1.ゴルフ会員権に係る損失の税務
ゴルフ会員権を譲渡した場合、
①譲渡益 ⇒ 総合課税
②譲渡損 ⇒ 他の譲渡所得(土地・建物除く)と内部通算
⇒ さらに損失が残る場合は、
・~H26.3.31 総合課税される他の所得(給与等)と通算
・H26.4.1~ 切り捨て
※リゾート会員権も同じ取扱い
2.平成26年度税制改正 AOAに基づく帰属主義
■AOAとは
・PEの帰属所得の算定方法としてOECDが承認した方法という意味
・機能的分離企業アプローチといわれるもの
→PEの果たす機能及び事実関係に基づき、外部取引、資産、リスク、資本をPEに帰属させ、PEと本店等との内部取引を認識し、その内部取引が独立企業間課価格で行われたものとしてPE帰属所得を算定する
■機能的分離企業アプローチと関連企業アプローチ
・関連企業アプローチとは、PEを企業の一部と捉える
→内部取引を認識しない
・機能的分離企業アプローチとは、
PEを本体から独立した別の企業と捉える
PEを本体から独立した別の企業と捉える
→内部取引を認識する
■帰属主義になった場合の税務申告
・今まで 本店が獲得した国内源泉所得+PEの国内事業所得
・これから PEの国内事業所得+PEが獲得した第三国源泉所得
3.会計処理めぐる株主代表訴訟、役員らの賠償責任を認めず
■裁判事例
SPCを利用した信託受益権の譲渡取引を「売却取引」と判断したことが適法か否かが問題となり、役員らに対して損害賠償を請求する株主代表訴訟を起こした。
■SPCを利用した信託受益権の譲渡取引が「売却取引」、「金融取引」のいずれであるか?
金融庁=売却取引は違法、課徴金納付命令
裁判所=売却取引は適法、役員の任務懈怠を認めず
(スキーム)
創業者YがビックカメラとA社を100%支配。
ビックカメラ単体のSPCに対するリスク負担割合5%、
A社がビックカメラの子会社に該当する場合は30%超。
A社がビックカメラの子会社に該当する場合は30%超。
(参考)特別目的会社を活用した不動産の流動化に係る譲渡人の会計処理に関する実務指針
譲渡人のリスク負担割合が5%を超えると「金融取引」として取り扱われることとなる。(第5項、第13項)
■仕訳例
(売却取引)
現金預金 100/固定資産 80
固定資産売却益20
(金融取引)
現金預金 100/短期借入金(預り金)100
4.LPSとは
●LSPとは
Limited Partnership(リミテッドパートナーシップ)の略
Limited Partnership(リミテッドパートナーシップ)の略
「投資事業有限責任組合」と呼ばれているもので、ヘッジファンドのように、以前は、主としてオフショア地域に設立されていた投資組合(投資ファンド)などのことを指すことが一般的で、株式会社と比較して設立手続きが簡単な上、税制上のメリットがある。
●今回の論点
英領バミューダ諸島の法律で組成されたLPSは日本の租税法上の法人に該当するか。
米国デラウェア州LPSが法人に該当すると判断され、課税された判例がある。
・地裁→該当しない
・高裁→該当しない
デラウェア州LPS法の規定に該当する規定が、バミューダ法にはないため現在、国が上告しており判断は最高裁へ
5.不正取得による電子化株券も没収可能に
・金融商品取引法改正
■犯罪行為(インサイダー取引等)によって得た財産等の没収
・【現行】有体物のみ犯人から没収可能
→無体財産(電子化株券等)は対象外
→電子化株券の売却益などは犯人に帰属
・【改正】有体物及び無体物も犯人から没収可能
■内部統制報告書提出による公認会計士監査
・新規上場後「3年間」は公認会計士監査を要しない(提出義務は有り)
※資本金100億円以上、または負債1,000億円以上の会社は免除期間なし
■大量保有報告書制度
・適用範囲から自己株式除外
・損害賠償請求者の範囲拡大
→すでに株券を処分した者も対象
※3月中旬までに国会提出予定
6.所得税:公益法人等への寄付に係る非課税制度の見直し
■現行
①法人に対して財産を贈与した場合の原則
(例)簿価100 時価200の資産を法人に贈与した場合
⇒キャピタルゲイン100に対して課税される。
※実際は「贈与」であり、「譲渡」ではないが「譲渡」とみなす(みなし譲渡課税)
②公益法人に対して贈与した場合
⇒非課税
■H26年度税制改正
公益法人に株式を譲渡した場合に、その公益法人が発行済株式の1/2超を保有することになる場合は非課税としない。
<改正要旨>
株式を関連の公益法人等に移管して相続税を減らすスキームを規制する。
7.所得税:住宅ローン控除の留意点
●借換時の留意点
・住宅ローンの借換をした際には、借換後のローンにも住宅ローン控除の適用を受けられる。ただし、借換後のローンの償還期間が10年以上である必要がある。
・当初のローンとの通算で判定することはできない。
●繰上げ返済時の留意点
・繰上げ返済により、契約当初から完済までの期間が10年未満にならないように注意が必要。
・繰上げ返済により、契約当初から完済までの期間が10年未満にならないように注意が必要。
8.会社法改正法案 キャッシュアウト
・キャッシュアウト:現金を対価とする少数株主の締め出し
