する必要がなかったから
 ⇒メモの破棄は「過小申告の意図をうかがい得る特段の行動」には該当せず
 ⇒重加算税は課されない


8.消費税:国外の建設工事の内外判定等
Q
A社は国内ゼネコンの下請け会社(国内企業)である。
・国内ゼネコンから中国での工場建設を受注したケースで、

(1)建設材料については現地の関連会社へ販売する
(2)その後現地で建設作業を行う

この場合の消費税の内外判定等はどうなるか?

A
(1)について
⇒国外への輸出に該当するため輸出免税取引となる
(本邦からの輸出として行われる資産の譲渡等)

(2)について
⇒役務提供は役務の提供地で内外判定を行う。建設作業は中国で行うため国外取引となる。
なお、発注者が国内の法人であっても内外判定には影響しない。


9.マイナンバー:個人番号記載ない書類への税務署窓口対応
■記載の無い書類の有効性
 ⇒マイナンバーの記載がない書類が税務署に提出された場合でも、有効な書類として収受される。

■記載が無い場合の窓口職員の対応
 ⇒従来は記載を求めることとしていたが、空欄でも記載は求めない方向で統一された。

 ※理由
  現行法では記載が必要な書類でも、改正によりH2911日以後は記載不要になる書類が多い。
  改正適用時の混乱を避けるため、敢えて一律に記載は求めないこととした。


10.上場契約違約金
・東京証券取引所では、上場会社に対するペナルティ措置として「上場契約違約金」の支払を求めることがある
・違約金徴求の要件
1.適時開示違反
2.企業行動規範の「遵守すべき事項」に違反
3.有価証券上場規程その他の規則に違反したと東証が認める場合
⇒違約金は960万円から9,120万円。
⇒従来は一率1,000万円だった。
⇒時価総額に連動するように変更。
⇒年間上場料の20倍となった。
 時価総額5,000億円超の東証1部上場企業の場合、年間上場料が456万円なので、違約金は20倍の9,120万円となる。


11.DTAの回収可能性に関する適用指針の適用初年度の留意点
1.適用年度
・平成2841日以降開始する事業年度、連結会計年度
※早期適用も可能

2.会計処理等
(1)会計方針の変更として取り扱うケース
・分類2の企業で、スケジューリング不能なDTAを回収可能とする場合
・分類3の企業で、5年を超えるスケジューリングされたDTAが回収可能とする場合
・分類4の企業で、将来5年を超える期間で安定的な課税所得が生じるとする場合

※会計方針の変更に該当する場合、過去に遡って修正する必要がある。
※会計方針の変更とする理由は、新たな情報を得たことによる見積もりの変更ではないため。

(2)会計方針の変更に該当する場合の、適用初年度の会計処理
・期首のDTAを再計算し、前期末計上との差額を調整する。
⇒ 法人税等調整額となるDTAは利益剰余金を加減
⇒ 評価差額等に計上されるDTAは、評価・換算差額等を加減

(3)会計方針の変更等に該当する場合の、適用初年度の注記
・利益剰余金、または評価・換算差額等に対する影響額を注記


12.企業分類、タックス・プランニングに関する留意点
※この記事では、以下の通り定義します。
 一時差異   =将来減算一時差異
 調整前課税所得=将来減算一時差異と将来加算一時差異を調整する前の課税所得

■基準
 監査委員会報告66号廃止 ⇒ 企業会計基準適用指針26

■企業の分類ごとの取扱い ⇒ 条件が具体的に。
 分類1 ⇒ スケジューリング不能な一時差異も含めすべて回収可能性あり
 (いずれも満たすこと)
  ・過去(3年)+当期:一時差異を十分に上回る課税所得が発生見込
  ・近い将来に経営環境に著しい経営環境の変化が見込まれない。

 分類2 ⇒ スケジューリング可能な一時差異はすべて回収可能性あり
 (いずれも満たすこと)
  ・過去(3年)+当期:臨時的な原因により生じたものを除く課税所得 < 期末の一時差異
  ・近い将来に経営環境に著しい経営環境の変化が見込まれない。
  ・過去(3年)+当期:いずれの期も重要な税務上の欠損金が生じていない

 分類3 ⇒ 回収可能性概ね5年見積り
 (いずれも満たすこと)
  ・過去(3年)+当期:臨時的な原因により生じたものを除く課税所得 … 大きく増減
  ・過去(3年)+当期:いずれの期も重要な税務上の欠損金が生じていない
 (該当しないこと)
  ・過去(3年)+当期:重要な税務上の欠損金の繰越期限切れとなった事実ありor当期末に見込あり

