1.節税対策
①
役員、従業員の賃貸物件について、
住宅手当又は法人の社宅契約についてどちらがよいか。
住宅手当⇒給与課税される
社宅契約⇒家賃は法人経費となる。
従業員は家賃の半額を給与から天引きされる。
手当でもらうと源泉税へのインパクトがあるが、社宅契約をすると源泉税への影響はない。
②
法人契約による中古車の固定資産の減価償却費
4年型落ちの中古車を買うと、購入額の全額が損金算入される。
(期中の購入は月数按分が必要)
2.法人税:損害賠償請求権の益金算入時期
(仕訳イメージ)
損害賠償請求権/請求権収入
■取引先等「他の者」から支払われるもの
原則:支払を受けることが確定した事業年度
特例:実際に支払を受けた日
⇒後の訴訟によって金額が確定することが一般的であるため上記特例が認められている。
■自社従業員の不法行為(横領など)によるもの
原則:その不法行為が発生した事業年度
特例:なし
⇒税務調査等で事後的に発覚するケースが多いが、発覚した日の
属する事業年度に益金算入することはできない。
(理由)帳簿を確認すれば、不正が発生した事業年度に容易に認識できるはずであるため。
(理由)帳簿を確認すれば、不正が発生した事業年度に容易に認識できるはずであるため。
3.法人税:50%損金算入の対象になる接待飲食費の範囲
接待飲食費に該当すれば、50%損金算入が認められる。
以下の取扱いは飲食費の5000円基準と同様とされる。
•得意先への差入れの弁当代
→接待飲食費に該当
•飲食店で得意先に渡されるお土産代
→接待飲食費に該当する
•得意先の人数等
→得意先の参加者が1人であってもOK
•親会社の役員等への接待にかかるもの
→接待飲食費に該当する
•観劇、ゴルフ、旅行に付随する飲食費
→接待飲食費に該当しない
4.平成26年度税制改正が税効果会計に与える影響
・平成26年度改正 3月末までに成立&公布予定
①生産性向上設備投資促進税制
・H25年度改正の「生産等設備投資促進税制」とは別の税制
・H26.1.20-H26.3.31までに要件を満たす資産を取得した場合、H26.4.1以降の事業年度で適用できるという経過措置が設けられる予定
⇒一時差異に該当
②所得拡大促進税制
・H25改正で創設、H26改正で要件緩和
・H26.3期において、改正前×、改正後◯の場合、H27.3期も要件◯であれば、H26.3期分をH27.3期に上乗せできる。
この上乗せ分が一時差異に該当
基準年度:3月決算 H25.3期(H24年度)
6月決算 H25.6期(H24年度)
③地方法人税
・税源移譲が目的なので実効税率は動かさないよう調整されるのでは?
■比較
(1)H26年度改正 生産性向上設備投資促進税制
・先端設備 or 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
・投資利益率が年15%以上
・経産省へのチェック必要
・ソフトウェア70万円以上等の最低金額は決まっている。
(2)H25年度改正 生産等設備投資促進税制
・その期の取得価額>償却費
・今期取得/前期取得>110%
・30%特別償却or3%税額控除(法人税の20%限度)
5.デューデリジェンス
(1)財務DDの着眼点
・ヒトの買収
⇒ 当該技術者を継続雇用できるか
・モノの買収
⇒ 所有権に瑕疵がないか
共有状況やライセンスの状況
知的財産に関する紛争の有無
・顧客の買収
⇒ 顧客基盤の承継可能性
(2)法務DDの着眼点
・スタンドアローン化に伴う問題点の有無
⇒ 売主グループから離脱して支障があるか
独り立ちして支障がないか
・TSA(TransitionServicesAgreement)
⇒ 売主側に取引の実行後も協力する義務を負わせる契約
6.平成26年3月期税務申告の要点解説
Ⅰ法人所得計算に関するチェックポイント
■減価償却費
・生産等設備投資促進税制、中小企業等設備投資促進税制
→貸付用資産、所有権移転外のリース資産は対象外
→特別償却を選択する場合、他の特別償却との重複適用がないか
■交際費
・中小法人については、800万円まで損金算入しているか
■貸倒引当金
・中小法人と金融機関等以外の法人は損金算入限度額を
従前の損金算入限度額の1/2まで(経過措置)としているか
■欠損金
・支配関係がある法人間でみなし共同事業要件を満たさない適格合併があった場合
引き継ぎ制限される被合併法人の欠損金等の範囲を確認したか