・全部取得条項付種類株式用いる手法が多い
⇒常に株主総会特別決議 必要
⇒時間的・手続き的コスト大きい
・「特別支配株主の株式等売渡請求」を創設
・特別支配株主が他の株主の全員に対して売渡請求すること
※取締役会の承認必要(総会決議不要)
少数株主保護:差止請求、無効の訴えが法定、価格決定の申し立て
・特別支配株主:議決権の90%以上(親と子で孫の90%以上を保有するケースも含む)、自然人もOK
・新株予約権も含むことができる
・新株予約権付社債の場合、社債部分も含めて売渡請求する必要あり
・開示:事前開示&事後開示
9.新興国市場に参入する「2段階M&A」
①新興国へ進出する際に2段階M&Aを行う企業が増えてきている。
(アフリカ、中東、アジア等)
②2段階M&Aとは
・直接現地企業を買収せず、現地企業を傘下に持つ欧米等の企業を買収
③主なメリット
・新興国地域における経営ノウハウの獲得
・新興国市場への確実な参入
・事業基盤(免許、人脈、顧客等)、ノウハウの獲得 等
10.デューデリジェンスについて
・DDはなぜ必要か
⇒M&Aを進めるべきかどうか、進めるとしていくらにするのか、
を買主が考える為
を買主が考える為
・DDのタイミングと期間
⇒基本合意書締結後に開始、最終契約書締結までに終了が一般的
⇒小規模案件や急ぎの案件は2週間程度が一般的
⇒大型案件は2ヶ月程度が一般的
11.小規模事業者持続化補助金
①対象者:小規模事業者
卸売業・小売業…常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業以外)…常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業…常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他…常時使用する従業員の数 20人以下
卸売業・小売業…常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業以外)…常時使用する従業員の数 5人以下
サービス業のうち宿泊業・娯楽業…常時使用する従業員の数 20人以下
製造業その他…常時使用する従業員の数 20人以下
②対象事業:経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら実施する販路拡大等のための事業
③対象となる取組み例
(1)広告宣伝
・新たな顧客層の取り込みを狙い、チラシを作成・配布
(2)集客力を高めるための店舗改装
・幅広い年代層の集客を図るための店舗のユニバーサルデザイン化
・和式トイレから洋式トイレへの改装、座敷の掘りごたつ化
(3)商談会・展示会への出展
・新たな販路を求め、国内外の展示会へ出展
(4)商品パッケージや包装紙・ラッピングの変更
・新たな市場を狙って商品パッケージのデザインを一新
(1)広告宣伝
・新たな顧客層の取り込みを狙い、チラシを作成・配布
(2)集客力を高めるための店舗改装
・幅広い年代層の集客を図るための店舗のユニバーサルデザイン化
・和式トイレから洋式トイレへの改装、座敷の掘りごたつ化
(3)商談会・展示会への出展
・新たな販路を求め、国内外の展示会へ出展
(4)商品パッケージや包装紙・ラッピングの変更
・新たな市場を狙って商品パッケージのデザインを一新
④補助率・補助額ですが、
・補助率 補助対象経費の2/3以内
・補助額 上限50万円(雇用を増加させる取り組みは上限100万円)
・補助率 補助対象経費の2/3以内
・補助額 上限50万円(雇用を増加させる取り組みは上限100万円)
12.従業員賞与・役員賞与支給に係る期末の会計上の留意点
→債務確定しているか否かがポイント
■従業員賞与
①賞与支給額が確定している場合
・当期に帰属する分…未払費用
・臨時的な要因…未払金
②賞与支給額が確定していない場合
・見込額のうち当期に帰属する分…賞与引当金
※合理的に見積もることが出来る場合のみ
■役員賞与
①報酬限度額の範囲内で取締役決議により決定する場合
・確定している額…未払役員賞与(報酬)
②株主総会の決議事項とする場合
・決議事項とする額…役員賞与引当金
※合理的に見積もることが出来る場合のみ
13.(中国)中央政府の工場爆破令
・中国では長らく地方指導者の実績を「経済成長」で評価してきた
・その結果の過剰投資が、「環境問題」「地方政府の不良債権問題(シャドーバンキング)」「過剰生産設備」を産んできた
・河北省の粗鋼年産能力は7.8億トンだが、稼働率は7割。国際市場の価格暴落にも寄与。
・中央政府が河北省の鉄鋼工場を爆破、その様子を全国放映。
・当面、中国は経済成長よりも構造改革を優先するとの見通し。
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決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
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