 分類4 ⇒ 回収可能性1年見積り
 (いずれかに該当すること+翌期において調整前課税所得が生じること)
  ・過去(3年)又は当期:重要な税務上の欠損金が生じている
  ・過去(3年)+当期:重要な税務上の欠損金の繰越期限切れとなった事実ありor当期末に見込あり
 (分類が引き上げられる場合)
  ・分類2へ
    当期災害による損失で重要な税務上の繰越欠損金が発生する見込
    将来の調整前課税所得を見積もった場合に、将来5年超にわたり安定的に調整前課税所得が生じること
    (合理的な根拠をもって説明することが必要)
  ・分類3へ
    過去、業績の悪化に伴い重要な繰越欠損金が発生
    当期業績の回復が見込まれ、その状況が将来も継続することが見込まれる場合
    概ね3年から5年程度調整前課税所得が生じること
    (合理的な根拠をもって説明することが必要)

 分類5 ⇒ 回収可能性なし
 (いずれもみたす場合)
  ・過去(3年)+当期:すべての期で重要な税務上の欠損金が発生
  ・翌期:重要な税務上の欠損金が発生


13.(回収可能性適用指針)将来減算一時差異の取扱い
1固定資産の減損損失に係るもの
 ・償却資産
⇒スケジューリング可能な一時差異として取り扱う
 ・非償却資産
⇒売却等に係る意思決定又は実施計画等がない場合、スケジューリング不可能な一時差異として取り扱う

2役員退職慰労引当金に係るもの
 ・スケジューリングが行われている場合
  ⇒スケジューリングの結果に基づきDTAの回収可能性を判断
 ・スケジューリングが行われていない場合
  ⇒スケジューリング不能な将来減算一時差異として取り扱う


14.CGコードとグループ経営における取組
■経営理念から業務執行まで、”一貫性”のある経営が出来ているか
・「経営戦略-あるべき姿-戦略-行動計画-日々の仕事」といった”一貫性”
・「社長-取締役-部長-課長-社員-顧客」といった組織の”一貫性”
→失敗事例の多くは”一貫性”のなさに起因

■経営環境変化に対応できる”柔軟性”のある体制・仕組を整備しているか
・従来のやりかたに固執しない姿勢が重要
・新しいあるべき姿が設定されれば、そのあるべき姿に応じた戦略-行動計画-日々の仕事が見直されるべき


15.日銀がマイナス金利を導入
2016216日以降、民間銀行が新規に日銀に預金を預ける場合、0.1%の金利を「支払う」ことになる。
・上記決定を受け、新発10年物国債利回りは一時0.09%に急低下(債券価格は上昇)し、初めて0.1%の節目を下回った。
・民間銀行は調達コストに当たる預金金利を引き下げへ。
 ⇒ソニー銀行は普通預金金利を0.02%から0.001%へ。
・住宅ローンも一段の引き下げへ。


16.ブックビルディング方式
・株式の公開価格の決定方法には、ブックビルディング方式(1)と入札方式(2)がある。
(1)主幹事証券会社が需要を積み上げたうえで、総需要、株式市況等を総合的に勘案した公開価格の算定方式
(2)一般投資家による入札結果に基づき公開価格が決定

(1)導入経緯
⇒入札方式では、価格が高くなりやすく上場後株価が下落する等の弊害がいわれてきたため。

(2)概要
・以下のプロセスを経て行われる。
・仮条件の決定
⇒主幹事証券会社が類似会社比準方式や純資産価格方式等で算出した価格と、発行会社の事業状況等を勘案して、発行会社と協議の上、決定
 ↓
・機関投資家への提示
⇒主幹事証券会社の要請のもと引受証券会社各社が仮条件を機関投資家に提示
 ↓
・ブックビルディングの実施
⇒主幹事証券会社が各引受証券各社の集計した需要をまとめる
 ↓
・公開価格の決定
⇒主幹事証券会社が発行会社と協議の上、総需要等を総合的に勘案し、公開価格を決定

(3)特徴
・上場後の流通市場まで勘案した需要の積み上げによるため、投資家の信頼を高めることができる。
・機関投資家が仮条件による需要の積上げに参加するため、市場の適正化・活性化が期待できる。
・引受証券会社が自ら主体的に公開価格の決定に関与するため、上場後における株式の流通に対し活性化が期待できる。


17.今週の新規上場会社
なし










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2016年1月29日金曜日

1/29 勉強会:減損損失の認識の判定のポイント 他

1.平成27年分所得税確定申告のチェックポイント
・住宅ローン控除 平成316月末まで延長

・公的年金についての確定申告不要制度が外国の年金など源泉徴収の対象外の年金については適用不可に

・国外転出時課税制度が開始
 平成2771日以降国外に転出等をする
 時価1億円以上の対象資産(有価証券など)を保有
 出国時に含み益がある場合
 ⇒含み益について所得税等が課税される

