1.架空の業務委託契約による売買価額の分散を認めず
(請求人の不動産購入行為に事実の仮装なし)
【事例】
①A社が土地付き建物を、総額222Mで購入
②180Mは売主に、42Mは仲介業者へ支払(契約を別締結)
③180Mを土地・建物の取得価額に按分 + 42Mを建物の取得価額に参入
④42Mは土地・建物の取得価額に按分すべきだったとして修正申告
⇒180Mと42Mに契約を分けたのは、仮装隠蔽行為に該当するか?
※上記③の経理をしたことは、仕入税額控除を過大計上する意図があったのでは?
【審判所判断】
・仮装隠蔽行為に該当せず(重加算税の対象外)
・契約を分けたのは、売主側の都合(A社は主導していない)
・『隠蔽』
→課税標準等の基礎となる事実を隠蔽し、又は故意に脱漏したこと
・『仮装』
→所得、財産、取引上の名義等に関し、故意に事実を歪曲したこと
2.ヤフー判決で組織再編実務の常識が崩壊
■まとめ
・法人税法132条の2の適用
「事業上の目的」「事業上の理由」ではなく「組織再編全体として見た場合、組織再編税制の趣旨・目的に明らかに反している」とき
・今後は、事業上の目的・理由だけでなく、税負担減少効果が組織再編税制の趣旨・目的に沿っているかという視点が求められる
≪専門用語:マージン課税≫
・消費税の課税をインボイス方式にした場合、個人、免税事業者はインボイスを発行できないので、それらからの仕入について、仕入税額控除が出来ないという問題が生じる
・この問題の解消のため、収入-原価=利益(マージン)をもとに消費税を計算する制度のこと
・ヨーロッパの一部では導入済み。主に中古取引などが対象となる
3.先端設備リースの会計処理、変更点は?
■リース手法を活用した先端設備等導入促進補償制度推進事業
平成26年度中にリース会社が、先端設備等のリース取引を契約し、リース期間終了後から1年以内にリース物件を売却した際の損失の1/2を補填
※各種条件あり
※リース会社は事前に一定の補償料を支払う
■リース手法を活用した先端設備等投資支援スキームにおける借り手の会計処理(案)
・ファイナンスリースかどうかの判断
→他のリース取引同様に判断
・再リースに係るリース期間を解約不能のリース期間またはリース料総額に含めるか否か
→他のリース取引同様に判断
・リース取引開始日後にリース取引の契約内容が変更された場合
→ファイナンス・リース取引かオペレーティング・リース取引かの判定を再度行う
4.裁判事例から学ぶ法人事業税・資本割の留意点
■株式交換を行い子会社株式を取得した場合、外形標準課税の軽減措置が受けられる
外形標準課税軽減額=資本金×子会社株式の簿価/総資産の簿価
子会社株式の簿価についての定めが曖昧
⇒法人税法上の簿価 : 株式交換直前の簿価
会計上の簿価 : 株式交換後の簿価
・裁判所の決定
⇒法人税法上の簿価
※外形標準は地方税であるが、法人税法を適用することが妥当との判断(高裁で審理中)
5.消費税確定申告の留意点 26年4月決算法人
<適用税率を誤りやすいケース>
①計上もれの売上を決算整理で計上する場合
⇒26年3月までの売上は5%、26年4月の売上は8%
②売上等の締日が月末でない場合
⇒たとえば20日締めの場合、3/21~3/31分は5%、4/1~4/20分は8%
③経過措置の対象取引がある場合
⇒経過措置対象取引は5%(EX:25年9月契約工事が4月に完工した場合)
④売上に係る対価の返還があった場合
⇒26年3月までの売上に係る返還は5%、26年4月分の返還は8%
6.上半期の新規上場企業数は27社
■上場企業数の前年同期比
前年同期20社に対し、7社増
■主幹事証券の推移
・2013年度
野村証券 8社
みずほ証券 4社
大和証券 3社
SMBC日興証券 2社
SBI証券 2社
三菱UFJ証券 1社
・2014年度
野村証券 9社(占有率40%⇒33%)
みずほ証券 4社
大和証券 4社
SMBC日興証券 4社
三菱UFJ証券 3社
その他中堅 3社
中堅証券(いちよし、東海東京、東洋)が主幹事を努める会社が0社⇒3社と増加
また、メガバンク系証券(みずほ、日興、三菱)が7社⇒11社(35%⇒40%)と増加
■騰落率
公開価格>初値 となった会社
2013年 0社/20社(年間を通しても1社)
2014年 5社/19社(5月28日現在)
2013年はIPO=騰がるであったが、2014年は冷静な銘柄の選別が行われている印象。
7.消費税:H26.3期決算向け改正チェック 事業者免税点制度
基準期間における課税売上高による判定で免税事業者となる場合でも、特定期間(※)における課税売上高または給与等の金額が1,000万円を超える場合には、課税事業者となる。
(※)原則として、前事業年度開始の日から6ヶ月の期間
■前事業年度が『短期事業年度』に該当する場合には、前々事業年度を用いて判定する特例がある。
⇒前事業年度が8ヶ月未満の場合には、特例による判定方法の確認をする必要がある。
設立や決算期変更があった場合は特に複雑。
(参考)
8.IPOビフォーアフター
・今年のIPOはすでに19社
・引き続き活況
「上場後、明らかに応募者の質・量が上がった」
9.リニア革命
・2027年品川―名古屋間開業
・2045年名古屋-大阪間開業
・時速500キロで、品川-名古屋間は40分、大阪までは67分になる。
・東海道新幹線が大阪に伸びたときは「ストロー減少」で大阪が衰退
※「いざとなったら日帰り出張できる」ということで大阪の会社が東京に本社移転。
・リニアの駅は、「1県1駅」
→駅があっても人が降りてくれるわけではない。
→長野県飯田市は、観光資源開発を目指す(ヘリコプターによる山岳観光など)
・名古屋-大阪間は京都ルートにするか奈良ルートにするかで両市が火花
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