(グループ法人間での資産譲渡により生じた譲渡等損失が絡むものが追加された)
■過大支払利子税制
・平成26年3月期より適用開始
■中小企業税制
・中小法人 …資本金1億円以下の法人
資本金が5億円以上の法人の100%子会社を除く(直接、間接を問わず)
・中小企業者等…資本金1億円以下の法人
大規模法人(資本金が1億円超)に発行済み株式等の50%以上、または複数の大規模法人に発行済み株式等の2/3以上を所有されている法人を除く
Ⅱ法人税計算に関するチェックポイント
■雇用関連税制
・所得拡大促進税制
→給与等支給額が基準事業年度より5%以上増加しているか
→5%基準を満たさない場合は、平成26年度税制改正の要件を満たすか
・雇用促進税制
→税額控除額を1人あたり40万円としたか
・所得拡大促進税制と雇用促進税制は有利選択をしたか
■復興特別法人税
・課税期間の見直しがあり1年前倒しで廃止(今期まで)
・復興特別所得税は平成49年12月31日まで課税あり
■税効果会計
・法人の実効税率が改定
→平成26年4月1日以後開始事業年度…35.64%(外形標準課税適用あり・東京都)
Ⅲその他の重要項目に関するチェックポイント
■消費税
・短期前払費用処理を行った費用の消費税率が8%の場合
→仕入税額控除の方法を確認したか
7.IFRS適用におけるM&Aの会計処理(ソフトバンク事例)
・日本基準に比べ、IFRSの方が認識される無形資産の種類が多く、金額も大きい
⇒孫社長が、買収した米国Sprint社の周波数ライセンス等を高く評価し、簿価より約3兆円高く測定
⇒孫社長が、買収した米国Sprint社の周波数ライセンス等を高く評価し、簿価より約3兆円高く測定
・無形資産が多く計上される分、計上されるのれんも日本基準よりも少なくなる
・IFRSではのれんは非償却。耐用年数が確定できない無形資産も非償却
⇒SBでは、IFRSを適用しのれんの償却をストップしたことにより、年間約800億円の利益アップ
・日本基準
:期間損益計算を重視し未実現利益を排除
IFRSや米国基準 :M&Aで拡大する企業の為の基準であり、公正価値による測定が中心
8.退職給付会計における簡便法から原則法への変更
■留意点
①変更理由(2種類)
・会計方針の変更に該当場合
・事実の変更に該当する場合
②差額の処理
・会計方針の変更に該当場合
→遡及適用+注記
・事実の変更に該当する場合
→一時の損益(営業費用)+追加情報
9.生産性向上設備投資促進税制
【対象設備、要件】
①最先端設備
⇒最新モデル、生産性が年平均1%以上向上、最低取得価格以上
②生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
⇒投資計画における利益率が年平均15%以上、最低取得価格以上
【適用スキーム】
①最先端設備
⇒設備取得後、証明書(※1)をメーカーに発行してもらう
②生産ラインやオペレーションの改善に資する設備
⇒設備取得前に、確認書(※2)を経済産業局に発行してもらう
(※1)生産メーカーが工業会に承認してもらい、発行する
(※2)会計士か税理士が「投資計画案」「事前確認書」を作成し、それを経済産業局に提出し許可が下りれば発行される
10.牛丼並盛り 価格改定
(従来)吉野家、松屋、すき家 280円
(今後)吉野家→300円、松屋→290円、すき家→270円
・消費税増税の中で、松屋は実質価格据え置き、すき家は値下げ、吉野家は実質値上げ
・吉野家は、「中身の改良を行って付加価値増、価格増」
・売上に占める「牛丼並盛り」比率は、吉野家5割、松屋4割、すき家はそれ以下。
・吉野家としては、「牛丼並盛り」で儲けたいが…。
11.アイフォーン人気、日本は異常?
・アイフォーンがシェアトップの国は日本と、アメリカだけ
・アメリカでのスマホシェアは40% 対して日本はスマホ新規契約の7割がアイフォーン
・アイフォーンは他国では高級端末(平均的なアンドロイド端末が276ドル、アイフォーンは650ドル)
・日本では、他社乗り換えで実質0円のためアイフォーンが普及
→今後は販売報奨金の引き下げでシェアが落ちる?
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
決算早期化・開示支援、株価算定・財務調査、IPOのための内部統制支援
ワンストップでサービスを提供
ワンストップでサービスを提供
0 件のコメント:
コメントを投稿