■国外出国時課税制度
・納税管理人を置く場合
 出国時の対象資産の時価の合計が1億円かどうか
 1億円以上の場合は確定申告時(出国の翌年315日まで)に含み益についても申告が必要になる(含み益:出国時の時価-簿価)

・納税管理人を置かない場合
 出国予定日より3か月前の対象資産の時価の合計が1億円かどうか
 1億円以上の場合は国外転出前に含み益について確定申告が必要になる
(含み益:出国予定日の3か月前の時価-簿価)


2.財産の名義と帰属をめぐる相続・贈与課税トラブル
■贈与・相続財産に該当するか否か
【事例1
父が息子の名義で自動車を登録し、支払いも父が行ったケース。
父から息子への贈与となるか。
・考え方
 ⇒名義人が真実の所有者と推定されるが、反証があればこの限りではない(相基通9-9)
・当てはめ
 ①息子は自動車をほとんど利用しない
 ②息子は自動車会社関係者のため割引が受けられる
 ③息子が自動車の選定や購入手続きに関与した事実がない
・結論
 今回のケースは贈与を受けたとは認められない(平成2791日裁決)

【事例2
日本人が米国でジョイント・テナンシーの形態により米国不動産を被相続人と所有。
被相続人死亡時に当該不動産の被相続人持分は相続財産となるか。
なおジョイント・テナンシーは日本には存在しない。
・用語の説明
 ジョイント・テナンシーとは、複数名が同一の不動産について取得する財産権。
 所有者の1名が死亡した場合には権利が生存者に帰属することが特徴。
・結論
 死亡時に生存者に権利が帰属するため、その時に死亡者から生存者への贈与となる。
 併せて3年内贈与のため相続財産となる(平成2784日裁決)


3.扶養控除等申告書への個人番号記載
■原則
・提出の都度、個人番号の記載が必要

■個人番号を省略するには下記の対応が必要
・従業員が扶養控除等申告書に「個人番号については給与支払者に提供済みの番号と相違ない」と記載する
・会社は既に受領している個人番号を確認し、確認した旨を扶養控除等申告書に表示する


4.グリーン投資減税見直しで電気自動車等は特別償却のみに
グリーン投資減税
…対象設備を購入した場合、設備の取得価額に対して30%の特別償却か7%の税額控除(中小企業のみ)が取れるというもの

■平成28年度税制改正
・グリーン投資減税が2年間延長
・対象設備の見直しあり

■変更点
・風力発電の即時償却の廃止
・太陽光発電は自家用のみ
 …売電収入を事業所得とし、給与所得と損益通算していた個人が自家用(雑収入)のみとなるため、節税が出来なくなる
・車両運搬具は特別償却のみ
 …対象車は電気自動車等一部に限られる

※補助金等をもって取得した設備は本税制の対象外となる


5.粉飾決算巡る監査法人の賠償責任認めず
■東証1部に上場していた、ニイウスコー社が循環取引により、売上高を水増し
⇒ 同社株主が監査法人に対し2,600万円の損害賠償請求

■地裁
原告株主:
監査法人は容易に粉飾を発見できたはず
⇒ 会計監査人としての監査義務を怠った

判決:
監査法人は監査基準で要求されている手続をきちんと実施した上で、有報に「虚偽記載なし」と証明
⇒ 故意過失はない
⇒ 損害賠償請求を棄却

■高裁
原告株主:
(1) 監査調書に明らかに矛盾や不自然な記述あり
⇒ 監査法人は架空取引が存在することを知っていたハズ

(2) 監査法人が実施した在庫の実地調査には過失があった
⇒ 有報に「虚偽記載なし」と証明した点に故意過失あり

判決:
(1) 監査調書にそこまで大きな矛盾はない
⇒ 監査法人が架空取引が存在することを知っていたとまでは言えない

(2) 従業員が架空在庫の存在がバレないよう仮装し、また一部のソフトウェアについてデモ画面を閲覧するなど実在性を確認
⇒ 監査法人が実施した在庫の実地調査には過失があったとまでは言えない
⇒ 損害賠償請求を棄却


6.マイナンバーの記載省略は税制改正前も弾力的運用を容認
H28年度税制改正において、税務署等へ提出する書類に記載するマイナンバーの省略が可能になる。

(1) H28.4.1以後提出すべき書類から適用されるもの
・給与所得者の配偶者特別控除申告書・保険料控除申告書
・住宅借入金等特別控除申告書等

(2)H29.1.1以後提出すべき書類から適用されるもの
・所得税の青色申告承認申請書
・消費税の簡易課税制度選択届出書
・相続税延納・物納申請書等

税制大綱上、それぞれの期日以後に提出する書類よりマイナンバーの記載が省略となるが、H28年税制改正法の施行日前であっても、弾力的にマイナンバーの記載が省略可能となる。

※雇用保険、社会保険関係はマイナンバーを記載する必要あり
・雇用保険:H28.1.1以後提出分より
・社会保険:H29.1.1以後提出分より
 なお年金機構はマイナンバー利用延期の処分が下されているため、現状はH29.1.1以後であってもマイナンバーの記載は不要


7.改正経営承継円滑化法の施行日が判明
・中小企業経営承継円滑化法の改正施行日は、2841日~
・主な改正内容は以下の通り

(1)「遺留分に関する民法の特例」の適用対象者に、親族外が追加
 ※上記特例は、生前贈与された自社株式を、遺留分の算定基礎から除外することができる (=後継者が、自社株式以外の財産も相続する権利が残せる)というもの

(2)個人事業者が親族内で事業承継した場合、65歳以上の会社役員が退任した場合に、小規模企業共済制度で支払われる共済金が引き上げられる


8.相続税:小規模宅地特例(貸付事業用宅地)
■貸付事業用宅地にかかる評価減の流れ
・被相続人がアパート経営などを営んでいた
 ↓
・相続人がその事業を承継した
 ↓
・宅地の評価を50%減

■ケーススタディ
・被相続人がアパートを経営
・相続人である妻Aが建物を、子Bが土地を相続
・子Bは妻Aに土地を貸し付ける

Q:この場合、子Bが相続した土地は評価減できるか?
A:評価減できない。
 被相続人が営んでいたのはあくまでアパートの貸付であり、その事業を承継したのは妻Aである。子Bが営むのは土地の貸付であり被相続人の事業を承継したわけではない。よって評価減できない。
  ⇒妻A(子B)が建物と土地をセットで相続した方が有利


9.法人税:28年度改正 建物附属設備等への資本的支出も定額法
H28年度改正により、建附の償却方法は定額法となる。
■変更のタイミング
 ・H28.4.1以降『取得』分について適用される。
 ・供用日が同日以降であっても、3.31までに取得していれば定率法。

■資本的支出について
 ・定率法が適用されている既存資産についての資本的支出は、既存資産と同じ耐用年数の資産を『新たに取得した』ものとみなして定額法により償却する。
 ・従って、建附について4.1以降に実施された資本支出には定額法を適用する。


10.税効果の旧ルールを廃止
・実務上の税効果会計ルールであった以下の2つの委員会報告を廃止した。
 委員会報告66号/DTAの回収可能性の判断に関する監査上の取扱い
 委員会報告70号/その他有価証券の評価差額及び固定資産の減損損失に係る税効果会計の適用における監査上の取扱い

20151228日に「DTAの回収可能性に関する適用指針」が公表されたため。
 ※この指針は201641日以後開始する事業年度から適用
  (早期適用もあり)


11.平成28年度税制改正による法人実効税率
1. 法人実効税率の引き下げ
・現行       32.11%
・平成28年度   29.97%
・平成29年度   29.97%
・平成30年度以降 29.74%
※上記税率は標準税率の場合

2. 税収確保の為の課税ベース拡大措置
・生産性向上設備投資促進税制の縮減
・建物付属設備等の償却方法を定額法に一本化
・外形標準課税の拡大
・中小企業等の少額減価償却資産の損金算入特例の適用対象の縮減
・繰越欠損金の繰越期間延長の適用年度を1年後倒し


12.減損損失の認識の判定のポイント
■減損損失の認識の判定フロー
 (1) 主要な資産の決定
 (2) 将来CFの見積期間の決定
 (3) 将来CFの見積り
 (4) 割引前将来CFとの比較

■主要な資産の決定
 資産グループのうち、将来CFに最も寄与する構成資産

■将来CFの見積期間の決定
 経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方
 経済的残存使用年数=著しく不合理と認められる事情がない限り税法耐用年数に基づくことが可能

■将来CFの見積り
 ・将来の設備投資等
  計画されていない将来設備の増強や事業の再編      ×
  現在の価値を維持するための合理的な設備投資      ○
  建設仮勘定に関する完成まで、完成後のキャッシュアウト ○

 ・本社費等間接的に生ずる支出
 資産グループが将来CFを生み出すために必要な本社費等は将来CFの見積上控除する


「減損損失の測定のポイント」
■正味売却価額
 ・不動産
  不動産鑑定評価基準に基づき算定
 ・その他の固定資産
  コストアプローチ、マーケットアプローチ、インカムアプローチを併用又は選択

■使用価値(将来CFが見積と乖離するリスクをどう反映させるか)
 ・将来CFの見積り自体に反映
  使用する割引率:リスクフリーレート
 ・割引率に反映
  使用する割引率:
  (1) 当該資産又は資産グループに固有のリスクを反映した収益率
  (2) 当該企業に要求される資本コスト(WACC)
  (3) 類似の賃貸用不動産の還元利回り
  (4) 当該資産グループのみを裏付けとして大部分の資金調達を行ったときに適用されると合理的に見積もられる利率

■減損損失の配分
 ・帳簿価額に基づき比例配分する方法
  ⇒ただし、配分の結果個別構成資産の時価<個別構成資産の帳簿価額となった場合は要再配分
 ・構成資産の帳簿価額と時価との差額に基づいて配分する方法 等


13.資産のグルーピングのポイント
・新たに資産を取得する場合
その資産の取得目的、取得を申請した部署に関連する資産グループによりグルーピングする

・外部から事業を取得する場合
 取得に当たって自社の既存事業と外部の事業とのシナジー効果を期待していた場合には、既存事業と取得した事業を一体でグル―ピングする

・事業の変革期
 事業を再編成したことにより管理会計上の区分が変更した場合、マネジメントアプローチに基づき既存の事業セグメントの区分を見直した場合などはグルーピングの変更の要否を検討する必要がある


14.過年度に減損したその他有価証券評価差額金の税効果について
N3月末の前提
N3月末に税務上の簿価2,000、会計上の簿価1,400となり減損した(税率30%)
 (投資有価証券評価損)600 (投資有価証券)600
(1)DTAに回収可能性あり
 (DTA180 (法調)180
(2)DTAに回収可能性なし
  仕訳なし

■ケース1
N13月末に会計上の簿価1,200となった場合
 (その他有価証券評価差額金)200 (投資有価証券)200
(1)DTAに回収可能性あり
 (DTA60 (その他有価証券評価差額金)60
(2)DTAに回収可能性なし
  仕訳なし

■ケース2 ※減損額を超えない範囲で簿価が上がった
N13月末に会計上の簿価1,800となった場合
 (投資有価証券)400 (その他有価証券評価差額金)400 
(1)DTAに回収可能性あり
 (その他有価証券評価差額金)120 (DTA120 
→減損後に生じた評価差額金(評価差益)は将来減算一時差異の戻入となるため、DTAを取り崩す
(2)DTAに回収可能性なし
  仕訳なし

■ケース3 ※減損額を超えて簿価が上がった
N13月末に会計上の簿価2,200となった場合
 (投資有価証券)800 (その他有価証券評価差額金)800 
(1)DTAに回収可能性あり
 (その他有価証券評価差額金)180 (DTA180 
→減損後に生じた評価差額金(評価差益)800のうち、減損分の600は将来減算一時差異の戻入となるため、DTAを取り崩す
 (その他有価証券評価差額金)60 (DTL60 
→当期の生じた評価差額金(評価差益)800のうち、減損分以外の200は、新たに発生した将来加算一時差異となるため、DTLを計上する
(2)DTAに回収可能性なし
  仕訳なし


15.タワマン節税防止 高層階の評価額引き上げへ
・高層マンションでは、相続税の算定基準となる「評価額」は階層や日当たりなどの条件によって差がつかず一律。
 ⇒高層階になるほど評価額と市場価格が乖離し、相続税節税に使われやすい
2018年にも、「20階は1階の10%増し、30階は20%増し」等の一定の補正を行う案が有力。
・相続税評価額だけでなく、固定資産税にも影響を与える見込。
・マンション市場を冷え込ませる恐れもあるため、総務省と国税庁が税の引き上げ幅を今後慎重に検討。


16.ファイナンスの規制期間
(1)第三者割当増資に関する規制
・制限期間中(※1)に第三者割当増資を行っている場合
⇒保有者は、新株発行の効力発生日から上場後6ヶ月を経過するまでの間、継続保有、かつ、申請会社と継続保有に係る確約書の締結が義務
⇒確約書の締結を行っていない場合、上場申請が認められない。
(※1)直前期の期首から上場日の前日まで

(2)ストックオプションに関する規制
・制限期間中に役員、従業員にストックオプションを発行した場合
⇒第三者割当増資と異なり、継続保有義務は上場日の前日まで
⇒継続保有に係る確約書の締結は義務


17.今週の新規上場会社
なし









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